【中古:盤質A】 『エレクトラ』全曲 ヴェルニケ演出、ティーレマン&ミュンヘン・フィル、L.ワトソン、コロ、他(2010 ステレオ)
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村井 翔 | 愛知県 | 不明 | 2011年02月09日
故ヴェルニケの演出が相変わらず見事。ゴテゴテしたもののないシンプルな作りだが、漆黒の闇のなかにエレクトラ=紺、クリソテミス=白、クリテムネストラ=緋色としっかり色分けされた人物達をスポットライトで照らしだすだけで、ドラマの骨格をしっかり分からせてくれる。女性たちは古代ギリシアと言ってもおかしくない衣装だが男性は皆、背広姿、特にエギストは歌劇場監督といった容貌だから、ガウンとして使われるナツィオナル・テアーター(ミュンヒェン)の緞帳と合わせて、ミケーネ王国の王位争いがオペラハウス内の権力闘争に置き換えられているようだ。とはいえ、そんなに読み替えを誇示するような舞台でもない。指揮は『ばらの騎士』より数段良く、緩急やタメを効果的に使うティーレマンのスタイルが曲に合っている。ただ一つ残念なのはリンダ・ワトソン。バイロイトの『指環』でもブリュンヒルデを歌っているから、指揮者のお気に入りらしいが、ベテランゆえの手堅さは買えるとしても、ニルソンは言うに及ばず、マルトン、ポラスキ、シュナウトら近年のエレクトラ歌いと比べても明らかに落ちる。他のキャストはすべて問題ないが、主役がこれでは、このオペラはまずい。3人の方が、このレビューに「共感」しています。
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