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白文鳥 さんのレビュー一覧 

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2021/12/30

    年末に第九を聴く習慣は今までなかったのですが、今年は何故か聴こうという気になりました。こういう時代のせいでしょうか。迷うことなくホーネックに白羽の矢が立ちました。エラス・カサド以上に刺激的な演奏。ホーネックのベートーヴェンには、カルロス・クライバーの魂が宿っているような気配を感じます。最新のブラームスにもそれを感じました。動画サイトにあるエルプとのグレートも壮絶でした。新譜が最も待ち遠しい指揮者です。さて、来年こそは。普通にコンサートに行ける年になることを祈りつつ、ホーネックに酔いしれます。

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     2021/07/30

    遅めのテンポを基本とするキタエンコにとって、シベリウス2番はどうなのだろう、と聴く前はやや不安もあったが、杞憂に終わった。かつての晩年のバーンスタインのような弛緩したところは皆無で、むしろその遅さはスケールを巨大化させることに成功しているのだ。曲自体が第1楽章出だしのテンポですべて決まってしまう構成ではなく、指揮者の解釈次第で、例えば売り出し中のロウヴァリのような自在な表現が可能だ。キタエンコの指揮は第4楽章のクライマックス目指して登り続けるベテラン登山家のようなしっかりとした足取りで、ゆったりと登っていく。キタエンコのアルバムに外れがないのは、このスタイルにブレがないからなのだ。グリーグのLAST SPRINGは、最もキタエンコ向きの曲であり、今のこの時代に最も必要な癒しの音楽そのものになっている。

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     2021/07/30

    注目の指揮者ロウヴァリのシベリウス2番。1番に続く名演奏。ここでも、従来のどの演奏とも異なる新たな一面を提示してくれている。緩急自在なテンポに対する感覚に非凡なところを発揮してくれるロウヴァリだが、ここでも第1楽章から終楽章終結部に至るまで、ハッとさせられる場面が何度もある。どちらかと言うと、この交響曲に対してはマッシブな印象を抱いていたが、室内楽的な側面がこんなにもあったのかと驚いた。後の4番、6番的な要素が2番の中にあったとは、今まで何を聴いていたのかと反省しきり。2番との出逢いは、大阪万博で来日したときのセル&クリーブランドのFM放送が最初で、第4楽章のあのメロディーに心を奪われて以来の愛好曲。またひとつ好きな演奏が加わった。クリスティアン2世ってこんな素敵な曲だったか、と63歳にして初めて気づかされたのも収穫。併録曲以上の佇まいで、ここでもロウヴァリの表現は濃厚で雄弁だ。

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     2021/07/30

    サントゥ=マティアス・ロウヴァリという覚えにくい名前なんだが、演奏は一度聴いたら忘れられない特色がある。ほんの少し前までは、出る杭は打たれる的な風潮があり、強烈な個性を出し過ぎると評論家からは辛口の言葉しか出なかったが、クルレンツィスのような世紀の逸材が登場したことによって個性派時代到来の様相を呈している。ロウヴァリのシベリウス1番、一度聴いたら耳から離れない。この感じ、シベリウスで前にもあった。ロジェストヴェンスキーの時だ。フィンランドは後にまだメジャーデビュー前のクラウス・マケラも控えている。サロネンの後任としてフィルハーモニアに君臨するロウヴァリ、困難な時に継いだわけだが、未来は約束されている、そう断言できるシベリウスである。

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     2021/07/30

    バルビローリのリマスターboxがあまりにも良かったので、シベリウスの棚を漁ってみたらベルグルンドの当盤があった。ボーンマス盤やECO盤も聴いた記憶があったが、やはりヘルシンキ盤がベストだろう。本場のオケ、という理由ではなくその解釈に対してだ。個人的には、4番以降のシベリウスの交響曲は、どこの国のオケでも構わない。曲調そのものがオケの音色や実力を凌駕していると思うからだ。さて当アルバム。ベルグルンド特有の早めのテンポでグイグイと前進していくのだが、聴いているうちにテンポが速いことなど忘れてしまい、シベリウスの世界に誘われていく。3番、4番、6番は数あるシベリウスの中でも上位に位置するだろう。サロネンが全集を作ってくれるまでは、何度も繰り返し聴くことになるのだろう。

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     2021/07/30

    音が良くなったという諸氏のレビューで。購入してしまいました。巨大boxと比較してみたわけではありませんが、確かにこの廉価boxの音は何かこう生命力のようなものを感じます。旧レーベルでは、音が団子状態のようで、LPで慣れ親しんでいたバルビローリ・サウンドとは違うものに聴こえる印象がありました。最近クラウス・マケラが1番を振った動画を観て、特に第四楽章が既存のどの演奏よりも良いのではないか、と愕きましたが、当boxで聴き直してみたところ、まだまだバルビローリには敵わないという結論に至った次第。

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     2021/07/30

    8月5日が近づくとバターワースを聴かなければと思う。第一次大戦、フランスのソンムという地で若くしてその命を落とした、当時日本ではまったく無名だった作曲家バターワースを紹介した三浦淳史先生の文章と出会わなければ、バターワース、イギリス音楽、いやクラシック音楽そのものにこれほどのめり込むことはなかっただろう。確かカルロス・クライバーがシカゴ交響楽団に客演しバターワースをプログラムに入れたことを紹介された文だったと思う。さて当アルバム、三浦先生がご存命だったら、どう紹介してくださるか興味津々である。完成した曲自体が少ないバターワースなので、他人の手が入ったとはいえ、バターワース・ワールドが広がったわけなので、諸手を挙げて賛同して下さるだろう。実際、バターワースの繊細な曲調をしっかりと取り込んでいる録音、定評ある BISサウンドは健在であり、ウェールズのオケも曲紹介レベルを遥かに超えた秀演と言えるだろう。三浦淳史先生の名文を味わいながらの8月5日になりそうだ。

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     2021/07/25

    チャイコフスキーのシンフォニーは避けて通っている印象のあるラトルですが、ラフマニノフ2番は若き日に録音したLAPOとの名演があります。歌心溢れる演奏でした。BPOともヨーロッパ・コンサートで取り上げ、このコンビの全盛期を証明するような演奏でした。ロンドン交響楽団との新盤は、数多ある同曲の中でもトップクラスと言える非の打ち所がない演奏と言えるでしょう。過去にプレヴィンとの名演があるからと言ってもメンバーは総入れ替えされているはずなので、ラフマニノフの伝統があるという先入観なしで聴き始めましたが、最初の数分で思わず唸ってしまいました。ラトルの語り口の巧みさとオケの派手さを前面に出さず、それでいて聴き手を圧倒させる充実した響が、長大な第一楽章を飽きさせることなく完結させます。第二楽章のリズムと抒情の織りなす調べ、そして第三楽章の甘美なメロディーが今のこの暗い時代に一瞬の癒しを届けてくれます。最終楽章がうまくいかないはずがありません。ラフマニノフ2番コレクターのCDラックにまた一枚宝物が増えました。

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     2021/07/25

    ジャケット写真のスタイリッシュさが、そのまま演奏に反映されていると言ったら変な例えになるが、思わず聴き惚れてしまう演奏である。ラフマニノフ2番に聴き手が求めるものを全て惜しげもなく体現している。まず技巧である。廃盤の憂き目にあっているnaiveのプロコフィエフ2番の時と同様、技巧を誇示する気配は聴いていて皆無なのだが、つい見事さに圧倒される。ウルバンスキの伴奏も過去の名演奏と比べて何の遜色もない。パガニーニ狂詩曲についても、あの誰もが愛する甘美なメロディーを美しく紡いでくれるのだ。ブニアティシヴィリ同様、今後も目が離せないピアニストだ。

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     2021/07/25

    21世紀の現在になって、ようやく20世紀に君臨していたソビエトの呪縛、しがらみから解き放たれた純音楽的なショスタコーヴィッチ交響曲第5番が誕生したと言っても過言ではないだろう。ウルバンスキとエルプ・フィルによるこの演奏は、今までのどれとも異なった装いだ。曲の冒頭から弦楽器を主体とし、音量は控えめに進んでいく。金管楽器の咆哮も控えめでテンポも遅め。この大曲が室内楽的な様相をしている。ただそうやって曲にのめり込んでいると、テンポアップがごく自然に始まっていたことに気づくことになる。第一楽章のクライマックスは十分な迫力がある。ウルバンスキの芸風に向いている第三楽章の静謐な佇まいは、この演奏の白眉と言えるだろう。ゆったりと声を荒げることなく始まる最終楽章。他の指揮者たちが加速するところでも自重しながら曲は進む。しかし、再びここでも気づくとテンポアップしており中間部は寧ろ早めなのだ。コーダはここまで抑えてきた金管群も主張を開始して、ハッとする木管の隠し味を味わった後、曲は終わる。勝利の行進曲という安っぽい形容は、この演奏には向かない。20世紀を代表する名曲の名演の誕生である。動画で視聴したマケラのレニングラードも同傾向の演奏であったから、今後ショスタコーヴィッチの新しいスタイルの名演奏が次々と生まれるのだろう。長生きしなくては。

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     2021/07/24

    ロトのラヴェルで繰り返し聴いているのが当アルバム。「マ・メール・ロワ」と「クープランの墓」を収録、それだけでも満足なのに、出てくる音色がレ・シエクルなのだから、これ以上はない。今ほど癒しが必要な時代はないと言っても過言ではないだろう。いつまで続くか分からないものとの戦い。先行きの不安。人間不信。モノに満たされていなかった時代は、それはそれで諦めがつくので癒しは必要ない。これだけモノに満たされているのに一向に先行きが見えない。癒しが必要なのはそういう時なのだ。今、海外オケで「マ・メール・ロワ」がよくプログラムに載っている。今やれる編成ということもあると思うが、今だからこそやらなければという思いもあるのだと思う。ロトの「妖精の園」。その美しさは言葉で表現できないほどだ。クープランの墓もこのコンビにかかると、彼らにしか出せない唯一無二の音色で、まるで今作曲されたばかりのような曲に聴こえるから不思議だ。

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     2021/07/24

    マーラー交響曲第3番は、私の最もお気に入りの交響曲。出会いは今から50年以上前になる。確か民放FMが土曜深夜に長尺のクラシック音楽番組をやっていた(はずである)。何回かに渡ってマーラー特集を組んでいた(はずである)。アナウンスで「牧神が目覚めて夏が始まる」とか「森の動物が私に語ること」「天使が私に語ること」「愛が私に語ること」と紹介がありホルンの咆哮。小学生の私は眠気と戦って、第6楽章のあのメロディにすっかり心を奪われてしまった。あれ以来、何人の指揮者の3番を聴いてきたのだろう。そういう曲なので、どの演奏も受け入れられる。この曲に限って、悪い演奏は存在しないのだ。真夜中に聴いたショルティ旧盤から始まり最近はクルレンツィスの非正規盤まで、どれも自分には名演奏なのだ。さて、ロト。もうひとつかの手兵であるギュルツェニヒを率いて、気持ち早めのテンポで自然賛歌を歌いあげていく。最終楽章は美しく繊細な色合いで紡ぎながらコーダへと進んでいく。公式動画(?)で最終楽章のみ視聴できるが、ロトの指揮ぶりが音楽のすべてを物語っているようだ。レ・シエクルを振るとどんな3番になるのか、そんな日が来るといい。

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     2021/07/24

    ロト&レ・シエクルは目が離せない。聴き飽きた感のある「展覧会の絵」だが、まだこんな解釈、こんな演奏方法があったのかと、今回も感服させられてしまった。楽器の音色自体、通常聴き慣れているものと微妙に違うことは、ど素人の私でも何となく分かるのだが、一曲一曲の捉え方が、さすがロトなのだ。先の方も指摘されている「キエフの大門」のクライマックス直前の解釈には、思わず声をあげそうになった。これがコンサートホールなら、恐らく最終音の余韻が消えて恐ろしい沈黙が数秒あった後、ブラボーの喝采。誰もが驚嘆のあまり、フライングのブラボーさえ忘れてしまうのではないだろうか。「ラ・ヴァルス」は以前DCHでベルリン・フィルとのライブを聴いたが、オケを見事にドライブしており、早く手兵と録音してほしいと思っていたが、それが実現。細部に拘りつつスケールの大きなワルツを生み出した。余談ながら、DCHで観たソヒエフの「展覧会の絵」も壮絶な終曲、ある意味ロト以上で、CDデビュー当時のトゥールーズ盤とは比較にならないものだった。再録希望❗️

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     2021/07/24

    ベイエのヴィヴァルディということで購入しました。バッハのソナタ&パルティータと方向性は同じ。早めのテンポで、ここでも奇を衒うことなく、一気呵成に冬の第3楽章まで誘ってくれます。技巧派の彼女ですが、その技巧そのものを全面に出すのではなく、ヴィヴァルディの音楽を奏でます。装飾も最近流行の奇抜なものではなく、例えばビオンディを聴いた後だと、むしろ淡白な印象を受けるかもしれません。しかし、それこそヴィヴァルディを堪能したということでしょう。

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2021/07/24

    私とベイエとの出会いは、先にアンフォルタス氏が記された”CHACONNE“というアルバムでした。シャコンヌ好きの私は、そのアルバムの発想に興味が湧き購入した次第です。編曲の妙にばかり関心が向き。ベイエの演奏はあまり印象が残らなかったというのが正直なところです。当アルバムは、ここ何年か気になっているレーベルでしかもバッハということで、迷わず購入しました。早めのテンポを基調として、確かな技巧、しかしその技巧をひけらかすか様子は微塵もなく、かつ奇を衒うような表現で、つまり正攻法、バッハと真向勝負。これは大推薦ものだと思い、独奏者の経歴を調べてみたら、何とあの時のシャコンヌの人だったと判明した次第。日本での知名度はまだそれほど高くはないと思います。イザベル・ファウストを筆頭に女流ヴァイオリニストは百花繚乱の気配。注目すべきひとりだと思います。

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