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ヤナハル さんのレビュー一覧 

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     2023/02/21

    レコード芸術の大賞受賞ということで、購入した次第ですが、リヒターの厳しい演奏ともメンゲルベルクの濃厚で多感なものとももちろん異なるしなやかで颯爽とした印象を受けました。クイケンやヤーコプスのものよりもさらにスピード感があり魅力的に思いました。
    キリストを架刑台に送るのに逡巡するピラトと執行を迫る群衆は、ウクライナに軍事侵攻するロシアを思い出させます。プーチンにはためらいはないかも知れませんが、プーチンを支持する国民も高齢者を中心に多いと言いますから、やはり頭のいかれた指導者を正すことができない国民の責任も大きいのではないか。第二次世界大戦中の大本営も同じような状況だったのではないか。今回もやはり人類が何度も繰り返してきた愚かな過ちを感じました。
    メンゲルベルクのような重さはないけれども、マタイの福音書が、バッハが訴えかけるものはやはり大きく、さらにスリリングな演奏に心動かされました。

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     2022/07/24

    最近(?)流行りのコンセプト・アルバムで、バッハと同時代と言うか、バッハの後の世代の音楽家たちの作品も含まれており、大変興味深いCDであると思う。バッハに対して批判的であると言われているシャイベの作品は初めて聴いたが、なかなかの力作である。でも、当時としては古臭い音楽とされていたのかも知れないが、やはりバッハは素晴らしい。最近では、いやバッハのヴァイオリン・ソナタ全集全体を通じても、出色のアルバムと言えるのではないか。
    プラムゾーラーとグリスヴァール、最高の音楽家たちである。ビオンディやスワールトだったかしら、何とかボネとかボネトとか、素敵なヴァイオリン奏者が次々に出てきており、素晴らしい時代である。

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     2021/11/02

     プルーストの生誕150年ということで、プルーストに関わりのあるCDがいくつか出ている。イッサーリスの方に食指を伸ばしたついでに、購入したこのCD、未だに演奏家の名前が覚えられないのであるが、むしろイッサーリス以上に気に入った。と、言うより、もはや虜になったと言ってもいい。冒頭のアーンからプルーストの催したサロン・コンサートもかくありなんと唸りたくなるほど雰囲気抜群の演奏である。シューマン、ショパンと小品が続くが、この流れも素晴らしい。そして、フォーレのヴァイオリン・ソナタに至り、もうため息しか出てこないが、演奏家の名前が出てこないのが申し訳なるほど見事な演奏会である。あと何回聴けば、このヴァイオリニストとピアニストの名前を覚えられるだろうか。

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     2020/11/25

     「利口な女狐の物語」は、傑作中の傑作であり、モーツァルトやワーグナー、ヴェルディの作品にも比肩する人類の至宝である。音楽が良くできているから、上演されれば必ずと言っていいほど、名演になるのではなかろうか。マッケラスの振るいつきたくなるくらい魅力的なCDが、代表盤であろう。ルチア・ポップのビストローシカが素敵だった。ノイマンのCDも良かった。サイトウ・キネン音楽祭における小澤征爾による上演も music bird で聴いたが、ややプッチーニ風のオペラ的な歌唱が目立つ演奏であったが、それでもこういうものもありかと面白く思った。ラトルのヤナーチェク、大いに期待したが、少々期待し過ぎたかも知れなぃ。もう少し輝かしい音を期待していた。悪くはないけど・・・。

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     2020/11/24

    五嶋みどりがようやくベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲を録音してくれた。実にしなやかで、優美と言うより機動力に長けた演奏と見た。ニ長調の穏やかな世界に安住することなく、躍動して見せてくれた。でも、もう少しピリオド楽器の世界に寄せてぎくしゃくさせるか、あるいは思い切りスケール感たっぶりの演奏にするか、した方が良かったと思う。

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     2020/11/23

    面白い。ベスイデンホウトのフォルテピアノは相変わらず快調である。なるほと、作曲当時はこれに近い響きだったのかも知れなぃ。ただ、聴いているうちに、少しずつ現代ピアノの美しい音色が恋しくなる。アンスネスや内田光子の作り出す音楽とは別物と考えるべきなのかも知れなぃ。エラス=カサドとフライブルクのオーケストラは文句なしに素晴らしい。こちらは、あちらこちらでかすれたような響きが逆に魅力的である。骨董的と言うよりも、むしろ今生まれたばかりの音楽であるかのように生き生きとしている。

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     2020/11/23

    ロトはそれほど極端に変わったことをするわけではないのに、実に新鮮で刺激的な音楽を聴かせてくれる。「運命」はクルレンツィスよりもロトの方が好きである。それにしても、ゴセックが面白い。第3楽章から、突然気合いの入った音楽になる。作曲時70歳になる直前だから、多くの作曲家たちが多分筆を置いたであろう、あるいは鬼籍に入っている時期に十分に立派な作品を残したのだ。若き(ゴセックに比べればはるかに若い)ベートーヴェンに比べれば、古いタイプの音楽には違いないが、ベートーヴェンと同時代の作品として、歴史に残して、もう少し聴かれてももいいと思う。ゴセックはこの後さらに30年近く生きたようだが、ベルリオーズの音楽も聴いたに違いない。ハイドンからモーツァルト、ベートーヴェン、ロッシーニ、シューベルト、ベルリオーズと、古典派からロマン派へ通じる流れを見て、感慨深いものがあったであろう。尤も、当時の音楽界の認識は今日とは随分異なるかも知れないけれど。

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     2020/11/23

    クルレンツィスは「悲愴」は凄いと思った。間違いなく歴史に残るCDであろう。「運命」は今さらあのようなずっしりとした重い演奏にするわけにはいかなかったのだろう。予想通り余りにもフットワークの軽い、軽快な演奏であると思った。聞き慣れない音があちこちで目立つのもいつもの通りである。それにしても、軽い。十分に刺激的ではあるのだけれども・・・。

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     2020/11/14

    今シューマンが本当に面白い。ホリガー、ガーディナー、交響曲はまだだけど、エラス=カサドも、そしてついにロトもやってくれた。シューマンのギクシャクとした、どこか素人臭い管弦楽曲は、彼らにとっては取り組み甲斐があるのではなかろうか。ブラームスほど、完成されている感がない、けれども芸術的味わいは決して負けていない、好き嫌いは別にして。ロトは今回レ・シエクルは使わずにケルンのオーケストラを選んでいるけれども、実にしなやかに刺激的な演奏を展開している。シューマン特有のおたまじゃくしが踊るような弦楽器が堪らない。それにしても、アバドはどうしてシューマンの交響曲を録音しなかったのだろう。「ファウストの情景」の素敵なCDを残しているのに。

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     2020/09/06

     フライブルクのオーケストラと組んだエラス=カサドは、大変刺激的になる。メトロノーム表示に従ったのか、終始前へ前へ進む第9である。第3楽章が、何故か演奏時間が一番短くなるのが、オリジナル楽器による演奏の特徴であるが、エラス=カサドの演奏、確かに速いのであるが、こちらの耳が馴れてきたせいか、異常に速いという感じはしない。ホグウッドはもっと速かったと思うのは、オリジナル楽器による演奏の走りだったからかも知れない。ホグウッドの場合、何故か第4楽章で、特にトルコ行進曲の辺りからがくっとテンポが落ちる。ガーディナーの方が、快調なテンポで押し切り、合唱のレベルも、ホグウッドののに比べると高かった。ホグウッドのちょっとひなびた響きも悪くはないと思ったけれども、たった4年しか違わないのに、ガーディナーの最早オリジナル楽器とは思われないほど、高度な演奏には舌を巻いた。
     エラス=カサドは、ちょっとホグウッド寄りに戻り、オリジナル楽器の響きを生かしながら、よりスリリングである。独唱も合唱も、ガーディナー盤に迫っている。素っ気ないくらいの推進力が気持ちいい。ガーディナー盤には敬意を払いながらも、エラス=カサドの演奏者の息遣いが聴こえるような、臨場感溢れる演奏が気に入った。どうして、合唱幻想曲をくっ付けたの?と疑問に思ったが、ベートーヴェンのやっつけ仕事とは言え、第9の第4楽章との関連性を改めて感じさせられ、興味深く思った。こちらも、ベズイデンホウトを含めて文句なしの名演である。

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     2020/09/06

     生まれて初めて聴いたオーケストラ・コンサートは、40年前神戸市文化ホールでの大学の交響楽団の演奏会で、チャイコフスキーの交響曲第1番とベートーヴェンの交響曲第2番であった。友人と二人で、ステージの真下、最前列の中央に座ってしまった。指揮者や演奏する人たちの表情までよく見えたが、音楽は頭の上を通り過ぎていったような気がする。「冬の日の幻想」がどのような音楽なのか、よく分からないまま演奏会は進んでいった。でも、冒頭の民謡風の親しみやすい旋律だけは忘れられず、いつの間にかチャイコフスキーの1番は特別な音楽になっていた。カラヤン、マルケヴィッチ、アバド、いずれもお気に入りの充実の演奏である。
     
     エラス=カサドとセント・ルークス管弦楽団は、きっと少人数のきびきびした、少々とんがった演奏を聴かせてくれると、勝手に期待した。ところが、予想は大きく外れた。多分少人数には違いないが、抒情的で優美さの勝った響きに少々拍子抜けした。もう少し脱線ぎりぎりまで、オーケストラを煽るのかと思いきや、第3楽章のスケルツォに入っても、安全運転に終始している。穏やかで上品な演奏に少々考え込んでしまった。カラヤンやアバドの演奏を小編成にしただけではないか・・・。いや、さらに緩くも聴こえる・・・。でも、それぞれの楽章の民謡風の旋律を丁寧に聴かせる、そのやり方に魅せられるようになった。木管や金管の響きも美しい。

     「テンペスト」は、うって変わって、印象に残るような旋律のない渋い作品である。アバドのように、「くるみ割り人形」のような親しみやすい音楽とカップリングしなかったのは大正解だったのではないか。「テンペスト」は、口ずさみたくなるような旋律こそ殆どないけれども、意外と充実した時間を過ごすことができる。「冬の日の幻想」の後で聴くと、異なる聞き応えながら、さらに渋さを増し、魅力的である。エラス=カサドも、「テンペスト」の方では、より積極的にオーケストラに働きかけているようである。
     エラス=カサドのチャイコフスキー、続編も是非聴いてみたい。なかなか一筋縄でいかないクレバーな指揮者である。

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     2020/08/25

     ロトのこの録音とほぼ同時期にエラス=カサドもドビュッシーを録音し、しかも「牧神の午後への前奏曲」は重なっている。ケースの意匠は色が異なるだけで殆ど同じである。ドビュッシー没後100年を記念するシリーズの一環なのだろう。ロトもエラス=カサドも大変刺激的なドビュッシーを聴かせてくれるが、「牧神の午後への前奏曲」に関しては、ロトの方が、テンポの変動も激しく、と言うより、全般的にテンポが速く、かなりドラマティックである。エラス=カサドの方がフィルハーモニア管弦楽団と組んで予想外に抒情的なのである。楽器の違いが大きいのだと思うが、両方とも大変面白い。エラス=カサドにフライブルクのオーケストラと演ってもらい、ロトに南西ドイツ放送交響楽団またはケルンのオーケストラと再録音してもらえば、どうなるか大変興味深い。どちらも多分今回のような演奏にはならないだろう。ロトのR.シュトラウスやマーラーが大変素敵なので、ドビュッシーでも、ドイツのオーケストラではあるけれども、もう少しゴージャスなサウンドを聴かせてくれるだろう。でも、今回のレ・シエクルでも、絢爛たる管弦楽の響きが見事なので、やはりこちらが上かも知れない。DVD のおまけ(?)も嬉しい。

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     2020/08/15

     「死と乙女」の愛聴盤はずっとイタリア弦楽四重奏団の古い演奏であった。同じイタリアの四重奏団ということで、クレモナ四重奏団に関心を持った。鮮明な録音で、イタリア弦楽四重奏団に負けず劣らず、力の入った名演である。第2楽章では、いつも「花嫁人形」の旋律を思い出し、つい涙したくなるのであるが、クレモナの演奏でもやはりここはぐっと来る。弦楽五重奏曲もアルテミスのルンゲが加わり、重厚で力強い演奏が聴かれる。この渋い旋律と濃厚な味付けが堪らない。

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  • 5人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2020/08/13

     今弦楽四重奏曲というか、弦楽四重奏団が面白い。アルバン・ベルク四重奏団が引退し、エマーソン四重奏団やフォーグラー四重奏団の情報も殆ど聞かなくなったが、現在世界には無数とも言うべき四重奏団が割拠している。ベルチャ、エベーヌ、アルテミス、エルメス、エルサレム、モディリアーニ、それに常設ではないかもしれないけれども、アルカント、キアロスクーロ、ツェートマイア、テツラフ、日本にも、エルデーディ、古典、関西など、パヴェル=ハースやエンデリオンもまだ現役だろうか・・・。ダネルやルンビ、パシフィカだって、決して隅に置けない。イタリア代表のクレモナ四重奏団は、ベートーヴェンやシューベルトなど、まさに王道的作品で見事な演奏を披露している。今はこの全集が一押しだと思う。

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  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2020/08/11

     ショスタコーヴィチの弦楽四重奏曲を周辺の音楽家たちの作品と一緒に収録してある大変センスのいい好企画のセットである。ショスタコーヴィチの弦楽四重奏曲は一部を除いてまだまだ取っ付きにくいところがあり、同時代の作曲家たちの作品と並べると理解が深まるような気がする。ロシア、ソビエトの作曲家たちの複雑な生き様、精神状態を窺うことができて、大変充実した時間を過ごすことができる。彼らはきっと心から喜びを爆発させたことはなかったのではないか。それ故に、幸福ではなかったかも知れないが、逆に、深みのある人生だったのかも知れない。ヴァインベルクにも、ガス室に消えた妹との掛け替えのない素敵な思い出があったはすだ。何が芸術に深みをもたらすか、考えれば考えるほど、複雑な思いがする。

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