トップ > My ページ > seigo-hk さんのレビュー一覧

seigo-hk さんのレビュー一覧 

検索結果:149件中76件から90件まで表示

%%header%%

%%message%%

  • 0人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2021/07/02

    『私小説を読む』 言葉の戯れが描きあげる運動は、豊かな単純さ、大胆な繊細さ、饒舌な寡黙さというべきものである。解読の視線。読むことを、見えてはないものを露呈させる体験だと確信している点。作品の表層に境を接して戯れあっている言葉の群。それを超えたより深い地層に、意味が、あるいは、人間が、さらには、社会が横たわっている。その深みにまで降りてゆくことが読むこと。心理、自意識、思想、社会、全体性。充実した言葉の群として、一瞬ごとの現在を生きようとする試み。作品の表層にある言葉の群との戯れを通じて、読むことそのものの、深みと凄味を示しているとても素晴らしい本。

    0人の方が、このレビューに「共感」しています。

    このレビューに共感する

  • 0人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2021/07/02

    『書架記』 書物そのものに溢れているいくつもの想い。書かれた言葉そのものへの慈しみ。手に取り馴染むまで読み込んでは遥かに巡らせてゆく思考。文学的な表現を讃えてゆく、着目点の輝き。行き来する柔軟な感性。織りなす硬質な知性。精妙さ。華麗さ。晴朗な豊かさの漲り。認識力と感受力の正確な働き。陽気さ。洗練さ。精神が喜ぶ休息。運命の展開の軌跡。文明の時間に悠然と遊ぶ境地。あることがそれ以外のことではないその形をして我々の前に前に現れる状況をつくりだす言葉の働き。感受力を深めてゆく営み。真摯に文学に向き合う姿勢の素晴らしさ。豊かな視野で見つめる十四編。幾多の感動!

    0人の方が、このレビューに「共感」しています。

    このレビューに共感する

  • 0人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2021/07/02

    『本のなかの旅』案内人の洞察力と精神力の素晴らしさ。選抜からすでに光る着眼点で面白いと感じさせてくれる、18人の旅行記と旅関連の本を巡り紹介してゆく旅。不思議な調和した世界〜別の世界を見せてくれそうな気配が漂っている。世界を見る視線が特別な輝きをおびるようすが刻印されている。謎めいた魅力と問いかけ。小さな情景にこめられている意味。作家ごとの話術の卓抜さ。世界の意味を解体させる仕掛け。超自然的な匂いをかぎつける。一生をかけて奇跡的なものを捜す。想像力の見事な発露。動かしがたい思想の到達。豊かな時間が過ぎゆくのを味わえる。なにものにも換えがたい清新さ。旅の経緯の要領よいたどり。「かへらないことが最善だよ。」と言う言葉を胸に、進み展開してゆく、哲学の煌めき。清らかで美しい感覚の滲み出るような文面に、感動をおぼえる連続です。

    0人の方が、このレビューに「共感」しています。

    このレビューに共感する

  • 0人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2021/07/01

    『世界のかわいい散歩道』世界のあちらこちらの写真をじっくりと眺めながら、「 かわいい 」ってなんだろうと、考えを巡らしている。題名にこの言葉がついていることで、全体に共通して流れている感覚なのだろうと、その町ごとの特徴を見つめてみたり、空気感を辿ってみたり、雰囲気を味わってみたり、環境の中での町の成り立ちを想像してみたり、自然と調和している場所の佇まいを思ってみたり、写真から伝わりくるものを堪能してみて、世界の人々の営みの美しさや綺麗さを感じることが出来た。ページをめくるたびに「 かわいい 」ってぴったりと来るものは、まだ見つけれないのだけれど、なんとなくでも「 かわいい 」って言ってしまう、そうゆう感覚でも良いのかなぁって・・・。行ったことのない景色の写真を眺めながら、いつかは実際に行けたら良いなぁと、楽しめています。

    0人の方が、このレビューに「共感」しています。

    このレビューに共感する

  • 0人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2021/07/01

    『愛唱歌ものがたり』 唱歌や童謡や流行歌や民謡について、たくさん知れる楽しさ。六十六曲もの紹介の濃さ。事細かな内容の取材がとても凄いなぁと思います。津々浦々、一曲一曲、関係者に会いに行き、思いや体験を聞き集めてくるという仕事量と作業の果てしなさ。生まれた背景やその時代の空気感を知れて良いです。歌としての理想的な形についての記述もありました。人が消えても、曲が残り、人々のこころの中ではぐくまれてゆくという文化。読み進めては、歌の中に息づいているいろいろなものを、感じとりたいなぁ、とも思えました。現代的な音楽文化にまみれて、薄れかけていたものの数々。幼い頃に耳にしたり、触れていた微かな感覚が、昔こうゆうのあったなぁとか再確認出来たり。こうゆう内容だったんだとちゃんと認識したりするのにも役立つ内容でした。

    0人の方が、このレビューに「共感」しています。

    このレビューに共感する

  • 0人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2021/07/01

    『想像のレッスン』さまざまな分野の評論に触れては、興味を持ったり、感心したりするものごと。刺激的ないくつもの言葉。ここにあるものを手がかりにここにないものを想う。想像といういとなみは、文化をその根のところで支えるものである。思考や推論のはたらき。表現や創造の力強いはたらき。まだないもの、もうないものへの希望や祈り。想像力というものは狡知の源泉であり、優しさの温床でもある。熟考の素潜り。見えることの豊饒さ。物への敬意、ざわめきのなかの気品。がらくたの高貴さ。ささやかな訴え。時代を生み出す、夢のざわめき。感受性の糸をさまざまに紡ぎだす。とても充実していて素晴らしい内容です。

    0人の方が、このレビューに「共感」しています。

    このレビューに共感する

  • 0人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2021/07/01

    『名言で楽しむ世界の名画』 普段は気にしていない画家も、複数の人物の紹介の中だと、目にとまるということもあったり、なんとなくしか知らなかった人物と作品が一致したりして楽しめます。この発言の人が、この作品を描き上げたのかぁとか、この作品を描いた人は、このらような考えの持ち主だったのかぁとか、少し知れて良いと思います。気に入った名言。「わたしは鳥が歌うように描きたい」「色彩がわたしを手に入れてしまった」「まっすぐな木と曲がった木ではどちらが美しい、その場により良く適ったものが美しいのだ。」「ただ一つ、自然よりほかに師はない。」そして有名すぎる言葉がここにも収録。「我々はどこからきたのか、我々は何者か、我々はどこへ行くのか」読み進めては、絵を見つめては雰囲気を味わってみたり、思考したり、思いを巡らすひとときの充実。

    0人の方が、このレビューに「共感」しています。

    このレビューに共感する

  • 0人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2021/07/01

    『発酵文化人類学』さまざまな発酵のことを知ることが出来て、とても良かったです。好きなことを極めて、楽しく伝えようとする良いエネルギー満ちていて、読んでいて元気が出て来るような、不思議と喜びが湧いて来るような、素晴らしさです。発酵に取り組む意思の輝きみたいなものも感じれる文面もあり、感動的です。〜見えない自然を捉え、ミクロの生物と関係を結び、暮らしのなかによろこびを埋め込む。自然現象をじっと見つめる目があり、創意工夫を凝らして自然をデザインする手があり、生み出された価値を楽しみ分かち合う心がある。この総体が発酵文化。〜全体を通して、読んでいて暮らしの中でためになることもたくさん、堂々と冠する題名のグッドさ。表紙のデザインの光沢のある生きたフォントからすでに、異彩を放っていて、読み応え満載!のナイスな発行物です。

    0人の方が、このレビューに「共感」しています。

    このレビューに共感する

  • 0人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2021/07/01

    『面白くて眠れなくなる植物学』眠れなくなるということまではならないですが、面白さにどっぷりはまり突き詰めて真剣に研究していったら、そうなるのかもしれないなぁ、と興味深い植物の世界に引き込まれて行きます。生態や進化の過程や、人や他の生き物との関わり等、耳新しい話しから、再確認や再認識すべき話しまで楽しめます。「葉のつき方は工夫に満ちている」すべての葉が重なり合わず効率良く光を受けるため。「すべての花は美しい数列に従う」フィボナッチ数列やリュカ数列について。「自然界に区別はない」植物にとって、木か草かは大きな問題ではありません、その環境に適応するように進化を遂げただけのことです。-などなど。臨機応変に生き抜いているダイナミックさ、時にドラマチックさを感じさせる植物たち。不思議で偉大な存在の幾つもの話しから、生きる力を感じ取れたり、生き方を学べたり、素晴らしい充実の読後感です。

    0人の方が、このレビューに「共感」しています。

    このレビューに共感する

  • 0人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2021/07/01

    『続・秘蔵カラー写真で味わう60年前の東京・日本』まずタイトルが気になり、10年後とか将来的にはタイトル変わるのかなとか思いながら開いてみたら、良い雰囲気の味わいのある場面の数々でした。生まれる前だけれど昔懐かしさを感じれるような町並み。ほとんど大多数が路面電車の走る景観で、各地の路線のバリエーションの豊富さに驚きます。まだ区画整理のさほど進んでない、砂ほこりの舞うような街角。車が少なく、人の多い眺め。道幅が狭く、暮らしの中に線路が組み込まれていた時代の様子。日本中どこも同じような道路になる前の、その土地土地の特有の空気感を写真から感じ取れたりして良いなぁと、膨大な貴重な資料として、一度に広く見渡せる見事さ。

    0人の方が、このレビューに「共感」しています。

    このレビューに共感する

  • 0人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2021/06/30

    『勘違いだらけの日本文化史』昔のことや歴史は本当かなぁと疑問を持つことは、良いことなんだなぁと思えました。常識や思い込みへの斬新な指摘や、耳新しい新説や、興味深い推量の話し等、楽しめます。著者は「有職故実」つまり「昔の事実の知識がある」とする仕事に就いている自身の経験から、「引勘」つまり「故実を引いて考えること」をすすめてくれています。この本の中で心強い言葉に出会えて良かったです。生活の中でも”evidence”や”source”を問いながら、フェイクニュースに対処する力を身につけるべきだと、強く思わせてくれるところに感動しました。「原典に当たる習慣は大切だと考えます。」と語り、日常から事実を随時確認するような、意識と姿勢を保つように教えてくれているところも、良かったです。

    0人の方が、このレビューに「共感」しています。

    このレビューに共感する

  • 0人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2021/06/29

    『文豪たちの手紙の奥義』 24人の文豪による手紙、文学作品では得ることの出来ない空気感や雰囲気に触れられる一冊。日常的な言葉でやさしく伝える手紙の中で、滲み出してしまっている文豪らしい心と力。独自の個性のかがやき。卓越した文章力と心配りと情熱のみなぎり。したたかさや成熟度。知性や品位や洒脱や、それぞれ溢れる言葉の技の魅力に触れては、手紙の奥義を見つめてゆく本。清潔さや率直さや謙虚さを持ち、自分の言葉で表現する簡潔性の大切さ。工夫してはまごころを込めて書く手紙の心得。読み進めては学んでゆける。手紙の中で生き続ける文豪たちの体温の伝わりを、実感してみよう。

    0人の方が、このレビューに「共感」しています。

    このレビューに共感する

  • 0人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2021/06/29

    『文士の時代』生きた表情の数々、背景の佇まい、今は見ることの出来ない情景、触れることの出来ない空気感が、モノクロ写真と当時の語りとともに伝わり来る、素晴らしい一冊。100人以上の掲載という圧倒的なヴォリュームからも、写真にかける情熱の凄まじさが感じられる。強みはあくまでも記録性にあると言い切る本人は、どこに行くにも、小さなバッグにカメラ一台だけはしのばせておく習慣で、撮り続けることが出来たという。意志を持って長く続けることの大事さも、教えてくれる内容で良い。濃密な時代の混乱期を懸命に生きる人々の世相をご覧になりたい方、この本の写真と文いかがでしょうか?

    0人の方が、このレビューに「共感」しています。

    このレビューに共感する

  • 0人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2021/06/28

    『オノマトピア』やはり合成語の目新しさには何だろうと疑問符が浮かんだりして、、、「オノマトぺとユートピア」で「擬音語理想郷」が現れる。文学や芸能や社会を通して、擬音語と擬声語と擬態語を楽しめるところ。聞こえた音を語音で模倣するとゆう世界に溢れている妙味。外界の音響的事象を描写する〜非音響的事象。発音されたコトバは自らの中にニクタイの原記憶を持っている。カラダがコトバの中に棲み込むことで、通じる共通感覚か、人間がお互い共通の暗黙のイミを読みとれるワケ。解説的な文面でも、オトとしての言葉を意識させるカタカナ表記を多用しているのは特徴的だったりして、ムイシキ的暗示も読み解いてゆく広さや深さ。あらゆる範囲をユーモア込みで通じてゆくオノマトピア。

    0人の方が、このレビューに「共感」しています。

    このレビューに共感する

  • 0人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2021/06/28

    『標準語に訳しきれない方言』昔から残っているそれぞれの地域の特有の言葉は、会話の中で息づき生き抜いてきた文化だなぁと思うので、知らない土地の知らない言葉に触れることが出来るのは貴重な機会です。方言という存続すべき文化を、本で知れる楽しみ。全国の方言の雰囲気を掴める入門として良いなぁと思いました。「標準語にぴったりと当てはまる単語がなく、意味が非常に限定的なものを中心に取り上げている。」という内容なので、方言が持つ雰囲気を感じ取ったり、 使い方を知るのには、入りやすく、わかりやすくて良かったです。微妙なニュアンスを味わったり、語彙からその土地の地域性を見出すイメージを膨らませたりして楽しめます。

    0人の方が、このレビューに「共感」しています。

    このレビューに共感する

検索結果:149件中76件から90件まで表示