晴耕雨読  |  不明  |  不明  |  2014年12月30日

80年代以降のナイアガラの集大成。残念ながら大瀧さん本人による制作は実現しなかったが、こうして発売が決定したことは良かったと思う。 ただ、理解しがたいのは、DISC-1が『A LONG VACATION SINGLE VOX』になっていて、きちんとした形の『ロンバケ』が収録されないことである。 言うまでもなく『ロンバケ』は、80年代ナイアガラの最重要作品であり、日本の音楽史にも欠かせない名盤である。その『ロンバケ』が本来の形で収録されないとはどういうことか。 そもそも『A LONG VACATION SINGLE VOX』は実際には存在しない作品であって、本家の『ロンバケ』を押しのけてまで、このボックスに収録する意味がわからない。公開された曲順を見たが、これでは『ロンバケ』の良さが十分に味わえるとは言い難い。 百歩譲って、どうしても『SINGLE VOX』を収録したいのであれば、本家の『ロンバケ』もきちんと収録した上で、もう１枚収録すればよかろう。実際『EACH TIME』はそういう扱いになっているではないか。 こんな形では、大瀧さんが『NIAGARA CD BOOK 1』(2011年)の時にオリジナル・フォーマットを重要視した姿勢が、無視されていると言わざるを得ない。残った人達の自己満足で、このような重要な商品の内容が左右されるべきではない。 オリジナル通りの音源(バージョン)・曲順・ジャケットで、『ロンバケ』を正しく収録した編集内容になることを切に希望したい。