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John Cleese さんのレビュー一覧 

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2021/07/21

    映画ファンでもありまして、メディアが新しくなるたびに「アラビアのロレンス」だとか「ゴッドファーザー3部作」、欧州の旧作、アンジェイ・ワイダ先生やロッセリーニ先生の作品などがずいぶんライブラリーを賑わせております。あと黒澤・小津ですかね、「七人の侍」なんてBDでも米クライテリオン盤と国内盤の画質が違うと聞いて二種類そろえたり・・・VHS→LD→DVD→BDとコレクションを買い替えて総入れ替え。こんなことに人生のエネルギーとお金を費やすのはほんとにバカバカしいのですが、止まらない。そしてフルヴェン先生のヒストリカル音源もしかり。ウラニアのエロイカ、バイロイトの第九、戦後復帰の運命、5月25日も27日も、ブル8も44年49年54年しかもそれぞれ別の日のテイク・・・それぞれ板起こしだのSACDだの何種類もあって、いったい何種類買わせる気か?
    ・・・って、それなら買わなきゃいいだろう、と健常者の方々は簡単におっしゃるでしょう。それはその通り。病気の自分が悪いんです。
    こんどは2021年最新のリマスターですって。バイロイトの第9は最新のグランドスラム盤でもう最終かな、これ以上の改善は想像もつかない、というところまで行っているのでさすがにもう収集はやめよう、と思っていたけど、やっぱり2021年リマスターも聴きたい。やっかいなのはトリスタンとワルキューレ全曲。SACDまでそろえたんですよ。もういいいでしょう。でも聴いてみたい。最新録音はCDがSACDを凌駕するってことはまずないけれど、しばしば旧録音ではSACD化されたものよりCDのほうがいいじゃないか、ということも起こります。スペック上優れていても聞く側の人間の感性に即しているかどうかは別ですね。
    というわけでやはりポチります。なんと罪作りなセットでしょう。

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     2021/07/07

    半ば予想していたのですが、画質はがっかりでした。ブルーレイにアップ・コンバートしたというものの、ソースが昔のレーザーディスクのものですからね、現在の家庭用モニターのサイズでは粗さが目立つだけです。かつて発売されていたDVDよりは少しまし、というレベルの画質です。音質はリマスターでさすがにかなり良好になっておりますが、音だけだったらSACDがシングルレイヤーでもハイブリッドでも手に入りますから、そちらで十分かと。演奏内容は星10個でも足りませんが、商品としては…ねえ。星2というところ。

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     2021/06/05

    今から15年くらい前に、順次バラで発売されていたものが今回ようやく全集としてリリースの、ウィッグルスワース先生によるハイレヴェルなショスタコーヴィチ交響曲全集です。
    BISレーベルの常套手段、全集セットにまとめるにあたって以前に発売されたCDもすべてSACD化してリリースというわけで、ファンとしては買い替えざるを得ない。すでに鈴木雅明先生とバッハ・コレギウム・ジャパンの教会カンタータ集・世俗カンタータ集そしてマタイ・ヨハネ受難曲その他で、何度もこの手の背負い投げを食わされている経験があるにもかかわらず、またしても!同じ手に乗せられてしまいました。
    第4番と第13番「バビ・ヤール」にまず感心して、かなり以前に本欄にもレヴュー書いております。(2009年10月、じつに干支ひとまわり前ですね)西洋音楽とは面白いもので、縦の線がきちんと揃った丁寧で緻密かつ端正な音楽作りをすればするほど、かえって曲に秘められた激情が顕わになり迫力がある演奏が生まれる場合があります。この指揮者はとても冷静で、客観的な音楽作りの職人に徹していますが、結果として生まれた迫真の演奏は、素晴らしいとしか言いようがありません。おそめのテンポでじっくり構えた名作・第8番などその典型です。最初に感心した「バビ・ヤール」に関して言えば、この曲の西側初演・初録音のオーマンディ先生も、また非常に真摯・誠実・謙虚な姿勢で演奏に臨んでいるショルティ先生も、揺るぎのない端正な音楽作りがかえってこの傑作の異様なまでの迫力を伝えています。このウィッグルスワース先生も同様で、アバド先生がマーラーの第6番に爆演は必要ない、とか言っていたそうですが、この曲にも「爆演」は不要。余計な誇張はしなくとも十分恐ろしい音楽になります。コンドラシン大先生の62年の初演ライヴから、ほとんどのこの曲のCDは聴いてきましたが、同先生のバイエルン・ライヴなどと並ぶ、これは必聴の名演。
    第4番もウィッグルスワース先生は、冷静でかつ客観的な音楽作りの職人に徹していますが、端正な音楽作りがかえってこの異形の大傑作の迫力を伝えています。即興的な味が生きていて方向性こそ異なるものの現時点でベストと考えているネルソンス先生盤と並んで、お薦めできる名盤です。有名なコンドラシン大先生によるモスクワ盤やドレスデン盤もいまだに愛聴盤ですが。さてこれらより前に通常CDでリリースされていた第5番にはなかなか個性的なテンポ設定がなされており面白いです。今回SACD化で音がすごい。最後の大太鼓には本当にびっくり。第7番などが典型ですが、BISレーベルの録音の素晴らしさ、SACD層の圧縮されていないダイナミック・レンジの広さは驚異的で、どの曲も通常の音量で聴こうと思うと、巨大オーケストラを遠目の音像でマスとして捉えているために、少し上品でおとなしい印象の音ですが、ピアニッシモをちゃんと聴こうと音量をあげるとフォルテッシモではとんでもないことになります。

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     2021/06/04

    先だってリリースのベルリン・フィルによるマーラー全集に含まれた第六番と同様に、今回のバイエルンとの七番も、ぺトレンコ先生はいろいろ曲に纏わる連想やら表題めいたものに一切惑わされることなく、直截に、きわめてストレートにスコアを表現しております。筋肉質かつ爽快な演奏と申していいでしょう。この曲は両端楽章の緊密な構成をもつ堅固な楽曲(特に第一楽章は凄い。第九の第一楽章と並ぶマーラーの書いた最も完成度の高い創造ではないか)と、それに挟まれる二つの自由な「夜曲」、さらにそれらの真ん中にあるシニカルなブラックユーモアを感じさせる奇怪なスケルツォという、まるでバルトークのクァルテットみたいなブリッジ構造(ま、五番もそうですが)を持っています。大抵の演奏は、全体が特にまとまりを感じさせないコラージュみたいなので、それぞれの個性・差異を際立たせようとするのですが、今回のペトレンコ盤は極めて速いテンポで全体を貫き、むしろ全体の統一感を出すことに成功していると思います。10代の大昔から親しんでいて三桁を超える数のディスクを収集しておりますが、白状すると普段は、両端だけ、または夜曲だけ、スケルツォだけ、みたいな聴き方をすることが多いのですが、この盤はそういった聴き方をする気にならず、すでに6,7回も通しで聴いてしまいました。その統一感によって聴かされてしまうのです。

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     2021/04/03

    あれ?これはシングルレイヤーSACD化と言っても、以前にも別レーベルからリリースされたムラヴィンスキー先生のライブ集と同じで趣旨のようで・・・音質向上というよりもSACDの収録能力の大きさを利用して、同じ音源のCDの枚数を減らしてパッケージのコンパクト化を図っているようですね。ということは、ディスクの入れ替えなしで長時間鑑賞できるというわけですし、省スペースにも貢献するのでしょうが・・・ちょっと期待外れ。マーラー九番を通しで聴いたあとで、続けてチャイコフスキー悲愴を聴きたいと思う人がどれだけいるのかな。やはりシングルレイヤー化だったら枚数はCDと同じでも、まず音質向上を目的にしていただきたいと思うのは私だけでしょうか。

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     2020/12/26

    多くの方々と同様、私もペトレンコ先生の第6番がお目当てだったので、早速ブルーレイの方で視聴したのはこれ。つい先年リリースされたばかりのラトル先生の第6よりもベルリン・フィル、ノッているんじゃないの?そのラトル先生は今回のリリースでは第7にまわっております。ちょっと古い録音になるのですが名演として名高い第8も担当してます。さてぺト先生の第6。第一楽章出だしの軍隊行進曲からしてかつてのバーンスタイン先生みたいに前のめりの勢いのある早いテンポのリズムでぐいぐい押しております。ラトル先生の方が老成を感じさせます。これはいいぞ!一挙に第6を聴き通してしまいました。トータル77分だから全体としてもやや早めのテンポといっていいですが、構えたところがない自然体の演奏で私は好感を持ちました。CDの方はちょっと音質チェックのためまだ一部を聴いただけですが、最新録音としては期待ほどの高音質ではなかったですね。やはりSACDのリリースが望まれますね。というのも前後して発売されたばかりのエソテリックSACDのブーレーズ先生とウィーン・フィル盤が届いた直後でして、それを聴いてしまった後なのでどうしても音質を比較してしまうからで、最新録音盤といえどエソ盤の豊麗な音の前では分が悪かったかもしれません。こっちは四半世紀も前の録音なのにね。あと、そそっかしい私はブルーレイにはコンサート映像と同時に(前回のラトル盤みたいに)ブルーレイ・オーディオによる音声のみのソースも入っていると勝手に思い込んでいましたが、それは今回は無し。しかしベルリン・フィルによる第6もアバド盤、ラトル盤、そして今回のペトレンコ盤と、共通しているのはアン→スケの楽章の順番。ベルリンではもうこの順番で定着か。最後にCDの面割ですが、割合と良心的に一枚=一曲の原則を守ろうとした努力のあとには好感が持てます。第3はやはり一枚は無理でしたがおおむね番号順。第9のアダージョが第10のアダージョと最後の一枚に入っているのも自然な流れです。

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     2020/11/22

    私の車の標準車載オーディオはやはり今風に主要な殆どのハイレゾ音源対応を謳っておりますが、Blu-rayディスクまで再生できるくせにSACDはダメ。でもBlu-rayオーディオの再生音は素晴らしくてカラヤン先生のベートーヴェン(70年代)、ブルックナー全集のBDは驚嘆の高音質でして、BDならもう部屋の中より車のなかで聴く方がはるかに高音質を味わえます。
    それはさておき、本製品ですが・・・商品到着後にまず第8番の方を聴いてSACD音質に満足、こちらの方がベルリン盤のような余計なキラキラがついてない渋い名演だし、しかもブル8が一枚のディスクに収まっている!これはいい買い物したな!とばかりに次の日車の中でも聴こうと思って自動録音設定でCD再生にしたところ・・・あれ?変だなあ。何回挿入しなおしても第2楽章からしか再生しません。第1楽章は?「死の告知」はどこいっちゃったの?

    そうです。部屋で聴いたときはSACDで気が付かなかったのですが、SACD層とCD層では収録曲が異なるのです!SACD層では第3番、第8番ともに一枚に収まっているのですが、CD層だと1枚目に第3番+第8番第1楽章を収録、2枚目に第2楽章以下が収まっているのです。ま、そんなことはレーベルにもケースにもよく見れば書いてあるし注意していれば気づくことなんですけどね。でも大抵はSACD層とCD層は収録内容はシンクロしているのが当たり前と思っていたので、ちとびっくり。今後こういう製品も増えてくるのかな。

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     2020/09/24

    技術的な完璧さは既にレヴューされた方々のおっしゃる通りで、しかも世界各地でのライヴ収録であることに驚きます。しかしながら各地のホールの違いなどが特に強調されることはなく、むしろ非常に高い質の均質さが確保されています。個人的には、ラズモフスキーNo.3と作品130+大フーガ(後から差し替えられた「常識的」フィナーレは潔くカット!)という、最強プログラムが日本のサントリーホールでの収録というところも嬉しいですが、個人的にもっとも大切に思うカヴァティーナの、悠然たるテンポかつ非常に心がこもった表現に久々に胸が熱くなりました。若き日にバイロイトで、ボンから来たカップルと、パルジファル終演後どういうわけかワーグナーについてではなく、なんとカヴァティーナについて一晩熱く語り明かした昔をふと思い出しました。最近ではベルチャ四重奏団の全集、映像つきも含めて非常に感心したばかりですが、ここに新たに近年の若手カルテットの中では傑出した素晴らしいベートーヴェン演奏が出現しました。

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     2020/09/22

    技術的な完璧さは既にレヴューされた方々のおっしゃる通りで、しかも世界各地でのライヴ収録であることに驚きます。しかしながら各地のホールの違いなどが特に強調されることはなく、むしろ非常に高い質の均質さが確保されています。個人的には、ラズモフスキーNo.3と作品130+大フーガ(後から差し替えられた「常識的」フィナーレは潔くカット!)という、最強プログラムが日本のサントリーホールでの収録というところも嬉しいですが、個人的にもっとも大切に思うカヴァティーナの、悠然たるテンポかつ非常に心がこもった表現に久々に胸が熱くなりました。若き日にバイロイトで、ボンから来たカップルと、パルジファル終演後どういうわけかワーグナーについてではなく、なんとカヴァティーナについて一晩熱く語り明かした昔をふと思い出しました。最近ではベルチャ四重奏団の全集、映像つきも含めて非常に感心したばかりですが、ここに新たに近年の若手カルテットの中では傑出した素晴らしいベートーヴェン演奏が出現しました。

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  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2020/09/06

    素晴らしい。ブルックナーの全集を購入直後一気にすべて聴きとおしたのは初めてです。数日に分けてですが。大抵は好みの5,8,9番だけ最初に一気に聴いて、演奏者には失礼ながら他の曲はオマケみたいな感覚で少しずつ聴いていくという場合が多いのですが、この全集はそんな気にはなれず、思わず「対峙」せざるを得ないものを持っております。チクルスとして計画された演奏会のライヴですので、収録時期と場所に統一があること、そして何よりも指揮者の解釈にぶれない一貫性があること。音質も20年以上前のライヴとしては優秀です。若杉先生は30年ぐらい前になりますが、某協会の例会や終演後のパーティなどで数回、立ち話をさせていただいた記憶があり、その物腰など「端正」という印象があります。その印象がそのまま音楽にも表れておりライヴにありがちな感興に流されフォルムを崩したりすることはありませんし、雑音もほとんど気になりません。僅かに唸り声が聴こえる場面もありますが、ライヴの唸りの両横綱コバケン先生、インバル先生とはくらべものにならないくらい僅かで(しかも品があって)気にはなりません。私のような立ち話程度の接触ではなく、よく若杉先生の人となりを知っておられる方々によるライナーノートも、近年珍しくきちんと読む気にさせてくれる優れものです。将来、SACD化されるようなことがあれば必ず購入します。

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  • 13人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2020/07/11

    リマスターの効果は顕著です。まだマーラーとシベリウス、その他エルガーぐらいしか聴いておりませんが、むかしから慣れ親しんだバルビ先生のベルリン・フィルとの共演の有名な第九番を聴けば既出のCDと音質の比較は容易です。まず音が鮮明で輪郭が明確になったこと。これまで第九はつい先だってリリースのグランドスラム復刻が出るまで、随分古めかしい靄の掛かったようなもどかしさを感じる音ばかり聴かされていました。SACDは雰囲気のある音でしたが、鮮明さは今一歩。今回リマスターは成功でしょう。これで一枚あたり150円もしない価格ですから、これはコスパがいいと思います。半面、どうしてもソニーのボックスもの、ワルター、セル、ブーレーズ、グールド、メータ諸先生の、上蓋を外せば曲目が一目瞭然だし、ライナーノートは小さいながらもハードカバーの立派な本であったりする既出ボックスと比べると、どうにも商品として実に無造作な作りで(ある程度予想どおりでしたが)こちらのワーナーのボックスは109枚のCDを本当に箱に放り込んでいるだけの仕様。内容が素晴らしいんだから、もう少しバルビ先生に敬意を払ってくださいよ、と言いたくなります。

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  • 7人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2020/05/30

    先般、ソニーからメータ先生のNY時代(ということは80年代以降)のボックスセットが発売になり、これはこれで豪華な名演のラインアップに満足していたところに、今度はデッカ=LA時代(ということは70年代)のセットが発売です。何度も再発されSACD化などもされているホルスト「惑星」や「ツァラトゥストラ」などの名盤以外にも、当時大変話題になっても今は忘れられてCDでは入手困難となっていた録音が多数収録されております。個人的にはリムスキー・コルサコフ「シエェラザード」の名演の復活が非常に嬉しく、昨日到着と同時に真っ先に聴いたのがこれ。初出LPを購入した遥か大昔の中学生の頃、冒頭の金管の生々しさに驚嘆したことが昨日のように思い出されました。当時非常に話題になった録音のすばらしさ、まさにデッカ黄金時代の浮彫りを見るような立体的な音像、アナログ時代を彷彿させる第3楽章の弦の官能性、この辺は若きメータ先生の独断場といっていいでしょう。同曲のデッカ録音では、コンドラシン先生がウィーン・フィルで録音した名盤と双璧でしょう。またこの手のセットでは事務的で無味乾燥になりがちな解説書も、今回は非常に色彩豊かなブックレットで新鮮です。価格から考えても買って損はないです。

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  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2020/04/08

    最高です。発売が延期となり待ちきれない思いもしましたが、待ったかいのあるリリースでした。ほぼ予想通りの音質改善が1番と大地の歌、予想を上回っているのが復活と第9番でした。当然、比較の対象は先だってリリースの最新リマスター輸入盤BOXですが、SACD化のメリットは明白です。BOXのほうの復活も音質向上(と1枚のCDに収まっていること)には感動しましたが、今回のSACD化で空気感やホールの空間性まで加わっているうえ、クライマックスでは合唱とともソリストもちゃんと歌っていて決して合唱に埋まっていない。その姿まで想像できる感じ。復活のリマスター化の困難さはライナーノートに詳しく書かれています。そして第9番。空間性の再現、繊細さも十分感じさせ、アナログ的な感性が生かされた、これはエンジニア氏入魂のリマスターではないでしょうか。ワルター先生とコロンビアの第9に関してはオープンリール起こしのアナログ的温かみのあるリリースが従来ベストでしたが、総合点で今回が上回りました。そして重要なことはBOXでも2枚組のままだった第9番が初めて1枚に収まったこと。私にとってはこれも大きな点です。

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  • 4人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2020/03/27

    私のアンテナが低かっただけなのかもしれませんが、なにか突然ゲリラ的に発売された感の本製品。昨日発売日に届きました。世評高い最初のDGカラヤン先生のベートヴェン交響曲セッション録音全集のシングルレイヤーSACD化。なぜかエロイカのみ単独でシングルレイヤー化されておりましたが、その出来に非常に感銘を受けておりましたので全集発売は待ちに待ったところです。CD、ハイブリッドSACD、LP、ブルーレイ、と手を変え品を変えリリースを重ねてきた音源ですが、ついに真打登場・最終型に到達した感があります。ブルーレイも素晴らしい音ですが、今回のシングルレイヤーと比べるとはやりデジタル臭が気になります。シングルレイヤーは期待に違わず、実に伸びやか、自然なアナログ感に溢れ、穏やかさや温かさが加わって、大変よろしい。今ちょうど、田園を聴いております。しばしば指摘されるカラヤン先生のテンポの速さ、まるで田園をポルシェで飛ばしてるようだ、などと評される向きもありますが、本盤で聴くとテンポこそ変わりませんが、音質向上によって自然で穏やかな表情が加わり、いつまでもずっと聴いていたいと思わせるほどです。

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2020/01/10

    昨年の春、つまりこの録音と並行して行われたタケミツ・メモリアルでの実演では、もうすでに手の内に入って久しいこの作品を、鈴木先生は自然な感興の赴くままに、部分的にはロマン的とさえ形容したくなるほど縦横に、柔軟に表現しており感銘を受けました。思えば旧録音から20年。あの峻厳さ、古楽の清廉さはそのままに、一段とスケールの大きな演奏を新録音で聞けるのは楽しみです。さいたまでの本録音はセッションですので実演とはまた異なった仕上がりでしょうが、昨年暮れに待望の全曲SACD化されて(ファンにとっては膨大なダブり購入を意味する)「バッハ合唱曲集」の一部としてリリースされた旧盤との比較も楽しみです。従来のCDと新しいSACDとは奥行といいますか、空気感とでもいうべき要素が随分異なります。新盤は最初からSACDを念頭に置いての録音ですから、その辺の比較も興味の尽きない点です。

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