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ダルマ人間 さんのレビュー一覧 

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2012/09/19

    これ、隠れた名盤だと思う。今では特に新しい演奏スタイルではないけれど、このバランス感はやっぱりうまいなあと思う。ブルックナーが苦手という人にぜひ薦めたい。ラトルというと妙なイメージがつきまとっていてその名前がクレジットされるだけで拒否反応を示すような人も少なからずいるみたいで、その気持はわからなくもないけど、彼は基本的には音楽をまとめる能力が大変高く器用(それが災いすることもある)。その実験意欲が裏目に出過ぎなければ、ウィーンPとのベートーヴェン(交響曲、ピアノ協奏曲)とかベルリンPとのブラームスの交響曲のような、むしろ保守層からみても真っ当で素晴らしい演奏をしてくれる。
    そしてこれもそのひとつ。バーミンガム市響の独特のみずみずしく美しい音色を活かして、自然なアーティキュレーションやアゴーギグを採用し、音楽をよどみなく運んでくれるからなんともいえず心地が良い。この作曲家は要所要所で音楽の流れが切れるのだが、この演奏ではその接続も違和感をほとんど感じさせないくらい肩の力が抜けている。かと言ってプレートルのようなノーブルと軽妙洒脱の妙をきかせるものではない。あくまで巨大さを解体せず、そのうえでメリハリを設計していて、つい何度でも聴きたくなる。録音も、このコンビのときはEMIはなかなかよい仕事をする。
    実はかつてまだブルックナーをよくしらなかったころ、iPodで繰り返し聴いてこの作曲家のよさに気づくことができた、そんな思い出深いディスクでもある。あえて満点をつけたいと思う。
    ただどうもHMVの日本語検索ではひっかからないようだし、amazonではレビューはあれど在庫がない。HMVでもそろそろ廃盤か?最近はラトルの旧譜が投げ売られているがついでに再発(?)してみてほしい。

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     2012/07/04

    冒頭からしてテンポが速く、全体を軽快に設定しているとすぐわかる。(私はあまり熱心なリスト聴きではないので見当はずれかもしれないが)リストっぽくない。伴奏もソリストも運動性の高い、爽快な音楽を目指しているのだろう。非常にあっさりと聴き終えた。といっても聴きごたえはむしろ十分で、ジャズのようなキレとスピード感。ウルフの指揮も引き締まっていて変なアゴーギグはない。超絶技巧にもかかわらず楽々弾いているようで、嫌みな見せびらかしもなく音符の妙を楽しんでいる。録音はDGとかデッカとかRCAのようにリッチではないが、自然で妙なもたつきがないので彼らの音楽とマッチしている。大上段に構える演出ではないので、ゴージャスさとかケレン味を求める人は他を捜されたほうが幸せになれます。愉しい音楽になっており手を伸ばす回数も多くなりそう、あまり期待していなかっただけに嬉しい誤算です。しかしこのシリーズは日本語検索にひっかからないことで損しているのでは?安く、安定した質で買えるのに。ちょっと甘いけど好評を。すでにテルデック録音集も出ているみたい。

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     2012/06/25

    レンタルで聴いただけだが、タケミツ作品をこのような形で取り上げてくれたことに感謝。ほとんど聴いたことのない作曲家だったけども、この素晴らしい美演を通じて魅力に触れることが出来たから。オケのほうも、あまりやったことのない曲だったと思うので好奇心からか意欲的だったのではないか。佐渡氏はこの曲が広く世に知られることに貢献してくれた。武満作品をもっと聴きたいと思った。さて、本当は(ショス)タコの5番を目当てにしていたのだが、こちらはあまり感心しなかった。いわくのつきまとう曲だが佐渡氏は直球のスタイルなので、オケの方にも身を捨てるような燃焼度を期待したかったが、やはりそこはベルリンフィルらしくどこか一歩下がって醒めたところが残っていたように思う。初めての顔合わせなので冷静に指揮者についていこうとはしていると思うけど。無論凄みも表現の幅も爆発力も十分な一級品の演奏ではあるのだが…献身度的には明らかにタケミツの時ほうが上では?演奏も若干荒っぽいところがみられたのがとても残念だ。オケになめられているようにも感じてしまって気分が悪かった。佐渡氏が本気なだけに。よってタケミツ5点、タコ3点。佐渡氏が今度また呼ばれることを願って。ブルーレイ購入予定。

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     2012/06/23

    インテンポで丁寧に音を紡いでる。即物的で一見厳しいが実は大変柔らかい。この指揮者はオケ全体の音色、音響に対するバランス感覚が(旧世代的とはいえ)研ぎすまされていると思う。引き締められた音色で解像度は高いのに響きはふわっとして暖かい…管楽器はアタック鋭く吹かせているが倍音は和やか、引き際が鮮やかであり、竹刀で見事に突かれているかのよう。オケ全体の統率が高レベルでなされた結果だろう。だからシグナルのように無機質には鳴らないし、暴力的で野卑にもならない。演奏精度は現代より劣るはずなのに一切の雑味なしとすら感じてしまう。この指揮者には恐らく、全くといっていいほど迷いやあざとさがないのだろう。ロマンティックで大げさなみぶりも、表現主義的な歌舞伎もないし、かといって爽快なドライヴにも、酔狂な軽さにも興味がないようだ。最近のベートーヴェン演奏には、創意工夫を仕込まねばならないかのような強迫観念すら漂っているけれど(愉しいものの…)この演奏を聴いているとそんなものは要らないようにも錯覚する。実際はこの作曲家にはまだまだ研究しつくせないほどにアイデアが詰まっているはずなのだけど、少なくとも純音楽的安心感という点ではなかなか超えるものがないのではないか。積極的に聴きとりにいくような必要がないくらいに、演奏サイドが、音の綾を結晶化してくれているので、ただ流しているだけですっと染みてくる。ゆえに私には最高級のBGMだ。(往々にして皮肉まじりに言われる言葉だがそれは穿った解釈だと思う。金科玉条のごとく厳かに対峙するのだけが音楽ではないのでは。)その意味で星3つをつけられている方のレビューは的確である…つまり裏を返せば賛辞になる。エピソード的な楽聖像に染まりたくないなら是非。そしてリマスタリングエンジニアのいい仕事に感心した。リマスターはすればいいというもんではないから。わざとらしいところは皆無で大変うまい。RCAらしく聴きやすいホールっぽい音に仕上がっている。これはヴァントの奇を衒わない解釈にぴったりである。これには拍手。そこらへんも含め、出てくる音がここまで「高品質」なベートーヴェン全集の音源は希有でしょう、よい製品。楽聖の作曲の「普遍性」がよく出ていて、ニュートラルに聴きたいときはよくこれを手に取っています。

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     2012/02/12

     当方カイルベルトを聴くのは初めてです。ひとことで言うと「『普通に』いい」演奏!録音に関しては、厳しく評価しますと、ぱっと聴き確かに美味(実際PCでyoutubeにあがっていた音源を聴いたときはすごく好ましかった)なのだが、実際はローエンドをカットしているようで残響も気持ちわざとらしい。ヴァイオリンややきつい。これらは致し方ないかも。すぐに慣れますし、細かいことを抜きに考えれば普通に聴けます!60年代の音と思えば不満はないです。演奏は往年のスタイルですが、古楽スタイルを得た今にも十分通用する内容が嬉しいです!オケの音色も音楽性との相性がよく、手触りに違和感を全く感じません。聴いていて飽きのこない純朴な音色。モーツァルトでは(エンジニアの手によるバランス調整かもしれませんが)意外なことに対旋律がかなりしっかり聴こえてくるので、終楽章では音の綾が紡がれていく様が実に見事に再現されます。中間部の音楽は、こんなふうになっていたのかと感心しきり。第一楽章のほの暗さも感じられてロマン的な感情にもこと欠きません。作曲家の天才性を再認識させてくれるのがカイルベルトという指揮者なのでしょうか。ブラームス、作為的な読みはなく、ほっとする音楽に包まれます。表面の美しさにおぼれることなく、各々の声部をしかるべき語り口に導くことで音楽の流れをつくっていますね。曲の面白さを感じさせながら幸福感に満ちたものに仕上げている。彼の音楽の印象としては、玄人っぽさ、渋さ、いぶし銀、職人気質(といってもヴァントに代表されるような偏執さを感じさせるストイシズムではない)、自然、地味(笑)…ですかね。タグをつけるならこんなところ。えらく配送に時間がかかりましたが買ってよかった。上述のように音質に癖があるのでメインセットでは聴く頻度は低そうだが、それ以外の再生機では再生数が伸びそう。演奏史を覆すような話題性満点の名演の類いでも、一世一代の命をかけた遊びでもなく、棺桶に入れる大名盤決定版ものでもなく、いつまでも聴いていたくなる愛すべき音源。もっと長生きして録音を残してほしかった…

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     2009/11/11

    今更クイーン、しかもベストでもなかろう、と思いながらも試聴機を素通り出来ず…すぐにアンダープレッシャーを聴いた。最初のハットから特徴的なベース、バスドラからバシュッ!ときて、ボウイとフレディの「プレッシャ!」まで聴いたところで購入決定。とにかくこのリマスタリングには拍手喝采。よく見るとボブ・ラディックが担当したとあり、納得。氏の、音圧競争にノーを主張する態度には非常に共感できる。以前のマスタリングではどうにも高域が粗く刺さり気味で聴き疲れがやや不満だった。ミキシングに較べればたかがマスタリング、されどマスタリングだと感じた。これからクイーンというバンドを知る人にはこういう音で聴いてほしいと思った。散発されているベスト盤の中のベストがやっと出てきたと思えた。もし氏の手で旧盤がリマスター再発されるなら、個人的には総買い替えもやぶさかではない。

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     2009/10/16

    ホーネックに続きエクストンから巨人発売。前者の解釈、マーラーの逸脱的、変態的、民謡趣味的な部分にフォーカスを当てたものに比べると、本盤は他の方のおっしゃるようにオケの色を引き出すストレートな、若書きらしさで魅せる解釈かな、と。それにしても第一楽章の「突発」の表現は見事!!!その前後で風景ががらりと変わるかのようです。ジャケット写真も今までで一番かっこいい(笑)編集の際挿入されたフレーズの質感にホールトーンが乗らず、ドライで結構浮いているのが気になるが、ヘッドフォンで聴かない限り全くの許容範囲。

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     2009/09/30

    恥ずかしながら聞き慣れない指揮者、オケに、レコ芸絶賛となれば色眼鏡をかけずには聴けませんでしたがどうしてどうして素晴らしい演奏。指揮者は去年マーラーの享年の50を迎えたばかり、意義深いと思います。第一楽章の序奏は冒頭から微かな音量で神秘的な雰囲気をもって誘うし、舞台裏の金管がたまりません。カッコウも実にいきいきしています。第二楽章はウィーンっ子らしい粋なリズム感をみせながらも土臭い舞踏を見事に表現しています。第三楽章の冒頭のティンパニも小さな雨粒が一粒ひと粒落ちるかのように柔らかく始まり、決して芝居臭くも、いたずらに絶望的にもならずにマーラーが注釈した動物たちの葬送行進曲を的確に捉えていると感じました。終楽章の合奏力は、ただ丁寧なだけの面白みのない演奏と一戦を画すもので刮目に値します。スコアの具現化が超高次元でなされています。オケの音色も新鮮で、金管はアメリカ的なきつさはありますが、全体には機能主義的無機質さだけが目立つわけではなく、むしろ大変有機的な表情もみせてくれます。諸所の一流オケでは聴けない音色も新鮮で楽しく聴けました。技術も申し分なし、録音も大変よく、各楽器の分離、音色の確保、定位感が特にすばらしく立体感がありオススメです。録音と演奏がここまで相性がよいとは。この曲の愛聴盤が発掘できました。マーツァルもジンマンもそろそろ全集が完成するというときに嬉しいチクルスが始まりました。まだ若いですし、期待をこめて最高!を。

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     2009/09/28

    レコード芸術2009年9月号特選盤。同誌のハイライトCDを試聴して、大変印象に残ったため、普段買わないような値段の器楽曲でも手に入れてしまいました。フォルテ・ピアノの独特な、現代ピアノよりも角のとれた音が心地よいです。ホッホランド氏の演奏も良い意味で古楽然としていない血の通ったもので、ジャズのような(飽くまで比喩ですが)躍動感と温もりがシューベルトにマッチしていると感じました。それでいて無理やりなアプローチには走らない、落ち着きのあるピアノで安心感も醸し出されています。これは彼の卓越したリズム感、(Classicではあまり使われない表現ですが)グルーヴ感から生まれるものなのでしょう。ライナーノーツは本人による楽曲への言及、鈴木淳史氏による楽曲解説、本人プロフィールが収められています。録音機材の記載まであり、オーディオ製品としてみても及第点。ヘッドフォンでの鑑賞にももってこいなのは個人的に嬉しいです。SACDが再生出来ない環境ですが、なんら不満のない音質なのでCDリスナーにも大推薦です。

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2009/09/26

    当盤は、タワーレコード店内に流れていたのを聴いて、思わず買った代物。諸氏のおっしゃるように、ティンパニにやられたクチです。冒頭からストレートな解釈でまさしく「巨人の行進」、フィナーレの温度も高く「延ばし」も単なる虚仮威しに陥らず素晴らしい後味。オケの性格もあってか終始暑苦しいというわけではなく、渋く、引くところはわきまえているのが晩年様式的です。ただ、盛り上がる場所ではとても枯れてるとは思えません。ミスもライヴならでは、全然気になりません。ザンデルリンク&SKDの哀愁を感じさせながらも爽やかなフィナーレが大好きなのですが、ティンパニと金管ががっつりしているロマンチックなフィナーレも捨て難い。カップリングがないので単価は高いですが満足できる一枚です。ヨッフムも好きになりました。

    1人の方が、このレビューに「共感」しています。

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     2009/08/21

    結論から言えば、この素材は、安価な装置でも、音質(各楽器の音の解像度、合奏時の分解能、音の伸びていく空間の表現、音色)の変化を愉しみたいという人に向いているといえるのではないか。つまり今までSACDをはじめとした高級オーディオ環境の実現度の敷居をずいぶん下げてくれたものといえる。間口が広がり、環境にそれほど資金投入できない人にも音質変化が楽しめるようになった。かくいう私もその一人だ。
    読み取り精度的に音質が「全く」変わらないという主張をなさるかたが見えるがそれは間違いだと断言出来る。しかしその主張に至らざるを得ない程度の音質変化であるとも言える。レビューとしては冒頭の非マニアのために書かせていただく。

    前提として私の再生環境は読み取り側が貧弱だが、一応出口はドイツの某社のフラッグシップヘッドホン。 まず、聴いてすぐに違いが分かるというようなものではないので大きく期待すると落胆してしまうだろうが、とっかえひっかえするうちに耳も慣れて、違いに敏感になる。たとえば#1のブラ3ではSHM-CDは冒頭のトゥッティのまとまりがよく、音場の形成も明確、トライアングルの音色が澄んでいて心地がよい。音域バランスもなめらかでヘッドホン(再生側)の特性が生きてくる。 CDにもどすと若干高音域が嫌味にきこえ、音域のつながりかたもぎこちなく感じる。しかしこれらは飽くまでも大変微細な違いであり、ソフトをSACDに変えたときあるいは読み取り精度が高い高級機材で聴いたときに比べればとてささやかなものだ。それを踏まえたうえで、もし、大変気に入っている盤がSHM-CD化されているなら購入を検討されてもよいかと思う。購入予定だった旧版を精神衛生も含めてよりよい音で聴きたい人にもそう言いたい。ただ業界のことを考えると厄介な代物。けっきょくソフト面の音質はマスタリングに帰依するところが大きいのではないだろうか。XRCDやOIBPなんかを聞き比べている方ならおわかりいただけるだろう。

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