交響曲第7番『夜の歌』 ドゥダメル&シモン・ボリバル交響楽団
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村井 翔 | 愛知県 | 不明 | 2014年11月16日
実に意外だが、にもかかわらずとてもいい演奏。このコンビ、ライヴでは大いにパワフルだが、かなり荒っぽいという印象があったのだが、見事にはずれた。この曲の基軸である暗と明のコントラストを細かく描くのは苦手だが、その代わり終楽章のどんちゃん騒ぎはさぞ盛大にやってくれるだろうと思ったのだが、これもはずれ。ここでのシモン・ボリバル響はいつのまにこんな洗練されたオケに変身したのかと思うほど、表情が細やかでしかも自然だ。終楽章もやや速めのテンポではあるが、対位旋律の表出が克明で、むしろ着実な演奏。ラテン・アメリカ風のところなど、どこにもない。もはやドゥダメルにとっては、マーラーの7番だって特に異化効果を意識すべき音楽ではなく、ごく自然に「美しい」作品なんだろうね。7番はやっぱり「変な曲」だと感じさせる演奏も依然として魅力的だけれども、その対極にこういうアプローチがあってもいい。技術的にも極めて高度な演奏だ。1人の方が、このレビューに「共感」しています。
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John Cleese | 静岡県 | 不明 | 2014年10月13日
いや、これは凄い演奏が現れたものです。10代の大昔に買ったショルティ先生のデッカLPを皮切りに、おそらく三桁の数は収集しているであろうこの曲のディスクのなかで、はじめてです、マーラーの全交響曲の中でも突出してまとまりの無い音のコラージュであるかのような、この曲の持つ前衛性をまるで感じない演奏は。月並みな言い方ですが、もはやマーラー7も古典だな、と強く感じました。尖がってもいないし、それほど奇怪な曲だという印象もこの演奏からは感じられません。普通に名曲。オーケストラの名人芸が生きる立派なシンフォニー。それほどドゥダメル先生は、前の9番ではまだ生硬だった面影はここでは微塵も無く、次から次へと変化する曲想にほとんど本能的といいますか、直感的に付与していく表情がまことに軽快、リズミカルで自然なのです。生き生きしているっていいますか、この生きのよさは、前にリリースされているベートーヴェンの3番に通じるものがあります。前のマーラーの9番はロス・フィルだったですが、今回の7番の肩の力の抜けた自然さは、気心の知れたシモン・ボリバルってこともプラスに作用しているのかもしれません。よく論議の的になる謎めいた数々の曲想もパロディだろうが自己韜晦だろうが、そんなことどうでもいいじゃん、こんな楽しい音楽なんだよ、って言っているように思えます。7番でベスト一枚選べって言われたら、クレンペラー大先生の怪演かテンシュテット先生の熱いライヴを選ぶことになりそうですが、実はいまだによく取り出して聞くのは朝比奈先生の八方破れのライヴ盤だったりします。しかし本演奏も結構この先繰り返し聴く頻度が高くなりそうな予感です。録音もいいです。4人の方が、このレビューに「共感」しています。
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