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Seiru さんのレビュー一覧 

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     2021/08/11

    だいぶ増えてきたシュミットの交響曲において、「ドイツ語圏のオーケストラ」による全集はルイジ&MDRに続いて2つ目であると記憶している。わたしとしては作曲者本人の弟子であるルドヴィト・ライテルの決してアンサンブルなどが洗練されてはいないが慈しみに溢れた交響曲第4番が忘れられないものの、パーヴォ・ヤルヴィの全集は系統としては毛色が違い、音色の洗練という意味ではシナイスキー盤に近く、さらにそこにパーヴォならではの表情付けがさりげなくスパイスとして散りばめられているのが大きな特徴である(シナイスキー盤はあれはあれで良い意味で「楽譜を純粋に音化し、また何も足していない演奏」である)。分析的に聴くこともできれば、一流の演奏として聴くことも出来るという両面で非常に高い水準を誇っている。全集化している演奏は正直どれも捨てがたいほど高水準のものが揃っているが、この最新録音をファーストチョイスとして推すことに躊躇はしない。

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     2021/01/01

    これらの演奏はいずれもDCHで見ることが出来、DCH用に収録されたマスターの使用と思われますが、DCHの音源は圧縮されているため万全の音質で聴きたいなら是非こちら。この中ではラトルの第8、ペトレンコの第6が素晴らしい名演。しかし第10にもハーディングの他とは一線を画した(WPhと出しているDG版から遥かに進化している)現代最高の名演たるクック版全曲の演奏があるのに、ここには入っていないのがとても残念なところ。とはいえ、きちんとマスタリングされた上記2つの演奏を聴けるだけで大きな価値があることには間違いありません。

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     2019/12/22

    176.4khz/24bitのダウンロード版にて聴いています。同コンビの「オルガン付き」ではすべてを破壊し尽くすブーミングへの対処の無さにがっかりさせられましたが、今回は解像度良好で空気感もあり、RR・キースジョンソン博士らしいクオリティの録音に仕上がっています。ただし非常に録音レベルが低いので、ほかの惑星を聴くよりもだいぶ音量を上げないとこの演奏はとてもガサガサした無味乾燥なものに聞こえてしまいます(某惑星を多く評論しているサイトでは酷評されていましたが、低いレベルか相性の悪いシステムで聞くと同様の感想が出ても仕方ないと思います)。この辺がRRのレコーディングにおける視聴の難しさでしょう。
    演奏ですが、比較的興奮を呼び起こすというものよりは、抑制の効いた構築的かつ美しい演奏と評するのが適当かと思います。RRでの録音らしく徹底的に練り込まれていますが、火星などでは些か几帳面すぎるのでは?といった感想も出てきます。金星や海王星が特に美しいです。
    全体としては★5相当の出来なのですが、火星の提示部終わりに露骨なフェードアウトを伴う編集痕があり、そこが若干興醒めなので★をひとつ減らします。RRのレコーディングと相性が良い装置をお持ちの方は楽しめると思います。

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     2018/10/30

    クルレンツィス盤と発売日が近いので比較されがち。この(2018)演奏はPrimeseatでの聞き逃し配信のときからエアチェックで何度も何度も聴いてきました。スネアがあり得ないほどうまくて笑ってしまう冒頭から、だんだんと後半楽章に向けて熱を帯びていくように見事に構成されていて、そこに首席最後のラトルの感情が入り混じって、第一楽章では提示部繰り返し二回目のアルマの主題のほうが感情がこもっていたり、終楽章では鉄壁のアンサンブルが綻びかけるほど煽るところがあったり(これはこの演奏ではむしろ味だと思います)、細かく聴けばそこかしこに発見があるのですが、それでも徹底的にハードな演奏であるクルレンツィス盤と比較して聴くと「ああ、マーラーを聴いているな」という気持ちになるのは、流石もうベテランのマーラー指揮者となったラトルの円熟、そして硬軟自在なそのサウンドによるということなのでしょう。わたしの聴く彼の演奏の中では、DCH所蔵の8番(クーベリックに並ぶ名演!)と並び最も好きな演奏です。

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     2018/10/30

    ウーン本当に綺麗です。ドロドロとしてはいませんがその路線の名盤としては出来は随一でしょう。冷涼とした透明なクリスタル・サウンドにハーディングの指揮が温かみを加えている。セーゲルスタム盤でも感じましたがこの曲は北欧のゴツゴツ感のないサウンドのオケと相性が良いようです。
    ハーディングは録音こそ慎重ですが現代最高のマーラー指揮者の一人でしょう。BPhと演奏した10番なんてWPhとの録音からの変化に驚きつつも中身は既存のすべての同曲録音を大きく凌駕するものでした(DCHで聴けます。是非!)し、前回の9番も心が震えるほど感動しました。
    彼は(4→10→6→)9→5と映像も含め絶対音楽寄りの曲を得意としているようですが、全集化まで成し遂げるのでしょうか。個人的には3と8番が楽しみですし、10番を再録するならば是非BPhを超えるほど練り上げて作って欲しいです(あ、でもBPhのときはコンマス樫本大進も非常に力を入れた演奏で名演に寄与してたから難しいのかなあ……)。

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     2018/10/17

    演奏以前に録音評になってしまいますが、シャンドスなのに録音がハイ下がりでローファイに聞こえて驚いたのでエンジニアを調べてみたら、かの悪名高いSoundMirrorのエンジニアを起用していたようです……(この会社のエンジニアは、Reference Recordingsの一部でも同様のレーベルの看板に泥を塗るような録音をしていましたね)。ピアノ協奏曲とか、ロルティのピアノは素晴らしいのに、本当に録音で損をしている。もったいないの一言に尽きます。残念。

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     2018/03/23

    注目度もなくレビューも全然ありませんが、超弩級の名演です、これ。
    演奏スタイルはP.ヤルヴィの全集などと同じく「ベーレンライター版を使用した、部分ピリオドの小編成オーケストラ」による快速テンポでの演奏ですが、特徴としてはチェロセクションを左奥に配しており、P.ヤルヴィでも指摘されがちな音色上の軽さの問題を完全に解決していることと(軽快だが軽すぎない)、そのフレージングのキレの良さ、歌うところはちゃんとしたアーティキュレーションを付与し、第4楽章では大胆なルバートも用いるなど、決してサラッとしたピリオド・アプローチにとどまらない演奏になっています。
    声楽・アンサンブルの精度や音色・録音、全てにおいて最高レベルの逸品。マイナー気味の指揮者・オケということでいまいち注目度が高まっていませんが、P.ヤルヴィの演奏にあと一歩が欲しい!という感想をお持ちの方には間違いなく最高のディスクでしょう。わたしの所有するベーレンライター版を使用した演奏では、完全モダンオケのラトル/BPOと並ぶ最高の一枚になりました。

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     2017/12/26

    なんとなく思い立って自分でCDマスターからリマスタリングしてみたが、実はスヴェトラほどじゃないにしてもテンションが高い演奏で、そして残響のせいで目立たなかったもののソース自体は超のつく優秀録音だったことが判明。ハープ、木管、トロンボーンはこれ以上に克明に捉えられている音源を探すことのほうが難しいです。そして4楽章を聴く限りこの残響は人工的に付加されたもののようで、実際はワンポイントを中心にしっかり低弦などに近接マイクも仕込んである模様…… どうしてこんなミックスに仕上げたのでしょう!!折角のベストセラーなのだから、録音ソースまで辿り直してもう一度新しいマスターを作るべきだと思います。知識とプラグインなどの環境をお持ちの方は是非音いじりに一度トライしてみてください。これはすごい演奏だ……。

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     2017/11/17

    待ちに待ったハイレゾ配信にて購入。これはドン引きするくらい凄い……。この曲における今世紀最大の名盤と断ずるに躊躇なし。対抗配置による曲の本来の魅力そのものを引き出しているのは勿論、「これの何処が客観的演奏なんだ」と思うような、しかし音楽効果上聴き栄えもするし納得のする非常に主観的な表現まですべてが盛り沢山。デュナーミクは極限まで拡大され、音の一つ一つ全てに有機的にそれとアーティキュレーションを徹底的に施し、しかもアンサンブルは完璧で乱れない。第三楽章で顕著ですが決然とした主旋律の裏で弦の対旋律が左右にのたうち回る!!悲愴はチャイコフスキーの中でもオーケストレーションが独特で、他の曲と同じように演奏するとスカスカになってしまう事例までありますが、ここまですべての音を鳴らしきりつつも悲愴らしさを失わない録音は今までなかったと思います。諸氏がおっしゃる通りマルケヴィチよりも「凄く」、ムラヴィンスキーよりも「有機的」。CDはディザリングされてそれ自体でもやはり高音質だとは思いますが、ハイレゾですら24bitのダイナミックレンジを極限まで用いている感じがあり(第一楽章音量注意!)、別サイトレビューにもやはり音が違うというレビューが載っているので、これは是非LPでお茶を濁さずSACDで再発するべきです。それだけの価値がないわけがありません。近年ソニーは復刻企画ではすでにSACDを度々リリースしているのですから。

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     2017/10/28

    第2番やバラードもいい作品だが協奏曲第1番が驚くべき傑作。こんな作品が埋もれているとは!!木管による導入部から大きく耳を惹き、そしてロマンティックで美しい世界が繰り広げられる。スクリャービン、パルムグレン、メトネル、ラフマニノフの作品と比べても全く聴き劣りしません。目立つのは管弦楽法の上手さ、特に木管の用法。第一楽章の最後ではまるでパルムグレンのような北欧の幻想的風景が見えるような表情で閉じ、そのまま第二楽章の印象派風の和声も交えた冬の表情へ……そしてこの楽章が短いながらもとにかく絶品。ここまでの傑作ロマンス楽章は他に聴いたことがありません。そしてホルンのファンファーレから始まる第三楽章、軽快で気持ちよく前進していく主部と雄大な中間部からなり、この主部主題が非常に印象的で素晴らしい。総じてやはり構成面にラフマニノフの影響を感じるものの、管弦楽とピアノのバランスや技巧といい、その楽想の豊かさやパワーといい、明らかに埋もれた作品としておくにはもったいない傑作コンチェルトです。演奏、録音はこのシリーズ、ひいてはハイペリオンでも最高レベル。おそらく何処かの傑作映画やフィギュアスケート選手が題材にでも選んだら飛ぶように売れる可能性を持っているほどだと思います。ピアノ協奏曲好きは是非!

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     2017/07/27

    8番所有盤中最高レベルの名演!アゴーギク・ディナーミク両面を駆使し、感情の抑揚に従った実に緻密でナチュラルな解釈、独特だが響きのよい楽器のバランスのとり方、そしてそれを確実に支えるスーパー・アンサンブルとBISらしい最高の録音!!フロールという指揮者はそれこそ経歴としてはやや地味めですが、その繰り出す演奏は現代指揮者最高峰と言っても過言ではありません(同コンビのアスラエル、わが祖国も名演!)。マレーシア・フィルは現代オケらしい響きで、チェコのローカル色こそ期待はできませんが、それを差し引いても決定版と申しても差し支えないレベルです。最近は本当にこういった濃い演奏は減ったなぁと思います。個人的にはメニューイン/RPOの4楽章のはっちゃけっぷりと並んで永遠にライブラリに残る演奏になりそう。次点でサヴァリッシュSKDやノイマン旧、ワルター……といったところでしょうか。

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     2017/03/14

    「序奏とロンド・カプリチオーソ」「ミューズと詩人たち」は文句なしの素晴らしさ。演奏もさることながらソロ・アンサンブルともに克明かつ艶やかに捉えられており、演奏会場が眼前に広がるかのよう。但しメインディッシュのオルガン付きがいただけない。オーケストラは遠くトレモロの刻みも前2曲と違って見えず、システムによっては聞こえてしまうヒスノイズめいた微細な「サーッ」というノイズがフェードイン・アウトの編集痕とともに挿入される始末(特に第二楽章がひどい)。メータVPOの復活もそうですがあからさまな編集痕は鑑賞の支障になります。オルガンの低温こそ再生不能な低周波まで録音されていますが、日本の木造家庭によくあるブーミングも考慮されていない状態での収録なので、特にウーファーが大きいスピーカーでは目も当てられないほどのブーミングにも悩まされます。演奏も録音のせいか高揚感に欠けるふうに聞こえてしまいます。前菜2曲は★5では足りないレベルですが、オルガン付きは★1。本当に全曲ジョンソン博士が担当したのでしょうか……?

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     2017/03/14

    現在のところ、カリンニコフの1番はディスクベースで聴ける唯一のハイレゾ盤です(ダウンロードを込みとするなら、バケルス/マレーシア・フィルもハイレゾで配信されています)。この盤の最も優れているところはやはりチェコ・フィルののびやかで深みのある音色。山田和樹の決して急がない丁寧なテンポづくりと相まって、この曲の持つ美しい描写力が大きく引き出されています。この点で言えばヤルヴィやバケルス盤を大きく超え、間違いなく決定盤のうちの一つと申し上げてもよいでしょう。録音も良好(一か所クリップノイズと思われる微細な瑕がありますが)。同様にハイレゾ化されているバケルス盤と双璧を成しますが、バケルス盤は純音楽的な爆演なので、気分によって聴き分けています。敢えて言えば、1楽章に繰り返しがあればもっと良かったかなと思います。

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     2017/02/27

    メインとなるくるみ割り人形は旧盤とは真逆のアプローチで比較的リラックスした演奏ですが、それが功を奏してこのバレエらしい温かみのある演奏に仕上がっており、出来は十分。旧盤のようなコンサート・ピース的でアグレッシブな演奏を期待した場合は肩透かしに陥るのかもしれませんが、自分はこちらの新盤の豊かな色彩感に惹かれます。逆にガッカリしたのがチャイ4。同じようなアプローチをこの曲でやってしまうとただの遅く弛緩した演奏になってしまい、まったく厳しさが感じられなかった。どっしりと重厚な演奏というわけでもなく、非常に惜しまれます。それ以上に疑問の残るのがチャイ4の録音について、セッション録音と記載されていますがリアチャンネルに多く客席ノイズのような音が紛れ込んでいて、はたしてデータも正しいんだろうか……??ということでくるみ割りは★5、チャイ4は★2、とりあえずくるみ割りがメインということで★4の評価です。

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     2016/12/10

    諸氏の仰るように現段階で発売されている全集では最高レベル!特に海と南極は本当に最決定盤中の決定盤。2&6番はヒコックス(但し彼の2番は原典版。改訂版ではトムソンが最高)、8番はボールト新盤(これについては録音も含めてボールトが決定盤だと思う)、とそれぞれで見れば上回るディスクもないことはないけれども、全体で見ればボールト新を突き放した出色の出来。海の交響曲をここまですべての音符を鳴らし切って躍動感を与えている演奏は本当に他になく、RVW交響曲の白眉である田園もヒコックスと並んで慈しむような素晴らしい演奏(楽器のバランスはこちらの方が好き)。録音もこの時代のシャンドスの中でも最高レベルの発売年からは考えられないくらいの優秀録音で、ヒコックスの諸盤にも引けを取りません。むしろ5番などこちらの方が鮮明。但し本国では半分くらいの値段で買えるのにこちらでは異様に高いのが玉に瑕。

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