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ジョージFNAQ さんのレビュー一覧 

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2023/08/29

    ベートーヴェンの直弟子として知られるリースだが、その作曲技法には、確かなものがある。ピアノの節回しや、金管楽器の咆哮などは、ベートーヴェンのエピゴーネンぶりを彷彿とさせるが、ロマン派的なフレージングもあって、なかなか興味深い。ただ、楽想に目新しさがなく、どこかで聞いたようなメロディが散見されるので、オリジリティに乏しいところが、欠点と言えば、難点だろう。それを差し引いても、鑑賞には、値すると思う。

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     2022/12/25

    CD19枚目まで聴きました。全体的な感想としては、金管楽器の響かせ方には、古き良きドイツの威光を感じ、弦楽器の歌わせ方には、優美さをも感じさせる。テクスチュアを客観視して、冷静に演奏しているような感じがする。カイルベルトの中核となるレパートリーは、モーツァルトの交響曲第40番、ベートーヴェンの交響曲第4番、ブラームスの交響曲全曲、それにブルックナーの交響曲第6番といったところだろう。ともかく、まじめな職人肌の演奏で、ブラ1など、悠然と構えていて、聴きごたえのある演奏だ。逆に、ヨハン・シュトラウスの一連のポルカやR・シュトラウスの『ティル』などでは、諧謔性に乏しく、面白みがない。そういう欠点や利点を含めて、聴いてみる価値はありそうだ。バンベルク交響楽団の演奏の方も、リハーサルでアンサンブルが磨き抜かれており、悪くはない。

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  • 7人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2022/11/17

    ここにきて、指揮者ノリントンのロンドン・クラシカル・プレイヤーズとの初期録音がまとめて聴けるなんて、なんてうれしい企画なのでしょうか!ノリントンの古楽演奏は、切れ味が鋭く、シャープで、テンポも割かし速い。ただ、解釈には、主観的な色合いが濃くて、同じく古楽のホグウッドの学術的な知見に基づく解釈とは、対極にあるように感じる。学術的にはともかく、実に説得力のある見事な演奏が目白押しなので、退屈はしないと思う。形式にとらわれない自由闊達な古楽演奏を求めている人には、ぜひご購入を検討していただきたい。

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     2021/12/06

    さすがに古楽演奏界では大御所のアーノンクールだが、このブラームスでは、例の古楽的なぶつ切りアタックなどのアプローチは見られない。かといって、古楽的なアプローチのやり方が、影を潜めたかといえば、そうとも言い切れない。例えば短いフレーズでは、小気味良く演奏されているところに、古楽演奏の名残を感じる。また、思い入れたっぷりに残響を長めに演奏したり、ショウアップしたように旋律の細部を強調したりするようなことは、していない。無用な力みや溜めがなく、自然体のブラームスと言えよう。特に交響曲第2番・第4番のフィナーレは、速いテンポで生命力あふれる演奏で、打楽器や金管楽器が効果的に強奏されて、オーケストラのうまさを感じさせられる。一方、ブフビンダーのピアノは、響きに不明瞭さや淀みがなく、表現は淡々としているが、澄んでいて、明晰だ。大げさなリアクションもなく、実に美しい見事な演奏だ。バラードなども、大変難しい楽曲のはずだが、そういったことを感じさせない、心のこもった美しい演奏だ。
    好き嫌いはあるかもしれないが、古楽演奏ではそれなりの評価を獲得したアーノンクールの、また一味ちがったアプローチのロマン派作品演奏は、興味深いと思う。

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     2021/12/06

    最初に断っておくが、これはブルックナーの作品を俯瞰するのには役立つが、名演奏揃いというわけではない。おまけに、筆者の購入したセットには、製造ミスで、CD15には、まったくちがった曲が収録されていたので、他の購入者にも同じようなミスがないか、注意を要する。
    演奏は、前述のように、必ずしもベストではなく、すばらしいものも多々あるが、何を言いたいのかよくわからない演奏もあり、手放しには称賛できない。よってこれは、ブルックナーという作曲家の全貌を知りたい人向けの全集であって、それ以外の何物でもない。一応全部通して聴いてはみたが、ブルックナーは、指揮者やオーケストラの熟練度が、演奏に与えるインパクトは少なくない、ということがわかった。筆者から見れば、まだまだ発展途上で、水準以下の演奏が多い。
    また、収録時間が30〜40分台のCDが散見され、それらをうまくまとめて、20CDぐらいのセットにできなかったのかという、疑念は残る。

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     2021/11/26

    これは、現代では多少古風となってしまったスタイルのベートーヴェン演奏だ。録音は1950年代のモノラルで、お世辞にも良いとは言えない。それにしても、アンサンブルは緻密で、一点の乱れもないほどに磨き抜かれている。芸風はおしとやかで、しかも淡々としている。派手なリアクションや、誇張した表現などはなく、心を込めて弾いているような感じがする。21世紀になって、新解釈のベートーヴェン演奏が次々と現れる中、この演奏はそういった時代の潮流にそぐわないのかもしれないが、なかなか味のある演奏だ。録音のせいか、音の強弱の幅が狭く感じられて、平坦な印象を受ける。何れにしても、録音の悪さも問題にならないほどの、魅力のあふれた演奏とは思われない。高評価は難しい。

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     2021/11/18

    実にすばらしい。楽譜の指示に忠実でありながら、それでいて表現力があり、作曲者フィールドの意図以上のものを引き出している。とくにこの演奏では、作品の持つ高貴さとか、メランコリックな幻想性が大切にされていると感じた。ロベルト・マムーは、チュニジア生まれの、フランスで現在も活躍しているピアニストである。日本や国際的には、ほぼ無名のピアニストだが、その音楽性には、たしかなものがある。このCDに収録されている第9番変ホ長調のノクターンは、ショパンの第2番変ホ長調のもとになったと思われる作品だが、独創的なピアニスティックな技法は、ショパンの作品よりも深いものを感じさせる。なお、第18番のノクターンのフィナーレでは、ミスタッチで音が飛んでしまっている箇所があるのが惜しい。

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     2021/11/15

    一般的に、エーリヒ・クライバーはドイツ正統派の系列に属すると思われているが、なるほどたしかに、大指揮者であることは、疑う余地はない。しかしいわゆる、『巨匠タイプ』の指揮者ではない。このモーツァルト演奏を聴いた感じでは、早めのテンポで、メリハリがあって、きびきびしている。このウキウキワクワクするような演奏は、まるで舞踏会のような感じだ。息子のカルロスも、第33番と第36番のライブ録音を遺しているが、ある評論家は、『あれは指揮してるのではなくて、踊っているのだ。』と評した。同じことが、父エーリヒにも言えるのではないだろうか。エーリヒ・クライバーについては、正規録音が名声の割には少なく、そのせいか評論家もほとんどコメントを残していないため、評価されてきていないといういきさつがあるものの、最近のライブ復刻などが増えてきた事情を鑑みれば、もっと評価されてきてもいいのではないかと、個人的に思う。何れにしても、独自の、『舞踏するモーツァルト』的な、軽快で、しゃれっ気のある、楽しい演奏だと、私めは思う。なお、エーリヒは、奇しくも敬愛してやまないモーツァルト生誕200年の記念すべき日(1956年1月27日)に、チューリヒで急死したことを、つけ加えておく。
    このCDに収録されている、交響曲第39番とオーボエ協奏曲は、亡くなる7日前(1月20日)のライブである。このライブは録音が古く、聞き苦しい感じがあったり、ポルタメンタルな弦の響きが古めかしくて、万人向きの演奏とは言えない。その点は、留意する必要があるだろう。エーリヒは、オペラ演奏には定評があって、演技指導をしていたほどの、入れ込みようだったと、ゲオル九・ショルティは述べている。もっと言えば、モーツァルト演奏に関しては、ワルターやベーム並みに評価されても、よろしいのでは?

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     2021/11/08

    ずいぶんと見通しの良いブルックナーで、清流のような演奏である。人によっては、何か情念のようなものが物足りなく感じられる方もいらっしゃるかもしれない。理知的なアプローチだが、それでいて内容が空虚さに陥ることもなく、外見上の効果を狙った、意味のない金管の強奏も聞かされることはない。ロスバウトはもともと、ラジオのライブ放送で人気を博して、南西ドイツ放送交響楽団に招聘された経緯があり、なるほど楽譜の解析力が確かにある。録音も当時のセッションとしては、良好なものだ。評価の分かれそうな演奏だが、私めは、高く評価したい。

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     2021/11/08

    何十人という人が、このCDについてのレヴューを寄せているので、私めからは、改めてコメントをすることもないように思われる。ただ一言、優美で色彩感豊かで、すばらしい、そして伸びやかな演奏である。まず、弦楽器の音色の美しさに魅せられた。残響も豊かで、そのせいかテンポもゆったりめだ。たとえは適切でないかもしれないが、イムジチ合奏団がモーツァルトを演奏しているような感じだ。指揮者アリゴーニは、1948年ヴァイオリンの生産地としても有名な、イタリアのクレモナに生まれた。なお、この全集CDには、なぜか第32番の交響曲が含まれていない。その点は、留意すべきであろう。

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     2021/03/19

    ラトルの実演を聞いたことのある友人は、彼がみんなで音楽を創っていこうとする謙虚な姿勢に感銘を受けたという。その姿勢は、このCDにも表れているように思われる。大げさなリアクションはなく、音楽が自然に流れているかのような心地よい夢見がちなメロディーライン。この演奏には、ラトルの不思議な魅力が満ち溢れている。

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     2021/02/25

    なかなかの秀演である。第2番ではテンポの揺れがみられるが、ドウダメルがそれに合わせてがっちりとサポートしているところが好ましい。バレンボイムのピアノは、一つ一つの音をあいまいに弾かないで、実に、粒のそろった音でくっきりと聞かせてくれる。オケの表現力も見事なもので、著名オーケストラのものと比べても、遜色がないように思われる。何れにしても、一度は聞いてみる価値がありそうな演奏に思われたが、前のレビューの方が酷評していたので、大きな声では言えないが…

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     2020/11/05

    このCDの聴きどころは、なんといっても、モーツァルトが使っていたヴァイオリンが一体どういう音がするのだろうというところに尽きると思う。結果は、現代のヴァイオリンとほとんど変わらなかった。艶があって煌びやかな音色ではなく、どこかくすんでいて、地味な音色だった。演奏者のコルツは、ウィーン・フィルの第2ヴァイオリン奏者で、1987年生まれの新進気鋭のヴァイオリニストであるが、このアルバムがおそらくデビュー盤になるだろう。その技量には確かなものがある。しかし、モーツァルトのヴァイオリンを傷めないように遠慮して弾いているのか、造形が軟弱に聞こえる。細かいフレーズが聞き取れないほどの弱音で奏されることもあった。ルーブル宮音楽隊の伴奏も、第3番の出だしのアタックの強さなどは古楽的に聞こえるが、それ以外はびっくりするほどオーソドックスだ。テンポも総じてゆっくりめで、激しいアクションはなく、平坦に聞こえる。もうちょっと思い切って弾いてほしかったというのが、正直な感想だ。

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     2020/10/27

    もともと筆者は、第4番が苦手であまり聞かないが、この演奏はいい。この曲に関しては、出だしよりも、終楽章のオーケストラの咆哮の方が印象に残るが、古楽演奏を意識したせいか、新奇に聞こえた。出だしが目新しさもあって、「なるほど、こういうベートーヴェン演奏もありか!」と妙に納得した。演奏も華美に流されることなく、しっかりしていた。管楽器、弦楽器の各パートのバランスもいい。第2番もなかなかいい。満点は付けられないが、ベートーヴェン弾きとしての仲道の真価が発揮された好演であった。

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2020/10/07

    端正で躍動感のある模範的な演奏であるとの印象を受けた。一般的には、モーツァルトのソナタといえば、子供の練習用で、鑑賞には向かないとされてきたが、この演奏は、立派に観賞用として通用する。細かいことを言えば、楽譜のテンポ(例えばソナタ第11番の終楽章)や強弱の指定(例えばソナタ第16番の第2楽章など)を無視して、すっきりと聴かせるところや、感情がこもり過ぎてテンポが重くゆったりとなるところなどは、ピレシュ(ピリスはブラジル読みなので、ピレシュが正しいようだ)の名人芸的なところでもあるが、評価が分かれるところだろう。この人のモーツァルトは、実に聞き手の懐に入り込むような優しい演奏で、好感が持てる。この若き日のピレシュの演奏は、天才の片鱗を感じさせる貴重な記録でもある。DGとの新盤は、ややテンポがもたれ気味のところがあるので、筆者としては、この旧盤の方を推奨したい。なお、楽譜の指定にばか正直なものとしては、ワルター・クリーン盤があるが、現在では、入手可能なのだろうか?

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