『ベルリン・フィル アジア・ツアー2017〜ライヴ・フロム・サントリーホール』 サイモン・ラトル、ユジャ・ワン(5SACD+BD)
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うーつん | 東京都 | 不明 | 2018年05月31日
ベルリン・フィルが初めて来日公演を行った年から数えて70年。2017年の公演をメモリアル・アルバムとして追った当盤。公演に参加できた方がうらやましいくらいに魅力的な演奏をディスクで追体験できた。残念ながらチケットが取れなかった私にとって、そして日本の音楽ファンにも嬉しいプレゼントであろう。 全体に「合奏するソリスト」のようなBPOの様子をきれいに収めてあると思える。ズン!とくる音の迫力は薄い気がするが、それを忘れさせるスリリングな調和がある。 各メンバーが主体性をもって主張しあいながら、合わせることも万能にこなす。これが現在のベルリン・フィルの特徴と考えているが、そこに指針を指し示すのがラトルの存在意義だったのだろう。 特に『ペトルーシュカ』は、このコンビの特長を一番物語っていると感じた。彼の指揮姿でよく見る「左手指を細かく動かし歌を煽る」仕草などで歌がうねりとなって押し寄せてくる。彼の指揮とベルリン・フィルによって現代音楽でも歌にあふれる曲に聴こえてしまうのもまた彼の功績と思える。当記録はアジア・ツアーの記録にとどまらず、協奏曲・交響曲・管弦楽曲・現代音楽を網羅し、ここまでラトル&BPOのコンビが行ってきた協働を俯瞰できる記録でもあると思う。 要するに「これは買い」とお薦めしたい。2人の方が、このレビューに「共感」しています。
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