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CD リカルド・オドノポソフ名演集(10CD)

リカルド・オドノポソフ名演集(10CD)

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    レインボー  |  不明  |  不明  |  2022年03月27日

    ドイツの激安BOXを発売している事でお馴染みのメンブラン。 たいていは有名アーティストの音源ですが、たまにマニアックな演奏家を取り上げる事もあり、このCDなどもそうでしょう。 アルゼンチン生まれのヴァイオリニスト、リカルド・オドノポソフが録音した音源を集めたものです。 オドノポソフは戦前ウィーン・フィルのコンマスを務めたり、ダヴィッド・オイストラフがイザイ・コンクールで一位になった時に二位になったりと経歴は著名なヴァイオリニストに匹敵しますが、メジャーなレーベルに録音を残さなかったため、今まで知られていませんでした。 CD時代になってカナダのドレミレーベルやスイスのドロンレーベルがコンサート・ホール・ソサエティ原盤の音源を復活させましたが近年では入手が難しくなったので本BOXの登場は嬉しいところです。 CDの内容を簡単にかきますと→ CD1→メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲とパガニーニのヴァイオリン協奏曲第1番を中心に収録した盤。 ジャンフランコ・リヴォーリ指揮、ジュネーヴ放送交響楽団が伴奏を担当。 パガニーニがなかなか良く、ウィーンならではの明るいヴァイオリンの響きに難曲をものともしないテクニックが素晴らしい。 パヴロフスキーがピアノ伴奏を務めた小品は、どちらも楽しい。 CD2→協奏曲で、まずブルッフのヴァイオリン協奏曲。 ヴァルター・ゲール指揮、オランダ・フィルハーモニー管弦楽団がバックを担当。 これはオドノポソフのコンチェルトの録音でも良い出来の一つで、歌心溢れたヴァイオリンが聴きどころ。 またゲールのサポートも素晴らしい。 ラ・カンパネラは1枚目にも収録されているが、この巻の演奏は管弦楽団伴奏で、演奏はパウル・フッペルツ指揮、ユトレヒト交響楽団。 こちらも歌心とテクニックを楽しむ演奏と言えるだろう。 プロコフィエフのヴァイオリン協奏曲第1番はボーナス扱いであるが、ちゃんと全曲収録。 こちらはハインリヒ・ホルライザー指揮、チューリッヒ放送交響楽団による演奏。 上二つの演奏程惹かれるものはなかったが悪くはないと思う。 CD3→ブラームスのヴァイオリン協奏曲とクライスラーの小品集。 ブラームスはカール・バンベルガー指揮、フランクフルト歌劇場管弦楽団の演奏によるもの。 ここでもオドノポソフの歌は素晴らしく、第2楽章はかなりのもの。 伴奏指揮者のバンベルガーは指揮者の領分の著者で知られるが、指揮者として振った音源がCDになるのは珍しく、オケパートとサポートのパートのメリハリが良く、フランクフルトのオケから渋い音色を出している。 クライスラーはジャン・アントニエッティが伴奏を務めたもので、ウィーンで活躍しただけありなかなか粋な演奏である。 CD4→ヴァイオリン・ソナタを中心としたもので、マイナーな作品が収録しているが聴きどころはHMVの曲目に載っていないが、ラロのスペイン交響曲。 ヴァルター・ゲール指揮、ユトレヒト交響楽団の演奏である。 オドノポソフの豊かなソロと、ゲールとユトレヒト響の濃厚な演奏は有名録音にも匹敵します。 CD5→18世紀イタリアの巨匠達と題された一枚で、イタリア・バロック音楽を集めたアルバムです。 マウリッツ・ファン・デン・ベルフ指揮、オランダ室内管弦楽団が伴奏を務めています。 結構マニアックな選曲と言えるでしょう。 演奏はまずまずでしょうか。 CD6→タルティーニの悪魔のトリルとベートーヴェンの三重協奏曲を収録。 このうち、フェリックス・ワインガルトナー指揮、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の演奏で収録された三重協奏曲はオドノポソフがウィーン・フィルのコンマス時代の貴重な音源で、オケのサウンドもウィーンらしい柔らかな響きが聴けますが、1937年とかなり古く仕方ないとはいえ曇った復刻で、あまり音は良くありません。 CD7→この巻はヴァイオリンと管弦楽の作品を集めた内容です。 伴奏は1枚目にも登場した、ジャンフランコ・リヴォーリ指揮、ジュネーヴ放送交響楽団です。 一流の演奏家はこういう小品の演奏に実力が出ると言いますが、ここでもオドノポソフのヴァイオリンは豊かに歌っており、ショーソンの詩曲などは名演と言って良いでしょう。 イザイとスメタナはボーナス扱いで、CDにはオドノポソフしか名前はありませんが、ピアノ伴奏付きです(ただしピアニストの名前はありません) CD8→チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲とクライスラーの小品を収録。 このCDの聴きどころはチャイコフスキーで、ヴァルター・ゲール指揮、オランダ・フィルハーモニー管弦楽団の演奏なのですが、このBOX中にあるこのコンビの組み合わせで1番良い演奏と言えるのではないでしょうか? オドノポソフの濃厚な歌い回しはチャイコフスキーによくマッチしている他、ゲールとオランダ・フィルの伴奏が非常に良い仕事をしている。 オランダ・フィルから豊かな音色を引き出しており、カデンツァの後のフルートの音色など中々魅力ある演奏で、隠れた名演と言えるだろう。 CD9→ベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタとイザイの無伴奏ヴァイオリン・ソナタを収録したものです。 この中ではベートーヴェンが、好演で、オットー・ヘルツのピアノと息の合った演奏を聴かせます。 CD10→またまた書いてないですが、ヴァルター・ゲール指揮、オランダ・フィルハーモニー管弦楽団との共演によるバッハのヴァイオリン協奏曲第2番と同じくバッハのシャコンヌも収録されています。 このゲールとのバッハも素晴らしいのですが、後半に収録された小品が素晴らしい。 サラサーテのピアニストと息の合った歌いに歌った演奏は必聴。 CDの復刻は残念ながら良いとは言えない。 元のレーベルの録音自体優れないものが多いからだ。 またドヴォルザークとグラズノフの協奏曲という重要な音源が抜けたのも惜しい。 しかし、全編を通じてオドノポソフの豊かな歌心とテクニックは聴いておいて損はないし、ゲールなどの隠れた実力派指揮者の演奏も聴ける良いBOXだと思う。

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    フォアグラ  |  愛知県  |  不明  |  2018年10月27日

    グリーンドアから出たオドノポソフのブラームス、ブルッフのあまりの素晴らしさに驚き、私にとって未知だったこのヴァイオリニストの録音を集めようと思っていた矢先、メンブランから10枚セットが発売。嬉しい限りだが、売れるんだろうかと心配になる。メンブランは復刻に問題のあるレーベルであり、このセットの音も良好とはいえないが、ブラームス、ブルッフをグリーンドア盤と比較すると、むしろメンブランのほうが聴きやすく、まずまずの出来なのだと思う。それにしてもこれほどの人がメジャーへの録音がなく「知る人ぞ知る」状態になったのはどういうことだろう。イザイ・コンクールでオイストラフと1位を争ったというのも少しも不思議ではないし、私の好みはオドノポソフ、そのくらいの人なのだ。このセットでも期待を裏切るものはひとつもない。抜群の美音と確かなテクニック、そしてエスプレッシーヴォ。どの曲にもオドノポソフの高い音楽性を感じずにはいられない。音が古いので評価は星4つかな、とも考えたが、やはり多くの人に聴いてほしいという気持ちが強く満点とする。コンサートホール盤は指揮者、オケは二流どころばかりだが、演奏は悪くない。

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