トップ > 音楽CD・DVD > クラシック > バッハ(1685-1750) > ミサ曲ロ短調 モルテンセン&コンチェルト・コペンハーゲン、ケオハネ、コボウ、ハーヴェイ、他(2SACD)

バッハ(1685-1750)

SACD ミサ曲ロ短調 モルテンセン&コンチェルト・コペンハーゲン、ケオハネ、コボウ、ハーヴェイ、他(2SACD)

ミサ曲ロ短調 モルテンセン&コンチェルト・コペンハーゲン、ケオハネ、コボウ、ハーヴェイ、他(2SACD)

商品ユーザレビュー

  • ★★★★★ 
    (1 件)
  • ★★★★☆ 
    (0 件)
  • ★★★☆☆ 
    (0 件)
  • ★★☆☆☆ 
    (0 件)
  • ★☆☆☆☆ 
    (0 件)

レビューを書いてみませんか?

レビューを書く

検索結果:1件中1件から1件まで表示

  • ★★★★★ 

    mimi  |  兵庫県  |  不明  |  2018年02月25日

    数あるロ短調ミサの録音中でも、そう多くは出会う事のない良演ではないでしょうか。Hosannaの2重合唱でSopranoを2名ずつ、総勢10名の合唱によるOVPP方式を基本としており、MinkowskiやJunghanelと同等人数、器楽は27名のやや小編成で、いずれも現在のOVPPとしてほぼ標準的な演奏規模と考えられます。昨今、OVPPによる演奏もすっかり珍しくなくなりましたが、一方でOVPPによるロ短調ミサの名演奏、と呼べるほどのものはまだ決して多くはありません。その中にあって、Lars Ulrik Mortensen/Concerto Copenhagenのこの演奏は、ひょっとすると(S.Kuijken/La Petite Bandeを別格としても)Minkowskiを凌ぐ好演盤と言えるかも知れません。近年のいくつものConcertoの名演奏でも明らかなように、Mortensenという指揮者は決して自らの個性を強烈に打ち出すタイプではなく(それこそMinkowskiとは正反対)、どうかすると指揮者の存在すらあまり感じられないような瞬間も多いのですが、それでいてBachの音楽に欠かせない、リズム、テンポ、音色の、声部間・楽器間の理想的なバランスをあまりにもさりげなく、いつの間にか実現してしまいます。それは声楽が入ることによって、より一層困難な課題となる声と器楽の自然なバランスにおいても、かなりなレベルの再現を実現できているように思います(晩年のLeonhardtほどに理想的な回答を見いだしているわけではありませんが)。とにかくこのロ短調ミサは、OVPPであることも相まって、一切威圧的でなく、あまりにも自然で美しい演奏です。もちろん、J.S.Bachの全作品中、最大傑作であるロ短調ミサにおいては、最も重要なのは多声音楽としての全体から細部にいたるまでの、網目のようにはりめぐらされた音構造であり、その再現においてはこの好演盤といえども、全体も細部もまだまだ厳格な構造再現に甘さを感じる部分は多々あります。それでもこの演奏は、他の大部分のロ短調ミサ演奏が全く実現できていない(過去、唯一理想的な再現がなされたのは、おそらくLeonhardt盤のみ)、演奏に何らの熱も力も必要としない、純粋にJ.S.Bachの音楽構造のみによる感動に近づける可能性を感じる意味で、他の多くのロ短調ミサ演奏の一段上の可能性を秘めているように思われます。まだまだ未完成の部分も多いでしょうが、他のBach作品における演奏とともに、今後のMortensen/Concerto Copenhagenの演奏に大きな期待をかけずにいられません。現時点で決してめだつ演奏ではありませんが、紛れもなく最高レベルのロ短調ミサ演奏として、多くのBachファンにお薦めしたいですね。なおCD裏面をみますと録音時期は、HMVホームページに記されてる2011年は誤りで、2013年5月21~25日のようです。

    4人の方が、このレビューに「共感」しています。

    このレビューに 共感する

検索結果:1件中1件から1件まで表示