大澤壽人の芸術〜交響曲第1番、コントラバス協奏曲、ピアノ協奏曲第3番 山田和樹&日本フィル、佐野央子、福間洸太朗、上野耕平(2CD)
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座頭 | 兵庫県 | 不明 | 2022年02月14日
貴重なライブ録音がCD化され、うれしい限りだ。片山さん、本当にありがとうございます。ピアノ協奏曲は大澤のオーケストラを伴う作品では最も親しみやすく、緩急の起伏に富んだスリリングな作品。すでに複数のCDがあるが、今回のものが演奏、録音ともに一番いい。オケ、ピアノ独奏とも難度が高いのだが、縦横無尽の快演だ。コントラバス協奏曲と交響曲第一番は、ともに世界初演で、もちろん、音源も、このCDが初めて。複雑な技法が凝縮されており(ライナー掲載の片山さんの解説に詳しい)、戦前の日本人が20代の若さで書いたとは信じがたい名曲だ。コントラバス独奏の名技、オケの奮闘ぶりとも、見事な音質でとらえられており、ピアニシモの繊細な表現も、生々しい。日本人作曲家、演奏家の金字塔的な名盤だと思う。1人の方が、このレビューに「共感」しています。
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ぴたすみん | 大阪府 | 不明 | 2018年07月21日
ようやく聴くことが出来た大澤壽人の交響曲1番、片山杜秀氏には感謝の念しか湧きません。年代的に見て、ちょうどショスタコーヴィッチの4番と同じ時期に、これほどモダンでしかも、交響曲の形式を重視するものから見ても非の打ちどころがないものを日本人が作っていたなんて…というのが本当のところです。ショスタコーヴィッチの復権より時間はかかってしまいましたが、聴くことが出来たので、もうそんなことはどうでもいい。循環形式やソナタ形式をすべてブチ込んで、しかもアメリカの聴衆を意識しての日本風メロディなど、若干トッ散らかっている感はありますが、本当の天才というのは、やはり凄いな…と思いました。2000年代にナクソスから2番と3番が出て、メジャーのオーケストラが取り組んでくれないのをもどかしく思っていましたが、この1枚で少し気分が晴れました。同じ年代の日本が誇る三人の交響曲作家、橋本國彦、諸井三郎のうち、これで日本人家庭のお茶の間で簡単には聞けないのが、諸井三郎の1番だけになってしまったのがちょっとだけ意外でした。三人の中で、まだ正当に評価されて、一番長生きしたのが諸井氏だったので…。どこか早く諸井三郎の1番をCDにしてくれないかな…。3人の方が、このレビューに「共感」しています。
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