【中古:盤質B】 交響曲第7番 フィリップ・ヘレヴェッヘ&シャンゼリゼ管弦楽団
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風信子 | 茨城県 | 不明 | 2017年07月11日
紐解かれたブルックナー演奏がここにある【再販盤には元盤のレビューが掲載されていないこともあり また間違ってではあったが いつか友人に問われて言下にヘルヴェッヘのブルックナーを否定した自分の愚かさを悔いていたので書きたい】スコアを片手に聴いた また新たなブルックナーに出会ったように思う そもそも”第7”とは何かと問うわたしがいた それはブルックナーが神へ問いかけた主題でもあった 生を授けられた感謝を捧げる一方で生を奪う不条理に改めてたじろぐブルックナーが見える 心奥に広がる無常観に苛まれた音楽 ”第7交響曲”がヘルヴェッヘにはこう聞こえていたように思う アラ・ブレーヴェを遵守するがゆったりしたテンポ感が保たれる rit.指示も最小限にイン・テンポを貫く デュナーミクの幅も狭く 表情を明確にすることに専心したアーティキュレーション処理 頻出するアクセント指示もテヌート気味になることを避けている 結果としてfffになっても全パートのラインが聞き取れる 百年以上にわたって無い物ねだりをされて”第7”の欠点のように言い習わされてきた楽曲の構造が明晰に明かされた お気づきだろうか 全曲アウフタクトで歌いだされる音楽だということを ここに凱歌はない 躊躇いに打ち震える優しい孤独な魂の歌だということをもう分かってもいいのではないかと思う 一人ぼっちの弱っちい男でもまた明日へ向かって歩いて行こうとしているんだ チャプリンの後ろ姿を温かい目で見送ってやっちゃくれませんか ブルックナーの一ファンより2人の方が、このレビューに「共感」しています。
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