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えりっく・ぷらんくとん さんのレビュー一覧 

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2012/07/11

    「幻のピアニスト」というキャッチフレーズと銀板のスターのような写真に萌えました^^

    モーツアルトのピアノ協奏曲には名作が多いです。わたしは9,17,22,23,27番を好みます。その中で22番はどうも分が悪いです。2楽章が映画音楽のように美しい21番と虹色の色彩を放つ23番の間に挟まれて影が薄く、取り上げられる機会が非常に少ないです。しかし、スケールが大きく陰影に富んだ1楽章、明るければ明るいほど哀しくなる3楽章など、魅力いっぱいの曲です。バレンボイム(Pf)イギリス室内管で楽しんでいました。表情豊かないい演奏なのですが、どうも前のめりになるきらいがあり、満足できません。ということで探してみました。

    22番とベートーヴェンの協奏曲4番のカップリングです。このピアニストは知らなかったのですが、レビューでの評判がすこぶる良かったので聴いてみることにしました。

    聴いてみて腰が抜けました。なんという楽しいピアノでしょう!まさに銀板のスターさながらに喜怒哀楽の表出のうまい女優さんが駆け出したり、立ち止まったり、ため息をついたり・・・花畑で戯れるような演奏です。天衣無縫、変幻自在、天真爛漫・・・場面ごとに表情は大きく変わり、テンポは伸縮し、駆け出したり止まったり・・・変化はとどまるところを知りません。それでいて曲全体の造形はいささかも崩れるところはなくスムーズに流れていきます。なおかつ女流ピアニストらしからぬ力強さやスケール感もあります。そして両曲とも緩徐楽章は意外なほどにそっけないのですが、それが透明な哀しみを表出して本当に美しいです。異彩を放つ天才ピアニストです。ライブだからか、たまにミスタッチや指がおぼつかないところもありますが、この表現力の前では些細な問題です。

    ベートーヴェンですらそんな風に演奏してしまいます。ベートーヴェンといえばスケール感を強調した剛毅な演奏が多いのに、珍しいですよね。4番がこんなチャーミングな曲だったとは・・・。5番「皇帝」の陰に隠れがちな4番の魅力を再発見しました。

    白眉は22番の3楽章。最初にピアノで奏されるロンドの主題で参ってしまいます。アクセントを強調して楽しげに弾くピアノから哀しみ、寂寥感がこぼれ出てきます。モーツアルトの魅力はそこなんです。明るければ明るいほどどこか寂しげ・・・。陰影の濃いほんとうに素晴らしい演奏です。

    モーツアルトはバックのスイスロマンド管がちょっと下手です。弦がキコキコいってあんまり美しくないし、管はばたばた余裕がなくて、ホルンが音痴です。残念ですねえ。世界的に有名なオーケストラですよねぇ・・・。??・・・。ベートーヴェンのバックのローザンヌ室内管はほんとうにうまい。表情豊かに歌いつつアンサンブルは完璧でしなやかな歌を聞かせています。ギュラーの変幻自在のピアノと実によくマッチしています。

    録音はモノラルながら何の問題もありません。ステレオ録音移行期の成熟した技術で、奥行きがあり、空間の広がりやステレオ感すらあります。

    2人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2012/06/17

    幻想交響曲は定評のある演奏です。確かに素晴らしいですね。歌うところは歌いぬき、追い込むところは追い込みぬき、それでいてアンサンブルも強固で全体の造形も整っています。「精緻な熱演」とでもいいましょうか。聴き終わって「すごいものを聴いてしまった・・・」と腰が抜ける思いでした。

    盤起こしでしょうか、音質も十分で、モノラルながらアナログらしい柔らかい音を楽しめます。1楽章の1部で若干ワウがあります。その点だけ残念です。レコードが反っていたのでしょうか・・・。

    グリーンドアからも出ていますが、音質はどちらがいいのでしょうね?

    1人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2012/04/07

    骨太のドビュッシーです。カチッと弾いていますが、かといって四角四面の面白みのない演奏ではありません。楽譜至上主義の走りといわれているようですが、近年のコンピュータの打ち込みのような正確さを売りにした演奏とは趣を異にします。内面にはほとばしるような情熱とドビュッシーに対する共感が潜んでいます。

    ベルガマスク組曲、アラベスクなど親しみやすい曲が集められているのでドビュッシー入門としてもいいでしょう。へたなヒーリングミュージックより癒されることでしょう。

    音質は若干つまり気味で高音域がキンキンするきらいはありますが、古い録音なのである程度致し方ないことでしょう。聞いているうちにそういう瑕は気にならなくなります。そして音楽のすばらしさがそういう録音上の瑕を凌駕しています。

    2人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/12/29

    「音楽を聴く喜びを感じる」というレビューにつられてワルターの4番3枚目の購入です^^。確かに素晴らしいです。絶頂期のワルターの濃厚な唄が4番の本質とまさに合致した名演です。ウィーンフィルとの50年版と共通する、コク、美しさ、静けさ、快活さ、すべてを兼ね備えた演奏です。そして表情豊かに歌いつつ曲の流れに不自然さがないところにこの指揮者のすごさがあります。ゼーフリートの清らかな唄も素晴らしいです。ウィーンフィルの馥郁たる香りをたたえた50年版のほう情緒は豊かなのですが、ニューヨークフィルも大健闘しています。録音がこちらのほうがいいので、軍配はこちらに上がるかもしれません。ハフナーも18世紀から聞こえてくる音楽ではなくまさに今生まれたような生き生きとした音楽です。このCDは聴くと幸せな気分になれること請け合いです。

    1人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/06/04

    恐ろしい演奏です。ワルターといえば優しい柔和な演奏をすると信じていましたが、思いちがいでした。1楽章を聴いていて背筋が寒くなりました。抑制の効いた演奏の中から虚無感が漂ってきます。2楽章でも演奏は激しくないのに、慟哭や悲しみがひしひしと伝わってきます。3楽章からはワルターの持ち前の柔和な演奏が楽しめます。適度に明るく適度に楽しい演奏です。4楽章も音楽に拘泥することなく、冷静に、なおかつオーケストラをよく歌わせていて、本当に美しい歌が聞こえてきます。

    某有名盤のようにやりたいことをやりつくしたという演奏ではなく、古典作品のようなすっきりしたたたずまいです。某有名盤のマーラーの好きな方には物足りないかもしれません。わたしは某有名盤に胃もたれ、消化不慮を起こした口ですが、この演奏で5番が好きになりました。どちらが好きかは好みが分かれるところだと思います。

    録音状態は非常によく、60年以上前の録音とは思えません。若干高音域が不足しがちですが、中音域、低音域は豊かに響き、チェロなど実在感たっぷりです。若干デッドなので、こじんまりと聞こえるきらいはありますが、モノラルであることを除けば、十分現役として通用する録音でしょう。

    2人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/05/31

    1番は悲しいかな、音質が悪いです。ドンシャリ系で耳にきついです。また、終楽章ではシンバルやティンパニーの音をとらえきれず、雷鳴や地鳴りのように響き、ホワイトアウトしています。マニア以外の方は鑑賞するのがきついのではないでしょうか。演奏は勢いがあって、いろいろな仕掛けのあるコロンビア盤とは違う味わいがあるのは事実です。

    2番はウィーンフィルとワルターの相性の良さを実感させられる名演です。もう少し剛毅なところがほしいのは事実ですが、じっくり味わえる仕上がりになっています。こちらの音質はまあまあです。若干鮮度が落ち、奥行きがないのですが、暖かい音で鳴っています。合唱が入った後のスケール感を捉えられていないのは時期を考えれば仕方ないでしょうか。

    1人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/05/29

    モーツアルトの弦楽四重奏曲は秀作ぞろいです。わたしは枯れた味わいのプロシャ王セットを好みますが、ハイドンセットにも良い曲がたくさんあります。

    わたしはバリリ四重奏団で弦楽四重奏曲の魅力に目覚めたのですが、残念ながらバリリ四重奏団は後期四重奏曲では14,20,21,22番しか録音していません。で、同じ雰囲気の演奏を探していろいろ試して、アルバン・ベルク四重奏団にたどり着きました。3回録音しているようですが、こちらが一番モーツアルトらしい演奏のようです。実際に聴いてみて、伸びやかな歌と、美しい音色、なおかつしっかりとした芯の通った演奏で、わたしの好みの演奏でした。各奏者がよく歌って、対等の関係を築いていて、バリリ四重奏団に通じるところがあります。

    録音も優れていて、明瞭な音色で演奏を楽しむことができました。

    お勧めのセットです。

    2人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 4人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/05/29

    音の鮮度のよさに驚きました。とても1952年や1955年の録音とは思えません。若干ハイ上がりで、腰高の音質ですが、鑑賞には何ら問題はありません。モノラルであることを除けば十分現役盤として通用します。

    このCDにたどり着く方には曲の印象は不要と思うので、演奏の印象のみ書きます。

    大地の歌:音楽が舞台芸術であり即興性が大事なことが実感できます。同じメンバーのセッション録音より燃焼度が高く、音楽の密度が高いです。6楽章のオーケストラだけのところの密度などすごくて、めまいがしそうです。また、セッションではフェリアーの歌唱がどうも好きになれませんでしたが、こちらでは安定していて安心して聴けます。セッション録音をはるかに凌駕する名演です。

    プラハ:悪くはないのですが、リハーサル不足なのか、若干まとまりに欠けて、ウィーンフィルらしいオルガントーンが聞こえてきません。一般的なレベルははるかに凌駕しているかもしれませんが…ワルター・ウィーンフィルならもっといい演奏ができるはずです。

    4番:ウィーンフィルの弦の暖かい音と歌い回しが、ワルターの考える4番と合致していて、何とも表情の豊かな演奏です。1楽章の夢見るような旋律や、3楽章の天上の音楽が素晴らしいです。ギューデンの歌唱も清らかで曲想にマッチしています。わたしは’50のゼーフリートとの演奏でワルター・ウィーンフィルと4番の相性の良さに気付いたのですが、そちらに比べると若干薄味です。ただし、’50はあまりいい音では録音されていないようなので、録音の質も考慮に入れた総合点では’50年盤と互角の演奏といえるでしょう。

    4人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/05/27

    これは驚きました。ワルターといえば柔軟で優しい演奏をする印象でしたが、ここでは剛毅でスケールの大きい演奏を繰り広げています。わたしは「復活」は冗長で今一つ魅力がわからなかったのですが、この演奏には一気に引きこまれてしまいました。そして終楽章のコーラスが入る前後などの美しい部分はワルターの面目如実で本当に美しいです。燃焼度の高い素晴らしい演奏です。

    録音状態も非常によく、モノラルであることを除けば、非常にクリアで奥行きがあり、十分現役盤として通用します。

    3人の方が、このレビューに「共感」しています。

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     2011/05/21

    あまりの音の貧しさに、最後まで聞きとおすのが苦痛でした。ノイズリダクションを強くかけ過ぎて、金属的な音です。もともと木管がオンマイク気味だったようですが、それが強調されて、弦は細く痩せた音でしか鳴らず、あたかも木管アンサンブルみたいです。

    2種類しか聴いていませんが、去年発売されたスペクトラム・サウンドのCDはかなりできのいいもので、そちらでは十分楽しむことができました。この演奏を聴きたいなら今はそちらを選んだほうがいいでしょう。

    0人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/05/20

    レビューがないし、売上ランキングも低いので、恐る恐る購入しましたが、すばらしいCDでした。

    4番:ウィーンフィルとワルターの唄心が合致した素晴らしい演奏です。このコンビでは’55の録音のほうが音質はいいですが、こちらのほうがコクがあり、馥郁たる弦の音色が素晴らしく、表情豊かに歌っています。1楽章や2楽章後半の夢見るような旋律や3楽章の天上の音楽のようなたたずまいが素晴らしいです。3楽章など若干速めのテンポながら、よく歌っているので、緊張感を保ちつつコクを失わず、このテンポでなければ、と思ってしまいます。4楽章のゼーフリートも美しい声質で花を添えています。若干音の表面がざらついていて、ヒスノイズがある・・・など、音質面での疵もあるものの、聴いて損しない演奏だと思います。

    アダージェット(5番4楽章):何も言うことはありません。ウィーンフィルの豊かな弦の響きが素晴らしいです。速めのテンポながら、よく歌っているので、コクを失うことがなく、密度の濃い演奏です。この演奏を聞いたら最近のゆっくり演奏するスタイルが鈍重に聞こえてもたれてしまいます。本当に黄金期のウィーンフィルは素晴らしいです。音質は録音時期を考えれば上質の部類でしょう。

    9番:あまりにも有名な演奏でコメントの必要はないと思いますが、夢見るような旋律と緊張を強いる金管の咆哮の対比が素晴らしいです。速めのテンポで緊張感を保ちつつ進む様はなんともいえません。音質も十分鑑賞に耐えうるレベルです。パブリックドメインに転がっているものより音質はいいと思います。

    以上、各曲について感想を書いてきましたが、聴いて損のないCDだと思います。

    3人の方が、このレビューに「共感」しています。

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     2011/05/14

    ハイドシェックが若い時にパリ管と録音した20,23番が素晴らしかったので、期待して購入しましたが、あまり共感できませんでした。17番は自由な演奏というより勝手に崩して、芯のないふにゃふにゃした演奏という印象を持ちました。他はまあまあかな…。17番が好きでいろいろ探しているのですが、なかなかピンとくる演奏に出合えません。

    0人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 0人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/05/14

    ウィーンフィルの黄金期の香りがまだ残っている時代の演奏で、なかなか素晴らしいです。ウエストミンスターのウラッハの演奏などと傾向は似ていますが、その当時より少し洗練された感じがします。「ウィーンなまり」の演奏が好きなら気に入ることでしょう。

    DGの録音はどれも若干薄い音で鳴る傾向があるので、あまり好きではありません。その点で☆-1としました。

    0人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/04/22

    ウィーンフィル万歳!

    往年のウィーンフィルの音色が大好きで、購入してみました。廉価盤にもかかわらず、おおむね音質は良好です。モノラル録音が苦にならない方なら十分楽しめることでしょう。強いて難点を挙げるとすれば、ワルツ集の音が若干薄く感じること、アイネ・クライネ・ナハト・ムジークでワウが目立つこと、プラハのリマスタリングがエコーのかけすぎで失敗していることくらいでしょうか。

    この時期のウィーンフィルの音色はやはり素晴らしいと実感させられました。弦楽器のなんと表情豊かなことでしょう。各奏者がよく歌っていながら、ウィーンなまり(?)で統一されているので、一体感があります。厚みがあってしなやかな音色が何とも素敵です。随所にちりばめられたボルタメントもいいです。管楽器もまろやかな音で、よく弦と溶け合っていて、しかもうまい!

    こんな夢のような素晴らしい演奏をCD10枚も楽しめるのはなんと幸せなことでしょう。

    2人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/06/11

    フルトヴェングラーのウィーンフィルとの第九の中では最良のものではないでしょうか。

    演奏の美しさでは1952年の「ニコライの第九」に若干劣るような気がしますが、安定感があり、ウィーンフィルの唄心も充分に発揮されています。演奏の柔軟さでは「ニコライの第九」と肩を並べ、1951年の「フェラインザールの第九」や「ザルツブルグの第九」が若干硬直した演奏に感じるのに対して、この演奏が勝っていると思われます。

    録音は若干木管楽器がオンマイクですが、弦楽器も充分に豊かに響くので、それほど気になりません。ウィーンフィルとの第九の中では最良の音質と思われます。また、曲間など、まったく編集されていないので、まさにその場で聞いているような臨場感に浸れます。

    総合的に見て、かなり優秀な出来のCDだと思います。

    2人の方が、このレビューに「共感」しています。

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