R.シュトラウス:アルプス交響曲、モーツァルト:ピアノ協奏曲第22番 朝比奈隆&ベルリン放送響、カリール(1964 ステレオ)(2CD)
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金山寺味噌 | 愛知県 | 不明 | 2015年12月10日
1964年、リヒャルト・シュトラウス生誕100周年を記念して当時のドイツではシュトラウス作品の集中的な演奏会、録音が盛んに行われていた。日本から招 かれた指揮者の朝比奈隆はベルリン放送交響楽団(現:ベルリン・ドイツ交響楽団)を指揮して『アルプス交響曲』を振った。この時が『アルペン』の初振りだったという朝比奈さんは「やってみたらそんなに難しい曲じゃない」とすっかりこの曲が気に入り、以降自分のレパートリーに加えた。晩年朝比奈さんはレパートリーを絞り込みほぼベートーヴェンとブルックナーに集中していた感があるが、時折思い出したように『アルペン』を振った。朝比奈さんと公私ともに親交のあった評論家の宇野功芳氏は「朝比奈は『アルプス交響曲』大好き人間だった」と評している。 本CDは2枚組で、1枚目はモーツァルトのピアノ協奏曲第22番、2枚目に『アルペン』が収録されている。1964年3月4、5日、旧西ベルリン、自由ベルリン放 送大ホールでのセッション収録。直後に行われた演奏会のプログラムの順序通りの収録である。『アルペン』はゆったりとしたテンポで堂々と進められる。いかにも朝比奈さんらしいスケールの大きさ、男性的なロマンティズムがなんとも魅力的である。当時のベルリン放送交響楽団はまだ古き良きドイツの音色を十分に残していて、いぶし銀の朗々たる響きをもって朝比奈さんの要求に応じている。特に「終結」での厚みのとコクのある情感の豊かさは格別のものだ。前プロのモーツァルトの22番のソリストはアメリカ在住のピアニストであったリリアン・カリール、かのパメラ・フランクの母親であるという。いかにも女流らしく繊細でたおやかなソロで、朝比奈さんの堅固な伴奏がそれをしっかりと支えている、といった印象。近年のモーツァルト演奏ではちょっと聴けないような懐かしさがある。50年前の録音ながら音質は良好で、ヴァイトブリック・レーベルのリマスタリング技術の高さを裏付けている。4人の方が、このレビューに「共感」しています。
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