本サイトはJavaScriptを有効にしてご覧ください。
ゲスト 様
様
プラチナ会員
ゴールド会員
ブロンズ会員
レギュラー会員
本・CD・DVD・ブルーレイ・グッズの通販はHMV&BOOKS online
詳細検索はこちら
トップ > My ページ > フォアグラ さんのレビュー一覧
次のページへ
検索結果:457件中1件から15件まで表示
%%header%%
%%message%%
0人の方が、このレビューに「共感」しています。 2025/02/18
昨年日本で行われたオーケストラ・コンサートで多くの人がベストにあげたのがラトル/バイエルン放送響のマーラー7番。私もそう思う。そして東京公演がテレビで放映され、ラトルのインタビューもあった。ラトルによるとベルリン・フィルとバイエルン放送響で同じドイツのオケでここまで違うのかと本当に驚いたそうだ。実際リハーサルを見てもたしかに違う。ベルリン・フィルの団員は都度ラトルの解釈を吟味し聞き流す。バイエルンはラトルに対して「サイモン、もう一度やりたいんだけど」と気軽に問いかける。マエストロとは呼ばない。ラトルも嬉しそうだ。インタビューでのラトルの解説も、思わず、そう、そういう曲なんだと声を出しそうになった。そのアイデアは演奏に存分に生かされている。ラトルはコラージュ的に分裂する楽想を面白くて仕方がない様子で振りオケもそれに乗る。このCD録音は日本公演直前のものなので解釈はほぼ一致しており、録音も優秀。ただ、ラトルの指揮を見れたほうが面白いのも事実。それでもこれは7番のベストを争う名演であると思うし、現ベルリン・フィルのシェフ、ペトレンコが州立劇場オケを振った7番よりはるかに読みは深く納得させられる。
0人の方が、このレビューに「共感」しています。
このレビューに共感する
0人の方が、このレビューに「共感」しています。 2025/01/09
「わが祖国」が圧倒的名演であったビシュコフ/チェコ・フィル。ドヴォルザークも名演間違いなしと思っていたが、優れた演奏には違いないのだがもうひとつ演奏にのれず。どういうことだろうと思っていたのだが、ドホナーニ/クリーヴランドBOXでこの3曲を聴きそういうことかと合点がいった。結論から言えばドホナーニのほうがはるかにいい演奏である。ドヴォルザークの丈に合った演奏といえばいいだろうか。ビシュコフは遅めのテンポでスケールの大きなドヴォルザークを描くが、これが「わが祖国」ほどうまくいっておらず、どこか大味な印象が残るのだ。ジュリーニ/コンセルトヘボウのドヴォルザークに通じる。ドヴォルザークはむしろ小味な魅力にあふれた音楽なんだろう。ビシュコフは現代の最も優秀な指揮者だと思っているし、ワーグナー、Rシュトラウス、マーラーでは第一人者なのだが、弱点もあるということだろうか。序曲3部作の出来は出色、過去最高ではないか。
3人の方が、このレビューに「共感」しています。 2025/01/03
MTT生誕80年記念としてソニーとエロクエンスよりBOXが出た。重要度はソニーのほうだし、さらに言えばサンフランシスコ響自主製作も入れないとこの指揮者の全容には迫れない。それでもエロクエンスBOXのレビューを書くのは全く個人的な感情からである。60年代末米国のメジャーRCA、コロンビアは経営不振に苦しんでいた。そこで長年専属だったビッグファイブとの契約を打ち切り、それに乗じて欧州のレコード会社が進出、デッカがシカゴ、EMIがクリーヴランド、DGがボストンと契約を結んだ。DGは70年にスタインバーグ、アバド、ティルソン=トーマスで一斉に録音開始。米国市場を考慮にいれてジャケットも斬新なものに変えた。中学生だった私はこれらが欲しくてレコード店でよくジャケットを眺めていたのだが結局購入しなかった。理由は当時の日本の評論家が誰も褒めなかったからで金銭的余裕のない中学生はルソーのジャケットが魅力的な「映像」もモントゥーの廉価盤を優先せざるをえなかったのだ。今回エロクエンスはオリジナルジャケット、オリジナルカップリングで70〜72年のティルソン=トーマス/ボストンを出してくれた。初めて聴く音源もあったがどれも実に素晴らしい。演奏も最高だしギュンター・ヘルマンスによるボストン響のサウンドもいいのだ。もうこれで十分なのだが、その後の録音についてはニューワールド響を振ったものが面白かった。エロクエンス、本当にありがとう。そして闘病しながら活動中のMTT、どうぞ少しでも長く演奏活動してください。
3人の方が、このレビューに「共感」しています。
0人の方が、このレビューに「共感」しています。 2024/12/30
アリーヌ・ヴァン・バレンツェン、オランダ人のような名だが、オランダ系ではないらしい。米国人で神童としてならし、欧州、北米、南米で演奏、39年からはフランスを拠点とし、後にパリ音楽院の教授となり、教え子にはカツァリス、ジャン=フィリップ・コラールがいる。商業録音は極めて少なくステレオのセッション録音もあるが聴いたことはない。このエディションは彼女の60〜70代の放送録音(一部ライヴ)が収録されている。演奏家としては晩年のものといえるが、技巧的な衰えはなく粒立ちのしっかりした音でスタイルの古さも全くない。最初のベートーヴェンの協奏曲から聞きものである。3番、4番ではベートーヴェン作ではない長大なカデンツァを弾いており(もしかして自作か)実に堂々たる演奏だ。若きフレモーの爆発的な指揮もスリリング。他のコンチェルトもスタイルを見事に描き分けている。ソロ曲もどれもすばらしい。ドビュッシーのこれほど優れた演奏はめったに聴けないしモーツァルトの軽やかなタッチも素敵。ベートーヴェン、ブラームスは厳しくダイナミック、シューマンはファンタジック、「ウィーンの謝肉祭の道化」はベストのひとつだろう。ラヴェル、フォーレからヴィラ=ロボス(作曲家自身バレンツェンを高く評価していた)まで聴いていて楽しくてしかたがない。どうして彼女が忘れられたのか不思議としかいいようがないがメロクラシックが9枚もまとめて出すだけのことはあるし(解説も充実)本当に感謝したい。音質も良好。
0人の方が、このレビューに「共感」しています。 2024/11/21
モーツァルト、シューマン、ブルックナー、マーラーいずれも素晴らしい出来。ブルックナー、マーラーは米国のオケによるものでは最高、ショルティ/シカゴよりはるかにいい。クリーヴランドはアンサンブルの精度が高いので響きが透明であり声部が細部まで聴きとれる。ドホナーニの指揮はどこまでも誠実だが迫力に欠けることはなく音楽の推進力も充分。このセットは買いだ。残念なのは「リング」中断とともにブルッックナー、マーラーが全曲録音にならなかったこと。マーラーは3番、7番録音してほしかった。またドヴォルザークの7〜9番がダブルデッカのジャケット仕様になっていて音もダブルデッカの透明度の低いものであること。どうしてデジタル録音なのにダブルデッカはあんなに音が悪いんだろう。演奏はピカイチなのにもったいない。ドホナーニは現在95歳で現役のはず。97歳のブロムシュテットは大いに話題になるが、ドホナーニもこのBOXをきっかけに話題と尊敬を集めてほしいと切に思う。
0人の方が、このレビューに「共感」しています。 2024/11/13
フランクは全曲47分、かなりテンポの遅い演奏である。これがクレンペラーなら遅いテンポから曲の構造が浮びあがるのだが、バレンボイムはそういうことはなく、ただ遅い重厚な演奏になっている。そのためフランクのフランス音楽的側面は後退しドイツ後期ロマン派として鳴り響く。私はこの曲のテンポの遅い演奏を苦手とするので正直聴き通すのに気力が必要だったが、だからといってこの演奏をダメというつもりはない。考えてみるともともとバレンボイムは若い頃から重厚でうねるような音楽をやりたがっていた。しかしバレンボイムがパリ管弦楽団と録音したころはカルロス・クライバーが大人気で、切れ味鋭くノリのいい音楽が好まれていた。バレンボイム自身クライバーの影響を強く受け、指揮スタイルが大きく変わったためなんとなく中途半端な音楽を聴かせる指揮者という印象になってしまっていたと思う。バレンボイムも80歳を超え彼が一番やりたい音楽をそのテンポでも耐えれるベルリン・フィルを得て成し遂げたのがこのフランクなのだろう。フォーレはパユをはじめとする名人芸により聴きごたえがある。バレンボイムへの敬意で満点。
0人の方が、このレビューに「共感」しています。 2024/11/06
アーベントロートとの出会いは半世紀近く前LPで聴いた「未完成」。高音がキンキンする決して良好とはいえない録音なのに私は激しく心を打たれ涙が止まらなかった。以来リマスターが出ると買っているのだが、音はバランスが良くなったにもかかわらず、あの感動の再現はない。リマスターに問題があるのか、かつての私の精神状態が関係するのかLPを処分してしまったので確認の仕様がないのだが、それでもこの「未完成」は非常な名演であることは間違いないと思う。ここにはのっぴきならない切実なものがある。第1楽章展開部はただ事ではない。やはり私にとってのアーベントロートは「未完成」だ。「グレート」はずっとロマンティックであり、テンポの動かし方の激しさではフルトヴェングラーの42年盤と双璧。シューマンのコンチェルトははるかに音は良好で演奏も大変よい。若きトルトゥリエもほぼ無名のヴューラーも優れた演奏をしているし、アーベントロートの指揮も情感に溢れている。
0人の方が、このレビューに「共感」しています。 2024/09/30
21世紀最高のカルテットとしてフランスのエベーヌと並ぶ存在だったドイツのアルテミス・カルテット。残念ながら解散してしまったが(第1ヴァイオリンのサレンカがベルリン・フィル初の女性コンマスになったものの退団したので再結成の可能性はゼロではないが)ここにほぼ全ての録音がまとめられた。私はカルテットは新しい団体になればなるほど優れていると勝手に思っている。というのも第2ヴァイオリン、ヴィオラのレベルがどんどん上がり非常に緊迫し、かつ伸びやかな音楽が形成されるようになったと考えるからだ。アルテミスも第1と第2ヴァイオリンが入れ替わることもあるように技術的に見劣りはなく丁々発止の演奏が繰り広げられる。チェロのルンゲ以外全員メンバーが順次代わっているのも演奏レベルを高く維持した要因だろう。ベートーヴェン全集もシューベルトもブラームスもどれも白熱的で個人的にはこれがベスト演奏。ヤナーチェク、リゲティもいい。シェーンベルクやバルトーク全集にも取り組んでほしかったな。
1人の方が、このレビューに「共感」しています。 2024/09/20
名演!沖澤はテヌートで旋律をたっぷり歌う。しかしカラヤン新盤のように重くならない。迫力はありキレもいいが、感じられるのは北欧の巨人シベリウスの孤高ではなくもっと柔らかく人間的な音楽である。聴いているうちに音楽に包まれるような錯覚を受ける。終楽章コーダのトランペットも優しく柔らかく吹かれる。聴き終わって物足りなさ皆無、いい音楽を聴いたという感銘だけが残る。この曲でこういったアプローチはあっただろうか。6番の視線で見た2番ともいえようか。読響も素晴らしい出来であり、録音も優秀。2番に限ればマケラより演奏、録音とも上だ。沖澤は間違いなく非凡な才能。京都市交響楽団聴きに行くかな。京都なら日帰りだし。
1人の方が、このレビューに「共感」しています。
3人の方が、このレビューに「共感」しています。 2024/08/17
クリーヴランド管弦楽団のセル時代、副指揮者のルイス・レーン率いるクリーヴランド・ポップスが活躍していたことを皆さんご存じだっただろうか。私は初めて知った。レーンの名前も初めて。そもそもLP時代日本で出たのだろうか。ポップスといってもボストン・ポップスとは違い、ヒットナンバーをゴージャスなサウンドで聴かせるイージー・リスニングはほぼない。映画音楽集もロバート・ラッセル・ベネットによる交響組曲版を演奏している(有名な「ジジ」組曲はラッセル・ベネットだったのか)。そして演奏はすこぶる楽しい。クリーヴランド管弦楽団だから上手いのは当然だが、レーンの指揮もいいのだ。選曲に一捻りあるのもいい。先の映画音楽集にヴァージル・トムソンの「ルイジアナ物語」が入っていたり、ラプソディではお馴染みのリスト、エネスコとともにヴィクター・ハーバートのアイルランド狂詩曲を入れたり。初めて聴く曲も結構あり興味は尽きない。ボストン・ポップスやフィラデルフィアに比べ響きが引き締まっているのはやはりクリーヴランド。エピックからコロンビア・マスターワークスに昇格後、レーンも録音を残しているが、モーツァルトのK334(K287とともにカラヤンが偏愛した曲)の優れた演奏は、セルの指揮と聞いても信じてしまうだろう。セルはレーンをとても気に入っていたらしいが(セルとレーンがおどけた写真がブックレットにある)セルの元で20年近くやっているから芸風が似たのか、レーンの下準備があってこそのセル/クリーヴランドだったのかわからなくなってくる。レーンはクリーヴランドで亡くなっているが、セル没後ポストに恵まれたとはいえなかった点も含め、セルに殉じた人生にも思え、遅ればせながらも日本で無名に終わった指揮者がまとめられてよかったと思う。
1人の方が、このレビューに「共感」しています。 2024/08/15
ブライロフスキーはショパンのマズルカやワルツを個性的に弾くサロン向けの古いタイプのヴィルトーゾというのが通説だ。今回メロクラシックから出たものは全てコンチェルトであり、チャイコフスキー、シューマンは非常に珍しい音源ではないだろうか。ここに聴くブライロフスキーはきらめくようなピアノの音を持ち、早めのテンポだが弾き飛ばしたりせずファンタジー溢れる演奏。決してサロン風のスケールの小さなピアニストではない。とりわけ優れているのはルクセンブルクでのショパンとシューマン。乗りに乗った素晴らしい演奏だ。ルイ・ド・フロマンの指揮するオケもよく録音もモノながら優秀。データを見るとショパンの翌日にシューマンだったようだ。チャイコフスキー、ラフマニノフは音質が落ちるが鑑賞に支障はなく、これも充分楽しめる。オーマンディはもちろんガラグリーの指揮もしっかりしている。ブライロフスキーの再評価につながる貴重な音源である。
0人の方が、このレビューに「共感」しています。 2024/06/23
しばらく入荷困難だったが、また入手できるようになっているのでレビューを書かせていただく。ダンチョフスカはDGへのツィメルマンとの録音でしか知られていなかった。このセットはポーランド放送によるスタジオ録音とライブからなるが、もともとレコード会社への録音は極端に少ない人のようだ。では演奏はどうかというと、これが素晴らしいのだ。とりわけシマノフスキの2つのコンチェルトはそれぞれの最高の演奏と断言したい。これほどシマノフスキの音楽をわかりやすく魅力的に描いた演奏はない。指揮者のコルトが振るオケも優れており今時珍しい地元の強みを感じさせる。ショスタコーヴィチの1番もトップレベルの名演。指揮者陣はアントニ・ヴィトのようなおなじみの人がいる一方で馴染みのない名前もあるが皆好演であり、ポーランドの演奏水準は高い。小品もとてもよい。ツィメルマンはダンチョフスカの実力を知り尽くしていたからDGにアピールしたのだろうが、なぜかフランクは普通の出来であり、国際的に知られることがなかったのは惜しいことだ。放送録音としてブラームスやシベリウス、プロコフィエフのコンチェルトとか残っていないのだろうか。
1人の方が、このレビューに「共感」しています。 2024/06/11
マイク・クレメンツのリマスタリングによるナクソスのVOXシリーズは思わぬ楽しみを私に与えてくれている。アブラヴァネル、ジュスキントと地味な指揮者の好演を聴いて評価を改めているところだが、今回のスクロヴァチェフスキは日本でもすっかりおなじみだった名匠。フランス物は珍しいが最高の職人指揮者のスクロヴァチェフスキが悪かろうはずがない。大好きな「高雅で感傷的なワルツ」からはじまるが、実に精妙な名演奏だ。「ダフニスとクロエ」は折角なら全曲にしてほしいところだが、第1組曲が入っていることで30分聴けるし全員の踊りの統率された爆発もスクロヴァチェフスキらしい。ミネソタ管弦楽団の状態はいいし、リマスタリングも成功している。
0人の方が、このレビューに「共感」しています。 2024/06/11
チャイコフスキーが優秀だったアブラヴァネル/ユタ響コンビ。しかしこのグリ−グはもうひとつ。「ペール・ギュント」は一言で言うと平凡だ。アンサンブルの精度も高いと言えず、編集ミスと思われるカットもあり興を削ぐ。ホルベルク組曲ももっと歌いこんでほしい。この曲はジョージ・ウェルドンの古い録音以上の演奏をいまだに聴いたことがない。チャイコフスキーに比べアブラヴァネルの曲への共感は薄いようだ。トロルドハウゲンの婚礼の日のオーケストラ・バージョンは珍しく、これを聴きたい人にはお勧め。
1人の方が、このレビューに「共感」しています。 2024/06/09
またまたフィンランドからの新鋭ペルトコスキのデビュー盤。DGからの登場でしかもモーツァルトの超有名曲。どれほどの才能か興味を持たないほうがおかしいだろう。一聴しての感想は録音がよくないなあと。モダン楽器でノンビブラートのピリオド奏法なのに響きがうるさく透明感がないのだ。ペンタトンやリファレンスらのマイナーが素晴らしい音質なのに対してユニヴァーサル系は20世紀の録音より後退しているのは残念だ。ペルトコスキの指揮は速いテンポでキレよくダイナミックに進行するのは予想通りだが、ティンパニの強打が対旋律をつぶしてしまう部分が「ハフナー」「リンツ」にあるのは疑問。録音も相まって雑然とした印象が残る。この指揮者の評価は保留。やっぱりモーツァルトは難しい。
ページの先頭に戻る