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京都 さんのレビュー一覧 

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2017/09/04

    カレリアと交響曲の演奏は気に入りました。フィンランディアは他の演奏でも良いかなという感じです。フィンランディアはもう少し情緒的な演奏の方が好きですが、そもそもヤンソンスはそういう演奏を狙っていない感じを受けました。ムラヴィンスキーのシベリウス演奏もそんな印象を受けますが、そこはかとなく同じように禁欲的な印象を受けます。カレリアは3種類くらいしか聴いていないので比較できませんが、演奏のクオリティで言えば、比較せずともみずみずしい名演であることは明らかです。シベ2は今までにオスロ、コンセルトヘボウとも演奏していますが、個人的にはこのバイエルン盤が一押しです。コンセルトヘボウとのを美演とするなら、こちらは重厚な熱演です。ただし、そこはヤンソンスですので粗さはありません。美演をとるか熱演をとるかは、なかなか気分次第なところもあり、甲乙つけがたいですが、それでもコンセルトヘボウよりバイエルンを取る理由としては、主に2楽章にあります。他の楽章はあまりテンポに差がありませんが、2楽章だけはバイエルン盤が長くなっており、音楽的な流れを維持しつつも、見得を切るところはきっちりやってくれます。コンセルトヘボウとの演奏は休符を恐れてサラサラしすぎでしたから。このあたりのバランスがこの盤の優れているところで、それゆえにこの演奏をとる機会が多くなっております。3楽章の推進力も素晴らしいですし、4楽章のテーマの提示もこれ以上ないくらい立派にヴァイオリンが歌っています。全体を聴き終えて感じるのは、ローカルな作曲家ではなく、ワールドワイドな交響曲作曲家としてのシベリウス像でしょう。

    2人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 7人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2017/08/31

    ヤンソンスのベト全は2種類ありますが、これから買う人はどちらを購入すべきか迷うことでしょう。なので、新旧両方持っている人間として、いくつか比較をしてみたいと思います。まず、なぜこの2種のよく似た時期の全集が発売されたのか経緯を説明いたしますと、旧盤は来日公演に合わせて日本のリスナーを想定して作られたという経緯があります。そのようなことをヤンソンス本人がインタビューで答えていました。ただ、日本公演にてライブ録音したものを後に全集として販売することは、元々決定しておりましたので、サントリーでの公演後にこの新盤が発売されたわけです。これが日本のリスナーにとって本当に良いのかどうかはともかく、まぁ選択肢が増えたということを良しとしましょう。なので旧盤は新盤よりプレス数が少なく、再発売もないと思われます。また、全てをサントリー公演にしなかったのは、来日のわずか1ヶ月ほど前に録音したものを、もう一度録音するコストを考えれば、仕方ないかと思います。サントリーでのベトチクは間に休みが1日だけでしたし、ミスを修正するためにテイクを取り直すことも奏者にとって負担でしょう。せっかくだから新旧両方持っている身としては、全て違う演奏であって欲しかったですが、やむなしと言ったところです。そんなこんなで2種の全集ができたわけですが、クオリティでは新盤がオススメです。価格は高いですが、曲数だけではなくクオリティも上なので少々余計にお金を出す余裕があるなら、こちらを買うべきかと思います。旧盤に比べると、曲によって差はありますが、全体的にわずかに速くなっているようです。そのため演奏に推進力があり、かつ好録音のためか重厚さも感じられ、音楽の鮮度が高く感じます。特に第9のクオリティは新盤が旧盤より絶対に上です。しかしながら録音時期が近いものに関しましては、正直好みの差としか言いようがないところもあると思います。ベト4、5あたりがそうです。録音の良さと勢いで言えば新盤をとりますが、旧盤も決して劣ることはなく、5番のトロンボーンの調子などは旧盤が良いですし、7番の終楽章のテンポは旧盤の方がいいでしょう。あとは2007年と2012年では団員の世代交代でホルンやオーボエ主席が入れ替わっておりますので、リツコフスキーの美音ホルンが好きなら旧盤ですし、ターヴィリガーのパワフルさを求めるなら新盤ですし、天才オルテガ・ケロのオーボエを堪能したければ新盤とか、そういう楽しみ方もあります。最後になりましたが、演奏の傾向に関しましては、もうみなさまのご指摘の通りスタンダードなものと思いますが、凡庸なスタンダードとは一線を画すフレッシュさのあるスタンダードですので、全く王道の素晴らしい全集かと思います。

    7人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 11人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2017/02/17

    SACD盤を購入。来日公演も聴きましたが、こちらも名演です。思い出補正とかではなく。インバル都響も聴きに行きましたが、後日CDになったのを聴いて、ちょっと実演よりパサついて聴こえ残念だったので、期待と不安を感じながら聴きました。最初に聴いた印象は、名演なのに録音の線が細すぎて音色感や音場、解像度がひどい!というもの。音の線が細いとさっぱり音楽が活き活きして聴こえませんから歯がゆい思いだったのですが、最初のヴァイオリンのフレーズが適切に聴こえる音量にまで上げたら、逆にこれは優秀録音だ!と思うようになりました笑。みなさん、あとで来るffを怖がらず、最初のヴァイオリンで音量調節しておきましょう!演奏の方はと言うと、オスロの時より格段に良いです。テンポは結構変化する方ですね。ヤンソンスなので端正な演奏かと思いきや、結構熱いところあり、美しさもあり、バランスの取れた名演と言えるでしょう。4楽章のタイムは23分と速めですが、せかせかしている感じは全くなく、一音入魂というよりフレーズの音楽的な自然さを重視したらこうなりましたということなんだと思います。レニーもいいですが、この盤を同曲の愛聴盤とする人もきっといるだろうと思います。おすすめです。

    11人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2016/10/20

    ショスタコーヴィチとチャイコフスキーの6番を組み合わせた本CD、両曲とも名演と思う。ショスタコーヴィチの6番に関しては、普段ムラヴィンスキーかゲルギエフを聴く機会が多いが、1楽章に関して言えばこのヤンソンスの演奏がダントツで気に入っている。テンポは遅いわけではないが深淵でニュアンスも豊か。この曲の本音と建前の本音の部分をしっかりと語らせているよう。2楽章もアーティキュレーションをこだわり抜いた演奏で聴いていて気持ちがいい。3楽章だけはテンポが遅いように感じ、2006年のバイエルンとの演奏やオスロとの演奏におけるテンポ設定の方がしっくりくる。そこだけが欠点か。AllegroとPrestoの差はもう少し欲しいところ。悲愴はこの曲一番の名演と捉えてもいいんじゃないかと思えるほどの出来と思う。一言でいうと、曲に語らせる演奏とでも言ったら良いだろうか。激情型の演奏ではないが、曲そのものの感情はしっかりと伝わってくるし、美しさも重量感もある。2楽章の最後では思い切ったスローテンポを採用し、ひとときの楽しさを懐古するかのようである。3楽章は乱痴気騒ぎにならずに、大きなスケールで整然と軍隊の行進の如く進む。4楽章は、悲しみを伝えるためには、泣きわめくより憧れを語る方が一層悲しさが増すものだと諭されるよう。最近もっぱら悲愴を聴く時は本盤を聴き、ドラマティックなものを求めるときに他を聴いている。

    2人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 4人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2013/10/24

    演奏は良いです。が、音がラフマニノフ向きでない様に思います。録音のせいでしょうか?管が遠くて色彩感覚に欠けるし、ピアノも丸みや艶やかさがありません。『FANTASIA』はそんなことなかったのですが…。プロコの長大なカデンツァも全体的に低めの録音レベルのためか、YOU TUBEでみられる様な熱気を感じません。良くも悪くも微視的に音を紡ぐユジャから、いつもは色気やほの暗さがにじみ出るのに今回はそれもなく、今ひとつ音楽に浸りきることが出来ませんでした。国内盤では良くなるのでしょうか?

    4人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 13人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2012/03/12

    ごめんなさい、hmvさん。待ちきれなくて、イスラエルから直接取り寄せてしまいました。期待が大きすぎたのか、名演ですが空前絶後という印象ではありません。しかしBPO盤やRCO盤に劣る内容でもありません。第1楽章冒頭から遅めのテンポ。まどろんだ感じがよく出て美しいのですが、その分エンジンがかかるのがやや遅い印象を受けます。しかし、すぐにオケも指揮者も温まり、マーラーにぴたりと一致しはじめ、巨大な音楽を形作り、1楽章最後の耽美的な美しさには筆舌に尽くしがたい物があります。もっとも素晴らしいと思える第4楽章は、BPOとの情熱的な演奏に対し、こちらは大河のような力みのない、祈りに満ちた演奏。ただ達観した落ち着きというよりか、希望や執着を内に秘めた諦観といった感じで、聴いた後はかなり堪えました。避けられない自らの死を肯定するために、生を回顧し肯定しようとするマーラー。相反する感情をすべて受け入れようとするその姿が浮かぶようです。全体的に見て、演奏の傾向はRCOに近いですが、ライブなので傷はあります。いい仕事をしていたトランペットは3楽章でトチるし、ホルンは時々頼りない音を出しますが、アンサンブルとしてはBPO盤のような崩れはありません。音質も良いです。レニーの足音も時々入りますが、個人的にはこの方がライブ感があって好きです。

    13人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2009/10/12

    2007年の来日の直前のウィーンでのライブなので、日本公演と解釈は全く同じで来日のときの公演を思い出す。(4楽章の97小節目などの四分音符の扱いは少し違った気がするが。)1,2楽章は流麗で繊細な歌いまわしが美しく、3,4楽章は推進力のあり、ヤンソンスの個性が上手くはまった、ブルックナーらしさよりは7番らしさが良く出ている名演だと思う。ただ録音のせいでこんなに印象が変わるものかとは思う。他の録音に比べて悪い録音では無いのだが、私の場合実演と比べてしまうので、バイエルン放送響の艶やかな音が捉えられていないのは少し残念である。また金管の音も少し痩せて聴こえるので人によってはすこしうるさいと感じるかもしれない。低音は僅かにこもりがちで分離も悪く聴こえる。ただ、実演を聴いていない人にはその辺は気にならないかもしれないし、SACDで聴いたらまた違うだろう。演奏の方に話を戻すと、特に個性的なのは4楽章である。冒頭の軽やかさは他ではなかなか聴けない。また同じ主題を金管がやるときにテンポを落としVnになるとまた速めるなどは、普段ハース版のヴァントを聴いていたので面白かった。(あとで調べたら確かにノヴァークの方のスコアにはテンポの変化が書いてある。)普通、前半の素晴しさに見劣りしがちな4楽章だが、この演奏では4楽章も充実して聴くことができる。それにしてもライブの一発撮りでこの完成度は凄いと思う。

    1人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 4人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2009/08/05

    DVDから全曲聴いてみました。音質も良く演奏水準も非常に高いと思います。DVDに関して言えば、少々ダイナミクスレンジが狭い気がしますが特に気にはならないでしょう。ベルリン・フィルはエモーショナルに良く動くので映像も面白く見ることが出来ると思います。また、誰が演奏しているか分かるのも嬉しいところです。
    一方CDについてはダイナミクスレンジもDVDに比べ十分に広く、音質もDVDに比べて少しだけ違う気がしますが、再生機器も違うのでなんとも言えません。
    演奏に関して言えば、従来の演奏に慣れている人には不自然に聴こえるかもしれない箇所は確かにありますが、多くの箇所ではナチュラルに呼吸しているような感じを出すのに効果的に働いていると思います。3番4番は感情的だという評もありますが、バランスや各声部にしっかりと配慮していて決して大雑把な感じはしません。
    むしろ今までラトルは分析的で水準の高さが必ずしも感動に結びついていなかったので良い傾向であり、これからのラトルを期待させる演奏であると思います。

    4人の方が、このレビューに「共感」しています。

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