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masato さんのレビュー一覧 

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  • 5人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2012/03/30

     初めて第1稿を体験したときは「なんだ…このつぎはぎ音楽は…」でした。次々と“唐突”が現れ,鑑賞に身が入らなかった記憶があります。その後しばらく第1稿から遠ざかり,流麗・華麗なカラヤン,豪快なザンデルリング,どっしりヴァント,温かいクナッパーツブッシュ…と親しんできました。
     そして,久しぶりに恐る恐る第1稿を聴き始めました…。“つぎはぎ”と感じたのは変わりません。が,そのつなぎ目の何てなめらかなこと!よって,“唐突”感は皆無。全てがなめらかにつながっている。ここに聴くパウゼは決して休みじゃない。音楽そのものだ。音の止んだ状態の音楽だ。そして,そのパウゼの後に鳴り響く音の雄大なこと! 豊かなホールトーンに包まれた極上の美音が鳴り渡る。
     これで私の第1稿に対する偏見は消えた。というより,ザンデルリングやクナッパーツブッシュらと同等にさえ聴こえてきた…。

    5人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2012/03/29

     ハスキル&マルケヴィチのSACDのレビューに次のように書きました。「ハスキル,カーゾン,カサドシュ…本当に素晴らしいモーツァルトを残してくれた…。後の世代にも確かに名演はある。グルダは大好きだし,ブレンデル,シフ,ピリス,アルゲリッチ(ポリーニも入れていいかな…)らの演奏も凄くいい…。だけど,やはり何か大切なものがハスキル,カーゾン,カサドシュらに比べ足りないような気がしてならない…。何だろう…。「リスナーに受けるような演奏をしなければ…」という意識か…。「レコーディング=商品化」だから仕方のないことなんだろうけれど…。
     ハスキル,カーゾン,カサドシュは,自分が譜面から読み取った音楽を,完全に自分の方法で,淡々と,朴訥に,弾いている。「受けるように弾かねば…」とか「美しく弾かねば…」など微塵も感じられない。そして,そういう姿勢から紡ぎ出される音達の何と魅力的なことか…! モーツァルトに欠かせない“天然の純粋さ”“天然な無垢”を見事にこちらに届けてくれる。

     飾り気のない無垢…モーツァルトを最も魅力的に見せるために必要な要素は,突き詰めていくとこの“飾り気のない無垢”になるのではないでしょうか。それを最も感じさせてくれるのが上記3人であり,中でもこのカーゾンは他の2名より少し抜きんでているようにさえ感じます。特に27番(特に第2楽章!)。これ以上の27番は私には想像できない。

    2人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2012/03/29

     ハスキル&マルケヴィチのSACDのレビューに次のように書きました。「ハスキル,カーゾン,カサドシュ…本当に素晴らしいモーツァルトを残してくれた…。後の世代にも確かに名演はある。グルダは大好きだし,ブレンデル,シフ,ピリス,アルゲリッチ(ポリーニも入れていいかな…)らの演奏も凄くいい…。だけど,やはり何か大切なものがハスキル,カーゾン,カサドシュらに比べ足りないような気がしてならない…。何だろう…。「リスナーに受けるような演奏をしなければ…」という意識か…。「レコーディング=商品化」だから仕方のないことなんだろうけれど…。
     ハスキル,カーゾン,カサドシュは,自分が譜面から読み取った音楽を,完全に自分の方法で,淡々と,朴訥に,弾いている。「受けるように弾かねば…」とか「美しく弾かねば…」など微塵も感じられない。そして,そういう姿勢から紡ぎ出される音達の何と魅力的なことか…! モーツァルトに欠かせない“天然の純粋さ”“天然な無垢”を見事にこちらに届けてくれる。

     飾り気のない無垢…モーツァルトを最も魅力的に見せるために必要な要素は,突き詰めていくとこの“飾り気のない無垢”になるのではないでしょうか。それを最も感じさせてくれるのが上記3人であり,中でもこのカーゾンは他の2名より少し抜きんでているようにさえ感じます。特に27番(特に第2楽章!)。これ以上の27番は私には想像できない。

    2人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2012/03/26

     ハスキル,カーゾン,カサドシュ…本当に素晴らしいモーツァルトを残してくれた…。後の世代にも確かに名演はある。グルダは大好きだし,ブレンデル,シフ,ピリス,アルゲリッチ(ポリーニも入れていいかな…)らの演奏も凄くいい…。だけど,やはり何か大切なものがハスキル,カーゾン,カサドシュらに比べ足りないような気がしてならない…。何だろう…。「リスナーに受けるような演奏をしなければ…」という意識か…。「レコーディング=商品化」だから仕方のないことなんだろうけれど…。
     ハスキル,カーゾン,カサドシュは,自分が譜面から読み取った音楽を,完全に自分の方法で,淡々と,朴訥に,弾いている。「受けるように弾かねば…」とか「美しく弾かねば…」など微塵も感じられない。そして,そういう姿勢から紡ぎ出される音達の何と魅力的なことか…! モーツァルトに欠かせない“天然の純粋さ”“天然な無垢”を見事にこちらに届けてくれる。
     中でもこのハスキル,今回のSACD化で私の中で一層存在感を増した。まるで青森の恐山にいる死者の言葉を伝える“イタコ”のようだ…。モーツァルトが彼女に乗り移り,彼女の指を使って自作自演をしているようだ…(と思いたい)。

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  • 4人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2012/03/26

     恐らく私が知る中で最も美しく鳴り響いているブルックナー。ブルックナーというより,もしかしたら私が知る中で最も美しく鳴り響いているクラシック録音かもしれない…。職人ハイティンクとバイエルン放送響だから美しい響きがするなんてことは容易に想像できることですが,その想像をはるかに超えた素晴らしさ…もう,呆気にとられるレベル。
     私が5番で最も注目するのはピチカートとパウゼ。そのピチカートの粒立ち…最高だ。1速・2速・3速の3速マニュアルのようにしか聴こえない平板なピチカートを聴いたこともありますが,ここに聴けるピチカートは一つ一つ微妙にニュアンスも異なり,正に“無段階変則”の趣き。
     そしてパウゼ。ブルックナーやシューベルトは,パウゼが生きていないと退屈なものに感じてしまうのですが,ここに聴ける(?)パウゼはピチカート同様,最高。こんなに美しい余韻は初体験だ。ティーレマンのものも美しかったが,こちらは美しいだけじゃない。最高の録音も味方して,“深い”!
     私が最も好きなブルックナーの5番は,ヨッフムのライブ。ついでフルトヴェングラーやクナッパーツブッシュやカラヤン…と続く。残念ながらそれらの仲間入り…とまではいかなかった。だけど,ブルックナーの5番を最も美しく演奏し,最も美しく録音したのはこのアルバムだ。それは間違いない。

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  • 0人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2012/03/26

     とにかく音がきれい! 素晴らしい録音だ…! 臨場感たっぷりで,この名曲のよさをストレートに伝えてくれる。
     勿論,それもヤルヴィの名演奏があってのことで,強弱のバランス,漸強・漸弱,楽器の出し入れ,全てが見事に決まっている。あまりに見事に決まりすぎていて「もう少し“あおって”もいいんじゃないかなぁ…」と思ってしまうほど。ただ,それも贅沢な不満で,終楽章の終結部に向かって畳み掛けていく様は見事の一言。
     フルトヴェングラー,トスカニーニ,クナッパーツブッシュ,クレンペラーなどを聴くと「録音がどうのこうのなんて些細なことだなぁ」と感じるのですが,このアルバムを聴くと「録音の良さも大きな武器だなぁ」となってしまう…。

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  • 4人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2012/03/23

     直前に聴いたのがクナッパーツブッシュ&ウィーン・フィルのライブ…このアルバムにとっては少しタイミングが悪かった…。あそこまで包容力のある圧倒的な演奏を聴いた後では,殆どの第8番が色を失う…。
     冒頭も硬くきつい…!まるでポツンポツンと点を打つような開始。大きく深呼吸するようなクナのものを聴いた直後のため,なお一層その感が強くなる。弦や管もきつく,硬い…。クナのウィーン・フィルはまるで,羽毛のよう,降り積もった柔らかい新雪のよう。それに対してこちらは,固く凍てついた根雪のような固さ…正に凍結面だ。
     ところが,どうだろう…聴き進むうちに引き込まれていく…。「慣れてくる」のではない。「引き込まれていく」。凄く“硬い(固い)”音楽だ…それが徐々に魅力的な“剛毅さ”に変わっていく。これほど剛毅な第8番は初めてだ。初体験だからこそ,最初は戸惑うのは当然。終楽章の終盤ともなれば,「我が日本のオケがこの演奏をしているんだ…!」というナショナリズムも味方して,恍惚とした気分となる。
     ブルックナーは気の弱い性格だったと読んだことがある。だからこそ,このような“剛毅さ”が曲の魅力を増大させているのかもしれない。「私のようにこんなに気弱な人間が作った曲を,こうも力強く剛毅に演奏してくれた…」こう言ってブルックナーも最大の賛辞を送ってくれるに違いない。
     マタチッチ,いい指揮者,いい音楽家だった。

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  • 4人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2012/03/23

     前進性がたまらない魅力のバーンスタイン(新も旧も),温かいクーベリックやスイトナー,深くどこか物悲しいシノーポリ,流麗(すぎる…?)なカラヤン…魅力的な全集は数多。ところが,リズミカルだという点で,このサヴァリッシュ盤に勝るものはない。最高にリズミカル。第1番などウキウキしてきてしまうし,第4番の徐々にスピードアップしていく様に,ついつい顔がほころんでしまったりもする。漸強・漸弱が見事な第2番。バーンスタインやシノーポリ(特に旧盤)らが美しい“悲哀”を伝えてくれる緩徐楽章も,このサヴァリッシュ盤では“哀愁”となる。“悲哀”を克服し,達観視できるようになった大人の“哀愁”…ほんと,お見事だ。第3番も聴き進むうち,身体が動き始める。第1楽章の躍動感,最終楽章の爽快感…最高の「ライン」だ(ジュリーニもいい!)
     唯一の欠点だった聴き辛い録音も,今回のSACD化で見事不満解消。大きなヒスノイズも殆ど気にならなくなり,見事なアクセントを付加している(毎度だが)ゾンダーマンのティンパニも生き返った。
     私にとっては,間違いなくNo.1の全集。

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  • 7人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2012/03/23

     圧倒的な音楽だ。大迫力とか大音量とか暴力的だとか…そんなものとは全く違う、圧倒的な音楽。抜群のライブ感がそれに尚一層拍車をかける。大音量になると音が割れる,細部がよく聴き取れない,そんなことは些細なこととなる。そのライブ感は,自分があたかもムジークフェラインザールにいるような錯覚を起こさせるほどで,その錯覚のおかげで音の悪さなど脳内で見事に補正される。
     冒頭から指揮者・オケの“思い”がタップリと込められた音楽が進行。それが徐々に膨らんでいき,最初の爆発…その何という迫力!終始,ウィーン・フィルの美しい弦が耳をくすぐり,第3楽章でその美しさの頂点を迎える。ここまで恍惚とさせてくれる第3楽章には滅多に出会えない。終楽章が始まりしばらくすると,前傾姿勢になってしまっている自分に気付く。そして,コーダ以降は,仰け反っていることになる。
     これより美しい第8番を私は知っている。これより整った第8番も。しかし,これより圧倒的な第8番を私は知らない。

    7人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 0人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2012/03/20

     名盤のドイツ・レクイエムはどちらかというと“精緻”な印象。対して,こちらのミサ・ソレムニスは“荘厳”。しかし“精緻”さが無視されていることは決してない。“精緻”“荘厳”が同居しているのだから,もう言うことはなしだろう。遠目に見て荘厳・壮観の日光東照宮陽明門。ところが,近づいてみるとその精緻な造り・装飾に圧倒される…まさにその感じ。ここまで精緻に作り上げ,荘厳さを感じさせてくれる演奏は他にはないし,恐らくこの先も現れないだろう。カラヤン盤は好きだし,バーンスタイン盤には他の指揮者の演奏にはない“温かさ”がある。だけど,「1枚を選べ」と言われたら,私は間違いなくこのクレンペラー盤を選ぶ。今回のSACD化で,その思いはますます強まった。

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2012/03/20

     多くの指揮者がこの素晴らしい名曲を1つの音の“塊り”として私たちにぶつけてくるのに対して,クレンペラーは違う。一音一音を大切に丁寧に奏させ,それらを積み重ねて私たちに届けてくれる。積分した結果を届けてくれる多くの指揮者が多いのに対して,あたかも作品をまず微分して見せてくれて,それを改めて積分(組み立て)して見せてくれているかのよう。今まで耳に届いてこなかった音が聞こえてくるし,遠くでひっそりと鳴らされ殆ど聞き取れていなかったような音が,まるで主役であるかのような聞こえ方をしてくるし,ほんと,発見・再発見の宝庫だ。
     ソロの二人の余りに上手すぎる歌唱に抵抗感を感じてしまう瞬間もありますが,この名演に傷をつけるようなものでは決してありません。特に管楽器に対するクレンペラーの見事な強調などを考えれば,ソロの強調も十分頷けるもの。
     カラヤン,ジュリーニ,テンシュテット…名演は数多。そのどれとも違って聞こえ,そのどれもがもっていない魅力を届けてくれるクレンパラーに感謝です。

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  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2012/03/19

     すばらしい録音です。これほど充実した気分が味わえる録音,時間が経つのを忘れさせる録音,めったにないでしょう。とにかく音が綺麗なことといったら…エステ荘の噴水の煌くような高音…表現するための語彙がなく、情けないです。

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  • 5人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2012/03/19

     彼女の追悼盤だということで生まれる多少の思い込みを許していただくとして,凄く神秘的な声色(音色)に圧倒されました。ヴィブラートとはまた一味違った声の“震え”が生々しく,随所で鳥肌が…。
     特にヴォーカルソロアルバムはスピーカーからだけではなく,ヘッドフォンで聴くようにもしているのですが,そうるすと効果倍増。まるで耳元で囁いてくれているかのような感じ。とにかく“人の声”の美しさ・素晴らしさを存分に味わわせてくれるアルバムです。

    5人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2012/03/16

     枯れた音色が何とも魅力的。ただ,ブリュッヘン&18世紀オーケストラの音色も,すっかり“すっきりと美しく”感じるようになってしまった。奏者も我々の耳も“古楽器”に対してこなれてきたのでしょうか。
     かつてのベートーヴェンやモーツァルトやハイドンの交響曲など,美しさよりも“刺激”“躍動感”を楽しんだものなのに…。そして,その時得られた感動・喜びがまだ生きているおかげで,どうもこのレーベルになってからの彼らの音楽を十分に楽しめないでいる…。
     「ゆとりがある」「深くなった」それは否定できず,それはそれで非常に魅力的です。だけど,やっぱりかつての“刺激的”な音楽作りが私にはより一層魅力的に感じます。

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  • 4人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2012/03/16

     クレンペラーが指揮を執ると,何でこうも色んな楽器がよく聴こえてくるんだろう(録音スタッフの尽力もあるのでしょうが)。特に,埋もれがち,もしくは全く聴こえてこないようなこともしばしばの管楽器。それも,クレンパラーの手にかかると,実にはっきりと,おまけに生き生きと聴こえてくる。下手をすれば「バランスを崩す」ということにもなりかねないんだろうけど(特に“ドッシリさ”が魅力となる,このブラームスの交響曲なんか),絶妙のさじ加減。バランスを崩さないどころか,一層魅力的に聴かせてくれる。ほんと,これには感心・感服です。

    4人の方が、このレビューに「共感」しています。

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