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ハトヤゴー さんのレビュー一覧 

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  • 7人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2022/10/30

    先ずは New Stereo Mix 、想像通り綺麗にバランスが整えられ、今風だけど普通になった。
    作品の良さ、総合的な完成度、それはもうオリジナルに尽きる訳だが、記録された素材一つ一つの確認にはこのMixは有効で、「シー・セッド・・・」の左ギターなんか、埋もれていたどころか、オリジナルを聞き返してもわからない。オリジナルは、アンバランスなMixの曲が多くて中でもエリナリグビーはダントツめちゃくちゃ。1番Aメロの歌い出しなんか、エリナリグビーの「エ」だけ左右聞こえ、「リ」から後は右だけ、って!なに?、しかしそれがビートルズの恐ろしいところ。そのめちゃくちゃと思えたMixが、時と共に身体に染みつき「えもいえぬ」カオスを生み出す。暗幕で締め切った部屋に立ち込める煙のように。ジョージの3曲もそう、ジョンの「アイム・・・」「シー・セッド・・・」「トゥモロー・・・」も然り、Revolverは「カオス渦巻くモノクロのサイケデリック」、アートなジャケットに身を包み、やりたい事全て詰め込んだ比類の無き作品。皆、長年の思い入れがある。敵うとか、張り合うでなく、聞く選択肢が増えたことに感謝する。
    個人的には Originai Mono に期待してた。
    1966年オリジナルのモノ・マスターテープからってどうなの?2009年のモノボックス持ってないので比較できないけど、全体に音に迫力があり、空間の拡がりを感じて、モノを聞いている感じがしない。やはりオリジナルはステレオにしろモノにしろ偉大な作品である。レコードはまだ届かないけど、「Originai Mono Mix・レコード」こそが本丸中の本丸と聞くのを楽しみにしている。(モノ専用針も手配中、ワンスピーカーで聴いてみよう)
    Session は何度も繰り返し聞くものじゃないけど、聞く価値は十分過ぎる。目玉は「イエロー・サブマリン」。ジョンの歌う原曲オリジナルデモは物悲しい(僕の生まれた場所、誰も気にかけない、僕の名前、誰も気にかけない)曲の断片。アコギで歌うジョンのつぶやくようなボーカルが素晴らしい。まるで「ジョンの魂」の1曲のようだ。こういう素のジョン、ホント素晴らしい。何もいらない、伝わってくる。(同じ感じで「シー・セッド・・」も良かった。)これが、あの「イエローS」に結実するのだから、どれほどクリエイティブな発想で作り上げたことか、想像に難くない。これは大きな事実。ポールが気の向くまま童謡風に仕上げた「気ままな曲」と、初めて聞いて45年間、今日まで思っていた。ジョンの小曲がベースにあって、それをポールがものにした。消沈していた小曲が、派手な効果音とリンゴのボーカルで童謡風に仕上がる。完全なレノン&マッカートニー作であった訳だ。この曲に失礼なことしたな、もうスキップしません。でも、言ってくれなきゃわからないよ、凡人代表みたいな自分には。
    EPの「ペイパー・・・」「レイン」どちらもステレオは迫力がってあっていいけど、なんだか中庸に聞こえるのはギターの荒々しさが抑えられたから?
    このスペシャルエディション、マニアに向けたBoxSetであることは確かである。毎回苛立ちのCD取り出し、収納台紙のスリットに余裕ができて、やっと出し易くなった。(遅すぎ)
    ブックレットは未公開写真と歌うが、本人達のショットは角度や瞬間が違う程度で大したことない。曲の解説に手書きの歌詞が全曲(レイン以外)載っているのは興味深い、結構直しが入っている。最後のページにギターが写ってる。カジノ、J-45、テキサン、そしてストラトキャスター(白黒で色が分からないが、濃淡からするとジョンのソニックブールーではなさそう?)、カラーで見たかった。アコギ2本、エレキ2本だが、ケースはアコギ5個・エレキ4個、写ってる。
    ポールがライナーに寄せている。
    自分の曲が「何もないところから、苦もなく生まれてきて、ビートルズのディスクに着地した」当時の彼らがどれだけ研ぎ澄まされていたか、見事に表現された言葉である。

    7人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 5人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2021/01/02

    スペシャルエディションを購入。先ずは新作を届けてくれたポールに感謝、それは胸にひろがる幸せな時間を頂いたと言うこと。本作は音がよく解像度が高い、アコースティックギターの弦の響きが指盤の振動まで感じる。ピアノは左右の指運が浮かんでくるよう。2本のエレキギターの重なり具合は技巧的でないのだが何故かジミヘンを感じ、にんまりしてしまう。カレンダーにあったテレキャスターだろうか。自身のコーラスも最高にいい、ビートルズの専売特許だが、それを彷彿させる。こうして演奏をじっくり聞くのが実に楽しい。何せ、プレーヤーはどれもポール・マッカトニーだから。そうして楽しんでいると、突然曲の良さが輝きだす。笑えるのだが、5の「便所のリル」がとても気に入った。先のエレキギターがよい、アウトテイクのアコースティックギター1本で歌うバージョンも魅力的。インスピレーションから発展して、最終的に作品として完成し、世に送りした傑作アルバムである。本作に否定的なレビューも多いが、これだけ素晴らしいサウンドの詰まった作品を、一聴しただけで耳を背けてしまうのは実に勿体ない。ジョンが生きていてこの作品を聞いたら、「クソ俺だって宅録でこの上行ってやっる」と、またまたすごい作品を残し、万人に幸せを届けたことだろう。「U」の時、触発されたジョンは音楽活動を再開、暮れにラストアルバムになる作品をリリースした。ジョンを突き動かすのはマッカートニーしかいないのだ。あのジョン・レノンの心を揺さぶる、それができるアルバと思う。みんなでコロナの時代を生き抜き、また何時かポールに合いに行こう。そう勇気づけられるアルバムである。だからポール、それまであなたも生き抜いてください。
    日本盤解説書の執筆は本作音源を聞いて無く、歌詞読んで書いたらしい。メニュー読んでレストランの総評できます?未だに日本盤の解説はロック黎明期のまま。今日では解説者以上に知識・見識に富んだリスナーはごまんといる。専門家ぶったご御託に払う価値はない。と思うのでその点は星減点、でもボートラ素敵だったので帳消しにしました。
    PS.特典のカレンダーも少し厚めの紙で、なかなかよっかった。

    5人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2015/07/25

    マイルスバンドの変遷をニューポート・ジャズフェスティバルでのライブ演奏で追うことのできるボックスセット。ブートレグシリーズの第4弾。
    演奏は1955、58、66、67、69、71、73、75。ではあるが、途中から時系列がぐちゃぐちゃで、聞いていて気持ち悪い。加えて音質もバラバラ、特にCD-2はもこもこ状態、演奏(第2期クィンテット)は素晴らしいだけにショックも大きく怒りさえ覚える。トニーの芸術的なシンバルレガートも音が潰されている。CD3で69、73は良いとして、そこに75を1曲(「Mtume」音悪い)のみ収録し、CD4(これは正規盤レベルの音質)で時代を逆行し1枚丸ごと71年収録となっている。1枚のCDに効率よく録音時間を分散した結果のようだ。丁寧なリマスターを施し、CDの枚数増えても時系列順に並べたら、本当に魅力あるドキュメントととしても価値の高いライブボックスになったであろう。残念。
    それではこのボックスセット、買う価値がないかと言えばそうでも無い。
    先ずは冒頭の「マイルスバンドの変遷をたどる」というのは音質と時系列を除けばそこそこ堪能できる。ドラムはジミー、トニー、ジャック、ピアノは(モンク)、エバンス、ハンコック、コリア、サックスはアダレー+コルトレーン、ショーター、69はショーター遅刻でロストクインテットの4人(なのに凄まじく攻撃的なサウンドが会場を呑み込む)。大変なメンバー変遷、マイルスバンド歴代のメンバーがどればけ凄かったのかは十分に伝わってくる。
    白眉は何と言ってもCD1−1から4だろう。デューク・エリントンのバンド紹介、ジェリー・ミリガンの簡単な曲紹介、ミリガンはそのままオールスターズ(マイルス、ズート・シムズ、ミリガン、モンク・・・)に参加。
    3曲とも超レアな演奏で、ジャズ史に残る有名な事件でもある。その瞬間が見事に記録されている。「ラウンド・アバウト・ミッドナイト」モンクが冒頭ブロックコード一発で始める。で、ここで一拍すかしてマイルスが入ってくる。すかされて?何が始まった???ってなことになる。
    そこからマイルスのワンホーンがぐいぐいとつとつ、オープンで吹きまくる。
    バックのピアノもオリジナルに近い感じではありながら、マイルスと絡みつ離れつモンク節であるが、控えめに、曲の半分はマイルスのソロ、後半はモンクのソロ、そしてドラマッチクに二人が融合して曲は終わる。かすかにドラムが聞こえるが殆ど二人の競演。60年前の録音とは思えないリアルな演奏だ。
    これが有名な55年7月17日、あの「コロンビアのプロデューサー」にマイルスが見初められた演奏だ。
    ジャズ界の異端児が、やがてジャズ界の寵児として、けた外れのセールスを楯に帝王と呼ばれるまでに成り上がる。その出発点でもある。
    しかし、このやる気のないジャケットはどうにかならないものか。いかに中身が凄くてもこれでは若者に紹介するのもはばかれる。地元土建屋の若旦那が昼休みに現場視察の来た風の「ワーキン」ジャケットといい競争である。ブックレットのステージマイク越しに見た無人の会場写真や、バックステージの録音機材(オープンリール!)を映した写真の方がよっぽど良いのに。
    最後に思う事はCD2だけでも情報量増やし高音質にして、2枚組でもいいので正規リリースしてほしい。せめて「アット・ニューポート1958」並みの音質に改善されれば、黄金のクインテットのライブが「フォア&モア」(1965)の翌年と翌々年を揃って聞ける。それほど演奏自体は素晴らしく良いのである。

    3人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 6人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2015/01/11

    あまりの素晴らしさに圧倒されました。作品群の素晴らしさ、商品としての素晴らしさ、そこには「この破壊的な価格にして」という絶対的な背景がベースにありますが・・・ クラッシク初心者ゆえ作品の内容は皆様のレビューにお縋りするとして、興奮のあまり、商品の素晴らしい内容についてだけでも触れたいと思います。購入したのはEU盤です。200Pのブックレットは対訳が英語・ドイツ語・フランス語の3つ、日本語はありませんが作品毎のトラックリスト、作曲者別索引、若き日のカラヤンの挿入スナップなど、それなりに楽しめます。そして鑑賞時には貴重なデータとなります。オリジナル・セッション・レポートと言うのもA4表裏5枚付いてます。このBOXの目玉はやはりオリジナルジャケットですが、それがとても貧弱なのです。ジャケット表面に光沢はありますが、紙が葉書より薄く、表と裏を背中で折って上下のり代で貼り付けたもの、従ってシングルスリーブの入り口は紙の切断面そのもの。ちょっとがっかり、でも次から次へと聞いていくうち、とても出し入れし易くCDにも傷が付きにくい事が分かり、その使い勝手の良さに段々と愛着がわいてきました。紙ジャケの最大の欠点は出し入れしにくい事ですからね。それにしてもジャケットを眺めながら鑑賞するときの至福たるやありません。やはりオリジナルジャケットは格別です。特に60sはジャケットに絵画が多く、美術館の展示作品カタログを眺めるようでとても楽しい。CDはリマスターされており音質的にも全く問題ありません。音には好みがありますが、私にはとても満足のいくものでした。
    ロックに始まりジャズを経て最近クラッシクと出会い、LP・CDと音楽を聴き続けてきて40年、これほどCPに優れ内容の充実した商品は「マイルス・デイビス/コンプリートBOX」以来ですが、カラヤンには70s、80sと同じ量のBOXセットが続くことを考えると、その偉業が際立ちます。とても心が豊かになれた約60時間でした。きっと続きのBOXにも触手が伸びることでしょう。

    6人の方が、このレビューに「共感」しています。

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