『メフィストーフェレ』全曲 カーセン演出、ルイゾッティ&サンフランシスコ歌劇場、アブドラザコフ、ヴァルガス、他(2013 ステレオ)
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村井 翔 | 愛知県 | 不明 | 2014年10月12日
カーセン演出の『メフィストーフェレ』は彼が今日知られるような名声を築くに至るきっかけとなった出世作とのこと。1989年の録画も愛聴していたが、最新の再録画はありがたい。最初の「天上のプロローグ」を見ただけでも、この演出の優秀さははっきり分かる。演技の細部は1989年版と若干の違いがあるが、基本的なコンセプトはもちろん一緒。「ワルプルギスの夜」の場で男性たちが局部(実は作り物だと思う)を露出しているのが見えるのは、時代の推移と言うべきだろうが、そんなに「型崩れ」しているという印象は受けない。主役メフィストーフェレでは1989年版のレイミーが忘れがたいが、アブドラザコフもまあ悪くない。ラモン・ヴァルガスはいつもながら。彼もかなり年齢を重ねたはずだが、相変わらず童顔なので、老学者ファウストには見えない。ラセットもまあまあだが、彼女もマルゲリータよりはエレナ向きだ。ルイゾッティの指揮は手堅いが、もう一歩の踏み込みが欲しい。1人の方が、このレビューに「共感」しています。
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