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CD 『ムガール大帝〜バロック期のフルート協奏曲集』 バルトルド・クイケン、インディアナポリス・バロック管弦楽団

『ムガール大帝〜バロック期のフルート協奏曲集』 バルトルド・クイケン、インディアナポリス・バロック管弦楽団

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    まさやん  |  新潟県  |  不明  |  2021年03月13日

     ヴィヴァルディのFl協奏曲ニ短調「ムガール皇帝」はいわくつきの異色作であり、その第2楽章はヴィヴァルディらしからぬ響きがするが、この響きこそがインドの「ムガール皇帝」という表題にふさわしい。第1楽章でイタリアを出発し、第2楽章でインドに着き、第3楽章でイタリアに戻ってくると思えば楽しく聞けるだろう。ペルゴレージ作とされるFl協奏曲ト長調は声楽曲が得意な彼らしく、歌心に溢れている。Vnが得意なルクレールのFl協奏曲ハ長調はフランスらしい上品さが感じられ、Flの装飾が華麗である。またオーケストラ伴奏部分が充実しており、Flソロと対等に感じる。この2曲は物悲しいアダージョをもつが、クイケンが繊細なソロでしみじみと聞かせる。Flの名手であったブラヴェのFl協奏曲イ短調はまさに名曲、クイケンのソロはもちろん、インディアナポリス・バロック管弦楽団もブラヴェのデリカシーを見事に再現している。この曲は第1楽章と第3楽章の終わりのところで短いカデンツァのようなものがあり、進歩的である。また、第2楽章が少しゆっくりとしたガヴォットになっているが、これは当時のフランスバロック音楽の保守的伝統に配慮したものであろう。テレマンのFl協奏曲二長調は4楽章構成をとり、ドイツ的な響きがする名曲である。第1楽章の美しく穏やかなメロディー、第2楽章の対位法的な音楽づくり、第3楽章の内省的Flソロ、軽やかな第4楽章、いずれも素晴らしい。しっかりとした技巧に裏打ちされたクイケンは落ち着いたテンポで上品に細かいところにも気を配り、心地よいFlソロを聞かせてくれる。インディアナポリス・バロック管弦楽団はそんなFlソロに対抗せず、クイケンと一心同体の演奏を成し遂げている。バロック期の代表的なFl協奏曲を集めたこのCDを多くの人に聞いてもらいたいと思う。

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