ROYCE  |  神奈川県  |  不明  |  2013年08月31日

いくつかのレーベルで再発売されてきた音源なので、メモリーズ盤の音質が気になるところ。缶入りは最悪でしたが、こちらは買って正解でした。 メモリーズは過剰なノイズカットや余計な残響付加をしない方針なので、この全集も癖のない素直な音が楽しめます。94年に出たエヴェレストのＳＢＭ盤も持っていますが、エヴェレスト盤は高音域にフィルターをかけてヒスノイズをカットしているため、若干こもり気味。 対してメモリーズ盤は、テープヒスはやや多めですが、高音域まで素直に伸びているため、ナチュラル感はエヴェレスト盤をしのぎます。一皮むけて鮮度が向上したような印象です。これでようやくクリップスの円熟した典雅な演奏の真価が分かると思います。こういう滋味あふれるベートーヴェンの演奏は、最近ではほとんど絶滅したようです。SACD盤で出たら再度買いたい全集ですね。

 

夏目　純一郎  |  埼玉県  |  不明  |  2013年08月11日

この指揮者の第九はフルトベングラーの次に位置されるといっても過言ではない。 クレンペラー、ワルター、トスカニーニ、ライナーと同列である。 同じ時期にラトルを買ったが、途中で聞くのをやめた。 田園もよかった。録音は確かに60年代だが、この指揮者は本物である。 高校生の時にこの第九のレコードを聴いて感動したこととがある。 その後、有名誌の名盤はこれだ　シリーズでまったく出てこなかったので、気に留めていなかったが、この演奏は素晴らしい。まったく、評論家の評価は当てにできないという代表の名盤である。

 

C.G.A  |  愛知県  |  不明  |  2013年07月29日

　ヴァンガードのSBM盤を持っているが、そちらの方がバランスの良い音質だと思う。今回はハイ上がりのきつい音になり残念、クリップスのおおらかさが半減というところ。 　願わくば、エベレスト３５ミリ磁気テープからDSDリマスターを行い、SACDでの発売を望む。それだけの価値のあるすばらしい演奏だと思う。 　演奏だけなら満点、特に第１番はすばらしい。

 

広島のパヴァンヌ  |  広島県  |  不明  |  2013年06月17日

クリップス／ロンドン響のこの全集は，数あるベートーヴェン全集の中で雅（みやび）の感じられる唯一無二の存在です。管のアンサンブルはまるでアコーディオンで和音を奏でているかのように少し鋭くて太く甘い音色でブレンドし（特に木管が美しい！），弦は輝かしさの中に豊かな抑揚をたたえます。また，打楽器は過度に自己主張することなく全体の芳醇な響きの中に調和します。テンポやダイナミックでは中庸を行き，まるでモーツァルトの時代の雰囲気が尾を引く中で奏でられているかの如き。しかし凡庸に陥ることなく，自然でありながらも豊かで時に強靱さも見せるイントネーションは，聴き手の感受性を強く引きつけます。特に「田園」の１，２楽章が絶美！豊かな響きとゆったりしたテンポの中で管や弦の音が柔らかく融け合い，馥郁たる雰囲気の中で夢見心地を味わえます。その他にも管の和声の美しい１番や８番，柔和で優雅な「英雄」（葬送行進曲は12’51”と速い），インテンポで通しながらも説得力のある５番の１楽章など，聞かせどころが数々あります。この全集，カラヤン＆ベルリンフィルよりもよっぽど好ましく思うのですが.....。唯一残念なのはパッケージがあまりに簡素なこと。ブックレットがなく，タイム表記もありません。音質は帯に「高音質盤」とあり，以前のヴァンガードクラシックスのエヴェレストCDと同様です。エヴェレストCDSBM仕様盤は多少ですが中低域にエネルギーが偏り気味でしたが，このメモリーズ盤ではよりフラットになっているようです。そのため多少高音がきつめに感じる場合もあるかもしれませんが，ニュアンスはより伝わりやすくなっているようです。私はこれをSACDで聴きたかった。高音域がよりしなやかに響くはず。極上の演奏を極上のメディアで。夢ですね。

 

ジャスピアノ弾き  |  東京都  |  不明  |  2013年06月11日

早速買いました。音質は問題ないです。 この全集、日本コロムビアの廉価版LP、エヴェレストの初版LP、エヴェレストのCD、BESCOLの粗悪海賊版CD、缶入りCD、復刻重量版LPと聴いてきました。 エヴェレストの初版LP・復刻重量版LPには少しかないません。エヴェレストのCDとは交互に聴くと少し違うかなというぐらいです。このセットはおすすめできます。 それにしても演奏のなんとすばらしいことでしょう。この優雅なベートーヴェン交響曲全集が多くの人に聴かれることを願ってやみません。

 

ボーマン  |  埼玉県  |  不明  |  2013年06月07日

缶入りを買えなかったので、こちらを買った。 缶入りは音質が悪かったそうで、そういう意味ではこちらの方が良かったのかも。 しかし、ジャケットデザインが良くない。いかにも古めかしい。 センスのいいジャケットならもっと売れるのでは？ MemoriesのCDセットはどうしてこうなの？とこのジャケットを作ったデザイナーに言いたい。 肝心の演奏だが、なかなか良い。結構、上品な感じの演奏。 クリップスは、初めて聴いたので何とも言えないが、オケもかなりまとまっていると思う。 音質だが、新マスタリングでかなり鮮明になっていると思われる。60年代の音がする。 ただ、残念なところは、高音がキツイところ。 でも、この値段なら買っても良いCDだ。

 

まーきー  |  徳島県  |  不明  |  2013年06月05日

前世紀中頃の、ウィーン様式による演奏。いかめしくデモーニッシュなベートーヴェンではなく、フレーズの端々にどこか軽快感の漂う、明晰なベートーヴェン演奏である。特に木管が瑞々しく、美しい。ピリオド楽器による演奏を経過した現在では、5番など少し物足りない感じもするが、決して煽ったりすることなく、徹底的にインテンポで貫かれた上品なベートーヴェンで、バーンスタインなどの正反対に位置する演奏だろう。CDの帯に「マスターテープに限りなく近い状態のテープから復刻」と書いてあるが、「マスターテープに限りなく近い状態のテープ」とは日本語の正しい解釈として、「ファーストコピー」しかありえない。なぜ「ファーストコピー」と書かないのだろうか。書けないのであれば眉唾ものである。しかし、音質は思いの外良く、十分鑑賞に耐えうる。これでMadacyレーベルから出ていた缶入り全集は不要になった。ジャケットのデザインがあまりにも酷いので、中身のCDを缶ケースに移そうかな？

 

aki  |  不明  |  不明  |  2013年05月29日

9曲通していかにも自然なようでいて実は細かいところに行き届いた演奏が好きです。

 

マッキントッシュ  |  愛知県  |  不明  |  2013年05月25日

　前に缶ケース発売されたのを買い、音の悪さに辟易した。演奏より高域をはじめとするモコモコ感をどう改善して聴くかに頭が行き、曲を聴くレベルに至らなかった。今回、買い直してようやくまともに聴けるようになった。音に評価の高いエヴェレスト原盤に限りなく近いそうだが、もしその通りだとするとこの全集の録音はあまり大したことがないのでは。良くも悪くも60年代初頭の音。演奏も当時の有名指揮者のベートーヴェンというレベル。9番以外はそんなに悪くはない。今は名指揮者の全集が安いので、是非クリップスでという人向き。あとで、クリップスはこの程度の人だったかとモーツアルト、未完成、ブラームス2番等を改めて聴いてみたが、それらはどれも良かった。ということはクリップスはベートーヴェンの交響曲が得意ではなかったということ？

 

Der_Wanderer  |  神奈川県  |  不明  |  2013年05月15日

　以前、このレビューにも書かれていたが、幼少のころ６番と９番が含まれた小学館の名曲全集を聞いていた。 　特に６番は秀逸。この演奏から入ったおかげで、ワルター、ベーム、カラヤン、フルヴェンその他の指揮者の演奏を受け付けなくなった。 　単に、聞きなれたものがファーストチョイスになったわけではなく、無為の為というか、とにかく何もしていないのがいい。すべてが収まるところに収まり、人為的な匂いが感じられない、まさに「自然」そのもの。他の演奏はすべて人間的な小細工が見えてしまうんですね。 　また余談になるが、この当時のＬＳＯ（特に木管）はすばらしいの一語に尽きる。インテンポでここまで深いニュアンスを出せるとは。 　絶対に買って損なし、の名演。

 

mid-massa  |  三重県  |  不明  |  2013年05月08日

このセットの音源は多分数年前までカナダの会社から出ていた例の「缶入り」のＣＤですわね？こんな形で再発されるとは・・・。内容はもう「缶入り」の方で幾多の諸兄の評価を受けたもので文句はありません。正直言って迫力はないが、どの曲もまじめに振っている内容に納得された方も多かったのでは？小生など、あの「缶入り」が欲しくて合計３組もＨＭＶさんで購入したものです。それぞれ友人に差し上げたり、結婚祝いにあげたり、と今では「１缶」しか残っていませんが、今でもこの「缶入り」は小生の宝物です。でも最後の時期にはたしか１０００円を切っていたんじゃなかったかなあ？今となっては懐かしさでいっぱいです。このセット自体は持っておりませんが中身の同じものを持っているというだけで強引に投稿させていただきました。「持っていますか？」のところも「持っている」にチェック入れさせてもらいました。内容は古き良き時代のウイーンとロンドンＳＯのいかにもイギリスそのものという感じのミックスされた「大人のベートーヴェン」と思います。ただ音はもともとあまり良くなかったのですが、メモリーズでどうなったかは定かではありません。そんなわけで、これから買おうとされる方の参考にはとてもなりませんが、思い出を込めてのレヴューです。その意味では、どうも、失礼しました。