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mash21 さんのレビュー一覧 

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2016/03/29

    ペンタトーンによるアナログ4チャンネル録音のDSDリマスターシリーズのひとつ。LP時代からのお気に入りの演奏だが、まさかこの盤が4チャンネルで録音されていたとは知らなかった。70年代にDGGが4チャンネルのLPを発売していた記憶はないので、今回初出のマルチチャンネルバージョンに興味津々。ペンタトーンのDSDマルチチャンネル音源は最近はもっぱら配信で購入しているのだが、このリマスターシリーズはディスクのみでの販売だ。

    「春の祭典」は小沢時代直前のボストン交響楽団から、28歳のM.T.トーマスが実に切れ味の鋭い響きを引き出している。マルチチャンネルリマスターの仕上がりも素晴らしい。当然のことながらダイナミックレンジは当時のLPを上回る。特に、当時40代前半だった”ヴィック”・ファースのティンパニがメチャクチャ格好いい!!

    マルチチャンネル効果が大きいのが「星の王」だ。冒頭のコーラスの響きにはゾクッとさせられる。お気に入りの演奏にこうした新たな表情が発見できるのはとても楽しい。

    1人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2016/03/10

    個人的にはラフマニノフの交響曲では第3番が好みだ。第2番はどうも冗長に感じてしまう。

    このディスクに収録されている交響曲第3番はパーヴォらしく筋肉質でダイナミックな演奏で、最初から最後まで一気に聴かせる。シンシナティとの第2番同様、ラフマニノフの演奏でとかくありがちな甘ったるい表現とは無縁だ。

    しかし、このアルバムで聴きものなのは、2枚組のディスクの2枚目の交響的舞曲と幻想曲 岩 である。表現としては交響曲と同様なのだが、音が全く異なるのである。この2枚組のアルバムは、1枚目と2枚目では録音チームが異なる。

    1枚目の録音は残念ながら、ボヤッとしてダイナミックレンジも不足気味だ。これに対して、2枚目は冒頭から広いダイナミックレンジと鮮明な音質に圧倒され、聴きごたえ十分の録音に仕上がっている。交響的舞曲の録音ではリファレンスレコーコーディングスのキース・ジョンソンがエンジニアを務めたハイレゾの大植/ミネソタには及ばないがCDとしては最上の部類だろう。

    このように、2枚組のアルバムとしては統一感がないの欠点だが、パーヴォのラフマニノフを楽しめるアルバムとしての価値は十分にあると思う。

    1人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 8人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2015/12/30

    快(怪?)進撃を続けるM.ホーネック/ピッツバーグ響の新録音。これまでのこのコンビの演奏から予測される通りのエネルギーに満ちた爆演だ。爆演とは言っても、その場の勢いに任せたものではなく、指揮者がやりたいことを明確に実現した確信犯的演奏。勢いに任せたものではないことの証拠である7番の2楽章の綿密な表現に注目したい。

    当然毀誉褒貶の激しい演奏だ。ピリオド的な過激さとは別種の圧倒的なエネルギーに眉をひそめる人たちもいるだろう。しかし、これらの曲にまだこんな表現が可能だったのかという点ではこれほど痛快な演奏も珍しい。

    特筆すべきは圧倒的な録音の素晴らしさだ。現代のオーケストラ録音の頂点と言っても過言ではない。この音響に虚しさを感じるか、コンサートホールで聴く以上の快感を覚えるかはリスナーの好み次第。私は無論後者だ。

    8人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 7人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2015/09/24

    2015年に発売されたLPに関する感想です。

    グールドが1981年に再録音したゴルドベルク変奏曲は、当初、デジタル録音最初期の録音としてCD及びそのデジタルマスターをアナログにコンバートしたLPとして発売されました。その演奏はもはや定評のあるもので、今さら私が言うことは何もありません。

    その後、この録音にはデジタル録音と同時並行に行なわれたアナログマスターテープが存在することが判明しました。この発見されたアナログマスターを聴いたエンジニアは、明らかに従来のデジタルマスターよりもアナログマスターの方が音が良いと感じました。黎明期のデジタル録音より、ほぼ完成期であったアナログ録音が優位であったのは当たり前と言えましょう。

    録音方式の移行期には新方式と旧方式を同時に行なうのは常識です。新方式で失敗したら旧方式で発売すればよいのですから。モノラルからステレオへの移行期にも同じことが行なわれていました。

    グールドのゴルドベルグの再録音のアナログマスターの音質的優位性を確信したソニーミュージックのエンジニアは、このアナログマスターを元にした新しいデジタルマスターの制作に着手します。未編集のアナログテープをグールドが最終的にOKを出したデジタル録音とまったく同じに編集し直すという気の遠くなる作業を経て、2002年にSICC98-100というCDアルバムを発売しました。

    私は当時このアルバムを購入して従来のデジタル録音との違いに驚いたものです。滑らかでありながら力強い音質は従来のCDとは一線を画すものでした。

    でもその時はせっかくここまで音質が改善されたのだから、CDではなく、SACDで発売して欲しいと思いましたが、SACDでのリリースはありませんでした。その後、2年ほど前についにSACDでのリリースがアナウンスされ、私はすぐにオーダーをいれました。しかし、何故かそのリリースは延期になり、現在に至るまで発売されていません。

    そうした状態の中で、2015年の9月にアナログマスターを元にしたLPがリリースされるという情報があり、早速注文を入れ、昨日入手できました。

    2002年から13年待たされましたが、その音質は十分に満足できるものでした。グールドの1981年版がようやくその全貌を現しました。

    7人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 20人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2014/09/29

    1960年代の半ばから約10年間に渡って録音されたデッカのマルチマイクシリーズのボックスセット。

    個々の楽器を要所要所でクローズアップさせた録音は、当時は「わざとらしい」とか「混変調歪が多い」とかいったネガティブな反応もよく聞かれたものだ。そうはいってもここで聴けるスペクタクルなサウンドは今でも魅力的だ。

    現在のクラシック音楽が時代考証や奏法であったり、楽曲の版の問題などでいささかマニアックというか頭でっかちになりすぎていることを思うと、このボックスセットで聴ける音楽達はあまりにもあっけらかんとした演奏に聴こえるかもしれない。でもこうした演奏をヘッドホンではなく、スピーカーから大音量で身体で感じて欲しい。何か忘れてしまった音楽の楽しみを思い出せるかもしれない。

    このセットのブックレットには、英文ではあるが、フェイズ4の後期のプロデューサーであるティム・マクドナルドによる興味深いエピソードが綴られている。だが、これがフェイズ4の真のプロデューサーであった故トニー・ダマートによるものだったらさらに価値のあるものになっただろう。

    本セットにも何枚か収録されている映画音楽で有名な故バーナード・ハーマンをトリビュートする「バーナード・ハーマン・ソサエティー」のホームページに生前のトニー・ダマートとのフェイズ4に関するインタビューが残されている。そこにはフェイズ4はアメリカと日本では売れたものの英国ではあまり売れなかったことや、ストコフスキーがオランダで録音したプロコフィエフの「アレクサンダーネフスキー」がストコフスキーの意向でお蔵入りになっていることなどの興味深いエピソードが語られている。興味のある方はぜひ御一読を。

    このセットの評価はただただ楽しいという点で満点としたい所だが、個々の演奏が最高かと言えばそれはちょっと、という意味で1点減点としたい。

    でも楽しいのでよろしければぜひ御一聴を!

    20人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2012/03/01

    ブルーレイ・オーディオというカテゴリーはまだ始まったばかりで、他には2Lなどの例があるだけだ。2チャンネルのデータも収録されているが、何と言っても、96kHz/24bitのマルチチャンネル再生というのがキモである。ハイレゾリューションのマルチチャンネル再生は、これまではSA-CDマルチ、米国のitraxなどからのダウンロードデータなどで可能だったが、それに新たに加わったのがこのブルーレイ・オーディオだ。正直に言えば、ハイエンドの装置を使ったSA-CDマルチ、クロックに配慮した良質なマルチチャンネル・オーディオインタフェースを用いたダウンロードデータによるマルチチャンネルPCオーディオ再生と比較すると、ブルーレイ・オーディオの音質は、今ひとつ、というところだ。これはフォーマットの責任というより、再生がブルーレイプレーヤーあるいはレコーダーからAVアンプへHDMIケーブルで伝送するというのが一般的な方法である事に起因している。HDMI伝送によらず、アナログ・マルチチャンネル伝送という手段もあるものの、いずれのプレーヤー/レコーダーも外部からの高精度クロックの受け入れに対応していない。しかし、将来的にそうした機能を備えた機器が登場すれば、非常に可能性を秘めたフォーマットではある。演奏については、パーヴォ・ヤルヴィがシンシナティ響を退任した現在、オルソップ/ボルティモア響は米国のオーケストラで個人的に最も注目しているコンビネーションだ。ボルティモア響を振ってデッカに録音したティボーテをソロに迎えたラベル、ガーシュインの素敵なアルバムをはじめ、ナクソスから発売されているボーンマス響による一連のバーンスタインの作品なども私の愛聴盤である。垢にまみれた新世界交響曲の美しさを再認識させてくれると共に、演奏機会の少ない第6番がこんなに聴きやすい魅力的な曲だったのかと実感させてくれる魅力的なアルバムである。

    2人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 0人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/11/19

    まず何と言ってもこの内容で、この価格は安い!!

    とは言え、難がない訳ではない。シャイーのメシアンとヤンセンのベートーベン、ブリテンの協奏曲を収めた2枚は初LP化であるものの、片面およそ40分近い詰め込みカッティングである。これは音質的には非常に厳しいと言わざるを得ない。価格が多少アップしても、この2枚は各々2枚組にしていただきたかった(涙)。同じ内容のCDとLPが併売されていた1980年代半ばあたりまでは、こうした無茶な詰め込みカッティングはよくあったものだが、2011年にこうしたモノに出会うとは意外であり、負の意味で懐かしくもある。

    アンセルメの「三角帽子」とマゼールの「ローマの祭りおよび松」ショルティの「指輪」はオーディオファイルには高名なデッカ録音だ。これらの録音の今回のLPはいずれも高水準に仕上がっていると思う。「三角帽子」は Speakers corner社の復刻版には生々しさの点で若干劣るものの、エソテリック版よりはアナログらしい音質で好ましいと感じた(この録音のミントコンディションのオリジナルSXLは非常に高価なため私は持っていない)。

    マゼールのレスピーギはオリジナルSXLに比べると低音が若干延びきっていない点が気になったが、ウィルキンソンによる録音の驚異的なパースペクティブは十分に再現されており、満足のいく音質が確保されている(この録音はひょっとしたら Mobile Fidelityの復刻版の方がオリジナルよりも優位かもしれないが、私は未聴なのでそこは何とも…)。

    実は、このセットが届いて最初に針を落としたのがショルティの「指輪・抜粋」であった。一聴して「あれっ、こんなに音が細かったっけ?」と思ったのだが、思い当たる所があって、ディスクをレコード・クリーニング・マシンで洗浄後、再度針を落とすと、張りのある図太い音が現れた。新品のLPでもまず洗浄という工程が必要な事を再確認した。

    アシュケナージのラフマニノフは「指輪・抜粋」と同じく初の復刻LPだ。ピアノを前面に出した録音だが、背後のフィストラーリ指揮のオーケストラが細部まで聞き取れ、それでいて全体の響きがうまくブレンドしているデッカツリー+アウトリガーによる録音ならではの音質に聴き惚れた。

    シャイー、ヤンセンのデジタル録音は先に記した詰め込みカッティングというハンディはあるが、複数のカートリッジを交換できる環境にある方たちであれば、これらのディスクは高出力カートリッジを使って再生することによってディスアドバンテージを最小に抑えて聴けるはずだ。そして、やはりCDとは異なるニュアンスが聴き取れるはずである。

    全体として惜しい点はあるものの、こうした楽しい企画を入手しやすい価格で提供してくれたのだから、満点に値すると思う。残念なのは予約時点で売り切れとなってしまったことだ。ぜひ再プレスをお願いしたい。一人でも多くの人にこの魅力が伝わればと願う。

    0人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/05/11

    簡素な舞台の中で演じられ、歌われる濃密な感情の交差にぐいぐいと引き込まれる。アントネンコの哀れすら感じられる直情な表現、そしてポプラフスカヤの柔らかな繊細な表現で感情の起伏を十分に歌い上げるさまは共に素晴らしい。さらにじわじわとオテロを追いつめるイアーゴのアルバレスも強く印象に残った。

    そして全体を統べるのはやはりムーティであり、その推進力に応えたウィーンフィルの気合いと相まって、この演奏を今後何年かは「オテロ」のベンチマークとなる地位に押し上げていると思う。

    映像も美しいが、それ以上に音質が特筆ものである。このブルーレイディスクはぜひ5.1チャンネルDTS-HD MASTERで味わっていただきたい。再生環境のグレードが上がれば上がるほど美味しい音楽が楽しめるはずだ。

    1人の方が、このレビューに「共感」しています。

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