Fred Hersch

CD Floating

Floating

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    hiro  |  愛知県  |  不明  |  2014年07月14日

    2014年4月にトリオで来日公演を果たした米国のピアニストFred Hersch(1955年生)から、新作「Floating」が届けられました。 私は、2007年に倒れ、生死の境を彷徨ったというHerschの体調がずっと心配で、このジャケット裏のポートレートも心なしかやつれて見えてしまいます。しかし、中身の音楽はキリッとしており、人生の苦難を乗り越えた末のHerschの魂の輝きが感じられるような演奏となっています。 バックを務めるのは、復帰後、初のトリオ作品となった「Whirl (2010年)」、そして「Alive at the Vanguard (2012年)」と同じ、John Hebert (b)とEric McPherson (ds, per)。 10曲中、7曲がHerschのオリジナル。タイトルは、「浮遊、漂い」というほどの意味でしょうか?Herschの現在の心境を意味しているのかもしれません。 アルバムは、「Night & The Music (2007年)」にも収録されていた「You and The Night and The Music」からスタート。かなりのアレンジが施されており、斬新な曲に変身を遂げています。Herschの意気込みが、こちらにもひしひしと伝わってくるような演奏。 続く「Floating」は、一転して落ち着いた曲調で、キラキラとした繊細なピアノの響きに満たされます。 これも、しんみりと聴かせてくれる3曲目「West Virginia Rose」は、母親と祖母に捧げられているそうです。ジャケットのフォト、鏡のような湖面に浮かぶガラスの家の情景がピッタリの曲。 4曲目「Home Fries」は、ベースのJohn Hebertに捧げられています。軽快なタッチで、Herschの生きる喜びが込められているかのようです。 5曲目「Far Away」は、リリカルなHerschのピアノが耳に残る曲。 躍動感あふれる6曲目「Arcata」は、3人が有機的に絡み合った素晴らしい演奏が展開されます。 7曲目「A Speech to the Sea」は、静かに囁きかけるようなピアノが心に浸みる曲。HebertもHerschのピアノと対話するかのようなベースソロを披露。 8曲目「Autumn Haze」は、同じピアニストのKevin Haysに捧げられています。時にダイナミックさも感じられ、Herschの快調ぶりを証明するような曲。 9曲目のスタンダード「If Ever I Would Leave You」は、ロマンチックな曲調で、美しいメロディをしんみりと歌うピアノの音が部屋中を満たすかのようです。 小粋で、リズミカルなThelonious Monkの「Let’s Cool One」で、アルバムは締めくくられます。McPhersonも元気なドラムスを聴かせてくれ、Herschの好調ぶりを支えています。 Herschには、これからも、ずっと元気でプレイを続けてもらいたいと思います。

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