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ベートーヴェン(1770-1827)

SACD 弦楽四重奏曲第10番『ハープ』、第3番 クレモナ四重奏団

弦楽四重奏曲第10番『ハープ』、第3番 クレモナ四重奏団

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    風信子  |  茨城県  |  不明  |  2019年01月30日

    カンツォーナのごとく歌うベートーヴェン クレモナによる全集の完結を心愉しく青空の下で聴く 優美というよりは慕わしい第3番のアンサンブルは明朗闊達だからこそ湧き上がる信愛の情に包まれた 美しいニ長調だった 最後は ”ハープ”だ 一際気が入ったようで熱い演奏を繰り広げる(幻想だろうが)  ロマンチックな精神を音楽に体現した中期は傑作を超えて汲めども尽きない魅力ある作品が並ぶが  ”ラズモフスキー”三曲の後に来た変ホ長調は幽けき佇まいだが 孤高の光を放っている これほど詠嘆するクァルテットは後期の世界へ足を踏み入れたとも言える アダージョとプレストの激しい対比 そして変奏曲で音楽は終わる ”第九”の後に来る未来を指差した後期五曲の世界が見える クレモナ・クァルテット渾身の一曲だ 往年の名器を駆使してイタリアの乾いた空気を震わせて美しいベートーヴェンを届けてくれた 若い人たちに聞いて欲しいと願う あなたも如何

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