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ハムカツ さんのレビュー一覧 

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2013/07/29

    何だよ読響と交響曲全集を録音したばかりなのにまたブラームスかよ、とぶつくさ言いながらも買ってしまうのがファンの悲しい性。読響とのブラームスの中で一番古い録音である第2番ですら、この録音の4年前でしかない。正直代わり映えのない演奏だろうと思っていたし、読響の方が遥かに巧いオケであるだけに本盤で失望することすら覚悟して聴いた。う〜ん…第2番4楽章冒頭などの気迫に満ちた素晴らしい箇所は散見されるが、全体としては残念ながら(失望とは言わないまでも)読響盤には及ばない出来であった。とは言え、このブラームス自体は快演である。ただ読響盤の演奏があまりにも素晴らしいので…ね。やっぱりこれはオケのレベルの違いですね。2011年の同一コンビによる来日公演でも感じたことだが、このザールブリュッケン・カイザースラウテルン・ドイツ放送フィルは温かみのある音を出すオーケストラではあるものの、読響と同じ土俵で勝負できるだけの技量を持ったオーケストラではないの。読響の方が遥かに巧いのだ。ミスターSはアンサンブルを整えることに注力するタイプの指揮者ではないだけに、このオーケストラのレベルの違いは細部のまとまりにかなりの影響を及ぼしている。なまじ読響盤を聴いているだけに細部のアラが余計に目立ってしまう。したがって、この演奏だけを純粋に評価するならば十分に満足し得るものであるのだろうが、やはり読響盤よりも評価を下げざるを得ない。しかも読響盤はSACDであるのにたいし、本CDはノーマルCDだ。無論、ファンとしては高齢のミスターSの新譜が出るということだけでも嬉しいものである。しかし(レーベルが異なるとはいえ)読響との素晴らしい録音を残した直後であるこの時期に、読響盤よりもクオリティの劣る(というと若干語弊があるが)演奏でわざわざブラームスを再録する(正確にはハレ管との全集もあることから再々録)という選択には大いなる疑問が残る。ミスターSには他に録音すべきレパートリーが山ほどあると思うのだが。

    1人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 0人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2013/04/19

    「シャコンヌ」を聴くためだけにこのCDを買っても損はないでしょう。熱演なんてもんじゃない。指揮者とオーケストラが一丸となり、まさしく全身全霊を込めた演奏。小澤さんの唸り声も入ってます(笑)冒頭からうねるような分厚い響きで鳴り渡り、まさに「弦の桐朋」の面目躍如。小澤さんの「ドン・キホーテ」はかなりイマイチな出来だし、モーツァルトとシューマンは秋山さんらしい端正な演奏ではあるものの特筆すべき魅力もなく、録音がさほど良くないこととも相俟って正直「同窓会」の記録以上の価値があるとは思えなかった。無駄な買い物をしたかな…とも思ったのだけど、「シャコンヌ」を聴いてその想いが一変、もしこれを聴かずに人生を終えたらと考えるとゾッとするほどである。

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  • 5人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2013/03/13

    ユリア久しぶりの新譜は待望の本格的協奏曲。聴き始めてまず感じたのは、とにかく伴奏が素晴らしい!ドヴォルザークの冒頭、豊かな残響を伴って奏されるオーケストラの前奏を聴いただけで胸がわくわくした。その後もジンマン指揮のトーンハレ管は常に美しい音と響きでユリアのソロを包み込んでいる。
    ユリアのソロだが、ブルッフよりドヴォルザークの方が良いと感じた。ドヴォルザークは、もしかすると私にとってのベストかもしれない。1楽章冒頭のソロ導入部でのビブラートがちょっと気になりはしたのだが、総じて素晴らしい演奏で、実に楽しく聴くことができた。ブルッフは、3楽章が随分と気っ風がいいと言うか思い切りがいいと言うか…個人的にはもう少し繊細な表現の方が好きなのだけれど、2楽章の内省的な佳演を聴く限りユリアに繊細な表現ができない筈がないので、これは彼女の解釈なのだろう。もっとも3楽章がAllegro energicoであることを考えると、こういった演奏の方が正解なのかもしれない。あとは好みの問題。

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     2013/01/28

    2011年にデュトワN響と共演したブラームスが素晴らしかったので、このディスクの発売が予告された時から楽しみにしていた。しかし同時に不安もあった。それは共演者がティーレマンということ。私にはティーレマンの良さがさっぱりわからないのだが、まぁそれは個人的嗜好として置いておくとしても、バティアシュヴィリとはあまりに芸風が異なるため、果たしてどうなるのだろうと危惧していた。結果として、残念ながらその危惧は的中してしまった。やはりティーレマンは完全にミスキャスト。1楽章の長い序奏からやりたい放題やっていて、これだけでうんざりしたのだが、ソロが入って来てからもバックのオーケストラが蠢いていて気に障る。伴奏に表情をつけるな、というのではなく、ソロと伴奏のやりとりに齟齬が大きく、聴いていて集中できないのだ。また肝心のバティアシュヴィリだが、2011年のN響との共演の際のラジオ放送の録音と聴き比べてみたが、N響との演奏の方が遥かに良いと感じた。何でもかんでもティーレマンのせいにするつもりは毛頭ないのだが、彼女の持ち味である軽やかな歌い方などがまったく発揮されていないのは、やはり伴奏に引っ張られたか。その点、N響で共演したデュトワはバティアシュヴィリと芸風が比較的近く(勿論デュトワの伴奏指揮者としての能力の高さもある)その演奏はまさに相乗効果が現れていた。数あるブラームスの協奏曲のディスクの中で、これと言った個性も主張できないまま終わっており、彼女のファンとしては実に残念である。むしろカップリングのクララ・シューマン作品の方が聴きもの。アリス=紗良・オットのピアノと組んだバティアシュヴィリはまさに水を得た魚、協奏曲とはまるで別人のように生き生きと歌っている。

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2012/10/03

    さらっと読む限り「へぇ、このマエストロが日本のオケに客演してたのか」という意外な発見があり、それなりに楽しめる。しかしである。ちゃんと読んでいくと、本書にはウソの記述がかなり含まれている。原因は単なるリサーチ不足。それでもこれが戦前のことに関する記述に些細な誤りがあるくらいなら、まだ多目に見れる(もっとも金をとる以上、それも許されないはずなのだが)。問題は、本書の記述誤りが平成以降のページにかなりあることである。日本のオーケストラ史の中にあっても、平成以降は「つい最近」に分類できる時期である。その「つい最近」のことですらこれだけリサーチ不足を露呈していると、もはやこの本全体のどこまでが本当でどこからがウソなのかわからなくなるのだ。まったく、こんなテキトーな本を書く著者も著者だし、それをロクに校訂せずに出してしまう出版社も出版社である。恥ずかしくないのだろうか。

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  • 9人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2012/07/03

    このチャイコフスキーは本当に素晴らしい。音色が多彩であり、細部の表現も実に新鮮、テクニックも極めて優秀。ともするとテクニックがある奏者ほどそれを「ひけらかすだけ」という演奏になりがちなこの曲。しかしフラングは超絶技巧を披露しながらも、そこには必ず音楽がある。あくまでも「表現手段としての超絶技巧」なのだ。これ、当たり前のようでいて、なかなか出来る奏者はいない。またオーケストラの弾(はじ)け方もいい。単なる伴奏に留まらない、ソロとの丁丁発止のやり取りはあっぱれである。久しぶりに良いCDに出会えた。

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/10/02

    もう「パリのアメリカ人」を聴き始めた途端、笑いがとまらなかった。超絶スローテンポで、トランペットやトロンボーンのソロはやりたい放題。オビに書かれた「オレ流」ガーシュインとはまさに言い得て妙。スヴェトラ御大がガーシュインを振るなら、やっぱりこうでなくっちゃ!しかしじっくり聴き返してみると、冒頭から極めて柔らかい響きでスタートするところからしてこの曲の魅力を新たにする演奏。スローテンポも単なるウケ狙いのような薄っぺらいものではなく、アゴーギグもふんだんに盛り込んでおり、しかもそれらに不思議と合点が行く。これはスヴェトラーノフのガーシュイン作品に対する愛の告白か。
    対して「ピアノ協奏曲」は比較的オーソドックスな演奏。テンポもさほど遅くは感じず、強いて言えば堅牢な作りか。ここでもこの佳曲の魅力を余すことなく伝えてはいるが、スヴェトラ御大ならもっと「やらかして」欲しかった…というのは見当違いな望みかしらん?
    全体としてガーシュイン作品のファーストチョイスとはなり得ない演奏ながら、ぜひいつまでも手元に置いたおきたい1組。

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  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/06/19

    昨年、小澤さんの「復活劇」としてセンセーショナルに演奏されたチャイコの弦セレ1楽章は、私も松本で実演に接し深い感銘を受けた。確かに演奏は素晴らしく、掛値なしに同曲のベストであると私は思う。しかしこのCDを素直に褒めることは私にはできない。問題はその「売り方」である。一昨年に「サイトウキネン・グレイテスト・ヒッツ」とかいうコンピレーションCDを出しておきながら、また似たようなCDを出し、今度はそこに新録音を放り込んで来た。ユニバーサルさん、ちょいとアコギな稼ぎ方じゃありませんか?なるほど、収録されている演奏は秀演揃いである。しかし私に限らず、熱心な小澤ファン、SKOファンならば既に大半の音源に接しているのである。レコード会社として一番大切にすべき顧客は、初出時にフルプライスのCDを買うこのような固定ファンではなかろうか?しかし今回のこの売り方は、そういったファンへの裏切りのようにも思える。無論、この弦セレの超絶的名演を世に出してくれたことに対する感謝の念はある。しかし相当な小澤ファンを自認する私でもこのCDの購入には逡巡した。例のカーネギーのブラ1にボーナストラックで入れるとか、あるいは思い切って初出音源の弦セレとG線上のアリアだけをシングルとして出すとか、色々手はあったはず。CDが売れなくなって来た背景には、レコード会社のこのようなセコい姿勢も少なからず影響しているのだ。ユニバーサルミュージックにはこの点について猛省と再考を促したい。したがって演奏、特に弦セレは文句ナシの満点だが、敢えて減点させていただく。

    3人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 5人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/03/02

    ここまで美しいショスタコーヴィチの協奏曲はそうは聴けない。09年にジンマンN響でバティアシヴィリがこの曲を弾いたのを聴き、その時の演奏も実に素晴らしかったので期待していたが、期待はまったく裏切られなかった。サロネンとBRSOのバックも素晴らしい。カンチェリの作品は弱音が延々と続き、孤独感に支配される。その後はショスタコーヴィチの小粋なワルツで口直し(?)。そして今回一番の掘り出し物がペルトだった。ヴァイオリンもピアノも、ほぼ単音ばかりの同じようなフレーズを延々と弾き続ける不思議な作品だが、透明感があって、寒い日の早朝に凍り付いた湖面を眺めているような清々しさがある。バティアシヴィリとグリモーの美音だからこそ成しえた素晴らしい演奏。

    5人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 6人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/01/26

    ひと昔前のサントリーウイスキーのCMに「何も足さない、何も引かない」というのがあったが、この演奏がまさにそれ。目新しいことは何もしていない、されど必要なことは全部している。こういう演奏こそ、真の「名演」である。殊にフィナーレのコーダで一気に放出される凄まじいパワーは圧巻。間違いなく小澤さんの代表盤となるであろう1枚。

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  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/01/05

    何といっても9番が素晴らしい!私が今まで聴いたタコ9ではベスト。全体的に軽く才気煥発に流しているが、それが返って曲の持つアイロニーを存分に表出させている。4楽章ですら重くならず(といっても重心はしっかりしている)おやおやと思っていると、フィナーレ後半でのトゥッティでの主題でようやく大爆発。良く言えば計算され尽くした、悪く言えばあざとい演奏だが、演奏設計としてこの曲に存分にマッチしている。
    他方5番だが、1〜3楽章はなかなかに素晴らしい。特に2楽章は小澤/SKO盤に比肩する素晴らしさ。3楽章もあえて淡々と流している感じで、これはこれで悪くない。ただ問題は4楽章。テンポ設定を含めどうも釈然としない。コーダでの弦楽の刻みがやけに強調されすぎているが、ここまであざとく演奏されるとむしろ白けてしまう。

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  • 0人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/10/29

    何と言っても「○と△の歌」が白眉。シンプルな歌詞とメロディ故、ややもすると単調になってしまいがちなこの曲だが、目まぐるしくテンポとスタイルを変えるアレンジには脱帽、秀逸な歌唱と相まって素晴らしい出来となっている。ぜひ「明日ハ晴レカナ、曇リカナ」にも挑んでいただきたい。しっとりとした「蘇州夜曲」での琴との共演も、既成概念にとらわれない活動を展開する北浪さんを象徴するかのような佳演。ただ「ソルヴェイグの歌」のクオリティが若干低いのが惜しまれる。

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/09/28

    コンセプトとしてはドゥダメル/SBYOVの「フィエスタ」に似ている。とはいえかぶってる曲は少ないので直接比較は難しいが、例えばダンソン第2番はドゥダメルよりもケレン味に満ちた演奏で、これはこれで悪くない。オケのノリがよく、それでいて決して勢い任せな演奏にならないところを見るとデ・ラ・パーラの統率力はなかなかのものと感じる。録音はDGのドゥダメルより優秀。初耳の曲も沢山あるが、こうして底抜けに楽しいラテン音楽を紹介してくれるのはとても嬉しい。南国協奏曲はアランフェスからの影響を強く感じた。

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/09/28

    「20世紀音楽」「合唱付」「大規模編成」という、小澤さんが得意とする要素がすべて含まれた戦争レクイエム、悪かろうはずがないと思い、公演最終日の8月30日に松本へ足を運んだ。そして会場で響き渡った演奏は、こちらの期待を遥かに上回る超弩級の名演だった。リベラ・メでは溢れ出る涙を抑えることができなかったことを昨日のことのように覚えている。勿論ナマ演奏と録音を単純比較すべきでないことは承知している。しかしこの録音は、SACDという現在望み得る最良のフォーマットでのディスク化と相まって、あの日の感動をかなりの確度で伝えてくれる。
    強いて言えばSACD2枚組で6000円と高価である点(尤も3000円の通常盤という選択肢もあった上でSACDを選んだのは自分なので、あまり文句も言えないのだが)及び通常盤で1ヶ月(SACDは2ヶ月も!)発売が遅れた点を減点項目として挙げられようが、優秀な録音と掛値なしに人類の遺産と呼ぶべき演奏内容の前では大した問題になどならない。なによりあの名演がこうして記録されたことに素直に感謝したい。

    2人の方が、このレビューに「共感」しています。

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