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バッハ(1685-1750)

CD 平均律クラヴィーア曲集 全曲 セドリック・ペシャ(ピアノ 不均等律による調律)(4CD)

平均律クラヴィーア曲集 全曲 セドリック・ペシャ(ピアノ 不均等律による調律)(4CD)

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    mimi  |  兵庫県  |  不明  |  2019年10月09日

    是非多くのBachファンに聴いていただきたい好演です。Pesciaの演奏の特質が非常によく解るのは、疑いなく後半の第2巻で、この難曲集の中でも特に難しいこの2巻を演奏してここまで魅力的なのは正直驚きでした。まだ本当に若い奏者らしく、その演奏は分析的・思索的であるよりは、直感的・感覚的であり、時に即興的ですらあるのですが、それでいてこの難曲の数々(どんな小曲であっても)の魅力の本質を決してはずさず的確に描き出しているのです(これは言葉で言えば簡単だが、実際にそれができている演奏は数えるほども無い!)。特に変わった解釈などなく、全く素直と言えるくらい真っ当なので、ちょっと聴いただけでは強い印象など残らず、場合によっては凡庸な演奏と誤解されがちですが、二回三回と繰り返し聴くにつれ、この2巻の演奏の魅力からだんだん離れられなくなってきます。43歳というまだ若いと思われがちな年齢であっても、おそらく子どもの頃に平均律と出会って以来数十年、Pesciaは信じられないくらい長い間この曲達と付合い続けてきたのでは無いでしょうか。でなければ、一般に1巻に比較して難解、地味、晦渋、玉石混交と言われることの多い第2巻の諸曲の一つ一つをこんなに生き生きと自然に、奏者自身が明らかな歓喜をもって表現できることは有り得ないでしょう。もちろん、ある意味「フーガの技法」に匹敵する程のBach多声音楽の頂点の数曲を含むこの2巻の演奏としては、Leonhardt, Gould, Roussetなど、過去の一分の隙も無く構築された名演奏に比較して、未だ細部から全体の構造把握とそれに基づく表現に曖昧な部分は(当然!)散見され、そのことが評者によっては「甘い」という印象を持つ原因ともなるでしょうし、この演奏をもって現代最上の平均律と言うのは流石に無理がある、まだまだ発展途上の演奏ではあるでしょう。第22番のフーガなど、卓越した技術による演奏ではあっても、上記の名演にみるような全体がまるで大伽藍のような建造物を実感させるレベルには程遠いのは事実です。それでもPesciaのこの第2巻がこれほど魅力を放つベースには、他の多くの平均律演奏とは異なる演奏姿勢ー決して目立たないながら、実は上声部を上回る低音声部の強固な構築をあくまで基礎にした、若い世代としては珍しいくらいの見事な多声演奏があり、正直、これだけ低音声部が強調されたピアノによるBachは、有名ピアニストの演奏を含めそうありません。Pesciaのこの第2巻は、従って一見感覚的で即興的な外見を有しながら、その内面はきわめて多声的・構築的であり、それが繰り返し聴くにつれその魅力が次第に次第に実感される演奏を実現させています(決して甘いとかBGMなどと片づけられない!)。加えてPesciaのこの演奏からは、歴史的に多くのピアニストが良きにつけ悪しきにつけ、意識せざるを得なかった西洋古典音楽の「しばり」がほとんど感じられません。風貌と名前から、おそらく純然たるヨーロッパ世界以外にもそのルーツを持ち、生まれた時にすでにBeatlesが解散して数年たった世代に属し、おそらくクラシック音楽以外の、黒人音楽、ジャズ、ロックなどもフツーに、ふんだんに耳にしていたかも知れないPesciaの演奏からは、Gould以前の古典派〜ロマン派的なBach演奏の面影も(その代表がリヒテル、グルダでしょうが)、また逆に古典派〜ロマン派音楽伝統を拒絶し己の音楽的思考のみを純粋に拠り所にしたGouldのBach演奏の(そしてGouldへの明らかなアンチテーゼとしてのシフらの)影響のいずれも感じられません。もちろん、J.MacGregorがそうしたように、Pesciaも幼少時からの数十年に及ぶBach探求の際に、ルネサンス・バロックにまで遡る後半な歴史的背景を探求した上で、自分の演奏を組み上げていったでしょう。しかしながら表現された音楽の姿は例えばLeonhardtのそれのように遥な過去から現代を鳥瞰する風情よりは、あくまで現代から未来に生きるBachであり、それがBach音楽が現代のあらゆる音楽(現代音楽、ジャズ、ロック、ポップス?etc)の紛れも無い基礎でもあることを逆に実感させる結果になっていることは、今回密かな驚きです。A.BacchettiのGoldbergでも似たような実感を持ちましたが、平均律でこういった実感を得たのは初めてであり、特にこの平均律2巻の今まで知らなかったポテンシャルを知り得たのは自分にとって大きな収穫でした。2巻に比較すると、1巻は曲そのものがあまりに馴染み過ぎるからと、2巻ほどに多声的要素が強くないためか、2巻の演奏ほど新鮮な印象はありませんでしたが、これも若い世代としては群を抜く技術と構築性を備えた良演奏です。実はこのCDを聴き始めて以降に、興味が湧いたのでPesciaの過去の録音、2003年のGoldbergを購入して聴いてみたのですが、15年前(28歳時!)の演奏は、Goldbergの表層を撫でただけのような内容の薄いものであっただけに、この15年間のPesciaの充実、深化は改めて驚異的と思いました。決して完璧な傷の無い演奏ではありませんが、それを補って余りある新鮮な魅力と、未来のBach演奏への限りない期待を提供してくれる平均律として、多くの音楽ファンにお薦めしたいと思います。

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    ROYCE  |  神奈川県  |  不明  |  2019年07月29日

    アンドラーシュ・シフが定期的に録音で用いているピアノを録音に使ったそうで、なるほどシフの録音と共通するソフトで甘い音色で彩られている。こんなに甘口のバッハはどうかと思うが、指はよく動くし、演奏スタイルはべたべたしないこざっぱりした快速調なので、BGMとして聞くには悪くないと思う。感覚的に磨かれた演奏ゆえ、深みとか思索の痕跡は期待できないが、これはこれでスタイリッシュにまとまっていて、今風で悪くはない。

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