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レハール(1870-1948)

DVD 『微笑みの国』全曲 ホモキ演出、ルイージ&チューリッヒ歌劇場、ベチャワ、クライター、他(2017 ステレオ)(日本語字幕付)

『微笑みの国』全曲 ホモキ演出、ルイージ&チューリッヒ歌劇場、ベチャワ、クライター、他(2017 ステレオ)(日本語字幕付)

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    村井 翔  |  愛知県  |  不明  |  2018年09月05日

    ホモキ演出、ルイージ指揮というオペラ並みの強力布陣を敷いているが、きわめて特異な形での上演。ナンバーの間をつなぐ台詞が必要最小限に切り詰められており、たとえばオリジナルの第1幕に相当する部分(この上演では全体の真ん中ほどで一度、休憩があるだけで、オリジナルの第2〜3幕は通して演じられる)では合唱を除けば、リーザ、スー・チョン、グスタフの三人しか登場せず、リーザの父以下、台詞だけの人物はすべてカットされている。ミーとグスタフのコメディ・リリーフ組も歌はちゃんとあるが、台詞がほとんどないため存在感薄く、リーザとスー・チョンの悲恋物語に徹底して焦点が絞られている。舞台装置はシックだが、ごく簡素なもので「白銀の時代」を表象するのか、ブルー系の照明で舞台が一貫してかなり暗いのも特徴。場面転換のため幕を閉め、幕の前で展開するシーンもかなり多い。中国の場面ではそれなりの衣装の人々も登場するが、王子はズボン、ワイシャツに金色のガウン(改作前の題名『黄色の上着』にちなむと思われる)を羽織っただけ。百年前の作品とはいえ、ここでの中国の描き方は人種・女性差別的でもあるので、オリエンタリズム的な見方を避けたいという意図での台詞カットでもあろう。曲順の変更も多く、リーザが「ウィーンに帰りたい」と歌う望郷の歌の直後に何の台詞も挟まず、かの名曲「君はわが心のすべて」が始まる劇的な効果など面白いが、このアリアの直後、同じメロディーがオーケストラで流れる間に全く台詞なしのパントマイムで二人の心情を表現しようとするあたり、この演出のハイライトだろう。最後も台詞がないため王宮から逃げるという話にはならず、スー・チョンは平和裡にリーザを去らせる。 なかなか考えられた演出ではあるが、甘く、この時期にはワンパターン化しているレハール・メロディを立て続けに聴かされることになるので、やや食傷気味になるのも事実。今やローエングリンまで歌うベチャワだが、端正な歌は「常に微笑みをもって」感情をあらわにしない王子様にぴったり。クライターも単に美しいだけでなく、この演出では王子様に平手打ちを喰わせるといった思い切ったアクションもある強い女性を好演。

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