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ヴェルディ(1813-1901)

CD 『仮面舞踏会』 カラヤン&ウィーン・フィル ドミンゴ ヌッチ

『仮面舞踏会』 カラヤン&ウィーン・フィル ドミンゴ ヌッチ

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  • ★★★★★ 

    金山寺味噌  |  愛知県  |  不明  |  2016年04月23日

    ヴェルディの歌劇『仮面舞踏会』はスウェーデン国王グスタフ3(1746〜1792)の暗殺事件を題材としている作品だが、「国王暗殺」という内容が当時のイタリア当局の忌避に触れたため設定を変更、物語の舞台をアメリカのボストンとし主人公をボストン知事リッカルドとすることで上演許可を得たという経緯があった。以降この改訂版が長く上演されてきたが近年は原典尊重主義の観点からオリジナル版での上演や録音も増えてきた。このカラヤン盤もオリジナル版による演奏である。 1989年1月27日〜2月3日、ウィーン、ムジークフェラインでのセッション収録。カラヤン生涯最後のオペラ全曲録音である。この年のザルツブルク音楽祭で上演を予定していて、そのリハーサルも兼ねて録音されたものだが結局カラヤンは体調不良により上演を断念、この録音のみが残された。主人公の国王を 演じるプラシド・ドミンゴの雄渾でありながら知性的で精妙な歌唱が圧倒的である。ヒロインのアメリア役のジョセフィン・バーストウ、オスカル役のスミ・ジョーも好調。この頃のカラヤンは体調の衰えが顕著であり以前のようにオケを自在にドライブすることはできなくなっていたため、第一幕はやや精気に欠ける感なしとしないが、第二幕以降は奮起していつものカラヤンらしい華麗な美音と豊かな劇的起伏で興趣を盛り上げていく。ウィーン・フィルも老巨匠を良く支えている。この録音から半年足らずでカラヤンは逝去し、文字通り「遺産」となってしまった名演である。音質良好。

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  • ★★★★★ 

    slave  |  東京都  |  不明  |  2023年07月28日

    この録音は、カラヤンが計画していたザルツブルク音楽祭での上演の直前に死去したことで、あたかも「死の直前の体調の悪い時に、録音した演奏」であるかのように思われているように思う。 その思い込みが、ややゆったりとしたテンポ設定にも裏書されて、「集中力の衰えた弛緩した演奏」のような思い込みを誘っているように思う。 この録音を聴く場合、オーケストラの残響がはっきりと聴きとれるように音量を上げることがポイントだ。こうして聴けば、仮に、カラヤンがテンポを速くとったならば、響きが混濁してしまい、混乱した演奏になってしまったであろうことが分かる。 この録音の欠点は、歌手とオーケストラの録音のバランスが悪いところだ。歌手はオン・マイクで録音しているので、歌手に合わせて聴くとオーケストラの豊かな残響が聴こえないので、ゆったりとしたテンポが持たなくなってしまうのだ。 この点に注意をして聴けば、カラヤンはオーケストラの音色の美しさと響きの豊かさを大切にしつつ、このゆったりとしたテンポを基調としながらも、深い劇性を盛り込むことに成功していることが分かる。 このため、豊かな響き、大きく持続するよく歌うオーケストラ、深い劇性を備えた稀有な名演が記録されている。 歌手については、ドミンゴの歌唱が立派であると言える。70年代のムーティ、80年代のアバド、そして90年代のカラヤンと、それぞれの録音を残している。アバドとの録音は彼の調子が悪いので、別人かと思うほど。それに比べると、この録音は、あまりに立派過ぎる歌唱ぶりである。 その結果、アンサンブルが成立していない。この立派過ぎる歌唱に他の歌手が対等に絡めれば、さぞ素晴らしかっただろう。それは、1つには、このテンポでは、息をセーブしなくてはならなかったからでもあろう。彼だけが、しっかりとしたカンタービレを維持しており、カラヤンの意図を忠実に再現していた。さすがと思う。

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  • ★★★★☆ 

    mari夫  |  東京都  |  不明  |  2014年04月08日

    カラヤン最晩年の美学が濃厚に現れた夕映えのごとき(陳腐な形容だが)演奏。イタオペの脳天気とは無縁の、微妙な音の襞が織りなす室内学的なドラマが聞き物。VPOならではの音だろう。ドミンゴもまた同じような傾向で、柔らかい声で悲劇と喜劇の間を往復する心の襞を巧みに描き出す名唱。ヌッチも例の腰の強い典型的なヴェルディ・バリトンの妙技を披露している。ただ、問題はバーストウのアメリア。どう聞いてもふけ声で興ざめ。フレーニ(全曲盤ないよね?)とは言わないまでも、せめてリッチアレッリにしてくれてたら。星一つ減点はそのため。

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  • ★★☆☆☆ 

    ほんず内閣総理大臣  |  北海道  |  不明  |  2013年04月05日

    カラヤン最晩年の録音。ややゆったり目のテンポで、大きく構えたような演奏を展開しています。このオペラにはそれがいささか重荷に過ぎ、軽妙さが失せてしまいました。ストーリー的には不倫(疑惑?)と殺人という重い主題ながら、登場人物の誰もがなんだか真剣み(深み)がないという軽薄なこのオペラにはちょっと似つかわしくない。たとえばオスカルのシーンの音楽なんかはスーパーノーテンキにできておりますが、ここではそれすらどこか足取りが重い。歌手ではドミンゴの独り勝ち。声の状態も含めて、彼の最良の歌唱ではないでしょうか。他はみな彼の引き立て役みたいなもの。そういう意味で、出来上がりはバランスがあまりよろしくない感じとなりました。それに結局、どうにも大したことのない作品だなあ、と思ってしまいました。人物の感情表現と劇の起伏とを音楽がきちんと表現していないんじゃないかな。いわゆる「ブンチャッチャ・オペラ」の典型の一つで、ヴェルディらしいけれど、立派な作品ではないな。上記のような演奏の出来が、作品の欠点を露わにしちゃったかな。

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  • ★★★★★ 

    れいくー  |  奈良県  |  不明  |  2013年02月10日

    この演奏は仮面舞踏会としては異質だとは思いますが、カラヤンでしか聴くことの出来ない管弦楽と声楽が一体化したシンフォニックで美の極みでもあるとんでもない名盤だと思います。 これがカラヤンが最終的に辿り着いたオペラの演奏だったのかもしれませんね。 ここでは声も一つの楽器のようです、オペラに興味のない方、声楽は嫌い、という方にも楽しんでいただけるのではないかと感じます。 歌手陣のバランスも大変良く、ドミンゴは彼としては後年の録音であるにも関わらず、彼のBESTだと思われます。 何故、晩年のカラヤンがこの作品を演奏しようと思ったのかはわかりませんが、ひょっとしたら、アイーダ、オテロ、椿姫、そして、リゴレットも録音しようとカラヤンは考えていたのかもしれないですね。 オペラファン、ヴェルディファン、カラヤンファンを超えて、クラシック音楽ファン必聴の名盤だと思いますので、みんなに聴いてほしいです。

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  • ★★★☆☆ 

    オランダ船のリゴレット  |  大阪  |  不明  |  2008年02月22日

    カラヤンの美意識が働いているのか神々しい音色。その分、迫力がいささか犠牲になっている面も。音楽も元々、ドッカン・バッタン鳴り響く劇ではないが、いささか中だるみしそう。スミ・ジョーのオスカルが面白い。

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  • ★★★☆☆ 

    たか  |  東京  |  不明  |  2006年05月02日

    カラヤン最後のオペラ録音。男声陣とオケの音色が素晴らしい。ただし残念ながらところどころテンポが遅く緩みが感じられる。(このため曲の途中で2枚目に替えなければならない)同じキャストのショルティのビデオとはだいぶ異なった印象の音楽になっている。

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