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まここ さんのレビュー一覧 

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2021/03/22

    私見では、ヤンソンス最大最高の遺産筆頭の音源であり、同時にバイエルンRSO最高の演奏・録音(録音そのものもライヴながら最高レベルのものと言ってよいと思う)の筆頭でもあると思う(第8交響曲は彼の偏愛曲であったようで、コンセルトヘボウやオスロフィル、ベルリンフィル等?と何種類も録音録画があり、私も全ては聴けていないが、恐らく当録音が最高ではないかと推測する)。
    第1楽章冒頭から、まことに応接の暇(いとま)も無いほど変幻自在のデュナーミク、アゴーギグ、ニュアンスの連発連打に、本当に驚かせられ、決して大袈裟ではなく一瞬も耳をそらすことができない。よくもこんな風にオケを歌わせられるものだと思う第3楽章、そしてフィナーレに入ると、こんな凄い音楽だったかと思わせられる展開部3分35秒〜5分05秒あたりの息詰まるようなただならぬ緊張感、他の多くの演奏ではなんということなく通り過ぎそうな6分22秒〜7分33秒あたりの、どこまでもあたたかく懐かしい音色かつ弱音で歌われる弦楽など、本当に書いているとキリがないが、しかもここでの指揮者とオケの息の合い方は、掛け値無しにまさしく一心同体というレベルで、とてもにわかに信じられない!。このようなレベルの一体感は、私見では、70年代以降のベストの時のカラヤン×ベルリンフィルや、やはりよい時のムラヴィンスキー×レニングラードフィルなど非常に数少ない。そして、よくよく考えると、ヤンソンスはムラヴィンスキーのアシスタントをつとめ、カラヤン指揮者コンクールに上位入賞して、カラヤンのアシスタントもつとめた経験と決して無関係ではないであろうことに思い至る。。そして、この素晴らしい音源を改めて聴くにつけ、2019年秋の、70歳代半ばという、昨今の指揮者としては早過ぎるヤンソンスの逝去を惜しまずにはいられない。
    この交響曲を好きな人はもちろん、オーケストラファン必聴の音源、未聴の方はぜひお聴きを!

    2人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2021/03/21

    個人的見解では、この録音は色々な意味で非常に深い価値を有するものである。。風圧を感じるような、せきを切って音の滝が流れ出すような1楽章冒頭といい、大パイプオルガンの咆哮のような4楽章コーダの圧倒的なコラール再現といい、まるでブルックナーの大交響曲のように聞こえる超重量級の1、4楽章、香るような音色で無限に音楽がうつろい、うねる2、3楽章、これら全てが、このコンビの30年もの共同作業によってはじめて可能となったものであり、つまり、カラヤンも数十年ベルリンフィルと付き合いつつ老境に達してはじめてこのような音楽を生み出し、ベルリンフィルも、残された録音等、他のどの指揮者ともこのような音や音楽は成し得ていない。そしてここでのベルリンフィルは、通常よく使われるのとは全く異なる次元で、本当に文字どおりカラヤンの手足になりきって間然するところが無く、又、この演奏は、Vn〜シュピーラー、Ob〜シェレンベルガー、Fl〜ブラウ、Cl〜ライスター、Timpani〜フォーグラー(初出時から音と演奏で確信していたが、同時収録の映像で確認可能)、・・と、主に70年代以降のカラヤン時代を支えたベルリンフィルの名手たちが、この類い稀な演奏の実現に最高に寄与していることが強く感じられる。 さらに、この演奏は、テンポ、表情、ニュアンスなどの全てにおいて人為的な匂いが全くせず、音楽はあたかも刻々と移り変わる大自然の諸相の如くのように感じられる、という意味でもこの曲の膨大な録音音源中ではもちろん、広くクラシックのオーケストラ曲の録音音源中でも他にあまり類例の無いものであると思う。。さらに加えて、この音源は、カラヤン時代の、フィルハーモニー大ホールにおけるベルリンフィルの最優秀録音の5指(あるいは3指か?)に入ると個人的に思うほどの、驚くべき音と音楽が捉えられた、 G.ヘルマンス渾身の超絶名録音でもあると同時に、上記のような希有の演奏内容で、カラヤン×ベルリンフィルの全録音中、やはりベスト3〜5に入ると個人的には言いたい!(個人的にはベストワン!)。。私は、1987年の10月1日にこの音源を入手して初めて聴いた時の驚きと感動の時間を未だに忘れられないでいる。さらに、初出時の、ブックレットの抽象画?(Holger Matthies)の、なんとも言えない幽玄な色合いが、この曲と演奏によく似合っているように感じるのは(ブックレットのデザインは、4曲それぞれ色合いだけ微妙に違うが、この1番が特に美しいと個人的に思っているが、初出・再発全ての1番日本盤ブックレットが、やや劣化したコピーのような画質なのが残念)私だけであろうか?。
    以下、他の3曲について簡潔に。2番は、演奏の内容レベルの高さは1番に劣らないが、どうしても演奏者と曲との相性という面で1番の方がずっと上回るように聞こえてしまうのは致し方あるまい。録音も1番に劣らず最高。3、4番は名演ではあるが、当時のカラヤンの体調の難しさが、オケの統率・コントロールに影響しており、個人的にせめて87年中に録音されていればと思ってきた。又、私見では恐らくティンパニがフォーグラーではないのも影響があったと思う。録音も1、2番に劣る。。星5個は1、2番に対して、3、4番は星4個だが、個人的には1番は星50個!くらい付けたいというのが偽らざる気持ちであるが、それは私個人の気持ちであるとしても、「カラヤン×ベルリンフィルってそんなに凄かったの?」という問いかけに対する最良の回答音源の筆頭であることは間違いないだろう(又、88年秋のロンドンライヴ(テスタメント)は劣らずの出来かと思うが、同年春の東京ライヴはこれに劣ると思っています)。

    1人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2021/03/09

    アリスのデリカシーあふれるセンシティブな音楽性、心洗われるような清らか極まりないないタッチと音、それらすべてがこれらの音楽にぴったりで本当に素晴らしく、さらに、サロネン指揮バイエルンRSOのオケパートがこれまた最高!。あらゆる面でセンス・充実感満点ながらも、僅かに抑制をきかせて曲本来の世界を逸脱しないように仕上げており、加えて録音もライヴながらほぼ最高に近い出来ばえで、個人的に、少なくともコンチェルトはこれまでの全ての名盤をも上回る同曲音源中のベストワンと言いたい!(例えば、今まで良いと思っていた、ルプー:プレヴィンも方向性は似ていると思うが、全てにおいてこちらが上と感じるし、ツィメルマン:カラヤンは、ソロ・オケとももっとスケール大で素晴らしいとは思うが、少し演奏者の個性や色が曲よりも前に出ているように感じるので、私的には、やはりこのアリス:サロネンを上と評価したい)。
    これほどの名演にごく最近まで当欄で1件のレビューも無かったのが信じられません!、私はアリスのミーハーファンでは決してありませんが、この音源は、この曲を愛する人は必聴!、ピアノコンチェルトやオーケストラが好きな人も聴かないでいるのは本当にもったいないと心から思います、聴けば至福の時間を過ごせると申し上げたいです、未聴の方はぜひ!

    3人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 9人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2018/06/08

    この来日公演は聴けなかったので期待しつつ聴いたが、長年のBPhファンとしては(80年代前半以降、毎回の日本公演の多くと、本拠地フィルハーモニー(カラヤン時代・アバド時代)での定期公演鑑賞数回、1940年代以降録音の音源大半所有・・)大変残念ながら、好みはさておき、どうしても高い評価は付けられない。。→@このセットは昨今BPhの専任バランスエンジニア?らしきルネ・メラー氏がわざわざ帯同して録音するも、やはり不慣れなホールのためであろうか、SACDに盛り付けるまでもない、もっさりしてキレの無い、さえない録音に終わっている(氏の本拠地での普段の録音は概ね良いと思うが)。Aソウルでの収録映像の酷さ、、定点数ヶ所からの遠景カットのみの映像、傷入りのアクリル板を通したかのような指揮者アップ画像、さらにそもそも基本的画質が数十年前?!レベル、ブルーレイの意味全く無し!!、このソウル収録映像の商品化は通常なら間違いなく不可でしょう(たとえオマケのつもりであったとしても)。B肝心の演奏、ペトルーシュカと、バルトークのユジャ・ワンがかなり良い他はBPhとしては物足りなく、特にオケの看板レパートリーであるはずの「ドンファン」、ブラ4は、もうラトルと16年も組んできたのだから、カラヤンやアバドとは違う何かが聴けると思ったのに、単に普通にとても上手なオケの80点くらいの無難な演奏にしか聞こえない、これでは、もしブラインドリスニングさせられたら、私はもちろんのこと、多くのリスナーの方々もBPhとは言い当てられないのでは・・。あの、音楽が、ホールの空気が沸騰するような、世界中でこのオケだけの、聴き手を圧倒するウルトラハイテンションのムジツィーレンは(演奏中の目つきやボウイング、体の動きなども含めて)もう無くなってしまいつつあるのだろうか・・。。以上、このオケを長年心から愛して聴いてきたからこその、とても残念な評価です・・・。

    又、先行レビュー「竹甘さん」のコメントに私も全く同感で(ただし成果ゼロというつもりはなく、パッケージ音源では、ラフマニノフ「鐘」や、ドヴォルザーク交響詩などは大変よかったと)、以下はあくまで私的見解で悪意は全くありませんが、ラトルは大変有能な指揮者でしょうが、彼はほとんどいつも「頭で考えて」演奏するも、心やエモーションをセーブしたままだから、(高い意味での)解放→カタルシスが無いからではないでしょうか?、それは少なくとも、3人の前任者にはあったと私は思います(一語一句は不確かですが、カラヤンが、「指揮者が解放すれば、オケも聴衆も満足する」とかいうように言っていたと記憶します)。

    以上、普段レビューはあまり書かないのですが、現在まさに分岐点に立っているBPhの気にかかってしまう現在(こうなったら、ペトレンコに期待するのみ・・)として、書かずにはいられませんでした(なお、某大手通販サイトにも別のハンドルネームでほぼ同様なレビューを書きました)。

    9人の方が、このレビューに「共感」しています。

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