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あまでうす さんのレビュー一覧 

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  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2013/10/20

    ベラ・バルトークの作品を10枚組にした独メムブランによる10枚組の廉価版セットです。

    ここにはクーベリリック指揮ロイヤルフィルのオーケストラのための協奏曲やアンセルメ指揮スイス・ロマンド、カッチエン独奏のピアノ協奏曲、フルトヴェングラー指揮フィルハーモニア、メニューイン独奏のバヴァイオリン協奏曲などが各ジャンルのバランスに配慮しながら要領よく収まっている。

    特筆すべきは夭折したフィレンツエ・フリッチャイの素晴らしいバトンテクニックで、それは彼がベルリン・ラジオ放響を振ってトッパー、ディスカウが歌った「青髭公の城」を聴くとよくわかる。

    こんな隠れた名盤があるとは夢にも思わなかった。


    世を呪い我が身を呪うか夜の蝉 蝶人

    3人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2013/10/20

    名人セルの、主に1950年代の録音を集めた独メムブランによる10枚組の廉価版セットで、ロイヤル・コンセルトヘボウやクリーブランド、ロンドンフィルなどを振ったドボルザーク、モザール、シューマン、ベートーヴェン、ハイドン、シューベルト、メンデルスゾーンなどの演奏が聴ける。

    いずれからも彼独特の精巧で折り目正しい音楽が聴こえてくるが、その大半がライヴなので、スタジオ録音とは違ったその折々の感興がこぼれてくるのが好ましい。

    シューマン、ハイドンも良いが、私はロベール・カサドシュを独奏者に迎えたモザールのピアノ協奏曲の24番と26番を楽しんでききました。


    ジョージ・セルより秘法を伝授されしジェームズ・レヴァイン巧みにヴェルディのアリア歌わす 蝶人

    1人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 0人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2013/08/24

    お馴染み独Documentsからの1枚100円の廉価盤バレエ名作選である。

    ほとんどがモノラル録音であるが、ストコフスキーやモントゥーの「白鳥の湖」やフリッチャイ&リアスのストラビンスキー、アンセルメ&スイス・ロマンドの「春の祭典」などはそれなりに面白く聴ける。

    バーンスタイン自作自演の「ウエストサイド・ストーリー」「オン・ザ・タウン」なんかも入っているが、彼の保守的な交響曲やミサ曲と同様詰まらない。現代音楽は彼の中庸折衷的な作風をアンドロメダ星雲の彼方に放置してどこか遠い世界に遠征に行っているのだ。

    0人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2013/07/27

    独メムブランの1枚100円程度の超お買い得セットのクレンペラー・バージョンである。

    ここには主にケルン放響とフィルハーモニア管によるブラームスの交響曲1番、3番、ブルックナーの交響曲4,7,8番、そしてぬあんとベートーヴェンの交響曲の全曲がほとんどライヴ録音で収録されている。

    その大半がモノラルではあるけれど、後のフィルハーモニア管のスタジオ録音と比べてもまったく遜色のない、いやライヴに燃えた巨匠の即興性と情熱の自然発生的な発露を随所で楽しむことができるという点では、より複層的な魅力に満ち満ちた演奏であると断言できる。

    レオン・フィッシャーの独奏によるベートーヴェンの第4協奏曲、ゲザ・アンダによるブラームスの第2ピアノ協奏曲も無類に楽しい演奏である。

    2人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 9人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2013/07/07

    トスカニーニの前にトスカニーニなく、トスカニーニの横にフルトヴェングラー、トスカニーニの後にはわずかにカラヤン、クライバーあり。

    この偉大なマエストロが指揮した84枚のCDを聴けば、その凄さをつぶさに実感することができるだろう、1枚たったの116円で。
    当節は小澤をはじめラトル、メスト、ハーデイング、ドゥダメル等々居ても居なくても誰も困らない2流、3流の指揮者でも「マエストロ」と軽々しく呼ぶようだが、それは不勉強なロバの耳たちがもっともっと素晴らしい偉大な先人の演奏にその残滓なりとも触れたことがないからである。

    ここには、本当のマエストロとはこの人とフルトヴェングラーにしか与えてはいけない称号であった、と心の底から痛感させる世紀の名演奏、名録音の数々がある。

    ベートーヴェンでもヴェルディでも、曲は前へ前へと不橈不屈のエネルギーで前進するのだが、かといって緩徐楽章や恋のアリアにさしかかった折の適正なテンポの維持に心配りを怠っているわけではなく、この伴奏ならばこの歌手がもっとも真価を発揮できるであろう、と熟慮したうえでの管弦楽のうるわしい展開になっていることが、例えば私が愛聴するヴェルディの最大最高の傑作「ファルスタッフ」に耳を傾けているとよく分かる。

    ベトちゃんでもブラちゃんでも20世紀の指揮術の規範は今では誰も訪れることになくなったこの聖檀に安置されているのであり、その真価が分からない人間は、あまちゃんを見てじぇじぇじぇと驚き、豚や鱶にでも喰われればいいのだ。

    私はトスカニーニの真価はやはりオペラのカンタービレのめくるめくような疾走感と自他一体の燃焼天国感にあると思うが、それはこの全集の中に1枚だけ添えられているDXDの中でひときわ鮮やかに体感できるだろう。

    1943年12月にNYのNBCスタジオで収録されたヴェルディの「諸国民の賛歌」のライヴ演奏を視聴していると、彼の命を賭けた反ファシズムの戦いと、彼が理想とする音楽への激しい希求とが混然一体となってまっすぐ押し寄せてきて、それが見るものの胸をいくたびでも熱くするのである。

    9人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 7人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2013/06/26

    クレンペラーでいちばん好ましいのはモーツアルトの交響曲とオペラの演奏で、これこそは人類の不滅の宝物だろう。しかし彼はセルやベームと同様、ライヴでその真価を発揮する指揮者だった。

    ここでは手兵であるフィルハーモニア管を相手にマーラーの交響曲の2番、4番、7番、9番と「大地の歌」を振っており、2番と7番の終楽章などではなかなかの盛り上がりを見せる。最後の曲はワルターと違って妙にモダンな味わいがあって面白く聴けるが、だからといって交響曲におけるバーンスタインのような「なにか」が起こるわけでもない。

    クレンペラーにその「なにか」が起こるのは、フィルハーニアとの大人しいスタジオ録音ではなく、例えばバイエルン放響やケルン放響、あるいはウイーン・フィルとのとのライブでブラームスやベートーヴェンを振ったときである。

    とりわけバイエルン放響の音源は録音も素晴らしく、ぜひもういちど英EMIからリリースしてほしいものだ。

    7人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2013/05/17

    独フライブルクの古楽団体がソニーの超廉価盤に入れたロカテルリ、バイバー、パーセル、ゼレンカ、テレマン、バッハ、ヴィヴァルディなどのCD選集であるが、私の苦手な古楽器の演奏であることを忘れさせてくれる快演ぞろいでお薦めできます。

     手あかにまみれた赤毛の司祭のコンチエルトがまるで彼が生きて死んだヴェネツイアの街を想起させるような悦びに満ちた演奏で繰り広げられるのを聴いていると、もう楽器が古かろうが新しかろうがどっちでもいいやとさえ思ってしまうのであります。

     こんな優れたCDがこんな廉価で買えた今は亡きアホ馬鹿民主党政権時代を懐かしみながら、生涯のベストアルバムとして愛聴することにしませう。

    1人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 6人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2013/05/17

    これは独メンブランによる超廉価盤のヴィヴァルディ名曲集だ。

    まず冒頭の「四季」を聴いてそのフレッシュな音色とノリの良さに驚く。

    2枚目はリナルド・アレッサンドリーニ指揮のコンチェルト・イタリアーノによる古楽器演奏でビオンディがヴァイオリンを弾いているが、これぞヴィヴァルディという極めつけの協奏曲集。

    これで1132円の元はとれるが、さらにイ・フィラルモニチなど有名無名のオーケストラによるコンチエルトやカンタータ、宗教曲、オペラの抜粋までこれでもかこれでもかとうれぴいおマケがついてきて二驚三嘆させてくれます。

    6人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2013/04/09

    ドビュッシーの管弦楽曲、ピアノ曲、室内楽、歌曲、歌劇の代表的な作品を18枚のCDに網羅したお馴染みソニーの超廉価盤セットです。

     どのジャンルのどの曲をとっても、ミュンシュ&ボストン、ブーレーズ&クリーブランド管、カサドシュ、クロスリー、東京カルテットなどの一流の音楽家が極めつけの名演奏を聴かせてくれます。

     とりわけ素晴らしいのは、ブーレーズ指揮&英ロイヤルオペラによる「ペレアスとメリザンド」とマイケル・ティルソン・トーマス指揮&ロンドン響による「聖セバスチャンの殉教」の2つのオペラです。

    とりわけ後者の第5部「天国」における劇的な演奏には震撼させられます。初演の栄誉になったデジレ=エミール・アンゲルブレシュトに匹敵する名演奏を評してよろしいでしょう。

    マエストロ小澤の狂信者ばかりで咲き撓るロバの耳王国のこの国で、マイケル・ティルソン・トーマス選手なんて誰も知らないのでしょうが、私はひそかにクラシック界のマイケル・ジャクソンと呼んでその音楽性を高く評価しているのです。

    1人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 4人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2013/02/25

    お馴染み「独ドキュメンツ・レーベル」が世界のルンペン・プロレタリアートに向けて贈る超廉価盤10枚組CDでありんす。主にスイスのルガーノに本拠があるわが偏愛のローカル・オケ、スイス・イタリアーナ放送管弦楽団のライブ録音で、特に聴きごたえがあるのはヘルマンシュルヘンのベートーヴェン「運命」のリハーサルと本番です。

    この人が同じメンバーで遺した全曲録音(銀座山野楽器より限定発売された)も素晴らしかったが、ここでも凡百のアホ馬鹿指揮者を嘲笑うような快演を聴くことができます。誰でもベートヴェンを振れると思ったら大間違いなのです。チェリビダッケのシューベルトとチャイコフスキーも例によって最高でがす。

    オケは違うが、セル&クリーブランド管のシューマン、トマス・ビーチャム&ロイヤル・フィルのベト7、そして極めつけはフルヴェン&ベルリンによるベト6で、データは不明ですが、この「田園」の演奏は、もしかするとマエストロによる最高の演奏の最上のものかもしれません。

    4人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2013/02/25

    EMIの廉価盤で聴くセルジュゥ・チェリビダッケと手兵ミュンヘン・フィルの最強コンビで聴くバッハ「ロ短調ミサ曲」、モザールやヴェルディ、フォレ、ブラームスによる「レクイエム」、ワーグナーの「トリスタン」「マイスタージンガー」「パルシファル」などの前奏曲は定評ある彼のブッルックナーとおなじように非常に遅いテンポの演奏であるが、それゆえに蠕動するおのれの内臓をいまここで内視鏡で観察しているようなミニマムな精密さと奇妙な酩酊感が同居している。

    我々はリチャード・フライシャー監督の「ミクロの決死圏」の体内船に乗って見たことも聴いたこともない世界を浮遊しているような貴重な体験をするのである。

    しかし、これも音楽なり。いささか変則のアプローチではあるけれど、この角度からしか得られない音楽の宝物を私たちは手中に収めることが出来るのだ。

    2人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2013/01/22

    現代の美形若手によるいっけん新しいそうでじつは古い迷演奏の数々を聴いた口直しの手が伸びるのは、いつもこういう大家の大演奏である。

    ご存知ソニーの超廉価盤シリーズの中でもホロビッツのベートーヴェン、モザール、スクリャービン、ショパンなどの名演を選りすぐった本選集はとびっきりのお買い得CDセットといえるだろう。

    なかでも屈指の名演奏は2枚に収められたスカルラッティの15曲とハイドンの2曲で、これを聴けばリストやラフマニノフやショパン、いなベートーヴェンの「悲愴」や「月光」ですらどうでもよろしい、といいたくなるような軽妙洒脱な演奏である。

    2人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2013/01/19

    アベノミクソのお陰でどんどん輸入盤の円安メリットが失われてはいるけれど、いま世界で最も安価な韓国ソニー製の米コロンビア録音による名盤集である。

    私の好きなセル&クリーブランド響によるシューマンの交響全曲やドボルザーク、もっと好きなストコフスキー、ミトロプーロス、トマス・シッパーズの名盤がザクザク。

    とりわけシッパーズのバーバーの「アダージオ」やフランチェスカッティ&ミトロプーロス&NYフィルによる「メンチャイ」、セル&レオン・フライシャーによる「ブラ協」などは聴く度に心が踊る素晴らしい名曲の名演奏。

    同曲をCDで弾く諏訪内晶子の凡演や先日FMで耳にしたエレーヌ・グリモーN響のブラームスの駄演などを知るにつけ、彼らの演奏の生命力の輝きはいや増すのみである。

    1人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2013/01/08

    誰がつけたあざ名か「“普通の”ディーヴァ」とは言い得て妙。電話交換手で日々の生計を立てていたイギリスのランカシャーの貧しい田舎娘が金持ちのバンカーにも染められ、やがて好きだった音楽で身を立てようとコンクールに出る。

    ところが得意だったピアノではなく、余技のはずのコントラルトのボーカルで倫敦のみならず全世界のクラッシックファンの女神とあがめられるようになるのだから、運命とは皮肉なものだ。

    ブリテン、ワルター、サージェント、バルビローリなど名だたるマエストロに愛されたのは、聴く者の胸の奥に飛び込んでくる一度聴いたら二度と忘れられない、低く、柔らかく、優しい声。そう、すべての人のお母さんのように懐かしい声音である。

    誰からも哀惜されながら、たった41歳で乳がんで亡くなってしまったフェリア! バッハもヘンデルもグルックも素晴らしいけれど、その在りし日の感動をしのぶ録音はやはりワルターとのマーラーにとどめを刺すのではないだろうか。

    ワルター指揮ウイーンフィルの伴奏でムジークフェラインに鳴り響いた「大地の歌」は、その翌年の秋に亡くなる人の白鳥の歌としてもっともふさわしいものだろう。


    美しきヴイーンの初夏に鳴り響く「大地の歌」は永遠に“お母さんの唄” 蝶人

    1人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 17人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2012/12/24

    153枚のCDに1枚のDXDがおまけについた定評あるバッハの全作品を半年がかりでようやく聴き終えました。

     全体のおよそ半分がカンタータで占められていて、そのほとんどをアーノンクール指揮のウィーン・コンツェントス・ムジクスとグスタフ・レオンハルト指揮のレオンハルト・コンソートが演奏していますが、大人しい後者に比べて前者はムラはあるもののかなり気合が入った積極的な演奏ぶりです。

     いずれも古楽器を使用した定評ある演奏ですが、ヘンスラー版のヘルムート・リリングが監修・校閲・指揮したベーレンライター版の新バッハ大全集(全172枚)の現代楽器による演奏に比べると当初の清新さが薄れ、その後続々と登場した古楽器演奏と比べても聴きおとりするのは否めないところです。

     私がバッハの全作品を耳にしたのはヘンスラー版に続いて二度目ですが、今回改めて感じたことはバッハの本領は彼がプロテスタントの信者として神に捧げる賛歌として日々書き続けてきたオルガン曲とカンタータにあり、その膨大な大河の小さな源流になっているのは数多くのコラールにあるということでした。

     トン・コープマン指揮アムステルダム・バロック管弦楽団と合唱団によるBWX250のコラールなどに耳を傾けていると、世上とやかくもてはやされている2つの受難曲やロ短調ミサ曲、華麗な旋律に彩られた管弦楽曲すらもいささか受けを狙った皮相で誇大な大曲のように思えてきます。

    虚心坦懐に聞けばストコフスキーもグールドもアーノンクールもすべて頭の中で加工した妙に人工的で変態的で異様な音楽で、外形はバッハでも内面は全然違っている。村の古い小さな教会でオルガンを弾きながら子供たちと讃美歌をうたっている小太りの老人セバスチャンの姿など想像すらできませぬ。

    バッハの音楽の本質は神への尽きせぬ感謝とひそやかな祈りであり、その名の通り小さな川のように流れる日々の頌歌にこそあるのでしょう。 

          主よ人の望みの喜びよわが心に流れる一筋の川よ 蝶人

    17人の方が、このレビューに「共感」しています。

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