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楽響の時 さんのレビュー一覧 

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     2023/11/20

    50数年クラシック音楽を聴いて来ましたが、バッハは初心者の私。それでもこのCDには何の抵抗もなく深い感動を覚えました。フランス組曲第5番はメジューエワさんの「りゅーとぴあライブ」(WAKA4169)にも収録されており基本は変わりませんが、聴いた印象が少し違います。「りゅーとぴあ」ではピアノを人が弾いているというリアリティーと緊張感がありましたが、今回はピアノも人も意識されず、自然に音楽が流れ出し聴き手の心の中に染み込んでいくような感じです。メジューエワさんは1音1音を吟味し丹精込めて弾き分けていますが、音楽としては極めて自然であり、『格調高いのに堅苦しいところのない演奏』(西野裕之氏のライナーノート)となっていると思います。1922年製ニューヨーク・スタインウェイの音色と素晴らしい録音にも恵まれており、私の愛聴盤になりました。

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     2022/04/08

    今ごろになってしまいましたが、メジューエワさんの弾くスクリャービンが聴きたくてこのCDを入手しました。しかし、最初のモーツァルトの幻想曲が鳴り始めたとたんにすっかり引き込まれてしまい、一気にCD2枚を聴いてしまいました。モーツァルトからメンデルスゾーンに繋がる前半とショパンからスクリャービンに流れる後半というプログラムは、一見渋い感じですが、よく考えられ練り上げられていて素晴らしいと思います。
    さて、お目当てのスクリャービンですが、ショパンの影響を受けた初期の美しい曲から神秘的な音楽へと向かい、そして傑作「焔に向かって」でクライマックスを迎えます。この演奏の深い打撃と異常なまでもの緊張感は、何物にも代えがたいもの。この1曲だけを聴いても素晴らしいですが、一連の流れの終着点として聴くと一層深い感動に浸ることが出来ます。そして、メジューエワさんの弾くスクリャービンをもっともっと聴きたいという思いが募りました。
    今回もニーヨーク・スタインウェイCD-135の華麗な音を素晴らしい録音を届けてくださった若林工房さんに感謝いたします。

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     2021/03/16

    演奏の推進力が凄まじく、一気に聴かされてしまう1枚。もちろん、荒っぽい演奏ではなく、1音1音よく練られ適度な間も取られているが、すこぶる高い緊張感が維持されている。
    ニューヨーク・スタインウェイCD-135の音がワンポイント録音で聴けることも楽しみであるが、華麗な高音と力強い低音は過度に強調されることなく、自然に鳴っている。
    そして最後には、本当に良いベートヴェンを聴いたという想いがする。
    メジューエワさんのCDはずいぶん聴いてきたが、これも聴いて本当に良かった1枚。

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     2020/07/26

    この録音のLPレコードを購入したのは1969年12月17日で、私が高校生の時だった。その解説で黒田恭一さんは、『エロイカの聴き手がそのままミサ・ソレムニスの聴き手であるとはいえないはずだ。(作品のあり方が違う)ミサ・ソレムニスの聴き手には、その作曲家であるベートーヴェンの内懐深く入りこもうとする積極性が求められる。つまり、一瞥は不可能であると同時に無意味である。』と述べていた。エロイカが大好きな私は戸惑ったが、大変な作品と向かい合っているのだと覚悟し、ただひたすらLPを聴き返すことになった。一瞥は許されないのだ。そして、そのような聴き方が音楽全般に対する私の基本となった。その後、カラヤンの再録音や映像、他の指揮者の演奏も聴き、スコアも眺めて(楽譜を詳細に読む力はないが)、この曲に対する理解と愛情が深まったが、やはり本録音のインパクトは大きい。今回、リマスタリングされたBDオーディオを聴き、その音楽の豊かさと奥行きの深さに驚いた。やはり、クレドでは涙が流れ、胸が熱くなる。高校生の私に、この音でこの録音を聴かせてやりたいと思った。

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     2015/03/16

    今頃になってしまったが、毎日このCDを聴いているので、一言感想を。私は、このCDで初めて「遺作」のソナタを知り、大変喜びを感じている。「遺作」といっても作曲されたのは、ラベルが作曲家として公的にデビューする前であり、生前には演奏される機会がなかったということらしい。しかし、すでに私たちが知っているラベルの作風の萌芽がそこにあり、新鮮に聴こえる。単一楽章で出来ているが、私は展開部が大好きだ。松田理奈のヴァイオリンは、非常にセンス良く、アフタクトの音の取り方だけでもラベルらしいニュアンスで響く。この2010年の紀尾井ホールでの実況は、彼女の「イザイ:無伴奏ソナタ集」のCDに付いているDVDで観ることができる。松田は自分のヴァイオリンの音がホールに散って遠くの客席まで飛んで行くのを確かめながら弾き、時々うなずき、微笑みがこぼれているようだ。それにしても清水和音のピアノがうまい。若い彼女を支えるだけでなく、時に音楽を主導し、クライマックスの後を繋いでいく。ピアノの三連符がきらめき、その上をヴァイオリンが気持ちよさそうに歌っていく瞬間が最高だ。「今、日本に清水が居てくれる幸せ」を感じる。

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     2015/03/14

    そんなに悪い録音でしょうか?
    レコード店でピアノ協奏曲第3番のCDを数枚試聴し、ヘッドホーンで聴いてもピアノの音がクリアーでスケール感もあったので、購入しました。家で最初に聴いた時の印象は、スケール感が不足しているような感じでしたが、スピーカー(B&W 803SD)のセッティング位置を前後・左右に5mm単位でずらしながら調整すると、素晴らしい音で鳴り出しました。驚きました。他のCDも色々聴いてみましたが、このSACDのおかげで、私の803SDはベストポジションにセッティング出来たと感じます。
    このSACDの録音について、私の結論は、通常に比べてスウィート・スポットが狭いですが、良い録音だということです。(ちなみに、私のCDPはデノンのSA-1、PMAはアーキュフェーズのE-600です。)
    肝心の演奏の方も、清水和音のこだわりと確信をもったタッチで演奏されており、何度聴いても感動します。第1楽章のカデンツァが好きです。
    他の方も仰っているように、「楽興の時」の方がさらに素晴らしく、私にとってはメジューエワ盤と並んでベストに位置する1枚になりました。

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     2012/09/17

    「夜の風」について書きます。
    先に出ている2003年録音のCD(WAKA-4107)は、長年クラシックを聴いてきた私に、もう一度ピアノ音楽を真剣に聴いてみようと思わせてくれた記念碑的な存在でした。私がピアノに求める全てがそこにあり、私の「無人島に待っていく1枚」となりました。
    今回のDisc-2の2009年10月2日のHAKUJUホールの演奏を、私は第1列の中央(メジューエワさんに一番近い席)で聴きました。実は、メトネルの最高傑作であり難曲であるこの曲を、はたして実演で完璧に演奏することができるものなのか、少し心配しながら席につきました。CDの印象が崩れてしまうのではないかと恐れたのです。しかし、最初のダン・ダ・ダ、ダン・ダ・ダ(G-E-E)という力強い3音の繰り返しが、確信を持って鳴らされた瞬間に、私の杞憂は吹っ飛び、以前のCDの演奏をはるかに凌ぐスケールの音楽が始まることを実感しました。メジューエワさんが、この曲を公開の席で演奏するのは8年ぶりだったそうですが、おそらく以前の演奏とは比べ物にならないくらい成熟した演奏になったのだと思います。最後の1音まで緊張が途切れることがなく、聴き手にとっても稀有な体験でした。たった1台のピアノをたった1人のピアニストがたった10本の指で弾いているとことが、目の前で見ていても信じられないくらいです。そこには、ただ偉大な音楽が流れているだけです。メジューエワさんは、ひたすら音楽に没頭し、音楽に奉仕しています。私は、メジューエワさんと同じ時代に同じ東京に生きており、こんなすごい演奏を聴かせていただいたことを奇跡のように感じ、感謝しました。演奏後、メジューエワさんの目も潤んでおり、会心の演奏であったことが分かりました。私は、「おめでとう、ありがとう」と心の中でつぶやきました。
    当日、演奏の収録があることはアナウンスされていましたが、CDはなかなか発売されず、どうなったのかと思っていました。今回、CDを聴いて、あの日が蘇りました。音は、私の席で聴いたのよりも残響が多く、少し違和感を覚えますが、音色はよく再現できており、スケール感も十分です。Disc-1も含め、この素晴らしいCDを、心ある人々が(だけが)繰り返し聴いてくださることを期待します。

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