レクィエム リヒター&ミュンハン・バッハ管弦楽団、ミュンハン・バッハ合唱団
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にのしのろのやのと | 東京都 | 不明 | 2015年10月30日
昔からあまり評価されていない…けれども、モーツァルトのデモーニッシュな、というか、真っすぐな感情が伝わってくる佳演だと思う。 リヒターといえばバッハ、そのことが仇になって正しい評価を受けていないのかもしれない。 確かに女声のソリストを除けば、超一流の布陣とも言いがたく、もう少しなところは散見される。ではあれど、バロックの余韻がまだモーツァルトの世代にも、かすかな残照として残っていることを、演奏で証明したことは、それをとても早い時期に証明したことは、もっと認められて良いに違いない。 古楽が素晴らしい成果を築き、特殊なものでもなくなった今は、この演奏は古臭く聞こえるひともおられるだろう。 しかしマリア・シュターダーがTe decetと初めて歌いだす瞬間、他の演奏には決して出会ったことのない、清々しさ、そして自らの心の中のざわめきを感じるのは私だけではないと思う。全てを突き抜けて、真っすぐに走る光の筋を見るひとは私だけではないと思う。 それに続く合唱の熱さ、これこそデモーニッシュと言えないだろうか。 私の友人がこの全曲を聞き終えて漏らしたことば…こころの中に刃がいくつもいくつも突き刺さるよう…何十年経っても忘れられない。1人の方が、このレビューに「共感」しています。
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