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演奏家歴40年 さんのレビュー一覧 

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  • 4人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2013/05/28

    メータが 26 歳という驚異的な若さでロスフィルの指揮者に就任して5年後に発表したこの熱気溢れる真剣な演奏は,Decca の録音の優秀さと相まって非常に印象深いものでした。私はこの演奏を中学1年のときからかれこれ 40 年以上聴き続けていますが,全く飽きません。Boulez などの分析型の演奏ではなく,得難い名料理人型の演奏だと思います。この当時このコンビが出した録音には R. Strauss の「ツァラトゥストラ」や Holst の「惑星」などがあり,どれも得難い名料理人型の演奏だったのが非常に気に入りました。その後ニューヨークフィルに移ってからはあまりパッとしなくなったのが惜しまれますが,ウィーンフィルとの Mahler の「復活」など超絶的な名演も散発的に聴かせてくれました。この演奏を聴く度に,このまま活躍していてくれたら,と思わずに入られません。この演奏は私のファーストチョイスになっています。8つのミニアチュアは Stravinsky の最後の室内楽曲ですが,これも非常な名曲で名演だと思います。

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  • 6人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2013/03/20

    まず通常版を買ってみたら,冒頭の Look Down が僅か2フレーズのみという無惨なカットがあり,収録時間上やむを得なかったのだろうと解釈して,2枚組のデラックス版も買ったのですが,こっちでも全く同じカットが施されていたのには心底ガッカリしました。2枚組なら当然全曲収録だろうと勝手に期待していた方が悪いんでしょうか?半端な通常版を先に出して,少し遅れてデラックス版なるものを出し,熱心なファンから金をむしり取るような商売の仕方に加えて,デラックス版まで出来損ないだったというこの有様には制作者の悪意しか感じられるものがありません。ファンの期待を踏みにじるこんなあくどい商売をしていたらきっとしっぺ返しを食らうことになると覚悟しておいて下さい。本当に腹を立てています。

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     2012/11/01

    この Zacharias の演奏は,ユニークさにおいては右に出るものがないだろう。第1楽章の最初の Piano の音からしてまるで宝石のように美しく,正統的な演奏かと思わせながら,カデンツァは一般によく演奏される Beethoven の書き残したものを使わずに独自のものを弾いており,さらに第2楽章では自由に装飾音を加えてアドリブ性の高い演奏を行っている。Mozart の書いた音符を勝手に変更するなどとは何事か!と教条主義者なら目を三角にして怒り出しそうであるが,Mozart 自身も自作の演奏では自由にアドリブを加えていたと伝えられているので,私にはこの程度は全く何ともない。だが,そんな私でもひっくり返りそうになるほど驚いたのが第3楽章のカデンツァが始まる直前である。何と,歌劇「ドン・ジョヴァンニ」序曲の冒頭が古い SP 録音で流されるのである。いきなりモノラルになり,ダイナミックレンジも狭くなってしまったので,iPod が壊れたのかと思ってしまったほどである。この協奏曲とドン・ジョヴァンニ序曲との関連性を示唆する意見もいくつかある訳だが,だからといってその1フレーズをわざわざ録音で流すというのは尋常ではない。でも,何故か怒る気にはならなかった。この Zacharias は,ピアノソナタ第 11 番 K.331 の終楽章の有名なトルコ行進曲の録音の際にも,楽譜にない Cymbal を鳴らさせて聴く者の度肝を抜くといったことをす既にやっているので,私には多少免疫があったのかも知れない。全く正統的ではないが,Mozart への深い愛情とただならぬ技術を聴かせる奏者である。

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     2012/10/29

    ベルリンフィルの首席 Horn 奏者 Radek Baborák が率いる驚異の Horn 合奏団,チェコ・ホルン・コーラスが Bruckner の交響曲第9番の第1楽章と,第8番の第3楽章を特別な編曲によって演奏したものである。第9番のほうは,Horn 8本,Wagner Tuba 4本に Pipe Organ という構成で演奏されており,原曲で Violin などに現れる高音は Organ に演奏させているが,金管パートは Bass Tuba から Trumpet に至るほぼ全音域を Horn だけでカヴァーしてしまっているという驚嘆すべき演奏である。録音されたのはチェコにあるモスト聖母被昇天教会の大聖堂で,非常に広大な空間がこれ以上望めないほど豊かな残響をもたらしており,その響きはあまりに心地よく,神々しいばかりである。聴こえてくる音楽はまぎれもなく Bruckner の音楽であり,いささかの違和感もないというところが素晴らしい。第8番のほうは,Baborák の Horn solo に Pipe Organ と Violin solo を加えるという非常にユニークな編成であるが,これまた第8番の Adagio の曲想を損なうことなく聴かせてくれているのには驚かされる。Horn 独奏にこだわるのではなく,僅か1本だけの Violin を加えることで,曲の持つ雰囲気をここまで忠実に再現できるものかと目から鱗が落ちる思いであった。

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  • 5人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2012/10/25

    超絶的な名園である。先日,この組み合わせが 2010 年に演奏したこの曲のライブの映像が NHK BS Premium で放送されたのを見て,そのあまりに美しい演奏に感動して CD を求めてみたら,これが期待に違わぬ素晴らしい演奏であったので嬉しくなってしまった。この曲は,あらゆる交響曲の中で,私の好きなベスト 10 に間違いなく入っているので,今まで聴いたこの曲の演奏は 10 種類を超えていると思うのだが,その中で1位か2位に入るほどの名演奏であると思う。この演奏の特徴は,優美であり,バランスが良く,歌に満ちていて,とにかくどの瞬間も美しい響きに溢れているところにある。第1楽章の Trombone の solo は,力み過ぎの奏者が多々ある中で,非常に落ち着いた余裕のある演奏である。Mahler ならではの切り裂かれるような大音響も,この演奏では決して絶叫になっていない。とにかく,非常に冷静にこの曲の美しさを出そうとするこの演奏には惚れ惚れさせられる。特に聴きものなのは,第3楽章後半に現れる Posthorn の solo である。この solo は mute を付けた Trumpet で演奏される場合もあるが,響きが損なわれるので是非 Posthorn で演奏して欲しいと思っている。Posthorn は Trumpet と同じ音域を持つので,Trumpet 奏者が持ち替えて吹くのだが,決して吹きやすい楽器ではなく,しかもこの solo には非常な高音まで要求されていて,柔らかくふくよかな音で吹くのは至難の技である。先日の映像では,舞台裏の狭い廊下でモニタに映されている指揮者を見ながら,一人静かに Posthorn を吹く奏者の後ろ姿が非常に気高く,神々しく見えたばかりか,その聴こえてくる音はこれ以上ないほど柔らかく,まるで神の声でも聴いているかのようで,思わず涙ぐんでしまったほどである。まるで Maurice André が蘇って吹いているのではと思わせられるようなこの名手の名前を,残念ながら私は知らないのだが,よほどの奏者に違いあるまい。この solo の演奏で,これ以上の名演を聴いたことはなく,この solo は,忘れられないほどの感動を私に与えてくれた。第4楽章は,Mezzo Soprano の Bernarda Fink の独唱でニーチェの「ツァラトゥストラはかく語りき」からの歌詞が付けられていて,第2交響曲の第4楽章 ”Urlicht (原光)” にも現れる ”Oh, Mensch … (おお,人間よ)” という歌い出しで始まるのだが,こうした上から目線の歌詞を歌うには,Christa Ludwig あたりの深淵な声が必要で,この Fink の歌唱は美しいものではあるものの,声にやや奥深さが足りないような気がする。それでも,Harp の音の一つ一つさえも豊かに響かせて聴かせてくれるこの録音は,ヨーロッパ随一と世評の高いロイヤル・コンサルトヘボウ・ホールの音響を伝えて余りあるものである。この交響曲の最大の聴きどころである第6楽章の冒頭部分は,「愛」を描いていると言われるだけあって,あたかも神聖な場所に足を踏み入れてしまったときのような厳粛な始まりを聴かせる。私の好みとしては,John Barbirolli や Kent Nagano のようにもっとむせ返るような歌い出しをしてほしいところであるが,第1楽章から一貫して冷静な演奏を続けてきたのに第6楽章だけそんな始まり方をしてしまっては却って違和感を感じさせてしまうだろう。それにしても,この楽章の冒頭のテーマほど魅力的な旋律は他に聴いたことがない。ロンド形式で書かれているために,この楽章を通じてこのテーマが繰り返し聴けるのは本当に有難い。特に終盤で金管によるコラールが聴こえてくるところは,何度聴いても鳥肌が立ってしまう。最高音への跳躍のときに,1st Trumpet がスラーをかけているのだけが惜しまれるが,この部分は祈りのようでもあり,その祈りに答える神の声のようにも聴こえる。さらに音域が低い方に移って Trombone がこのテーマを吹くようになると,全曲の演奏に 100 分ほどを要したこの曲もいよいよ最後に近づいたのが実感される。曲の最後を飾っているのは何と言っても2セットの Timpani で,主音と導音を ff で繰り返すこの打撃の連続は,圧倒的な説得力で聴く者に生きる勇気を与えてくれているような気がしてならない。ここを1人で叩いているような演奏は,全くこの曲の意図を理解していないと言い切ってよく,ここだけは絶対に2人の奏者で叩かねばならないし,さらにここの Timpani の音が Georg Solti 盤のように痩せてしまっていると,どれほどそこまで名演奏をして来ようと台無しになってしまうのだが,この演奏の Timpani は非常に豊かな音でホールに響き渡っていて,2人の Timpani 奏者が一打ごとに大きなエネルギーを分けてくれているような気がする。指揮者の Jansons は,この長大な曲のどこ一つとしてあざとい演出をしておらず,極めて中庸でありながらこの曲の美点を余すところなく聴き手に提示するという離れ業をやってのけている。これは,先日聴いた Karl Richter 指揮のミュンヘンバッハ管による Bach のマタイ受難曲 BWV.244 の 1958 年の神懸かり的な録音に比肩しうる超絶的に高水準な演奏だと思う。私は今後,この曲を聴きたくなったら真っ先に選ぶのがこの演奏になりそうである。

    5人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 7人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2012/04/30

    指揮者によって演奏が違うのは当たり前であるが,これは強いて言えば指揮者によって曲の持つ魅力が伝わるかどうかということに外ならない。指揮者によってどれほど曲が違って聴こえるかということを,私はこの box で最も痛感させられた。第2も第7も体が震えるほどの名演であるが,ここでは特に第8番について書きたい。この演奏は Tennstedt が癌宣告を受けて,一旦は指揮活動を休止したものの,翌年闘病しながら復帰した直後に行われたスタジオ録音であるためか,命の尊さに対する強い思いが演奏の隅々にまで行き渡った素晴らしい演奏になっていて,どの瞬間瞬間も非常に良くバランスのとれた深く美しい音響で満たされており,あたかも自然が巧まずして素晴らしい美しさを見せるのに酷似したものとなっている。温かい人の血が通った演奏で,この指揮者の持っている痛みや喜びが,決して生々しいものとしてではなく非常に洗練された音となって提供されているような気がする。この演奏に初めて接したとき,私は今までこの曲の何を聴いていたのだろうかと強い衝撃を受けたのを未だに忘れることができない。それまでは交響曲第3番の第6楽章が Mahler の書いた最高傑作だと思っていたのであるが,この演奏のお陰で第8番のほうが遥かに上だと思うに至った。曲の細部までの至る所を Tennstedt が指し示して,「ほら,ここもこんなに綺麗だろう」と,この1時間ほどの長大な第2部に一カ所たりとも無駄な部分はないのだと終始丁寧に教えてくれているかのように感じるので,この演奏を聴いている間,私は Tennstedt と一緒に散歩しながら色々と面白い話を聞かせてもらっているかのような錯覚を覚えることができる。曲の最後の最後で第1部冒頭の主題である4度降下+7度上昇の最重要主題が荘厳な Pipe Organ の響きの中で感動的に再現される部分を聴くと,私はいつも本当に涙ぐんでしまう。この曲の演奏に関する限り,ロンドンフィルは世界中のどのオケより遥かに優秀であったと思う。とにかく,どの一瞬をとってもかけがえのない宝石のような音響で満ちている。各楽器に用意された数多くの難所も全く問題なく演奏し切っており,その集中力の高さは驚嘆すべきレベルであると思う。一人一人の楽員が Tennstedt の意図を深く理解し,誰もがその理想の音に一歩でも近づけようと心血を注いでいるような気がする。流石に「Tennstedt のためなら 120% の力を出す」と公言していたオケだけのことはある。これほど見事な演奏を含む CD 16 枚組の Mahler 交響曲全集の box が僅か 3,000 円もせずに売られているのを見て私は目を疑った。うっかり表示を1桁間違ったのではと思ったほどである。限定版らしいので,求めようと思う方にはお早めにと忠告しておきたい。

    7人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2012/04/29

    Victoria は,Bach より 140 年ほど前にルネサンス期のスペインで生まれた作曲家で,若い頃にイタリアに渡って Parestrina に学び,帰国後は終生修道院に暮らしてスペインの皇太后に長年仕えた人であるらしい。聖職者であったため,作品は全て宗教曲で,ほとんどが無伴奏の合唱曲である。特にこの曲は,彼が仕えていたスペイン皇太后の逝去を悼んで書かれたもので,およそレクイエムという名のつく曲の中で,これほど強く聴く者の心を揺さぶる曲は他にないのではという思いが強い。ルネサンス期の音楽は,神に捧げられるためのものであったため,聴いた人を泣かせるような曲は書くのが憚られたと言われており,師事した Parestrina の音楽がどこか超然としていてあまり聴く人の情感に訴えるということをしないのに対し,この人の音楽は神秘的なまでに直接的に聴く人の精神に語りかけて来るような気がしてならない。全曲で 40 分ほどの作品であるが,これを聴いている間の 40 分間は,本当に至福の思いに包まれることができる。この曲の美しさを語るに足る言葉を私は一つも持ち合わせていない。本当に深い癒しに満ち,聴く人の心をどこか遠くの幸せな世界に運んでくれそうな気さえしてくる。これを聴いている時の幸福感に満たされた思いは,Bruckner の第8および第9交響曲の第3楽章や,Mahler の第3交響曲の終楽章,そして同じく Mahler の第8交響曲の第2部を聴いている時のものに匹敵すると思う。

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     2012/04/26

    信長の安土城築城を舞台にしたこの映画の物語は,建築を本業とするテクノクラートを主人公にしたユニークなもので,原作小説は非常に面白く読むことができたが,映画の脚本化に当たって重要なコンセプトがいくつか改変されてしまっており,特に原作で技の伝承という重要な役割を担っていた長男の存在を割愛し,一人娘しかいないという風に変更してしまったために,あちこちにその悪影響が出てしまって,映画の出来としては必ずしもいいものではなかった。しかし,そうした映画本編の出来の悪さを忘れさせるほどこの音楽は素晴らしい。全 13 曲の長さを合わせると1時間を超える大作である。冒頭に置かれた The Woods という曲はメインテーマに当たるが,まるで Bach が書いたのではと思わせられるほど本格的で重厚なフーガになっており,その圧倒的に深い響きには心が持って行かれそうになる。また,第4曲 Where There’s a Will は,映画の最も重要なシーンで流されたものであるが,その真剣さと切実感もまた圧倒的である。さらに,主人公の妻役を演じた大竹しのぶが劇中で歌った子守唄も岩代太郎のオリジナルだったようで,素朴な民謡調の曲の印象から,てっきり伝統的なものではと思っていたので本当に感心してしまった。後半の曲にはこの子守唄のフレーズが主題として採用されて展開されているが,その手腕も見事なものである。買って良かったと思わせられる1枚であった。

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     2012/04/16

    Bach のブランデンブルグ協奏曲をイメージして作曲されたというオケコンは,オーケストラの様々な楽器が独奏者として入れ替わり立ち替わりそれぞれ非常に目立つように書かれており,オケ奏者にとっては腕の見せどころが豊富なやり甲斐のある曲であり,シカゴ響のような腕自慢に事欠かないオケで演奏するとその面白さは抜群なものになる。特に Trumpet の見せ場には事欠かず,5つある楽章のいずれにおいても華やかな見せ場があるのだが,シカゴ響の Adolph Herseth の演奏の見事さには本当に惚れ惚れさせられる。中でも,第2楽章のコラール部分には,ブレスの取り方にまで音楽が感じられるほどで,また終楽章の最後の部分の超絶技巧を要するフレーズを軽々と吹いて見せているところなど,まさに神業というべきほどの演奏である。この演奏を指揮している Fritz Reiner は作曲者と同郷のハンガリー人であり,生前の作曲者に物心両面での援助を惜しまなかった人で,作品への理解も深く,シカゴ響の演奏水準の高さも相まって,この演奏は録音されてから 50 年以上経っても未だにこの曲のベストの演奏であり続けている。この曲の最後ほどカッコ良く終わる曲も滅多にないが,それは指揮者が目立つようにという作曲者の配慮に違いなく,この曲を委嘱した Koussevitzky や Reiner に対する感謝のつもりだったのかも知れない。

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     2012/04/16

    シカゴ響の管楽器の首席奏者たちは,それぞれそれぞれの楽器のカリスマというべきほどの人ばかりであるが,協奏曲をほとんど残していないので,この演奏は貴重である。しかし,指揮者の水準がバラバラで,特にバレんボイムが指揮したチューバ協奏曲とシューマンの小協奏曲は全くいいところがなかった。こんな指揮者に当たってしまった Jecobs や Clevenger は気の毒である。だが,モーツァルトのオーボエ協奏曲とファゴット協奏曲,そしてハイドンのトランペット協奏曲のアバドの指揮によるものはいずれも素晴らしい出来であり,さらに,ジュリーニの指揮で Clevenger が演奏したしたブリテンのセレナードはこの曲の最高の名演と呼んでも差し支えないと思われる。

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     2012/04/16

    ペトルーシュカには4管編成で書かれた 1911 年版と,3管編成に縮小された 1947 年版があり,多くの指揮者が 1911 年版で録音している中で,Klemperer は 1947 年版での演奏しか残していないのが惜しまれるが,ディジタル処理された録音はとても 50 年前のものとは思えないほどクリアなもので,作曲者の Stravinsky とも交流を持ち,信頼が厚かったと伝えられる Klemperer の実力を非常に良く伝えており,納得させられる演奏である。ただ,惜しむらくは縮小版の編成での演奏であるため,冒頭の謝肉祭の雑踏の喧噪などが音響的に物足りなさを感じさせる。また,他の指揮者ならば軽快なテンポで演奏されるはずの部分で驚くほどのスローテンポを設定していたりして,かなりユニークな演奏である。しかし,Stravinsky がこの曲に込めた痛烈な寓意を読取って,それを音として聴かせることにおいて,他の指揮者より上を行っているように思わせられる。オケの上手さもあって,室内楽的なアンサンブルの緻密さはこの曲の名演の一つとして挙げるべきであると思う。一方ウのプルチネッラはバロック音楽から現代曲に至る広範囲なレパートリーを持っていた Klemperer は,この曲でその素養を遺憾なく発揮し,Pergolesi のテイストと Stravinsky のテイストの両方を醸し出すことに成功している。これはこの曲の代表的な名演ということができるが,この録音が演奏から 36 年もの間世に出なかったというのが不思議でならない。

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     2012/04/16

    この曲は,音楽史上初めてピストン付きの Cornet を第2楽章で採用したことで名高いが,Berlioz は後に改訂してこのパートを削除してしまったために,Cornet なしで演奏する指揮者が多い中にあって,Klemperer はしっかりこのパートを吹かせているのは流石である。この演奏は,Jean Martinon 指揮のフランス国立管の名演と肩を並べるほどの優れた演奏であると思う。ドイツ系の作曲家ばかりでなく,こうしたフランス系の作曲家の作品についても極めて正統な演奏を聴かせる Klemperer の芸域の広さには感嘆の言葉しか出てこない。この時期のフィルハーモニア管の実力は,まさにベルリンフィルやウィーンフィルに匹敵していたことを実感させられる。また,録音の優秀さも目を見張るべきほどのもので,Klemperer が楽譜をめくる音までしっかり入っていたのには苦笑させられた。

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     2012/04/16

    ウィーンフィルの首席 Horn 奏者 Wolfgang Tomboeck ほか,12 名のウィーンを本拠にして活動する Horn 奏者たちによって結成されたアンサンブルで,機能的に劣ると言われている Vienna Horn を使い,一部 Wagner Tuba と持ち替えながら,他のオケ奏者の追随を許さない超絶的な演奏を聴かせている。Hunperdinck の「ヘンゼルとグレーテル」序曲や Schumann の小協奏曲など,初めから Horn アンサンブルをメインとして書かれた曲も収められているが,多くは独自のアレンジによる演奏で,しかもクラシック曲と映画音楽が半々という面白い選曲になっている。まず,第1曲は映画「ロビンフッド」のテーマ曲は,オリジナルも Horn が大活躍する颯爽とした曲であるが,打楽器を加えた Horn だけでの演奏とは到底思えない音響である。完全に Bass Tuba や Trombone の低音域から Trumpet のかなりの高音を思わせる音までが聴こえるのだが,これが Horn のみで演奏されていることに驚嘆させられる。Horn のパート譜に書いてみた場合,五線の上に横線が何本も入るのではないかという超高音まで要求されているのだが,一つのミスもなく完璧に吹いているのはまさに鳥肌ものである。2曲目の Copland の「市民のためのファンファーレ」や4曲目の Williams の「オリンピックファンファーレとテーマ」も凄まじい。本来,オケの金管パートを総動員して演奏するために書かれているものを,これまた Horn だけで演奏している。一糸乱れぬという言葉は,ひょっとするとこの演奏のためにあるのではないかという気さえしてくるほどである。また映画「タイタニック」のテーマを9分近くに亘って情緒たっぷりに聴かせているのにも心惹かれる。テクニックだけではなく,自分たちの音楽する心を聴いて欲しいという主張が感じられる。だが,何と言っても,この CD の白眉は,最後に収められた2曲,Mendelssohn の夜想曲と Mahler のリュッケルト歌曲集から「私はこの世に忘れられ」である。あまりの美しさに魂が持って行かれるのではと思われるほどである。

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     2012/04/12

    これは凄い。伝説の名演が2曲とも入って SACD 化されたものがこの価格とは。演奏は数あるブルックナー演奏の中でも圧倒的な名演とされてきたもので,私も LP 時代から愛聴して来たものである。ディジタル処理によってリマスタリングされたことによって,50 年も前の演奏なのにまるで昨日録音されたかのような驚異的な音質を実現している。第9番の第1楽章でクライマックスの後ホルンだけ取り残される部分は,この演奏では 22’45” あたりであるが,ここのホルンをしっかり吹き切ってからディミネンドしているのはこの演奏だけだと思う。この方が尻すぼみに聴こえないので非常に好ましい。それにしても,長生きはするものである。これから過去の演奏がこのように蘇って来るかも知れないと思うと,ワクワクしてしまう。

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     2012/03/31

    編曲版の多い「惑星」の中でも,鑑賞に堪えるものとなると案外少ないものだが,このオルガン版の面白さには非常に惹き込まれた。パイプオルガンを2台備えた大聖堂で,巨大なホールの豊かな残響に支えられた重厚な音響には終始圧倒される。「火星」の5拍子のリズムや「水星」の軽快なパッセージまで重厚になってしまっているのはご愛嬌であるが,「土星」や「天王星」の重厚感は圧巻である。「木星」は案外あっさりした演奏であるが,冒頭のアルペジオから豊かな響きが心地よい。「海王星」の神秘的な響きも魅力的である。編曲はアメリカのオルガン奏者ピーター・サイクスのものを使っているようであるが,サイクス版は4手用なのに一人で弾いているとのことである。サイクス自身の演奏の録音が今イチなのに対し,この演奏は非常に優れものであると思う。オケ版に匹敵する聴き応えが満喫できる。

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