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ワーグナー(1813-1883)

DVD 『パルジファル』全曲 S.ラングリッジ演出、パッパーノ&コヴェント・ガーデン王立歌劇場、S.オニール、他(2014 ステレオ)(2DVD)(日本語字幕付)

『パルジファル』全曲 S.ラングリッジ演出、パッパーノ&コヴェント・ガーデン王立歌劇場、S.オニール、他(2014 ステレオ)(2DVD)(日本語字幕付)

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    村井 翔  |  愛知県  |  不明  |  2014年11月29日

    2013年12月、つまりワーグナー・イヤー最後の月の収録(HMVレビューの収録時期情報は誤り)。演出はとても良く考えられている。ジャケ写真の通り、舞台中央にアンフォルタスの病室が置かれているが、ここを一貫していわば副舞台として活用しようというアイデアだ。退屈になりがちな第1幕では、クリングゾールの自己去勢、アンフォルタスが傷を負う、パルジファルの両親など、過去の出来事をこの中で説明的に見せる。両端幕の終わりでは、この病室が聖杯を覆う箱にもなる。ただし、聖杯騎士団はここでもあまり好意的に描かれず、聖杯開帳の儀式はかなり怪しげ、かつ同性愛的な、カルトな儀礼になっている。これはなかなかの見もの。第1幕で白鳥の死体を埋めた場所から第3幕になると草が生えてくる、第2幕終わりのクンドリーの呪いでパルジファルが一時的に盲目になる、など細部へのこだわりも面白いし、あらゆる可能性が試された感があるエンディングも、そうかまだこの手があったかと思える斬新な幕切れ。ワーグナー自身の異性愛否定思想には反するが、とても秀逸だ。けれども、この演出で特に重要なパルジファルとアンフォルタスが主要キャストの中で最もメリ込んでしまったのは、演出家にとって手痛い計算違い。 オニールは立派な声の持ち主だが、すこぶる野性的で、全く知的に見えないのは何とも残念。オペラ後半の感銘を大きく減ずる結果になってしまった。フィンリーも熱演だがすべてが型通り、想定範囲内という感が否めない。デノケのクンドリーはさすが。マイアー以後では最も存在感あるクンドリーだ。ホワイトのクリングゾールも堂々たる歌唱(槍を持つ姿は、どうしてもヴォータンを思い出してしまうが)。パーペのグルネマンツは相変わらず完璧なハマリ役と、他のキャストはすべて良い。パッパーノの指揮は綿密かつ周到。一昔前までは、こういうオペラでは全くダメだったコヴェントガーデンのオケも非常に質が高い。

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