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七海耀 さんのレビュー一覧 

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  • 4人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/09/20

    若杉が世を去り、彼が欧州で活動していた時期の録音が二点纏めて登場した。これは、RCAがNAXOSに対抗するレーベルとしてArte Novaを立ち上げた時に、若杉が、ザールブリュッケン放送響(当時)と集中的に録音したものに、少し前のハイドンを加えたものである。若杉の「英雄」はドレスデンのものも出ているが、私はこちらの方が好きである。これほど余分な力の抜けた、余裕のある「英雄」も珍しい。しかし、第一楽章の提示部は反復され、歌に満ちた見事な出来となっている。スケールも大きい。大家の風格でる。わたしは、Arte Novaが若杉とブルックナーの交響曲全集を完成しなかったのを残念に思っている一人である。スクロバチェフスキとの録音は、それはそれで大変素晴らしいのだが、このセットに収められている2番と9番を聴くと、スクロバチェフスキとはまた違った魅力あるブルックナー交曲全集が出来あがっていただろうし、何より日本の指揮者が海外のオケとブルックナーの交響曲全集を残す、最大のチャンスだったのであり、今後そのような機会が訪れるとは思えない。若杉のブルックナーは、N響との3番と7番、東フィルとの9番があるのだが、若杉とザールブリュッケンの1番、5番、8番など聴いてみたかった。2番は、はっきり言って数あるこの曲の代表的録音と言って差し支えなく、カラヤンよりは良いと思う。9番も、スクロバチェフスキみたいにテンポを動かさないだけ、正攻法で音楽的だと思うし、「エロイカ」に至っては、スクロバチェフスキのOehms録音より良いと思う。ハイドンの71番も、録音はおろか、実演で耳にする機会さえ稀だが、ハイドンの交響曲につまらないものはなく、これも聴きこめば魅力のある佳曲である。録音も素晴らしい。若杉弘の録音上の最良の仕事として、このセットは大変価値あるものである。

    4人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 0人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/09/19

    録音が古く、オケの高弦の音がザラつき気味なのが惜しいが、ソロは大変クリアだし、なにより、奏でられている音楽が素晴らしいので録音を忘れて音楽に浸れる。遅めのテンポだが、耽溺しているようなところはなく、バッハの音楽美が素直に表出されていると思う。これは当時のデザインを再現したものかわからないが、ジャケットも簡素かつセンスがあり大変よろしい。フィッシャーの現代的バッハ、ハーンの先鋭なバッハもよろしいが、こういう歌に溢れたバッハもよろしいと思う。フランチェスカッティの録音と共に、座右において聴くべき名品。

    0人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/09/19

    チャイコフスキーの「悲愴」で、これは酷いという演奏に出くわしたことがない。耽溺、爽快、どちらでの方向にも解釈可能な音楽である。N響+岩城、バーンスタイン+NYP(DG)などは前者、カラヤン、ドホナーニ、小澤などは後者。このルートヴィヒの解釈は、どちらかと言えば後者に属するか。録音も59年という年代を考えれば、必要にして十分だし、演奏もまたしかり。ハンブルグのオケが50年代末にルートヴィヒなんて指揮者と「悲愴」を録音していたという事実だけで面白いし、余白のドヴォルザークのスラヴ舞曲3曲も気が利いている。なにやら時代の雰囲気のようなものが音楽から聞こえてくるのは、何も古めかしいジャケットやフォントのせいだけではないだろう。

    1人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 14人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/09/13

    このところ、バーレンライター版の全集を聴いて、久しぶりにこの朝比奈の最後の全集に戻ってきたけれど、いや、やはり素晴らしい。新全集の場合、編成と楽器のバランスで内部のテクスチャーを明解に表出しているのだが、朝比奈の場合、その逆である。楽器のバランスはいじらないが、全てをしっかり吹き、弾くことでほぼ同じことが出来ることを証明して見せている。さらに、素晴らしいことにフルオーケストラが全力でやるものだから、そのスケールの大きさ、分厚さと言ったら比類がなく、このベートーヴェンを知っている海外のファンが少ないのは全く残念としか言いようがない。カラヤン、ベーム、ジュリーニ、バーンスタイン等、大物による全集数あれど、これほどオケは鳴っていない。ベルリンもウィーンもロンドンもシカゴも、朝比奈が振る日本のオケと較べると、余程スケールが小さく聞こえる。もう初期の1番と2番が、そこいらの海外オケのやるエロイカを上回るスケールで鳴ってくれる。朝比奈のこういう資質に唯一合わないのが、8番だと思うけれど、残りは文句なしである。ティンパニのロールもちゃんと聞こえるし、弦の刻みもちゃんと数通りに聞こえる。楽譜が目の前に展開するようである。金管もちゃんと吹き、ちゃんと聞こえる。20世紀を代表する指揮者、朝比奈隆の晩年の雄姿である。

    14人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 4人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/09/12

    批評家の宇野功芳氏は、この全集を、ジンマンの全集と較べて、「借もの」と評していたが、そうは思わない。ジンマンの全集と較べても遜色なく、それどころか、弦は対向配置で原典版の定石を踏まえている。3、5、6、9番と言った有名どころがかなり良いし、1、2、4番などもコンパクトで、まさに、それ自体完結したミクロコズムの様相である。こういう室内楽的演奏だと、普段録音で気になる東京シティフィルの弦の細さも気にならない。しかし、スケールの大きさのようなものにも欠けていない。録音も、やや抜けが悪いが、それでも十分良い。敢えて、盆栽ベートーヴェンと呼ばせてもらう。要するに完成度が高いということだ。

    4人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 6人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/09/02

    バーレンライター版による全集だが、モダン楽器の伝統的解釈に慣れた向きにも、それほどの抵抗なく受け入れられる演奏ではないか。楽器間のバランスをかなりとっていて、内声部がクリアで、左右のバイオリンの掛け合いもよくわかる。木管はビブラートがしっかりかかっている。ノリントンやパーヴォ・ヤルヴィの演奏のようなアタックの強さはないが、全体に音価を短くとったクリスプな印象。ダイナミクスの幅が大きく、弱音部は本当に弱い。「草食系」というと、まさにピタリの印象。しかし、奇数番号の出来は良く、3番、5番、7番、9番など聴きごたえがある。1番、2番、6番、8番も良いが、4番はやや不出来か。これは、バーレンライター版でも、異色の演奏というべきではないだろうか。オケは巧く、音も非常に良い。ダイナミクスの幅が広いので、ボリュームはわりと大きめに設定しておかないといけない。

    6人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 0人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/08/29

    数あるシベリウス交響曲第2番の録音の中で、わざわざこれを選ばなくてはならないという理由はないのだけれど、広響の実力を知る意味で購入。スタジオ録音だと思うのだけど、音場がやや狭く、響きが開放されない感じで、ティンパニなんかもややこもりがち。音楽も、テンポ設定が遅くやや推進力が足りないか。だが、スケルツォあたりから調子が出てきて、最後は無難にまとめている。この曲の第一楽章をうまくやるのは難しいと思う。別に、この録音がダメとは言わないが、札幌交響楽団が、尾高あたりとシベリウスの交響曲全集をやれば良いのではないかと思うのだがどうだろうか。

    0人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/08/24

    まず驚いたのは、第一楽章の主題提示部が反復されていること。1961年の録音で、それもドイツ圏内でこれは珍しい。テンポの動きはそれほどないが、第4楽章コーダ直前でテンポを落とし大見えを切るところは、なるほど時代を感じさせる。が、しかし、これが説得力がある。録音は、やや古臭いが、鮮明で鑑賞に支障なし。テンポは総じて妥当だし、第一楽章での木管の強調など、他の録音では聞けないようなところも多々ある。付録の「レオノ―レ第2番」も力強い。廃盤で消える前に入手すべきでしょう。

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  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/08/22

    ヨッフムのブラームスの交響曲は、商業用録音としては全集を二度、放送録音などでは幾つか単発のものがある。音を考えれば、EMIと録音したステレオで、あれは初出当時でも評価が高かったと思うが(逆に、ベートーヴェンは酷評されていて、ヨッフムと言えば、カラヤンやベームの後塵を拝し、二流指揮者の代名詞みたいになっていた)、この最初の全集のほうがフォルム引き締まっており優れていると思う。1番から4番までレベルが高く、古典的な造形の中に、ロマン性の充溢が見られ、大変よい。録音はモノラルであるのが気にならないほどクリアで、臨場感さえある。1951年から1956年にわたって録られたもので、会場はイエスキリスト教会。このクオリティでフルトヴェングラーのブラームス交響曲全集が残されていたら素晴らしかったと思うのだが、歴史はそうはならず、様々な音源のリマスター合戦が現出し、コレクターの散財は募るのみ。影のフルトヴェングラーなどと言わず、壮年期ヨッフムの代表的録音として傾聴すべき全集。

    3人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/06/14

    何気なくプレーヤーに入れて聞き始めたら、聞き入っていて、最後までそのまま持って行かれちゃうってことがあるけど、この演奏なんかそうですね。70年代のN響ですが、必要にして十分な技術。それよりも、この音の密度は、フルトヴェングラーやクレンペラーが君臨した巨匠時代以降、かろうじてジュリーニや朝比奈が受け継ぎ、今となっては聞くことも叶わないもの。それだけオケの入れ込みようが凄く、弦が鳴りきっている。ティンパニの打ち込みも力強さのなかにも決然とした意思を感じる。スケルツォなど、金管が強烈に吹いているが、不思議に下品さはない。マタチッチはN響に愛着を持っていたようだが、N響も渾身の力演で応え、少々の疵など問題にならない見事な第九となっている。日本のオケは、海外のどのオケよりも第九をやる頻度が高い筈で、記録に残っていなくても、選りすぐれば、相当な豪演が行われていたことだろう。これはそのひとつに違いなく、幸運にも記録されていた。

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/06/14

    2500円以上する一般価格ならこれを買うには勇気がいるが、780円となっている只今現在、お試し気分で購入。一番良いと思ったのは「フィンガルの洞窟」。引き締まった響きで、雰囲気もたっぷりである。芥川作品も良い。メインのベト4は、新日本フィルとの大録音があるから、朝比奈のベト4としては、イチオシではないけれど、後の朝比奈を予感させる構えの大きさが魅力。ソノリティも厚い。朝比奈の音楽である。息の長い第二楽章は特に印象に残る。NDRハンブルグとの2番も、第二楽章が良かった。ただ、いかんせんモノラルだし、1956年ならもう少し音が良くてもよいように思う。もちろん、放送録音だから、ノイズなんかはなく、決して悪いわけじゃないけれど。それと、ホルンがちと不安定。

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  • 6人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/06/13

    いいですね。10番以前に、ベートーヴェンの交響曲全集としての基本的クオリティが高い。これらの録音は以前、国内版ではファンハウスから出てましたが、このように安価に復活したことは慶賀の至り。音も良いです。ケーゲルやヴァントの全集と較べてもそん色なく、バーンスタイン・NYPのように、出来不出来に凹凸がないのも良い。金管も活躍。ロンドン響だから演奏の質が悪いはずもない。ヴァイオリンが両翼配置なのも良い。特に7番でこれは重要。リピートもあり。5番の第4楽章のリピートは欠かせない。ブックレットはついているが、タイム表記がないのだけが残念だが、10盤の解説は英語だがちゃんとついている。買い!

    6人の方が、このレビューに「共感」しています。

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     2011/06/13

    CDのところでもフライングしましたが、どうせなら、こっちのほうが良いので、私はこちらにするつもり。武満のこの作品は、かなり視覚的な要素も多いし、マルチチャンネルのほうが良い。ショスタコは、並みいる強豪があるけど、ベルリンフィルだから、まあそれ相当の演奏になっているでしょう。佐渡らしい、小さくまとまらない豪快な演奏を期待している。

    0人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/06/09

    ガンゼンハウザーは、バリー・ワーズワースやエイドリアン・リーパーらとともに初期のナクソスを担ったアメリカの指揮者。初期のナクソスは、録音がイマイチのものが多いが、これは非常にクリアに録れており、演奏も良い。やや金管に馬力がないのと、少しテンポが遅めなので、やや几帳面過ぎるという感じがするが、フルプライスでこれより劣る演奏はいくらでもある。小澤とフランス国立響と較べても、こちらのほうが良いと思う。コンサートでも人気の通常レパートリーだが、以外と満足出来る録音は少なかったりする。

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  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/06/01

    フライングで失礼。ライヴでご覧になった方もおられるのでしょうが、これは楽しみ。しかし、武満のこの作品こそマルチチャンネルでしょう。SACDでないのが残念。あと、ひとつのコンサートを収めたということだから、Blue-RayとDVDで出ないかなと思う。

    3人の方が、このレビューに「共感」しています。

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