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eroicka さんのレビュー一覧 

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     2013/05/01

    シューマンはずっと探していた珍盤で数年前に発売されたときに聴いてから、久しぶりに取り出してきいたが、ユニークさでは、メンゲルベルクとエミール・フォン・ザウアーのライヴ盤と並んで比類ない。好みは二分するだろうし、テクニックを重視する向きには嫌われるだろうから、万人には薦められない。酔って引いて言うのかと思える箇所も散見され、ピアノを真面目に習った人ほど毛嫌いするか嘲笑するだろう。フリッチャイの指揮の巧さに喝采だ。しかし、このアクの強さはたまに強烈に聴きたくなる禁断症状を引き起こす。むしろスゼーとの詩人の恋はずっと安心して聴ける。ヒストリカル派はぜひ。

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     2013/05/01

    往年のウィーンならではのメロウな弦の響きが何とも素晴らしい。時代がかっているのかもしれないが、もはや現代では聴くことができない響きだ。ブラームスではフックスのクラリネットは響きが明るすぎるうえ、アウエーでの録音だけにウエストミンスター録音のような緊密さは薄い感じは否めない。が、ウィーン・コンツェルトハウス四重奏団はほとんどモノラル録音しかないので、比較的良好なステレオ録音が残されたという点で貴重だ。懐古趣味に過ぎるのかもしれないが、当時豊かとはいえなかった極東の国で、この録音を残したスタッフの慧眼には感心させられる。

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2013/04/22

    いつものバックハウス翁らしい無骨な演奏が、BBCによるライヴ録音のモノラルテープの音質はセピア色のように色彩感は乏しく音も遠い印象だが、ライヴらしい雰囲気はあり、鑑賞には差し支えない。モーツアルトもベートーヴェンもセッション録音よりは即興性や柔軟さ、ロマンを漂わせた演奏で、ミスタッチもみられるが、ファンは抑えておきたいところだ。何より選曲のよさは贅沢で、幸せな読後感が得られる。

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  • 4人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2013/04/18

    有名な名盤なのでコメントするのは屋上屋をかさねるようだが、オケもソロも隙のない技巧を駆使して遅めのテンポでじっくり丁寧に響きと歌を味わいつくすかのような名演だ。アシュケナージは表現が甘口でややゴージャスに過ぎるきらいはあるが高いテクニックや音楽のバランスのよさは抜群だ。この当時数々の名盤を残したハイティンクはただ無難なだけでなく構成を考えたつつ情熱をのぞかせる指揮ぶり。コンセルトヘボウとウィーンフィルを起用した効果は絶大で1番の暗い情念の中にただよう若さ、2番の荘厳さと明るさという曲の性格の描き分けに大きく貢献している。特に2番はバックハウスとベーム共演盤やポリーニとアバド共演盤同様、昔のウィーンフィルの芳醇な響きを良いステレオ録音で堪能するにはもってこいの1枚だ。アシュケナージには、2番はメータとの共演盤もあり、覇気の強いそちらを高く評価する向きもあるだろうが、総合的にはこの録音に軍配が上がる。

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     2013/04/18

    ベルリンフィルとウィーンフィルの名手によるブリテンらの室内楽。有名とはいえないとしても比較的聴きやすい曲が多いのだが、曲の価値が高まると思えるほどの名手の妙技を楽しめる。

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     2013/04/14

    昔は大金に飽かせてアメリカの富豪が傲慢にも客を買収して音痴の歌を聴かせた録音と思っていたが、心の問題があるのか自分の歌や状況を客観視できぬまま、多額の金を使って声楽家デビューし、奇矯さも手伝って実質的に芸人として人気を博し、事実上芸人のような歌い手になったというのが真相のようだ。76歳で亡くなる1ヶ月前、1944年10月25日のカーネギーホールのライヴ音源が中心だ。アセテート盤への記録で音は遠く(これに限っては近くで聴きたくないかも)ノイズも多いが、存分に音痴ぶりと、既に衰えた声を堪能?できる。このレコードは本人の死去も相俟ってか当時大いに売れたといわれる。過去の娯楽の貴重な歴史的記録としての意味は認めるが、音楽CDとしては疑問符がついてしまう。自分の歌が笑いの対象となるのを承知していたか知らないが、ジェンキンスという人が幾分哀れにも思える。堅いことは言うまい。ただ音痴ぶりをエンターテイメントとして楽しめばよいのだろう。それにしても1944年10月25日といえば第二次大戦の真っ只中。太平洋では米軍の比侵攻、レイテ沖海戦や神風特攻隊初出撃といった死闘が繰り広げられ、日米に数多の死者が出ているし、ヨーロッパでもまだドイツ国境の街アーヘンでの激戦などがあり、多数の米兵が死傷した。その頃、ベルリンやウィーンではフルトヴェングラーが切羽詰った数々の名演を残しており、そうしたことを考えると、アメリカの富豪たちが戦争に斃れる自国民のことすら忘れ、愚かな芸を楽しみ享楽に耽ることに、どうにも違和感がぬぐえないのだが。

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2013/04/13

    ウィーンフィルの仕事が中心だったためか、シュルツのソロアルバムは名声の割りに意外に少ない。ベルリンフィルなら、ゴールウェイは別格としてパユに比べても録音数の差は歴然だ。ウィーンフィル来日公演やDVDではほぼ必ず木管の席に鎮座し存在感を放っているのを、ホールの客席やテレビでお見かけしていたものだが。モーツアルトの3大オペラのおなじみのメロディーをサロン風に演奏し、イージーリスニング的なコンセプトで作られたアルバムのようだが、Westminsterレーベル当時のバリリ四重奏団やコンツェルトハウス四重奏団時代の香りを残したウィーンの室内楽は質が高く流して聴けず、つい耳が向いてしまう。仮に高級レストランにでもいく用があって、これが流れていたら、恐らく相手との話も料理もそこそこに音楽に聴き入ってしまうだろう。黄金のフルートが奏でる黄金のサウンドはまろやかな輝きと厚みがあり、弦の奏者も甘く繊細な音色で支える。こういう分かりやすくて質の高いものは、情操教育のために子供に聴かせるべきものだとも思う。

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     2013/04/11

    晩年のヨッフムがEMIに残した録音のほぼすべてが網羅されている。3つの交響曲全集はLP時代末期にもてはやされた名盤。特に格調高いブルックナーは東側時代の素晴らしいSKDのサウンドを聴ける。発売から30年以上経った今でもブルックナーの演奏を語る上では必須の名盤の一つだ。重厚で堅牢な構成力の中に即興的なロマンを感じさせるブラームスやベートーヴェンも個人的には思い出深いが、モノラル時代のDGへの旧録音を聴いてしまうと、オケのサウンド、気力やロマン、ドラマ性という点で幾分物足りなくなるのも確かだ。第9の独唱にはキリ・テ・カナワのほか、まだワーグナー歌手として有名になる前のロベルト・ホルも参加している。

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  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2013/04/09

    良くも悪くも東京文化会館らしい典型的な当時の日本のホールの音で残響が少ないため、雰囲気や響きの融合感は薄いが、個々の楽器の音や舞台の上の息遣いは鮮明で生々しい。克明な録音も相まってアンサンブルの強靭さやダイレクトな迫力が凄い。高くなくとも良いオーディオやヘッドホンがあれば、東京文化会館の一階前列の席で聴いているような贅沢な気分を味わえる生々しさだ。その臨場感がこの録音の存在価値だといえる。演奏はいつものムラヴィンスキー節だが、初来日というアウエー(後に彼は親日家になるのだが)での演奏だけに(政治的な体制の違いなどによる?)緊張感の中に、そこはかとなくよそゆきな雰囲気が微妙に漂っているような感じはする。また、会場のせいで響きの潤いは薄く、豊麗な響きを楽しみたいのならば、本拠地やウィーンでのライブ音源が複数あり、それを勧めたい。

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     2013/04/01

    ドラティの端然とした「エンサガ」やギブソンの陰影に富んだ「カレリア」も良いが、何といっても聞き物はサージェント指揮ウィーンフィルのフィンランデイアなど有名曲集だ。音質はEMIのステレオ初期のものだけにヒスノイズがあるうえ、ホールの2階席後方から聴いたような音だが、ウィーンの芳醇な香りを衒いのない解釈で振りまき、ダイナミックさも十分だ。このサージェントの音源は国内盤でもずっと最近まで出続けてきたが、その意味が分かる。シュナーベルやハイフェッツの伴奏をしていた地味な指揮者だが、惑星など迫力ある録音を晩年は残しており、侮れない。

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     2013/04/01

    このシリーズは、メンデルスゾーンのスコットランドの編集が不適切だのと厳しい指摘があるため、このシリーズはなかなか手が出ず、セール価格だから買ったようなものだが、ライヴだけにコリン・デイヴィスという名前から一般的にイメージする穏健さ、端正さというものとは違った側面を見せてくれる一枚。端然とした紳士的品のよさというものから一皮剥けて、劇的な表現、スケールの大きさ、ライヴらしい高揚感が感じ取れる。特にブラームスの3番は思わぬ拾い物だ。テンポは遅めで重厚な演奏だ。SKDも東側の時代に比べややアンサンブルの緻密さが緩んできた感は否めない(ブロムシュテットの全集と比較すれば瞭然)が、特に未完成では木管セクションが実に美しい響きを聴かせている。同じ日のライヴのはずだが、未完成よりブラームス3番の方がテープの音が微妙に劣化しているように思える。

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     2013/03/30

    クレスパンにはショルティ指揮ウィーンフィルとの有名な全曲盤があるが、ミントンら硬質な声質の共演者が多いのが惜しく、ギューデンらと共演したこの抜粋盤のほうが曲のイメージにあっているように感じる。ドラマとしての起伏や演奏解釈ではショルティに軍配が上がるが、ウィーンらしい魅力や表現の自然さはこちらのヴァルヴィーゾ盤が優っている。おそらく歌手も歌いやすかろう。どうせ録音するなら、全曲盤の方がよかったのではないか。以前出ていたCDを聴いての印象だが、音質は当時のDeccaらしく個々の楽器の分離のよさと適度な残響のバランスのとれたものだ。いずれにせよ、当時のウィーンフィルの芳醇なサウンドは薔薇の騎士には最適で、この抜粋盤は勿論、ショルティやバーンスタインの全曲セッション録音やカラヤンらのライヴ盤などが残っているのは幸いだ。

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     2013/03/28

    1947年8月にウィーンフィルとザルツブルク音楽祭で共演した時のライヴ。サウンドや演奏スタイルは1952年1月の有名なライヴと同一と見まがうばかりに似ている。マイクが近いせいか弦や木管のむせかえる甘美な響きが貧しい録音を通じて聴こえる。勿論、2週間後のルツェルン音楽祭のライヴも同様の演奏で、50年のコンセルトヘボウ、51年のNDR、52年のベルリンフィルなど、いつものフルヴェン節がここでも聴ける。47年11月にウィーンフィルともSP用にセッション録音しているが、それだけは(例えば晩年の朝比奈隆のような)即興的な流動性より渋い構築感が前面に出た演奏だ。だが、フルヴェンらしい昂ぶりや躍動感は薄く、まるで別物であり、この4ヶ月前のライヴとの演奏解釈の落差は何なのだろうか、と改めて考えてしまう。これも私的なエアチェック音源らしく、あまり状態は良くなく所々音揺れや大きなノイズが入るが、思ったよりは聴きやすい音で、回転ムラが全体に目立つ同時期のルツェルンライヴよりは個人的にはマシだと思った。

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     2013/03/20

    トスカニーニ流の峻厳さとワルターの穏健さが化学反応して起きた名演奏。アメリカ時代のワルターは速めのテンポと時には荒々しいダイナミズムを身につけていたのは、NYPとの2種のセッション録音からも明らかであるが、ここではトスカニーニの手兵NBCSOであったシンフォニー・オブ・ジ・エアを率いての追悼演奏会であり、トスカニーニへのオマージュとして彼の表現を取り入れつつ、単なるトスカニーニのコピーでないロマンも漂わせた演奏に昇華させている。フルトヴェングラーとは違った迫力だが、興奮度はウラニアのエロイカに近いものすら感じられる。音質は当時のアメリカの放送録音としては普通で、例えば欧州のRIASやORF、NDRなどの録音に比べてもう一つだが、鑑賞には十分差し支えない。力強いブルックナーのテ・デウムなども入っており、有名なM&A盤より音質はやや落ちるものの、価格も含めお得ではある。

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  • 4人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2013/03/20

    LP時代、パルジファルの代表的名盤として一世を風靡したもの。音質のよさも手伝い、多くの文化人が耳を傾け、「呪縛的」「神秘」「荘厳」と絶賛していた。モノラルの51年盤に比べ音質のアドバンテージは大きく、一般的にはクナのパルジファルといえば、この名盤を指す。クナの数あるパルジファルの中でも、この62年のステレオ盤は最も有名なものだ。51年盤には音質以外は負けているが、ステレオでクナの荘厳なパルジファルの録音が残っているという点で喜ばねばならない。たた、音質がクリアになって、緩急自在さや響きの持つエネルギーや黒い情念がダイレクトに伝わる分、最近のバイロイト演奏に比べオケの合奏の甘さなども目立ち、音質のクリアーさが神秘性のベールを剥ぎ取った側面も否めない。旧フィリップスのバイロイト録音の多くは、カタログから消え始めているが、少なくともこのクナのパルジファルとベームの指輪は残さなければ、メーカーの知性を疑われよう。

    4人の方が、このレビューに「共感」しています。

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