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Venus Creek さんのレビュー一覧 

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     2009/07/20

    カール・デイヴィスの作品のうち、完全全曲を収録した最も新しいもののひとつ。
    2時間にもおよぶバレエ音楽の全曲盤(2枚組)を全部聴きとおすことは、なかなか根気のいる作業だと思っていたのだが、この《アラディン》は違った。

    冒頭の「ランプの主題」からして、海洋映画のメインタイトルのようで素敵ではないか!そして、この主題は全幕に渡って何度も登場する。さざなみの上、夜の海上を飛行しているようなこの主題のなんとも魅惑的なこと!
    そして、洞窟の場面で踊られる「ワルツ」は優美なことこの上なく、おそらくは21世紀に書かれた/書かれるであろうワルツの中で最も美しい曲になることは間違いないだろうと思う。チャイコフスキーもプロコフィエフも敵ではない。
    かと思うと、突然中国から街宣車がやってきたかのような賑々しい東洋趣味が出現したりする。
    場によってトラックが細かく分けられているから、トラックタイトルを見て、情景を想像しながら聴くのも楽しい。
    とにかく、冒頭から終結まで、聴き手をまったく飽きさせない。
    たいしたものだ。

    管弦楽は拡大二管編成のフルオケと、多種の打楽器だ。
    打楽器の使い方も含めて、これだけ色彩的な音をバレエのピットに入るオーケストラの編成で実現してしまったことは驚異的である。
    この録音では、マレイシア・フィルハーモニックを作曲者自身が指揮しているのだが、弦楽器が気持ち多めであろうか。ただ、もちろん技術は確かである。東南アジアのオーケストラだと思ってなめてかかると飛び上がらんばかりに驚く。


    デイヴィスのバレエ音楽では、ほかに《不思議の国のアリス》というのが面白い。チャイコフスキーのいろいろな作品を編曲したものに、仄かにデイヴィスのオリジナリティを加えて、とても楽しく仕上がっている。
    コルンゴルトが映画《夏の夜の夢》のためにメンデルスゾーンのいろいろな作品を編曲したのに似ているか。
    プラハ市交響楽団を自身が指揮した2007年の新しい録音がある。

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2009/07/20

    現代楽器による思い切りのよいハイドン演奏。
    ハイドンとクリスティアンの相性はきわめて良さそうであるから、どの曲でも楽しい結果になってに違いないが、いわゆる「パリ」シリーズがこのトンキュンストラーライヴの第一弾に選ばれたことがまずすばらしい。
    低部オーストリア音楽家集団とでも訳せばよいのだろうか。
    このオーケストラはなかなかどうして、輝かしい響きである。

    この演奏で6曲を聴いてから、アーノンクール、フェイ、デュトワの同じ6曲も録音を聴いてみたが、いちばんハイドンっぽいのはフェイだった。だが、いちばん「パリ」シリーズっぽいのはクリスティアンだった。

    クリスティアンは録音も多く出てきている。
    ブラームスの弦楽六重奏曲作品第36番の合奏版、バーンスタインの《マス》、ジョン・アダムズやスメーラの作品など、かなりマニアックと言ってもいい音楽に、とびきり素敵な録音をのこしているのだ。
    兄貴に較べると、レパートリー的にはかなりマイナー路線と言わざるを得ないが、ついにメジャー路線に出てきた感がある。

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