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Nantsu さんのレビュー一覧 

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  • 0人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2012/11/30

    このアルバムのレビューが少ないのがとても不思議です。
    シェリル・クロウの 2nd アルバムは 3rd と並んで、彼女のもっとも「ロックな」アルバム。少しハードになり過ぎた感のある 3rd と比べ、気軽に聴けるポピュラーロックのアルバムとしてはこちらが最高でしょう。
    1st の strong enough、I shall believe といった曲に見られた感傷性や、全体のカラフルさなどには欠けるが、キリッと引き締まっており、一言でいうと「スパイスの効いたロック」。
    それでも全曲が素晴らしくキャッチーであり、どの曲もバランスよく優れている。歪んだエレキだけじゃなく、アコギのシャープな響きがとても心地いい。ドライヴのとき聴くには最適の音楽かも知れない。
    セルフプロデュースというのもあってか、混じりっ気のない“シェリル”がここにはいる。

    0人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 5人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/12/03

    なんと沁々としたモーツァルトだろう。これは老齢の音楽家ならではの演奏だ。

    モーツァルトの本質とはなんだろう。僕はつねづねそれを「儚さ」と「無邪気さ」だと考えてきた。でもそれを表現しうる演奏家というのはごく稀で、モーツァルトは意外なほどに表現のむずかしい音楽家だと思ってきた。

    ここに聴かれるのは理想のモーツァルトだ。シゲティとホルショフスキの演奏は完全に世俗をこえている。表面的なものへの拘りをすて、まるで魂だけがぎしぎしと、しかも優しくひびいてくるようで、聴いているあいだの手ごたえ、充実度がちがう。

    シゲティはバッハの無伴奏ばかりが人気だが、これは完全なかたよりだと言える。むしろ出来の点でいえば、こちらのほうがうえだ。しかしバッハという音楽のイメージとシゲティにはなんの違和感もないのにたいして、モーツァルトというのは一見ミスマッチに思えるのかも知れない。

    しかしそれはほんの杞憂だ。ここには本当のモーツァルトの「声」というものがあって、それしかない。泣きむせぶようなヴァイオリン、温かいピアノの音色。こんな人間くさいモーツァルトがこの先現れるだろうか。僕はそれを難しいと思う。

    5人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/11/12

    素晴らしすぎますね。

    これを聴いていると、彼の「完璧さ」が「目的」でなく、あくまで表現の「手段」だということがよくわかります。

    まるでミケランジェリはわれわれの見えないところで、見えない氷の彫刻でも作っているのではないかと思われますね。

    それは「音」による彫刻で、なかにはなにかを秘めながらも、それは我々にはみせてくれない。ただその創造の過程と痕跡としての「音」だけが、我々の耳にはとどいてくる。

    共感もゆるされず、感傷にひたることも拒まれている。人の興奮をあおったり、鼓舞することもない。ではここにはなにがあるのか? ミケランジェチを聴く意味は?

    それはとても言葉にあらわせるものではないが、やはり「神秘」というものはあるのだなと、しみじみと感じられます。

    たぶん(乱暴ないいかたをすると)、ミケランジェリ自身にだって、自分がどんなすごい領域にふみこんでいるのかと、「言葉」では説明できなかったでしょう。

    僕たちは彼のつくりあげた「結晶」をみることはできないけれど、その音から、秘められた素晴らしいものをかすかにでも感じとるしかないのです。

    それだけでも、十分過ぎるほどありがたいことだし、得がたい体験です。ミケランジェリという天才をしずかに讃えましょう。

    さて、この演奏はライヴなので、彼の「彫刻」はすこし溶けはじめています。

    つまり「観客」という存在が、ミケランジェリの芸術を多少なりとも、共感しうる余地がうまれているのです(それがグールドがこばんだところの、演奏家と観客の「相互作用」なのでしょう)。

    つまりここでは僕たちは、彼の氷のとけた「潤いのある美音」にひたることができ、彼と本当の意味で「出会う」ことができるのです。

    もちろん「録音」と「生」ではちがうので、その分の差があることは言うまでもないですが、彼亡き今となっては、これだけが彼と「出会う」唯一のチャンスなのです。

    2人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 0人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/11/02

    終戦の年に行われた、ベルクのヴァイオリン協奏曲のライヴが凄まじい。

    痛切なシゲティの表現もさることながら、ミトロプーロスの狂気をはらんだ、苦悶で身もよじれんばかりの指揮ぶりに圧倒された。

    そもそもこのCDを買ったのは、もともとシゲティのファンだったことと、シゲティの峻列さにミトロプーロスの狂気(失礼かな...?)とが、この<死>をテーマにした作品と非常に相性がいいのではないか、と予想したからだ。

    結果はまさに期待どおり、濃厚で、ほの暗く、深刻そのものの表現に、この曲の演奏は斯くあるべし、と見せつけられたような具合だった。

    そのほかの演奏も、その組み合わせと曲目から言っても、どれも注目に値するようなものだが、まだしっかりと聴けていない。

    0人の方が、このレビューに「共感」しています。

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