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まさやん さんのレビュー一覧 

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     2023/06/30

     ギロヴェッツのフルート四重奏曲はいかにも古典派らしい端正な品の良い曲である。フルートはソロ楽器として華麗に活躍するという感じではなく、Vn、Vla、Vcも単なる伴奏で終わらない。4つの楽器が対等に曲作りをしている。(Vlaは少し目立たないが、時に前面に出て自己主張する。)私はト長調の第1楽章、とりわけ展開部以降が素晴らしい出来で、耳を凝らして聴いてしまった。カールカイザーの吹いている古典派時代のフルートはバロックフルートのような雅さはないが、音程が安定しており、音色も割と均一で、少し硬く乾いた音がするが、ギロヴェッツの曲にはあっているのではないかと思う。Vn,Vla,Vcを弾く3人は早い楽章では強弱をつけて生き生きと演奏しており、遅い楽章では少しロマンチックで温かみのある演奏をして、聞き手の心を良い感じにさせてくれる。3曲ともさーと聞き流せるような軽さがあるように感じられるが、じっくりと聴いてこそその良さがわかるだろう。 

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     2023/06/25

     かつて、コンチェルトケルンのヴィルムスの交響曲集の中の2つの短調の作品のドラマチックな演奏に驚かされたが、このCDの3曲はそれとはまったく異なり、明るく温厚な品の良い作品である。2つの協奏交響曲はソロ楽器が華やかに名人芸を繰り広げるという感じではなく、あくまでも協奏的部分がある交響曲と言う感じで、オーケストラの響きが充実している。クラリネット協奏曲はソロの部分もオーケストラの部分も充実しており、聞きごたえがあるなかなかの名作である。3曲ともソロ楽器奏者の腕前に問題は感じられず、充実したオーケストラの響きとともにヴィルムスの音楽の品の良い聴きやすさ、心地よさが伝わってくる良い演奏をしている。ヴィルムスの作品をもっと聞きたくなってきた。

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     2023/06/18

     エリック・ミルンズの特性・思いのせいなのか、アルモニー・デ・セゾンはかなり癖のある演奏をするところがある。2つのVnのための協奏曲ニ短調、Vn協奏曲イ短調、ObとVnのための協奏曲ハ短調の第一楽章で、何か所か、一瞬間をおいてからアクセントをつけて次の合奏音を出す、言わば演歌のこぶしのような音作りをするので、聞く者に「えっ…」とさせる。(そういえば、亡きアーノンクールが晩年にそんな演奏をすることがあった。)また、あるフレーズだけ弱奏することもあり、「何で?」と思わせる。というわけで、ここは好き嫌いが出そうである。オーボエダモーレ協奏曲とチェンバロ協奏曲はともに長調のせいか、癖のある演奏は感じられず、明るく華やかに進んで心地よい。どの曲も緩徐楽章は情感豊かな演奏で、じっくりと聞かせる。そして、各パート1人なので各声部がはっきりと聞こえるし、コントラバスの音が豊かである。オーソドックスなバッハではないので、これらの曲の2枚目のCDとして持つとよいかなと思う。

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     2023/06/15

     知る人ぞ知るフィンランドの名手ハッキネンによるC.P.E.バッハのファンタジア集であり、短調の曲が多数を占める。大バッハも好んだというクラヴィコードの持つ独特な音色(低音が時にビィヨーンと鳴り響くが、これが何とも言えず魅力的!)、フォルテピアノほどではないが音の強弱が出せること、1つ1つの音がわりと明瞭なことなど、クラヴィコードの長所を生かしてハッキネンはチェンバロでは出せない繊細な表現で、C.P.E.バッハの多感様式の精神を聞き手の心にじわっと浸み込ませる。どの曲も良い演奏であるが、とりわけ、C.P.E.バッハと大バッハの同じニ短調のファンタジアとフーガの聞き比べ、情感豊かでしかも知的で沈思的な、長大な嬰へ短調のファンタジアは感動的である。フォルテピアノによるファンタジアが3曲演奏されているが、クラヴィコードとは違う印象を受け、こちらもなかなか良い演奏である。モーツァルトがC.P.E.バッハのファンタジアから大きな影響を受けたのが納得できるファンタジア集である。

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     2023/06/13

     バロンの曲は初めて聞くが、バッハやヴァイスよりも11歳年下のせいか、古臭くなく少し曲調が新しく感じられる。例えば、リュートのためのソナタ変ロ長調のファンタジアの音の動きに驚かされるし、同じくヘ長調のソナタのサラバンドは情感豊かで、ロマンチックでもある。他の楽器との曲でもリュートは単なる通奏低音ではなく、旋律楽器として主役並みに活躍する。演奏している3人とも技巧的になかなか上手く、良いアンサンブルを成している。特に、クルチンスカは曲によってソプラニーノ、アルト、(多分)ヴォイスフルートを使い分けて、聞く者の耳を楽しませてくれる。バロック音楽が好きな人にお勧めしたいCDである。

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     2023/06/06

     現代楽器によるバロック音楽演奏であり(ヴィブラートはほとんどない)、緩徐楽章はややゆっくりと(多少ロマンチックに感じる)、早い楽章はきびきびしたテンポで元気よく力強く進んでいく。アンドリウスのソロオーボエは流暢で巧みな演奏である。通奏低音のリュートやバロックギターも効果的に使われている。現代楽器による演奏を普段から聞いている人にはなかなか良い演奏に聞こえるだろう。しかし、普段、古楽器や時代楽器による演奏に親しんでいる人には、音色の変化に乏しく、バロック音楽の雅さに欠け、時に元気が良すぎてうるさく聞こえるだろう。私は後者の立場なので……

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     2023/05/22

     これだけ多種類の古楽器によるフーガの技法は初めて聞いた気がする。チェンバロやオルガン独奏による演奏と比べて、各声部の動きがよりはっきりと聞こえるが、決してバラバラな感じはせず、適度な緊張感をもって曲が進んでいく。リコーダーやヴァイオリン、チェロやガンバ、チェンバロによる演奏は何かトリオ・ソナタを聞くようである。第1曲や8度のカノンのように、チェンバロ独奏による演奏は落ち着きがあり、穏やかな印象を受けるが、他の複数の楽器による演奏は実に生き生きとしており、各奏者の意気込みが伝わってくる。最後に演奏される未完のフーガの多彩さは目を見張るようである。フーガの技法の究極の楽しみ方の1つをニュー・コレギウムが示してくれたと思う。普段とは少し違うバッハを楽しんでみたい人にぜひお勧めしたい演奏である。

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     2023/02/27

     ラビリンティ・アルモニチによるポンポルティのCD第3弾、2つのVnと通奏低音のためのソナタOP4である。形式や曲の規模にコレルリの影響がまだ見られるが、OP1,2よりもメロディアスに感じられる曲が多くて聞きやすい。通奏低音にチェンバロ、チェロ、テオルボが効果的に使われて、
    2つのVnのかけあいをしっかりと支えてており、個性の強い演奏ではないが、ラビリンティ・アルモニチは今回も良く音楽している。

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     2023/02/09

     シリアスな内容もあるけど、登場人物がみないい人たち(獣人、猫妖精もいるけど…)で、読み終わると何だか心が温かくなる物語でした。この続きとして「ロンドン編」をぜひ描いてほしい。アリアの魔女としての、人間としての成長を見てみたい!

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     2022/11/07

     ケ・デルヴロワは初めて聞く名であるが、マレの教え子であったせいもあり、「マラン・マレの残り香」というタイトルの通り、フランスバロック音楽の上品で優雅な響きを堪能できる作品集である。ソロ楽器の演奏も素晴らしく、ボルトンの品の良い柔らかな響きのヴィオラ・ダ・ガンバ、セッタのいかにも素朴な音色のフルート・トラヴェルソ、ペローのしみじみとした音を奏でるテオルボ、そして通奏低音楽器としてチェンバロ、バロックギター、テオルボ、ヴィオラ・ダ・ガンバが巧みに組み合わされて、ソロ楽器をしっかりと、かつ生き生きと支え、フランスバロック音楽の優雅で上品な、また豊かな情緒が感じられる音楽空間が聴いている人に広がることだろう。バロック音楽が好きな人にはお勧めの1枚である。

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     2022/11/07

     リチャード・ジョーンズは初めて聞く名であるが、その人生の記録も少なく、後世に伝わる作品も少ないという。このチェンバロの練習のための組曲集を聞いてみると、ヘンデル、バッハ、スカルラッテイ、F.クープランとも異なる独自の世界があるように感じる。技巧的に難しい曲はないが聞いて心地よい曲が多く、ヴァイオリンの名手らしい響きがすると解説にあった。長調の曲は明るく生き生きとしており、短調の曲は心に染み入る感じがする。演奏しているフランチェスコ・フォルナサロも初めて聞く名であるが、ジョーンズへの共感たっぷりの良い演奏をして、歴史に埋もれた名作の掘り起こしに成功している。一度聞いてみる価値は十分にあると思う。

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     2022/10/16

     4つのソナタはCPEバッハの多感様式の影響を受けていると思われ、感情表現が豊かでなかなかドラマチックな印象を受ける。ファーブリの演奏も表現性が強く、タンジェントピアノの独特な音色と相まって、聞き手に強い印象を与える。同時代のハイドンのピアノソナタとは異なる世界が広がっている。ファンタジアは晩年の作のせいもあり、古典派の整った聞きやすい作品である。バロック〜古典派の作品をオリジナル楽器で聞いている人たちにお勧めしたいCDである。

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     2022/10/16

     第1〜3番まではコレルリの影響が感じられるが、4番以降はジェミニアーニらしさが感じられるのではないか。どの曲も工夫されており、全曲聞き通しても飽きることはないが、やはり1〜2曲をピックアップして鑑賞するほうがよりいい気分になれる。ルハーゼのVnは技巧的にも達者で気持ちのこもった良い音を出しており、ネポムニャシチャヤとの掛け合いもばっちり!通奏低音楽器としてVcが加わっていないので、チェンバロの音が細部までよく聞こえ、すっきりした印象を与える。名作の名演の登場である。なお、初めVnの音が大きく聞こえ、チェンバロの音が小さく聞こえてバランスが悪いなと思ったが、聞き進むにつれてその感じがなくなったのがちょっと不思議(私が年寄りのせいか?)

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     2022/03/03

     短編4話とも不思議な物語で、しかも人間の喜怒哀楽が詰め込まれていて、読んだ後に何とも言えない余韻が残る。「風の開け閉め」が特にそうであるが、「藍の上、青の下」のような現実世界での謎解き・ちょっとラブストーリーもいい。谷和野ファンにはたまらない短編集でした。次も読みたい。

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     2022/03/02

     ハイドンの比較的初期の8つのソナタが聞けるが、やはり聞き所は疾風怒濤期に作曲された4つのソナタである。ハッキラが使用する1790年代の作者不詳のオリジナルなフォルテピアノは、現代ピアノにはない音色と美しい鉄の響きを持ち、強奏してもうるさくならず、とりわけ弱音での繊細な音がすばらしい。たまにきしむような音がするが、200年以上前のオリジナル楽器のせいであろう。ハッキラはこの特性を十分に生かして、ト短調、変イ長調、二長調、ハ短調のソナタを古典派の構成を損なうことなく、少しロマンティックにいきいきと弾いて、ハイドンのピアノソナタが実は内包している豊かな感情表現を聞き手に届けてくれる。ハイドンのピアノソナタはモーツァルトや他の作曲家と比べていまいち物足りないと感じている人にぜひ聞いてほしい。じっくりと聞けば聞くほど曲の良さがわかる素晴らしい演奏である。

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