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モーツァルト(1756-1791)

CD ピアノ・ソナタ集第3集 メジューエワ(2CD)

ピアノ・ソナタ集第3集 メジューエワ(2CD)

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    QBE  |  不明  |  不明  |  2016年04月08日

    ピアノ・ソナタ全集の掉尾を飾るアルバム。ソナタが素晴らしいのは予想通りだが、意外な聴きものが「サリエリの主題による6つの変奏曲」だった。こんなにもロマンティックな味付けが濃いモーツァルトは近頃珍しい。変幻自在なアーティキュレーションで変奏を重ねる毎にガラリと表情が変化する。それが実に自然なのである。程度の差はあれ同じことがソナタの変奏曲楽章にも見て取れる。こんなものを聴かされると、そろそろディアベッリ変奏曲あたりを録音してほしくなるのが人情だ。旧ソ連出身のアファナーシェフが言うことに、自由を求めて西側に亡命したけれど、西側は西側で商業主義に振り回されて真に自分のやりたい音楽ができない、ソ連は不自由ではあったが、純粋に芸術面を考えると悪いことばかりではなかった云々。その果てに彼は片田舎にひきこもることになる。音楽ばかりではなく美術においても同じような事情がある。20世紀の商業主義に毒されてしまった西側に比べ、ロシア革命が起きて以降交流が絶たれた東側には古き良き伝統が温存されていた。その一つが19世紀的なロマンティシズムではないか。メジューエワがピアノを学んだのは、まだ旧ソ連が崩壊する前のことだった。少し年長のキーシンや、米国ニューイングランド地方にひきこもってしまったフェルツマンの演奏にも古風なロマンティシズムが見え隠れする。そこにわれわれが魅了されるのだとしたら歴史の皮肉である。

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