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ショパン (1810-1849)

CD ピアノ作品集 コルトー、ホロヴィッツ、ルービンシュタイン、リパッティ、アルゲリッチ、他(10CD)

ピアノ作品集 コルトー、ホロヴィッツ、ルービンシュタイン、リパッティ、アルゲリッチ、他(10CD)

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    ウォーターフィールド  |  愛知県  |  不明  |  2017年06月01日

     フランスのディアパゾン誌が編集したショパンのCD 10枚組。フランスの12人のピアニストと、評論家、音楽学者によって歴史的名演が1曲毎に選定されている。フランス人による選曲だから、演奏者がフランス人に偏っているきらいがあるけど、今まで、こう言う企画の出版がなかった。ディアパゾンの歴史的快挙である。こんなに凄いショパン演奏には圧倒された。大半の曲がモノラル録音である。ピアノのタッチと響きが圧倒的なクリアなサウンドで迫ってくる。音の結晶がとびっきり際立っている。小気味良い音空間に包まれて身も心も投げ出して音を浴びる、最高の愉悦がある。ここにショパンの決定盤がある。今までに幾つものショパンCDセットを買い求めて聴いてきたが、なかなか満足出来ないでいた。やっと満足出来るCDセットに巡り会えた。ただ、CD9でピアノ協奏曲第1番にシフラ演奏の曲がルイサダによって選曲されているが、これはいただけない。アラウ演奏の曲に入れ替えた。ショパンのピアノ音楽は、ショパンの枠に留まらず、クラシック・ピアノ音楽の最高峰を築いている。ランゲの花の歌のような美しいもののスタンダードな音楽的表現だけでなく、ベートーヴェンのピアノ・ソナタの演奏に見られるような、音で演奏者が有している全知全霊があらわになってしまう哲学的実存を要求していて奥が深いのが人々に永遠に愛される理由のようだ。このCDセットをこの先長く愛聴して行きたい。  CD1は、25曲のPRELUDESと5曲のBALLADESだ。3曲のバラードを除いて27曲は、すべてアルフレッド・コルトーの演奏だ。トータル演奏時間80:14、演奏者の全身全霊で演奏されているのが分かり、ピアノの奏でる音で、人間の奥深い美しさを見せつけられてたっぷり堪能させてもらった。CD2は、ETUDESだ。24曲のエチュード(Op.10の12曲[演奏:パウル・バドゥラ=スコダ、録音:1956]とOp.25の12曲[演奏:サンソン・フランソワ、録音:1959])と3つの新しいエチュードとボーナス版(ダブリ版)7曲だ。(選定:Op.25を除いてポール・ド・ルイ、Op.25はエティエンヌ・モロー)Op.25は全曲とも演奏ヨゼフ・レヴィーンで良かったのではと思う。トータル演奏時間79:36、演奏者の精魂込めて演奏されているのが分かり、ピアノの奏でる音で、練習曲の美しさ、可愛らしさを見せつけられて堪能させてもらった。CD3は、POLONAISESだ。9曲のポロネイズと、1曲のボーナス版(ダブリ版)ポロネイズ「英雄」だ。選曲はトラック1がガエタン・ノーロー、トラック2がラン・ラン、トラック3からトラック10がローラン・マルシニクだ。アルトゥール・ルービンシュタイン演奏のポロネイズが4曲(トラック番号2,6〜8)も選ばれている。モノラル録音だけれど、何れも演奏、録音とも素晴らしい出来だ。トータル演奏時間79:04、演奏者の全身全霊で演奏されているのが分かり、ピアノの奏でる音で、人間の奥深い美しさを見せつけられてたっぷり堪能させてもらった。トラック番号5(Op.26 No.1 ヴラディーミル・ソフロニツキー演奏)なんかはしびれる。ポロネイズはショパンの傑作だと思う。CD1枚1枚に夢中になって聴いている。こんなこと初めてだ。CD4は、NOCTURNESだ。トータル演奏時間が63分で、ちょっと少ないけど、1ダース(12曲)で区切った感じだ。演奏が心に染みるのは当たり前で、プラス・アルファが足りない演奏が多い。選者ジャン=ジャック・エーゲルディンゲルの力不足か、名演奏が少ないのか、不明である。他のCDのように、もっと心を奪われる演奏を期待していた。トータル演奏時間63:22、演奏者の全身全霊で演奏されているのが分かり、ピアノの奏でる音で、人間の奥深い美しさを見せつけられてたっぷり堪能させてもらった。CD5は、NOCTURNESとIMPROMPTUSだ。8曲のノクターンと4曲の即興曲とボーナス版(ダブリ版)ノクターン2曲と即興曲3曲だ。CD5の曲の選者はガエタン・ノーローである。ショパンはノクターンを全部で21曲作曲しているが、このCD4とCD5でノクターンは20曲演奏されている。多分第21番ハ短調(遺作)だけが演奏されていない。即興曲(演奏者ミェチスワフ・ホルショフスキ)って、歴史的名演でもこんなもんか。いや、ボーナス版のノクターンと即興曲の方が出来が良い。トータル演奏時間76:03、まあまあ満足である。CD6は、SCHERZOSとMAZURKASだ。4曲のスケルツォと14曲のマズルカと2曲のボーナス版(ダブリ版)マズルカだ。スケルツォは歴史的名演奏に相応しく素晴らしい出来だ。作曲家のセルゲイ・ラフマニノフが1曲演奏している(録音1925)。マズルカは6曲をウラディミール・ホロヴィッツが(録音1949-1950)、8曲をウィリアム・カペルが(録音1951-1952)演奏している。何れも旋律だけでなく、音色(干からびた金切り音)、タッチ、テンポ、抑揚の一級の味わい深い演奏(これぞ歴史的名演奏)を聴かせてくれている。トータル演奏時間76:58、演奏者の全身全霊で演奏されているのが分かり、ピアノの奏でる音で、人間の奥深い美しさを見せつけられてたっぷり堪能させてもらった。CD7は、MAZURKASだ。12曲をイグナーツ・フリードマンが、アルトゥール・ルービンシュタインが6曲を1938-1939に、4曲を1955に演奏したものが採用されている。前者の6曲と後者の4曲では、まるで別人が弾いているようである。どっちも素晴らしい。演奏家のピアニズムって、わずか20年足らずでこんなにも変わるものか。さらに前のトラックと同じ曲を1曲グリゴリー・ギンズブルクが演奏しているが(ライブ録音、アルド・チッコリーニ選定)、これは良くない。続いて5曲をマリラ・ジョナスが、5曲をニキタ・マガロフが演奏している。いずれも歴史的名演奏と呼べるもので、聴いていてワクワクするし、素晴らしい出来である。トータル演奏時間82:06、演奏者の全身全霊で演奏されているのが分かり、ピアノの奏でる音で、人間の奥深い美しさを見せつけられてたっぷり堪能させてもらった。CD8は、WALTZESだ。13曲をディヌ・リパッティが演奏している(ライブ録音、1950)。ボーナス版(ダブリ版)が12曲入っている。歴史的名演奏に相応しく、こころにグイグイ食い込んでくる。作曲家のセルゲイ・ラフマニノフが2曲演奏している(録音1927, 1930)。トータル演奏時間73:39、演奏者の全身全霊で演奏されているのが分かり、ピアノの奏でる音で、人間の奥深い美しさを見せつけられてたっぷり堪能させてもらった。CD9は、CONCERTOSで冒頭でも書いたように、ピアノ協奏曲第1番がジョルジュ・シフラ演奏の曲であるが、ルイサダの選曲眼が良くない。第1番は良い演奏が目白押しである。わしは、クラウディオ・アラウ演奏の曲に入れ替えた。演奏の質も録音も最高である。末永く愛聴するためには、やむを得ない。おかげで、CD-Rが80分をオーバーしてしまったのでタランテラを削除した。ピアノ協奏曲第2番はギオマール・ノヴァエス演奏の曲がモノラルだけど、凄い出来で圧倒された。ジェド・ディストラーの選曲を褒めるしかない。子守歌(ベルセウス)、エコセーズとも演奏が素晴らしい。トータル演奏時間79:20、演奏者の全身全霊で演奏されているのが分かり、ピアノの奏でる音で、人間の奥深い美しさを見せつけられてたっぷり堪能させてもらった。CD10は、SONATASとFANTAISIE、BARCAROLLEだ。ピアノ・ソナタはショパンの一番苦手な分野みたいだ。アルトゥール・ベネデッティ・ミケランジェリと言い(ソナタ第2番)、ヴィルヘルム・ケンプと言い(ソナタ第3番)、役者は揃っているけど、作品の精彩が欠ける。ファンタジーはギオマール・ノヴァエスが演奏しているけど、ネルソン・フレイレの選定がまずいようだ。舟歌(バルカローレ)は、ディヌ・リパッティ(録音1948)と、ダブリでマルタ・アルゲリッチ(録音1960)が演奏している。両者とも演奏が素晴らしい。さすが歴史的名演奏である。トータル演奏時間80:08、ピアノの奏でる音で、何とか美しさを見せつけられて堪能させてもらった。

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