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リスト(1811-1886)

SHM-CD ピアノ協奏曲第1番、第2番 ダニエル・バレンボイム、ピエール・ブーレーズ&シュターツカペレ・ベルリン

ピアノ協奏曲第1番、第2番 ダニエル・バレンボイム、ピエール・ブーレーズ&シュターツカペレ・ベルリン

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  • ★★★★☆ 

    shef  |  栃木県  |  不明  |  2012年06月11日

    ダーヴィト・フリードリヒの暗い、重厚な風景画の世界が広がるリストの協奏曲だ。まるでタペストリーのように。これまでアレックス・サロネンのコンビで楽しんでいたリストの世界とはまったく異次元だ。この世界をもたらしたのは、おそらくバレンボイムだろう。彼らしい、ねっとりとしたエロティックな質感。 この妖しげな世界をブーレーズの音楽が少しは中和しているから聴いていられるのか。 私の美意識は否定したがるが、まるで媚薬のように心に纏わりつく。魅せられる、とはこのことだろう。 フリードリヒが描くた暗いそがれの空が脳裏に浮かんでくる。

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  • ★★★☆☆ 

    ☆の降るまち  |  東京都  |  不明  |  2012年01月21日

    重厚な演奏である。エレガントで華やかな演奏が好きな人にはお勧めできない。大変興味深い演奏だけれども、ちょっと違和感を感じるのは私だけであろうか。

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  • ★★★★★ 

    雲谷斎  |  埼玉県  |  不明  |  2011年12月11日

    バレンボイムは若い頃、クレンペラーの指揮でベートーヴェンの協奏曲を録音して注目を浴びたが、それから半世紀も過ぎようという今、自らがシェフを務めるSKBで再び巨匠のもとでソリストを務めた。その巨匠とはブレーズ、それに今回の曲目はリストだ。そのことからして興味津々、いったい誰がこのような顔合わせを可能にしたのか。ブレーズがリスト?よく引き受けたものだ、というびっくりから、そういえばバレンボイムはリストの協奏曲の録音はまだなかったな、という驚きまで、とにかく興味は尽きない。演奏はといえば、ブレーズは大きな楽譜を前にテンポを重視した堅実なオーケストラ・コントロールを心がけ、曲の機微、強弱の表現はバレンボイムに任せるという風。ところがこのバレンボイム、普段はこのオーケストラのシェフなのだから、ピアノに向かいながらもオケの方を向けばたちまち彼らがそれに反応するという具合で、端的に言えば、この演奏には指揮者が2人いるといってもいいかもしれない。ピアノ協奏曲第2番の、チェロや独奏楽器とピアノの掛け合いの部分など、その効果満点で、お見事の一言。しばしば派手な演奏=聞き応え、に通じていたリストのピアノ協奏曲(特に第1番)だったが、それだけが聴きどころではないということを教えてくれる1枚。この録音はリストのピアノ協奏曲の名盤として語り継がれるのではなかろうか。

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  • ★★★★☆ 

    村井 翔  |  愛知県  |  不明  |  2011年11月07日

    バレンボイムによるショパンの2つのピアノ協奏曲も興味尽きない面白い演奏だったが、ショパンではツィメルマンを超えられないかなとも思った。その点ではこのリストの方が一段とユニークだ。ピアノ協奏曲第1番はもちろんリストの代表作と言って差し支えない名曲だけど、かなり軽薄なところがあって、ロ短調ソナタのようなピアノ独奏曲とは同列に語れないところがある。ところがバレンボイムは遅いテンポで、しんねりむっつり、ロマンティックな濃い情感をたっぷり込めて、この曲を弾いてみせる。65歳を過ぎても技術的にはまだまだ達者で、ライヴでも大きな破綻はないが、もとより切れ味鋭いテクニックで圧倒するというタイプのピアニストではない。円熟したと人は言うけど、私の見るところではむしろ今や枯れ過ぎ、リスト音楽の「色気」をすっかり脱色してしまったようなブーレーズのクールな指揮が、また何ともミスマッチ。この曲はもう聞き飽きたという人にこそ、勧めたい独特な演奏だ。第2番の方は何の問題もなく、両者とも曲にうまく適合していて、このあまり人気のない曲の良さが改めて感じられる。

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  • ★★★★★ 

    つよしくん  |  東京都  |  不明  |  2011年10月30日

    これは素晴らしい名演だ。現代を代表する最高のピアニストの一人でもあるバレンボイムが、リスト生誕200年を記念して満を持して臨むリストのピアノ協奏曲第1番及び第2番の録音であり、それだけにその覚悟と自信のほどを伺い知ることが可能な圧倒的な名演に仕上がっていると言える。何よりも、バレンボイムの音楽の構えが極めて大きい。そしてその骨太の音楽づくりは、演奏をスケール雄大なものにするのに大きく貢献していると言えるのではないだろうか。超絶的なテクニックにおいてもいささかも不足はないところであるが、それでいて巧過ぎるなどと言ったいわゆる技巧臭を感じさせないのが何より素晴らしいと言える。強靭で叩きつけるような打鍵は圧倒的な迫力を誇っていると言えるし、他方、繊細な抒情的表現においても申し分がないものがあり、その表現力の桁外れの幅の広さには殆ど唖然とさせられるほどだ。このように、スケールの雄大さ、技巧臭をいささかも感じさせない内容の豊かさ、そして表現力の幅の広さなどを駆使した結果、とかく技量一辺倒で薄味な演奏が多いリストのピアノ協奏曲を極めて内容豊かで奥深いものに昇華させたと言えるところであり、殆どベートーヴェンのピアノ協奏曲の域にまで引き上げているのに成功したと言っても過言ではあるまい。いずれにしても、バレンボイムによる本演奏は、リストのピアノ協奏曲のあらゆる演奏の中でも、最も奥深い内容を有した至高の名演奏と言ってもいいのではないだろうか。このような圧倒的で彫の深いバレンボイムのピアノを下支えしているのが、ブーレーズ&シュターツカペレ・ベルリンによる名演奏であると言える。徹底したスコアリーディングに基づいて、楽想を精緻に描き出して行くというブーレーズならではのアプローチは本演奏においても健在であると言える。バレンボイムの彫の深いピアニズムに触発された点も多分にあるとは思われるが、かつてのブーレーズの演奏に顕著であった冷徹さは薬にしたくもなく、むしろ各フレーズの端々からは豊かな情感が滲み出してきているところであり、演奏全体に独特の潤いと温もりを付加するのに大きく貢献しているのを忘れてはならない。アンコールとしておさめられたコンソレーション第3番や忘れられたワルツ第1番も、バレンボイムならではの雄渾なスケールと重厚さ、そして奥行きのある彫の深さを感じさせる素晴らしい名演だ。音質は、ピアノ演奏と相性が良いSHM−CD盤であることもあって、バレンボイムのピアノタッチが実に鮮明に捉えられており、素晴らしい鮮明な高音質と高く評価したいと考える。

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