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mari夫 さんのレビュー一覧 

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2014/09/04

    改めてまとめて聞くと、トスカニーニのヴェルディというのは特別な演奏であって、それがなかったら私たちのヴェルディの理解も随分違ってしまっただろう、と思わないではおれない。「椿姫」の前奏曲の最初から、優雅で感傷的でサロン的なイメージをブチ壊すような、ざらざらした粗い音色と噛み付くようなアタックで、とびきり腰の強いカンタービレが聞ける。今日に至るまで、このようなヴェルディを演奏する人は他にいないが故に、貴重この上ない。この指揮者にとっては、「椿姫」も「アイーダ」も基本的なアプローチは全く変らない。かよわいヴィオレッタには無慈悲なくらいの強烈な演奏だが、確かに彼女はそのような運命に苛まれるのだから、間違ってはいないのです。「仮面舞踏会」の二幕の前奏曲で聞ける、触れば切れそうな強靭さをもったカンタービレ!その後のアメリアとリッカルドの、ある意味「トリスタン」の二幕の二重唱のイタリア版ともいうべき、二重唱の激情的なこと!これで主役の二人がもそっと良かったら(メリルは素晴らしい!)。「アイーダ」の裁判の場の、凱旋の場と好対照をなす、比類なく暗い影の壮大さ(これも主役二人は頼りないが、アムネリスのグスタフソンは悪くない)!「オテロ」ももちろん誰一人否定する人がいない名演だが、実を言うと、同じ8Hスタジオなのにこれが一番残響がなく、音そのものは「椿姫」や「アイーダ」より明確でも、オケも声も音像が拡がっていかないところがやや残念。ヴィナイやヴァルデンゴの巧みさは分かっても、迫力を堪能するにはイマイチ(Guild盤とか蔵盤は違うのだろうか?でもこのアルバム全部より高いものね)。その点で、このアルバム中の最高のものは「ファルスタッフ」だろう。一番新しいわけではないが音もこれが一番で、歌手も素晴らしい。ヴァルデンゴのタイトルロールは言うまでもなく、他の役では何で彼女がトスカニーニのお気に入りだったのか首を傾げるネッリのアリーチェまでチャーミングな名唱なのは不思議。一発かます迫力の冒頭から、活気にあふれる最後のフーガまで一気呵成の名人芸だ。そして「レクイエム」はミケランジェロのシスチナの壁画に比すべき作品だが、この特質をトスカニーニくらい明らかにしてみせた演奏はない。それは「怒りの日」の阿鼻叫喚だけではない。声楽陣も間然とすることはなく、ネッリも不満はないし、バルビエーリも、まだ数年後のカラスとの吹き込みのようには、声を失っていない。ステファノは少し甘く現世的すぎるが、タッカーやピアースとはやはりモノが違う声だ。そして何と言ってもシェピの素晴らしいバス!でも、主役は最後まで疲れを一切知らないトスカニーニだ。「テデウム」は、音も含めると、ひょっとしたら「ファルスタッフ」と並ぶトスカニーニ最高の演奏かもしれない。Sanctus, Sanctus, Sanctusと合唱がフォルティッシモで連呼する箇所は文字通り鳥肌物です(フルトヴェングラーの第九のあのvor Gott!のフェルマータに匹敵するといったら言い過ぎだろうか?)。

    2人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 14人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2014/08/28

    片端から「全集」を買っていたカラヤン好きには幾分業腹なセットでしょうし、カラヤンなんてゴージャスなサウンドだけの表面的な演奏とかいう、それこそ表面的な批判をするアンチはいくら安くとも買わないだろうから、誰がターゲットなのかな?入門用のプレゼントというのは(大きなお世話だけど)、巨匠にちょっと失礼かもね。私は全然アンチではないのだけど、ライブやライブの放送で随分聞いたせいで、有名曲を彼がどう振るかは分かっている気がしていたので、実はこの頃のCDあまりもっていない。実のところ、単発では入手し難かったブルックナーの五番が欲しくて、この値段なら、まぁいいか的な買い方をした次第。そのブルックナーもそうだけど、メンデルスゾーンだのチャイコフスキーだのの一番とか二番とかは、あんまり興味ないし、埋め草みたいに録音された全集をわざわざ買うのもなあ、ということもあります。これもありやすい「偏見」だと思うけど、いつも演奏していない曲を録音なんて商業主義的な辻褄合わせ、みたいな気もなくはなかった。それもあって、いくらなんでも40枚近いCDをカラヤンばかり立て続けに聞いたら、好悪以前に食傷するに違いない、適当につまみ食いしても勿体なくはない、とか思いながら聞きはじめました。
      けれども、聞き進みながら、意外といえば失礼至極なれどすっかり感心してしまい、一枚、また一枚と(とはいえ一日一枚程度のペースですが)全部聞いてしまいました。そもそも上記の、初録音の一番二番シリーズが、皆実に気合の入った、辻褄あわせとはほど遠い見事な出来。巨匠に失礼千番な億見でしたね。メンデルスゾーンの15歳の時の一番なんて、あのオクテットの天才的な筆の走りを連想させる素晴らしい活気と、入念に構成されたテクスチャーやアーティキュレーションやバランスで(ただゴージャスで片付ける人は、ちゃんと聞いていないでしょ?)実に立派な音楽に仕上がっています。メンデルスゾーンではポピュラーな三、四番が、何故か聞くのが辛いハイの上がりすぎた音で、演奏に入り込みづらいが、「パルジファル」のモチーフが出てくる五番は、その「パルジファル」の後年のレコーディングを彷彿とさせる素晴らしい出来。シューマンは常のレパートリーであった四番よりも、三番、次いで二番が立派な演奏で、これもちょっと意外だった(有名曲でないわけではないのに何故普段は余り取り上げなかったのだろう?)。
      意外といえば、ハイドン、特にほぼレパートリー外だった思われる「パリ交響曲」のセットに感心。オリジナル楽器のような行き方とは違うにせよ、透明なテクスチャーが実にきちんと確保されていることに感心。たとえば「めんどり」の一楽章の、渾名の元になった第二主題とか(プルト数を変えている?)。明らかにビブラートを抑えて弾かせている箇所も結構あり、そういえば、彼はワグナーの楽劇の分厚い音の中にすら光と色彩を通したと評された指揮者だった。カラヤンと言えばレガートと、何とかの一つ覚えのようにいわれるけれど、ハイドンをべったりやるようなセンスのない人ではない。それは―こういうとまた誤解されそうだが―、独墺のバロックやロココの建築を思わせる音の襞と光の明暗で彩られたモーツアルトと比べるとはっきりする。とくにハフナー(低弦が曲芸のような終楽章の快速!)とか39番とか。最後の二曲も立派なもので、カラヤンのモーツアルトはイマイチみたいな「俗説」に反駁する。ベートーヴェンやブラームスに関してはあまりに知られた演奏だからとくにいうこともないでしょうが、柴田南雄氏が氷上を滑走する重戦車にたとえた迫力と技術の極致としてのスムースさ(汗をかいた形跡もない所がアンチに嫌われるのでしょうが)は、この年代の演奏に一番発揮されているかも。カラヤン嫌いで知られている某批評家氏が、高速道路を走るスポーツカーと、こっちは明らかに否定的に、似た形容をしましたが、その機能主義(モダニズム)の美学を彼が理解していないことは、木造の路面電車のファンだとかいうことで判明、納得。趣味は趣味で良いのですけれど。さて最後にお目当てのブルックナーの五番。それはもう、最初のピチカートから見事な重量感と膨らみで最後までを予感させる、シリーズ最高の演奏(それ以外の後期曲はちょっと録音が落ちるせいもあって)でした。長文大変失礼。

    14人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2014/06/20

    曲目は結構バラバラですが、セルの円熟の過程を見るには興味深いアルバム。クリーブランドとの絶妙なアーティキュレーションとバランスを極めた境地に比べるともう少し前のはどうでしょう、派手と言われる方もおられるが、メリハリの利いた、やはりハンガリー人と思せる指揮ぶりではあるものの、どこか美徳(ヴィルトゥオーゾのヴィルトゥ)に欠ける感は否定出来ない(同感は得られそうもないが、私はロジェストヴェンスキーを連想してしまった。あれほどあざとくはないとしても)。コンセルトへボウものではドヴォルザークやブラームスより、シューベルト、メンデルゾーンの方がいい。カサドゥジュとのモーツアルトは旧盤なんですね、知らんかったそんなのあるの。でも戴冠式はステレオです。スメタナの編曲ものは、もちろんモノだが、オケの名人芸が聞き物。ハイドンはやはりCBSのセット盤を是非聞くべし。

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  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2014/06/17

    もうひとつの10枚組と同じくクリュイタンスのモノラル時代の演奏をおさめたアルバムで、同様に聞きごたえがある素晴らしい内容。ハスキルとのモーツアルトとドビュッシーは重複するが、前者は10組の疑似ステレオとは違い、しっかりしたモノの復刻で、ハスキルの明瞭なタッチの意外による剛健なモーツアルトが堪能出来る。ドビュッシーは殆ど同じだがこっちのほうが少し音がいいかな?あとは別の内容だし、フランクやビゼー、ダンディなんかはステレオの再吹き込みのない曲目。活力と詩情に満ちた演奏もまことに見事という他はない。フォーレも少し国際色を強めすぎた新録音よりこっちを推す人が多い事は周知の事実。ラヴェルは10枚組のは何故か音が悪かったが、こっちのダフニスとクープランの墓は吹き込みは同じ時期なのにずっと良い。新録音を措いてとは言わないが、生気に満ちた名演奏であることは誰も否定しないだろう。一推しである。

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     2014/05/01

    基本的に味噌カツさん(何とも郷土愛の出た?ハンドルネームですね)の意見に同じ。二度目のは何か雰囲気を掴み損ねた演奏と言う感があるし、録音も良くなった気がしない。ブルックナーというとごつごつした演奏でなければならないということはないはずで、この極上の厚みと艶で仕上げられた演奏の魅惑は堪え難い。表面を磨いただけのブルックナーなどと言う利いた風の批判に耳を傾ける必要はない。ヴァントだとどうしてもこのオケを鳴らしすぎた感があるが、この演奏では指揮者とオケの個性が隙間なく統合されている。

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     2014/04/25

    映像で見る「カルメン」では、カラヤンのザルツブルグ盤かこれ。クライバーとゼッフィレッリのはどうしたという声がかかりそうだが、どうしてもあの馬力オンリーのオブラスツォヴァのタイトルロールは頂けない。そのカルメンは本盤のバルツァとカラヤン盤のバンブリーは甲乙付け難い。バンブリーは演技が稚拙という方もおられたが、そんなに気にならない。むしろ若々しい声の威力ではバルツァを上回る。ただ演技は確かにバルツァが上だし、ドン・ホセはカレラスは声もビジュアルもぴったりで、老け声と顔のヴィッカースに圧勝。ミカエラは、そりゃフレーニ圧勝、エスカミリオはぼちぼちと、まぁ難しい選択。例によってメリハリの効いた(効きすぎた?)メトの録音で、レヴァインも張り切っていて悪くない(帝王の向こうを張るまでは行かないが)。

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     2014/04/24

    フランス人歌手だからフランス・オペラが、というのはあまりに安易な発想だが、やはりデセイはフランスものが一番。イタリアものだと旋律線が今ひとつくっきりしない。彼女の技巧と魅力と知性が最も堪能出来るアルバム。特に18番のトマの「ハムレット」のオフェーリアの長大なアリアは絶唱。

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     2014/04/12

    何たってヴェリッチのサロメが聞き物。鬼気迫るとはこの事です。インゲボルクやゴルツのサロメも素晴らしいが、まだ常識の範囲での名唱。このヴェリッチのは別もの。サロメという古代の神話的人物が彼女に憑依しているがごとき歌唱だ。狂気と恍惚とおぞましさが交錯するフィナーレは比類がない。これでこそ「あの娘は怪物だ、殺せ!」と叫ぶヘロデの声が迫真味を帯びる。他の配役とライナーの指揮も申し分ないが、やはりこれはヴェリッチだ。

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     2014/04/12

    『ノルマ』はまずカラスである、というのは良くわかるけれども、だからといって他の役はどうでも良いというわけにはいかない。ということで、スタジオ盤のコレッリはあまりにモダン過ぎ、ルートヴィッヒは声(と発声)がやはり異質。ということでローマの方のライブに走ったが、デル・モナコは満足したがスティニャー二はあまりに弱体。『ノルマ』はカスタ・ディーヴァだけではなくて、ノルマとアダルジーザの二重唱(やポリオーネを入れた三重唱)を聞きたいが一心で、当盤に辿り着き、ようやく手に入れた安心立命の境地(笑)。音は悪いが、カラスとシミオナートの二重唱を聞くためならそれは仕方ない。ブラヴィー!!!

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  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2014/04/10

    まず年代を見ると録音の良さに驚く。ステレオ化直後のRCAの録音は、これ以外にもライナーとかルービンシュタインとか、むしろ60年代になってからより良いのではないかという気がするくらいで鮮明かつ色彩感も横溢している。それがドビュッシーやとくにラヴェルにぴったりであることはいうまでもない。ダフニスに比べるとこっちのアルバムはあまり強調される事が少ないけれども、この点で不足がちなEMIの録音による後のパリ管とのラヴェルよりも、むしろこっちをとりたい。ボストン響も全盛期で、スペイン狂詩曲の冒頭のVn.の練り上げられた極上の絹のような感触は応えられない。ハイテンポで畳み込むボレロも各管楽器奏者の名人芸が堪能出来る(確かパリ管盤とは同じ指揮者と思えないくらい違うのではなかったか)。「映像」も、少し薄味という一般的な印象があるミュンシュのドビュッシーの中では最も成功した演奏に数えられる。

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  • 12人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2014/04/10

    一枚一枚買い揃えてきたファンにとってはちっぴり腹立たしいアルバムだが、このピアニストを一人でも多くの人に聞いてほしいという意味では大推奨に値する。とくにショパンの練習曲(何故OP.25だけ?確かにOP.8とは独立の曲なんだけど)とソナタがまず大推奨。練習曲と言えばポリーニと誰もが考えるが、これを初めて聞いた時に上には上があるものだと驚嘆した。あの巨躯から繰り出される底光りする音で、音楽も肉体に規定されるのだと思い知らされた。前奏曲は、ちょっとだけ落ちるかなぁ。アルゲリッチを凌ぐとまでは言い切れなかった。むしろ、バッハとベートーヴェンの仰ぎ見るような構築性。ディアベッリは最高と言える。ブラームスはソナタは凄いが、バラードの音が何故か遠くて残念。ちょっと分からないのはシューベルトで、絶賛される方もいますが、私にはいささか不可解な演奏だった。何か散漫な印象(シューベルトは元々そうだというなかれ)。ロシアものももちろん素晴らしい(が、プロコの8番だけはリヒテルという別格がある)。でもこの後が続かないなぁ(パリでのDVDはあるが)。クライスレリアーナが予定されていた来日公演が会場まで行って夫人の病気とかで中止とアナウンスされ、以来待望んでいた再来日も果たされずに終わった‥‥。

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  • 6人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2014/04/08

    LP時代に最初に買ったベートーヴェンの交響曲がセル・クリーブランドの7番と9番。別に演奏者に期待があった訳ではなく、第九などは要は一枚で入っているというだけの理由。エピックレーヴェルのキンキンした潤いのない音で、好印象はなかった。CD時代になって、来日公演も聞いて、このコンビの素晴らしさを理解して買ったCD(Essential Classics)は大分音が改善されたが、鮮明だが少々濁り気味の音だった。このリマスターは別盤みたいにとか大袈裟なことはいわないが、ヴァイオリンの音の柔らかさや膨らみがとりわけ60年代の録音では増して、実演の印象に随分近づいた。それとともに演奏の素晴らしさの引き立ち方は少なくない。この微妙な音の違いがこのコンビではとても大事だったということだろう。フルトヴェングラーに代表される疾風怒濤的なパトスに満ちた巨人のようなベートーヴェンではなく、清潔を極めるテクスチャーとバランスと音価と音色の微妙なバランスに心を配った細密画のような(いい意味です)ベートーヴェン。「爆演」とか品のない形容とは無縁の純音楽的な演奏で、前のcdでは気づかなかった微妙な細部が心の中に沁み入ってくる。改めてベートーヴェンがウィーン古典派の作曲家である事を納得させるが、同時に第九の規格外の大きさにも不足はない。最初からこの音で出ていたら彼らの日本での評価も断然違ったろうに。音はそれでもやはり新しい方がよいが、最初の第五(ワルターNYフィルのモーツアルト後期より少し前なんだね、日付を見ると)だって悪くない。どの曲も例外なく良くて、それは下のコメントであげられている曲が多様である事にも示されているようだが、これだけ粒の揃ったベートーヴェン全集は殆どないだろう。聞く人を選ぶかもしれないが、屈指のベートーヴェン。

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     2014/04/08

    カラヤン最晩年の美学が濃厚に現れた夕映えのごとき(陳腐な形容だが)演奏。イタオペの脳天気とは無縁の、微妙な音の襞が織りなす室内学的なドラマが聞き物。VPOならではの音だろう。ドミンゴもまた同じような傾向で、柔らかい声で悲劇と喜劇の間を往復する心の襞を巧みに描き出す名唱。ヌッチも例の腰の強い典型的なヴェルディ・バリトンの妙技を披露している。ただ、問題はバーストウのアメリア。どう聞いてもふけ声で興ざめ。フレーニ(全曲盤ないよね?)とは言わないまでも、せめてリッチアレッリにしてくれてたら。星一つ減点はそのため。

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  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2014/04/07

    デル・モナコはさすがにイタオペの時には小さすぎたが、交通事故の後再起して来日した折に文化会館の五階で(学生だったので)聞いた。元々小回りの利く人ではなかったけれども、もはや小技などは薬にしたくもなく剛直一本。しかしその轟き亘る(という形容が出来る声楽家がどれほどいるだろう?5階席まで耳が痛いほどに届いてきた)声の威力の凄さは半世紀を経た今でも耳に残っている。大根だろうと何だろうと圧倒的な存在感を誇った三船敏郎みたいな千両役者ぶり。その最後がオテロの死だった。何と言う体験だったろう!同じツァーのフランス公演の記録がディスク化されているが、聴衆からはMerci!というかけ声がかかっていた。BravoではなくMerci!という気持ちはイタい程よく分かる。
    もちろんそれはリサイタルであって、オペラの公演ではない。このCDで聞けるのは、デル・モナコと彼が賛嘆したカラヤンVPOとの背筋を凍らせる一世一代の競演(これしかない!)だ。エレーデ盤の方が声の状態が良かろうと、この演奏の壮麗な迫力はかけがえがない。上野でのあの体験を思い出せてくれる。BPOとのカラヤンの後年の演奏は、この壮年期の演奏に比べて重い運命劇でありすぎる。音が筋肉のように鍛えられているのはこの演奏だ。確かにドミンゴのオテロも心理描写の巧さにおいて傑出しているが、デル・モナコのオテロは格別である。テバルディはフレー二のような若妻には聞こえず堂々たる貴婦人ぶりだが、やはり圧倒的な声。プロッティはちょっと格落ちでそこだけが残念。ゴッビとはいわなくともタディ(同じカラヤンとのあの「トスカ」!)がやっていてくれたら!

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2014/04/07

    Dewurichさんとほぼ同意見。EMIのスタジオ録音は味が薄い。ただ三幕も良いけどやっぱり二幕でしょう。フルトヴェングラーの夜の帳とともにどんどん深まっていくような即興的な幻想性はこのライブならでは。シュリューターは並の歌手ではあってフラグスタート(全盛期ではないにせよ)とは比べるべくもないが、北欧系の歌手とは別のドイツの歌手なりの良さはある。ズートハウスもスタジオ盤の頃の野太い声とは別人のようでずっと良い。一幕なしという珍妙な音盤にフルマークはつけられないが、一聴すべき名演であることは間違いない。音はそれなり。いいわけはないが、こういうのに慣れている方なら問題ないでしょう。

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