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ワーグナー(1813-1883)

Blu-ray Disc 『タンホイザー』全曲 サシャ・ヴァルツ演出、バレンボイム&シュターツカペレ・ベルリン、ザイフェルト、マッティ、他(2014 ステレオ)

『タンホイザー』全曲 サシャ・ヴァルツ演出、バレンボイム&シュターツカペレ・ベルリン、ザイフェルト、マッティ、他(2014 ステレオ)

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    村井 翔  |  愛知県  |  不明  |  2016年01月17日

    サシャ・ヴァルツにヴェーヌスベルクの場の振付だけでなく、全体の演出を任せた時点で、こういう舞台になることが期待されていたのだろうが、バッカナールの部分だけでなく、全体にわたってほぼ常に舞台上にダンサーがおり、オペラとバレエが完全に融合したような演出。ダンサーがいない場面、たとえば「夕星の歌」でもヴォルフラムがバレエの振付のような動きをするのが面白い。音楽重視の人は舞台上のダンサーが目障りだと言うかもしれないが、作曲家自身もその不出来さに頭を抱えることになる「歌合戦の場」のように『タンホイザー』は退屈、凡庸なページもなくはないオペラだから、このような試みは大いに支持したい。ただし、人物達の服装が19世紀以降のものなのはタンホイザーをワーグナー自身の分身と見る解釈なのだろうが、それ以外の部分では根本的な読み替えはなく、最後もごく穏当なエンディング。その点では、クプファー演出などの方が異教の神とキリスト教の間で引き裂かれたタンホイザー=ワーグナーの分裂を深刻にとらえていたと言えるだろう。シラー劇場での上演なので、大がかりな装置はほとんど無いに等しい簡素な舞台。 これが三度目の映像ディスク登場となるザイフェルトの題名役は安定しているし、今回が最も良いのではないか。見た目は例によって巨体だが、この役はちょっとくたびれた中年オジサンでも構わないと思う。女声陣は見事に美女二人を揃えた。デンマークのソプラノ、アン・ペーテルセンのエリーザベトも好ましいし、プルデンスカヤはこの役には声が軽すぎると思うが、よく健闘している。マッティのヴォルフラムは理想的な演唱で、素晴らしい。緩急の起伏の大きいバレンボイムの指揮もすこぶる強力。第2幕終わりのコンチェルタートの目覚ましい盛り上げ方、「ローマ語り」の雄弁な伴奏など見事だ。序曲はそのままバッカナールに流れ込むが(いわゆるパリ/ウィーン版)、それ以外はドレスデン版による演奏。

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