シェエラザード、スペイン奇想曲 イーゴリ・マルケヴィチ&ロンドン交響楽団
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森林浴 | 京都府 | 不明 | 2021年05月16日
論評無用の歴史的名盤ではあるが、この指揮者の仕業をよく認知しない若い世代が世の中に増えてきたので、書いています。 千夜一夜物語-シンドバッドの航海、帰港である。テンポとパートの語り、インパクトのすべてが、圧倒的な明晰さをもって再現された、マルケヴィッチならではの仕業である。この指揮者の特徴として、フレーズの起点、終点が完全な楷書体で描かれていくこと(あいまいな開始、終点がない)が挙げられるが、波打つシェヘラザードでもそれは健在。原色を濃厚に塗りあげるゴーギャンの絵画に通じるものあり。チェリビダッケ=MPOの航海は、巨大帆船が帆の風力のみで真夏の緩やかなうねりに漂う様、かたやマルケヴィッチ=LSOは、帆を張った、オール漕ぎ手3対の小型帆船が帆に風を受けて外洋のうねりを突き進む観あり。聞き分けの楽しみは尽きない。個人的には、うねりを突き進む描出を好んでいる。特筆すべきは、LSOの高い合奏能力とソロ奏者の上手さである。モントゥ−の監督下であったのか、当時としては技術的に厳しい要求を突き付けたであろう鬼才マルケヴィッチの絵画パレットの機能を100%果たしている。 これを聴くにつけ、最近の指揮者の同曲の解釈の不毛さにため息が尽きぬ。シェヘラザードを論じるときは、これを聴いてからお願いします。1人の方が、このレビューに「共感」しています。
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