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Seago さんのレビュー一覧 

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  • 7人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2014/11/09

     これまで何度かEMIから分売されているアビーロードスタジオ録音のフィッシャー40代から50代の演奏をまとめたボックスです。内容から見ても価格面でも優れた企画なのに誰もレビューを書かないので、書かせていただきます。実は私もフィッシャーの演奏を聞くのはこれがはじめてです。フンガロトンに録音した晩年のベートーヴェンのピアノ・ソナタ全集の予約段階のHMVの説明を読んで、一度聞いてみようと思い、このボックスセットを購入しました。ベートーヴェンのソナタはそれと知らなければ男性かと勘違いするようなしっかりとしたタッチでそれでいて厳しさの中にもやさしさが感じられる素晴らしい演奏で、即座にフンガロトンの全集を予約しました。モーツァルトのピアノ協奏曲は3人の異なる指揮者との共演ですが、これもどれも大変納得できるいい演奏です。シューマンは独奏曲はややどうかなという印象がありますが、全体としてフィッシャー入門としてこのセットは最適であり満足感は高いと思います。これは私の想像ですが、今回使っている写真がちょっとおっかないおばさんのイメージが強いのでやや敬遠されているのではないでしょうか。他のディスクのカバー写真でクレンペラーと並んでクレンペラーが肩に手を回しフィッシャーがうれしそうに可愛らしく微笑んでいるのがあります。クレンペラーが大男だったのはよく知られていますが、この写真を見るとフィッシャーは本当に小柄で、このような体でどうしてあんなに立派ないい音が出るのかと思います。フンガロトンのプロデューサーが惚れ込んで破格の条件でベト全集を出すことになったというのが分かるような気がします。全集の方は当初予定より3週間遅れるとのことですが、楽しみに待っています。

    7人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2014/11/09

     シュナイダーハンの静謐、理知的でクリアーなヴァイオリンに魅せられて、すぐに入手可能なディスクということでたどり着きました。ルツェルン音楽祭弦楽合奏団は、1956年にシュナイダーハンとバウムガルトナーが創設したとのことですので、それから間もないころのセッション録音の演奏を集めています。ヴィヴァルディの四季は予想通りの抑制の効いたもので、非常に清楚で凛とした美しさを示しています。情緒的なイ・ムジチとは対照的です。また、ヴィオンディなど最近の奇を衒った演奏と異なり、懐かしい感じがします。懐かしいというと、バルヒェット/ティーレガントの1961年の演奏を思い出しますが、バルヒェットが郷愁という意味のそれであれば、シュナイダーハン達の方は何か昔からあると感じさせる正統的というイメージでしょうか。四季以上に気に入ったのは、調和の霊感からの2つのヴァイオリンとチェロのための協奏曲ニ短調です。独奏部が目立ち、協奏曲というよりもまるで室内楽を聞いているようです。耳を傾けていると心が澄んでいくのが分かります。全体を通じて、年代の古さにかかわらず録音は大変よろしい状態です。最後のタルティーニの演奏終了後にホールトーンの余韻が聞こえてきます。これもいい。また、素晴らしいディスクに巡り合うことができました。

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     2014/11/02

     Mercury Living Presenceを代表するディスクと言えます。幻想交響曲はひたすら明るく、ひたすら音を楽しむ演奏となっています。作曲者の意図した興趣、感興などとは無縁です。でも音が滅茶苦茶いいから一聴に値します。しかし、録音技術の一番効果大なのは、幻想以外の管弦楽小品です。他のレヴューワーさんも指摘しているとおり、余白の小品は素晴らしく、今まで聞いた中でベストと思われます。ベルリオーズの管弦楽曲は、ひたすらうるさいだけでいらだちさえ覚えるのが常ですが、このディスクのそれは音の良さという観点で極めて快適、愉快な思いにさせてくれます。未だにユニバーサルがMercury Living Presenceの再発売やEloquence Australiaがマーキュリー音源のディスクを出し続けるのは、やはり稀有の録音技術あってのことと思います。黒釉天目茶碗を今や再現できないようにマーキュリーの録音技術を復活させることは不可能なのでしょう。だとすれば、残っているパレーやドラティの演奏は基調です。感謝。

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     2014/11/01

     同じドリーブでも、コッペリアはドラティ、シルヴィアはフィストラーリの指揮です。二人とも、バレエの指揮者として指揮者人生をスタートさせ、バレエ指揮で広く受け入れられ、高く評価されたこともあって、文句なしの演奏です。しかも、音源は、いち早くステレオ化に対応し未だに聴衆を音の良さで魅了し続けるMercury Living Presenceですから、本当に切れのいい、躍動感の伝わってくる素晴らしい演奏になっています。ドラティの大ファンとしては、やや残念ですが、二つのどちらがより素晴らしいかと聞かれれば、フィストラーリに軍配を挙げます。フィストラーリは録音も少なく、未だに史上最高の名演と言われる、オランダ放送響との「白鳥の湖」全曲も長らく中古でも入手困難(先ごろ出たDeccaのPhase4 Stereoのボックスセットに入っているようですが)です。その意味でもフィストラーリがバレエ指揮者としていかに優れているかを知る良い機会にも、このディスクはなると思います。しかもめちゃめちゃ安い。絶対のお勧めです。

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     2014/11/01

     オイストラフ父子がモスクワ・フィルとロンドンを訪れ、メニューインと夢の競演をしたライブ演奏のディスク。ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲は、メニューインが独奏、オイストラフ父が指揮をしています。一方、モーツァルトの協奏交響曲は、息子のイゴールがヴァイオリン、父のダヴィッドがヴィオラを独奏し、メニューインが指揮しています。これだけでも一聴の価値があると皆さんも思うでしょう。演奏の方は、ベートーヴェンが聴衆の咳が非常にうるさいこともあっか、メニューインも第1楽章では乗り切れず、あれっという感じのところがありますが、楽章が進むに従い落ち着いてきます。この意味で、モーツァルトの方がお勧めです。父のサポート(さすがダヴィッドはヴィオラでもすごい安定感があり)で、イゴールがのびのびと演奏している感じがして微笑ましい上に出来もいいと思います。結論として、是非聞いてみて下さいと推薦します。

    0人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 0人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2014/10/31

    他のレビュワーさんと同じくマズア/NYPのドヴォ9番が予想に違えて素晴らしかったので、こちらも購入しました。確かに8番は9番に比べると見劣りしますが、音を楽しむのには十分でNYPの美音は堪能できます。最終楽章の盛り上げもまあまあですが、最後のコーダが1/4拍ずれておしい感じがしました。決めてほしかったなあ。むしろ素晴らしいのはヤナーチェクのシンフォニエッタです。これほど雄大で美しい曲であるということをこのディスクで初めて実感しました。だまされたと思って他の方にも是非聞いてみて下さい。やはり、マズアはニューヨークで再生したようです。明るいNYPの音色が彼を変えたのだと思います。

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  • 5人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2014/09/15

    レビューを見てずっと気になっていました。ときどき思い出して購入しようと思うと品切れであることが多く、在庫有りの時にようやく3年越しくらいで購入しました。関心がマーラーから離れていたこともあり、しばらくお蔵入り。ようやく3連休で家内が出張で久しぶりに独り身で時間ができ、聞いてみました。正直ビックリしました。メータ/WPなど2番は特に世に知られた名盤も多く、さんざん聞いてきたつもりですが、音楽で「目から鱗が落ちる」珍しい経験をしました。おそらく大野さんは長い時間をかけて楽譜を読み込み、しかもオケとこれでもかと練習を重ねたのでしょう。これまでの爆演ではつぶれていて聞き取れなかった音がディスクのここかしこから聞こえてくるのです。改めて主音部がこういうメロディーだったのか、マーラーという人は随分泣かせるフレーズをこれでもかと散りばめているのだな、やはりロマン派の到達点なのだということが思い知らされました。他のレビューワーの方が、複数名、バランスに欠くと指摘されています。確かにそう思われる点もあります。しかし。この曲の指標的演奏として特筆に値すると思います。大野の2番を聞いた後で、他の演奏を聞くのが楽しみになりそうです。一度は聞いてみる価値があること間違いなしです。

    5人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 5人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2014/01/31

    HMVの説明では「ケンペは以前にもこのメンブラン・レーベルでリリースされていましたが、ノイズカットのし過ぎで音質がイマイチだったため、今回も同様の可能性が高いです。」と書いてあり、ケンペコレクションの観点と安さに魅かれ購入しました。そのため、期待せずに聴きましたが、音質が悪いというのは全く誤った先入観を与える誤報であるということを確認しました。確かに取り立てて音質がいいとは思いませんが、十分に鑑賞に堪える音質です。もちろん演奏は、ベートーヴェンの交響曲全集で実証済みのケンペとミュンヘンフィルですから悪いわけはなく、ケンペが死去する直前の演奏でもあり、このディスクは本当に価値があります。価格設定を間違えているとしか思われません。癖がなく少し物足りないと感じるブラームスファンもいるかと思われますが、ブラームス全集をカラヤン、ジュリーニ、ザンデルリンクの時期を異にする2つずつを含め18セットを既に所有する自分としては、ドイツの正統派の演奏であり、入門としては価格の安さもあって断然お勧めです。クレンペラーは以前からそっくり保有していますが、決して悪いものではなく、ライブの緊張感があって私は好きです。この安さは異常で、クリップスの例のキャンディー缶を思わせる包装のベートーヴェン全集が、あまりの安さのために本当にトンデモ演奏かと思いきや、素晴らしい演奏であるあのビックリ仰天を思い出しました。

    5人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2013/02/24

     ジュリーニよる9番は、有名なDVD名指揮者の軌跡Vol.7の本番の方の演奏だと思われる。このDVDはリハーサル風景が詳しく収められているという意味で極めて興味深い。ジュリーニの徹底的にオケに歌わせる指揮がどのように実現されるのかが手に取るように分かる。この中でドイツ語のhaltenという言葉をジュリーニはさかんに使っている。伸ばしてという意味で、長く溜めた演奏を求めている。それからさかんに主旋律を演奏するパートが他のパートに押されて聞こえなくなりそうなところで、音をしっかり出すようにと修正している。リハーサルの後に本番が入っているが、リハーサルの印象が強すぎるせいか余り感動しない。細部の各パートの演奏者の手指に視線が行って気が散ってしまう。そこで今回このディスクを購入して音だけを聞いてみると、やはりすばらしい。オケの良さもよく分かった。しかもこのディスクはザイデルリンクの7番と一緒になっている。大好きな二人の指揮者が同じオケでブルックナーを振ったのを聞けるというのはファンにとって実に有難い。ザイデルリンクも予想通りすばらしい。結論としてシュトゥットガルト放送響が優れたオケであることを痛切に感じることができた。この企画に心から賛意を送りたい。

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  • 6人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2013/02/24

     EMIミュージック・ジャパンの単発のドボルザーク新世界交響曲を聞いて期待してボックスを購入。まず50年代のステレオ録音が多いが、これまでの経験からの予想よりも録音がかなり良く、全体をとおしてその点での不満はほとんどない。内容については、小品ものを通じてシルヴェストリの資質の本来的に優れていることを感じる。全体にゆったりとしていて、チャイコフスキーの後期交響曲などを聞いているとちょうど全てがワルツの楽章であるかのような印象を受ける優雅さや分かりやすさがある。下手をすると俗っぽくなってしまうところ、その手前でとどまっている印象である。自分の好みには合っているので高い評価となった。今回のセットで聞きものは、ドヴォ9、新世界が同じフランス国立放送管弦楽団とのセッション録音、収録場所も同じで57年と59年の2テイクが同時に収められ聞き比べができることである。単発で買った有名な方が古い57年のもので、明らかに、圧倒的にこちらの方が優れている。緩急を効かせ勢いがある。59年のものはチャイコで好感の持てたゆっくり、優雅が行き過ぎて失敗している。同じ指揮者、オーケストラでここまで違うのかと正直びっくりした。やはりクラシックは再現芸術として奥が深い。今後ともどんな演奏が出てくるか期待できるという意味で永遠なものであると感じて安心をした次第である。

    6人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 5人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2013/02/24

     発売日の予定がずれて遅れての入手となった。他のレビュワーの方と同様、これまで小澤さんのディスクはほとんど所有しておらず正直どうかなあと思っていたが、全体として中庸以上の印象で日本人指揮者としてやはり傑出した方であると確認した。私の好みとしては、若い時代のもの、独墺系以外の小品ものが特にいいと思われる。ベルリンフィルとのチャイコフスキーの交響曲4番と5番が収録されているが、HMVの解説にはホールトーンの関係から、イエス・キリスト協会の4番が良く、フィルハーモニー・ザールの5番が難があるかのような記述がある。しかし、演奏については、シューベルトのザ・グレートのように曲想、それもそれぞれ個性的な曲想が次々と出てくる4番は、置きにいっているという印象でどこか乗り切れていないぎこちなさを感じる。それに対して5番は曲自体が流れがあってそれに乗ってのびのびと指揮している様子が窺え、むしろこちらの方がいいように私には感じられる。なお、最近のボックスセットは個々のディスクを収める紙ジャケットが意匠をこらしていたり、オリジナルジャケットを使用したりと凝っているものが多い中、今回の小澤さんのはボックス表面の小澤さんのバックに写っている木だけのぼやけた写真で、何か投げやりな感じがして、同じ日本人としてもう少しなんとかならなかったのかと残念である。

    5人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 5人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2013/02/16

     某別サイトの鹹さんのレビューによると、マルティノンはプロコフィェフの交響曲全集の録音をEMIに持ちかけたら渋い顔をされたということで、アメリカのVOXレーベルに持ち込んだとのこと。それほど録音したかっただけあって、プロコフィエフに思い入れがあるのだろう、なかなかいい。プロコの交響曲のうち特に好きなのは5番と7番なのでいろいろ集めているが、定評のあるテンシュテットのPROFILレーベルのこのカップリングも素晴らしいが、マルティノンの方は隈取りがしっかりしている感じで分かりやすく情趣がある。ロストローポーヴィッチもその点は共通しており好みではあるがややしまりがない感じで、それに比べるとマルティノンはきびきびしていて気持がいい。 マルティノンはドビュシー、ラヴェル、サン=サーンスなどお国物で定評があるが、なんといってもその独特の全く他に比較できないユニークなウィーンフィルとのチャイコの悲愴を最初に聞いた時の印象は鮮烈だった。プロコはそこまで変わっていないが、ロシア物という視点でマルティノンを再評価するにはうってつけのディスクではないだろうか。誰も投稿していないので、これが知られないのは残念だと思い投稿させていただいた。

    5人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 5人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2013/02/16

    EMIの新しいバジェット・ボックス・シリーズである。格安ではあるが、バレンボイムなどは食指が動かない。しかし、このプロコフィエフは秀逸である。交響曲全集は数多く(とは言ってもちっともいいと思わないショスタコに比べると不当に少ないが)出ているが、バレエ音楽、カンタータ、オラトリオの主要作品を一つのボックスにしてこれだけ廉価に提供しているのは稀少である。しかもプレヴィンはプロコフィエフやラフマニノフを得意としているだけに聞き応えのある内容である。特にバレエ音楽の「ロミオとジュリエット」は全曲版であり、マゼール/クリーヴランド管が定評があるが、他の一連のプロコ作品を録音してるだけあって、プレヴィンは勘所をおさえており、長さを厭わず聞きとおせる流れがある。組曲「キージェ中尉」も飄逸な感じが出ていて楽しい。カンタータ「アレクサンドル・ネフスキー」は合唱が録音のせいかいまひとつだが、ロシアを感じさせる素朴さに親しみをおぼえる。交響曲以外の管弦楽曲を一度試してみたいという人には、セットとして極めて魅力的でおすすめと言える。プロコフィェフのよさを発見できること請け合いである。気に入ったら次はDECCAのアシュケナージやデュトワの指揮による協奏曲集3枚組に進むのがいいと思う。

    5人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 6人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2012/03/20

     購入してちょっと聴いただけでしばらくお蔵入りしていたのにふと気付いてじっくり聴いたら本当にびっくりしました。ワクワク感で一気に3番から7番まで行ったら、さすがに疲れて、体に悪いと諦めました。他の方も書いているように片手間で聞き流すのは難しく、TDLのアトラクションを次から次に乗っているような癖になる刺激がある演奏です。数えてみると保有のベートーヴェンの全集は優に15は超えていますが、こんな演奏ははじめてです。本当にビックリしました。 他の方が何人も書いているように言葉では表現しづらいのですが、昔の無声時代のちゃんばら映画のクライマックスで何十人もの敵を相手にばったばったと快刀乱麻の太刀捌きを見せる鞍馬天狗のようです。とにかく切れ味がいい、返す刀でと360度の敵を次々切り捨てるような、豪快さがあります。その上、時々、グッと心を掴むような見栄も切る、それでいて臭くはなく爽やかで、一言で言えば胸のすくような格好良さといっていいでしょう。クレツキの指揮は本当にそんな感じです。チェッコフィルもそれに応えて本当によく頑張っています。各パートの音の分離が良く、まるでかぶりつきでジェットコースターの最前列に座っているような切れのいい音がします。その分、シュタッツカーペレ・ドレスデンのような厚みのある弦は聴けませんし、荒さが多少気になるところはありますが、それをはるかに凌駕する気持の良さは本当に例えようもありません。男の子なら誰しも昔あこがれたヒーローのような、そんな未だに忘れられない存在のような演奏です。 騙されたと思って、一度聴いてみて下さい。なお、通常順番を入れ替えて5枚のディスクに収める全集が多い中で、律儀に1番から順番に余裕を持って6枚組にしているところも、内容の格好良さを減ずることのない粋な計らいを感じます。

    6人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/11/20

     ここ1年半程、室内楽にはまっており、交響曲のディスクから遠ざかっていました。しかし、こちらにも少々飽きが来て、またフルトヴェングラーのリマスターボックス等を聴き始めました。バーンスタインについては、指揮の恣意性が強いという先入観があって、DGのマーラーの爆演と呼ばれる話題性のある、ごく一部のものしか愛聴していませんでした。しかし、皆さんのレビューの高い評価とポイントキャンペーンに背を押されて、思い切って購入しました。このところ毎日帰宅後聴き続け、ほぼ全体像が分かってきましたので、投稿することとしました。
     結論を申し上げると、大正解、大満足です。まず、全集といえるものが、ベートーヴェン、ブラームス、マーラー、シューマン、シベリウスと含まれ、ブラ4等一部を除いて、いずれも粒ぞろいのすばらしい演奏で。聞き比べもでき聞きごたえがあります。また、全体を通して当たりはずれが少なく、皆さん御指摘のように40代、50代の壮年期でNYPとは一心同体の時期の颯爽として快活な演奏であり好感が持てます。さらに米国の作曲家を中心に日頃なじみの少ない作品にも触れられる良い機会を提供してくれています。
     音質については、思っていたよりもはるかに良く、うれしいかぎりです。しかし、既に何人かの方が御指摘されているように、録音場所の違いによるのか、管楽器は総じて良い音を出しているのに対し、弦楽器は潤いのないがさついた音が気になることが時々あります。リマスター等技術的なことに関する情報が少ないことも残念なところです。マーラーを全曲、ウォークマンに移そうとパソコンで作業をしていたところ、いずれの曲も”2008 Remastered”という表示が出てきました。中学生の頃、マーラーの巨人をLPで購入し、結婚したら家内が80年代に出されたCDを持っていましたので、これだけはよく今でも聴いていますが、聞き比べると確かに透明性が向上しているような気がします。
     いずれにせよ総合的に見て満足度の高い、コストパフォーマンス抜群の企画です。こうして今や昔の優れた演奏を世に送るのは大賛成です。当時のライブ録音も出してもらえると又聞き比べの楽しさが広がります。

    3人の方が、このレビューに「共感」しています。

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