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つよしくん さんのレビュー一覧 

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2009/08/11

    ほぼ同時期に、同じ職人タイプのベームが第4の名演を残しているが、ケンぺの本盤の演奏とは全く異なるものになっているのは大変興味深い。もちろんオーケストラも異なるし、ホールもレーベルも異なる。しかし、それ以上に、ケンぺは、ベームのようにインテンポで、しかも自然体の演奏をするのではなく、金管、特にトランペットに、無機的になる寸前に至るほどの最強奏をさせたり、テンポを随所で微妙に変化させるなど、ケンぺならではの個的な演奏を行っている。私としては、今回XRCD化されたケンぺのブルックナーの中では、第5の方をより評価したいが、この第4も、同じタイプのベームの名演によって、一般的な評価においても不利な立場にはおかれていると思われるが、高次元の名演であることは疑いのないところである。

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     2009/08/11

    この第7の登場により、クライツベルクによるドヴォルザークの4大交響曲の録音が出そろったことになる。第6、第8については、クライツベルクによるオーソドックスなアプローチと楽曲の性格が見事に符合した名演であったが、第9のようなドラマティックな曲では、いい演奏ではあるものの、どこか物足りない印象を受けた。第7は、4大交響曲の中でも、第9以上に劇的な性格が強い曲であり、そうなると、物足りなさがより一層顕著になった。決して凡演ではないのだが、何かが物足りない気がする。むしろ、「金の紡ぎ車」の方が、表題を見事に表現した佳演ということが言えるだろう。録音は、SACDマルチチャンネルとしてはイマイチ。

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2009/08/11

    ハンガリー舞曲は、いずれも魅力的な佳曲揃いであるにもかかわらず、後輩であるドヴォルザークが作曲したスラブ舞曲に比較して、全集録音にはあまり恵まれているとは言い難い。それは、ブラームスによる作曲というよりは編曲に近いということ、そして、ブラームスの手によってオーケストレーションされた曲がわずか3曲に過ぎず、様々な作曲者の手によって編曲がなされ、管弦楽曲としての均質性にいささか問題があるという点に理由があるのではないかと考えている。スウィトナーは、こうした弱点を見事に克服し、数少ないハンガリー舞曲の全曲録音の中でも、ドイツ的な重厚さを兼ね備えた名演と言えるだろう。各曲の描き分けも実に巧みで、ハンガリー舞曲集の魅力を大いに満喫することができる。HQCD化による高音質化も実に効果的である。

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2009/08/09

    インバルのマーラー演奏のベースは、厳格なスコアリーディングによる緻密な解釈ということになると思う。しかし、だからと言って、安全運転の体温の低い客観的な演奏ではない。それどころか、本盤の第4について言えば、第2楽章の流麗なレガートや、第3楽章の抒情から最強奏のパッションの爆発に至るまでのダイナミックレンジの広さや変幻自在のテンポ設定など、バーンスタインやテンシュテット風の個性溢れる劇的解釈も散見される。ただ、インバルの演奏が、この両者の演奏と大きく異なるのは、決して踏み外しをしないということであろう。それ故に、曲によっては、例えば第9などには顕著であるが、物足りなさを感じることがあるのは事実である。しかし、第4の場合は、インバルのこうしたアプローチとの相性も抜群であり、名演に仕上がったと言っても過言ではないと思われる。ワンポイント録音の素晴らしさが、HQCD化によりさらに鮮明になったことも特筆しておきたい。

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  • 13人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2009/08/09

    ティルソン・トーマスによるマーラー交響曲全集の有終の美を飾る圧倒的な名演である。名演の前に超をいくつかつけてもいいかもしれない。私としても、第8を聴いてこれほどの充足感を覚えたことは殆ど記憶がないほどだ。堂々たるインテンポを基調としつつ、ここぞという時の圧倒的な盛り上がりや、抒情的な箇所の天国的とも言うべき極上の美しさ。合唱団や独唱もいずれも抜群の巧さで、トーマスの卓越した統率力の下、オーケストラともども最高のパフォーマンスを示している。第10は、あのシノーポリの怪演にも匹敵するスローテンポであるが、演奏の性格は全く異なる純音楽的な美演。さらに特筆すべきは、SACDマルチ録音の優秀なこと。特に第8については、その高音質においても史上最高と言っても過言ではないのではなかろうか。

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     2009/08/08

    英雄の生涯というと、私にはどうしてもカラヤンの呪縛から逃れられない。3種のスタジオ録音の名演に加えて、最近ではこれまた優れたライブ録音がいくつか発掘され、そのいずれもが、自らの人生を重ね合わせるかの如く劇的な名演である。しかし、他の楽曲と同じく、カラヤンの演奏だけが正解ではないはずで、別のアプローチの仕方もあってしかるべきである。カラヤンとは正反対のオーソドックスなアプローチで、英雄の生涯の名演を成し遂げたのはケンぺだと考えている。本盤のブロムシュテット盤も、ベースはケンぺのオーソドックスなアプローチを踏襲するものではないだろうか。オーケストラも同じドレスデン。いぶし銀のような渋いサウンドが、演奏に落ち着きと潤いをもたらすのに大いに貢献している。ただ、いかにもブロムシュテットらしいのは、随所で大仰とも言えるような劇的な表現もしているということで、この点ではカラヤン風の劇的な要素も多分にある。その意味では、硬軟併せ持つバランスのとれた名演という表現が適切かもしれない。HQCD化による音質改善には著しいものがある。

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2009/08/06

    私は、今から25年ほど前になるが、スークのヴァイオリンをコンサートで聴いたことがある。それは、決して技量をひけらかすのではなく、音楽そのものの美しさをダイレクトに表現しようという、滋味溢れる抒情に満ち溢れるものであったのを記憶している。本盤におさめられた演奏も、スークをはじめとして、同じチェコ出身で、音楽性を同じくするピアニストのパネンカ、チェリストのフッフロと組んだことにより、これまた馥郁たる抒情に満ち溢れた名演に仕上がっている。ベートーベンを威圧の対象にしていないのも大変好ましく、大公というベートーベンの室内楽曲における金字塔の魅力を、ゆったりとした気持ちで満喫することが出来る。HQCD化による音質向上も大変目覚ましい。

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  • 15人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2009/08/06

    デンマークでは「日曜日の晴れ着を着た農夫」と評され、日本でも、当時のレコード芸術では、小石氏の推薦評価は貰ったものの、もう一人の評者である故大木氏からは「ベルリンフィルの大運動場」と酷評された演奏である。しかし、ニールセンはデンマークのローカルな作曲家ではない。それどころか、シベリウスと並ぶ20世紀の大交響曲作曲家であり、カラヤンは、圧倒的な統率力でベルリンフィルの技量を最大限に発揮させて、ニールセンの傑作交響曲を等身大に演奏したのに過ぎない。録音当時は、相当に体力が衰えていたというが、冒頭から、そうとは到底思えないような生命力に満ち溢れた演奏を繰り広げており、第2部の北欧的抒情も実に美しい。第3部の弦楽合奏の重量感もベルリンフィルならではのもので、第4部の終結部のティンパ二の連打の圧倒的な大迫力。前述のように、ニールセンを北欧のローカルな作曲家と看做す者からは素朴さを欠くとの批判も予測されるが、私としては、ニールセンを国際的な大交響曲作曲家としての認知に導くことに貢献した大名演であると評価したい。

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     2009/08/05

    ゲルバーのベートーヴェン弾きとしての適性、相性の良さを十分に感じさせてくれる名演である。悲愴、月光の終楽章や、熱情の第1及び終楽章の雄々しく男性的な打鍵の力強さ、悲愴の第2楽章や月光の第1楽章の繊細な抒情、これらを厳しい造型の中でスケール豊かに表現している。テンポも目まぐるしく変わり、最強奏と最弱音のダイナミックレンジも極めて幅広いが、ゲルバーの厳格なスコアリーディングと、ベートーヴェンとの相性の良さにより、恣意的な表現がどこにも見られず、ベートーヴェンの音楽の魅力がダイレクトに伝わってくる。80年代後半の録音だけに、HQCD化による音質改善の効果も著しい。

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     2009/08/04

    今や女流ピアニストの大御所となったピリスの30歳の時の録音。それだけにどこまでも初々しく繊細で優美なタッチで演奏しているが、楽曲がモーツァルトのピアノソナタだけに、ピリスのアプローチは大正解。録音から30年以上経っているにもかかわらず、現代でも通用する名演だと言える。特に、有名なトルコ行進曲など、他のピアニストがもっと早いテンポで鮮やかに弾くところであるが、ピリスは実にゆったりとしたテンポで弾くなど、あくまでも内容重視で、決して技量を誇示しようとしない点にも大いに好感を覚えた。HQCD化の効果は、他の盤に比べるとあまり大きいものとは言えないと思われるが、それでも、ピリスの繊細なタッチがより聴き取り易くなったのは事実である。

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  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2009/08/03

    スメタナ四重奏団の演奏は例によって嫌みのない実に美しいものだ。強烈な個性には欠けるものの、4人の弦楽合奏によって生み出される音楽は常に自然体で、馥郁たる美しさを兼ね備えている。したがって、このような自然体のアプローチは、楽曲が優れていると、それはそのまま演奏の素晴らしさに直結するということ結果になる。本盤におさめられた両曲はいずれも好演と言ってもいいと思うが、楽曲としてもより優れた第16の方が優れた名演ということが言える。モーツァルトの音楽ならではの高貴さと美しさ、更には時としてあらわれる物悲しさを、厳しい造型の中で芸術性豊かに表現し尽くしている。HQCD化による高音質化の成果も見事なものであり、最新録音を聴くような印象を受けた。

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  • 5人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2009/08/02

    これまでは輸入盤によるレンジの狭い録音で聴いていたせいか、私としてもあまり注目をしていなかった演奏であるが、XRCD化によって見違えるような音質に生まれ変わった。そうなると、俄然、この演奏の価値は高くなる。全体の印象は、ヴァントと同様、いわゆる職人肌の指揮ぶりであるが、ヴァントのような超凝縮型の眼光紙背に徹した厳しさをも感じさせるものではなく、より伸びやかで大らかな印象を受ける。それどころか、冒頭のゆったりとした導入部や、第2楽章の美しい旋律の調べなど、決してインテンポに拘泥することなく、緩急自在のテンポ設定を行っているが、全体の造型はいささかも弛緩することはない。終楽章の複雑なフーガもきわめて整然としたものに聴こえる。これは、ケンぺがブルックナーの本質をしっかりと捉えていたからにほかならない。

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  • 4人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2009/08/02

    生涯に何度も悲愴を録音したカラヤン。昨年は、死の前年の来日時の録音が発売されて話題となったが、それを除けば、ベルリンフィルとの最後の録音が本盤ということになる。88年の来日盤は、ライブならではの熱気と死の前年とは思えないような勢いのある演奏に仕上がっているが、ベルリンフィルの状態が必ずしもベストフォームとは言えない。その意味で、カラヤンとベルリンフィルという黄金コンビが成し遂げた最も優れた名演ということになれば、やはり本盤を第一にあげるべきであろう。第1楽章の第1主題の展開部や第3楽章の終結部の戦慄を覚える程の激烈さ、第1楽章の第2主題のこの世のものとも思えないような美しさ、そして第4楽章の深沈とした趣き、いずれをとっても最高だ。併録の眠りの森の美女も名演。

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2009/08/02

    小澤としては3度目の第1であるが、過去の2つの演奏と異なった特徴を挙げるとすれば「円熟」と言ったところであろう。最初のDGに入れた録音が、40代半ばのものということもあり、演奏に激しさとか勢いが感じられ、それが青雲の志を描いた第1という楽曲に見事に符合する鮮やかな名演であった。しかし、今回の録音は円熟の演奏ということはできるが、こうした小澤の円熟したアプローチは、第1という曲にはいささか違和感を感じる。いい演奏であるのは間違いはないが、何かが不足している。その何かを正確に言い表すことは困難であるが。。

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  • 6人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2009/08/02

    82年のライブ録音盤に隠れて不遇な存在にあるが、史上最高のレコーディングアーティストであるカラヤンのアナログ録音の追尾を飾る究極の名演盤だ。カラヤンは、難曲の第9を録音するのに、ベルリンフィルと相当な練習を重ねたという。それだけに、どの箇所をとっても、カラヤンとベルリンフィルの黄金コンビが確信に満ち溢れた演奏を繰り広げている。金管の最強奏から弦楽の消え入るような最弱音までダイナミックレンジはきわめて幅広く、ベルリンフィルの重厚でしたたるような弦楽器の重量感溢れる音圧、雷鳴のようなティンパの轟き、卓抜な技量を誇る木管や金管などをカラヤンが抜群の統率力でコントロールしており、オーケストラの演奏水準としても究極の域に達していると言えるだろう。CDオンリーのカプリングだが、浄夜との組み合わせも抜群のセンスを感じる。LP以来のオリジナルジャケットの復活も嬉しい。

    6人の方が、このレビューに「共感」しています。

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